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セッション2

「電子商取引が切り開くネットワーク経済」


日本の課題1

From: 程 近智
 Subj:【1】ECビジョンの欠如

関口さん(プライバシー保護【4】問題提起)や市川さん(プライバシー保護【4】問題提起)のご指摘にあった商習慣や規制など細かいものが、確かに沢山あります。 企業内にも稟議書に関係者全員の閲覧と捺印が必要だとか電子化を阻む慣習が沢山あります。しかし、これらを一つ一つ潰して行くには相当な時間と労力が、かかると思います。この状況を打開するにはいろいろな方法が考えれますが、日頃問題だと思う幾つかのことがあります。

1)行政の実行力不足
政府が民間に先駆け行政関連サービス(例えば、印鑑証明書、住民票など各種証明書の提供や様々な申告書類の作成など)のワンストップ化やOnline化を率先して加速する。本日の新聞には米国では1000万人近くの人がネット利用による、納税申告をする見込みと書いてありましたが、これでは益々日本と米国のEC化の差が広がってしまうなと思います。勿論、日米の納税についての方法や状況は違うので、同じことはすぐには難しいと思いますが、日米政府の実行力には歴然とした差があるのではないでしょうか?

ある総務庁の高官OBが言うのには、行政のEC化の一番のネックは国レベルではなく、地方自治体、特に地方の議員サンたちの理解不足だそうです。 情報化イコール人員削減に結び付けてしまうようです。

2)国家レベルのビジョン・リーダーシップ欠如
さらに、日本の課題は、政府・行政の実行力だけではなく、国レベルのECまたは情報化ビジョンの欠如でないでしょうか?いくつかの省庁がビジョンに類似したものを白書等で毎年発表していたり、通産省などは積極的に産業・社会情報化基盤整備に補正予算を当てていますが、 工業化経済からデジタル経済への移行を国としてどう活用して、人々の生活や企業の国際競争力に生かすなどを明らかにした、国民一人一人にも分かり易いビジョンを私は見たことがありません。

クリントンやゴアーのようなプレゼンテーション力は期待しませんが、小渕さんが国民に明確にするのに値する重要な国家レベルのテーマだと思います。経済戦略会議」のように「情報化戦略会議」を組織すべきだだと思います。

少々抽象的に成った感がありますが、プライバシー保護や決済などのインフラも勿論大切ですが、もっと国民一人一人に働きかける「夢」や「希望」という側面が、今の日本に一番欠けているのではないしょうか。


From: 関口 和一
 Subj:【2】論点の提起

「日本の課題」というと漠然としていて申し訳ありませんが、この際、思いつく問題点を皆さんですべて出し尽くしましょう。

【1】程近智
1)行政の実行力不足政府が民間に先駆け行政関連サービス(例えば、印鑑証明書、住民票など各種証明書の提供や様々な申告書類の作成など)のワンストップ化やOnline化を率先して加速する。
2)国家レベルのビジョン・リーダーシップ欠如さらに、日本の課題は、政府・行政の実行力だけではなく、国レベルのECまたは情報化ビジョンの欠如でないでしょうか?

まったくもって同感です。私は90年から94年までワシントンにおりまして、ちょうどクリントン政権の誕生や、情報スーパーハイウエー構想の登場を近場でみておりましたが、日米の最大の違いは政府が情報化を戦略としてしっかり打ち出したかどうかの差だと思います。

お金がないのは、日米とも同じですが、日本は電子商取引について通産だけでも500億円もの予算をつけ、従来の箱物行政的な形をとったのに対し、米国はあまりお金をかけず、大統領府が中心となって情報化に必要な規制緩和や仕組み作りの方に力を入れたようです。具体的にいうと、

(1)文書削減法(PRA)
政府の文書を極力減らすことをうたい、IRS(内国歳入庁)の電子確定申告などが大きく進んだ。連邦政府職員の25%カット計画もこうした情報化をベースに打ち出した。
(2)GSA(政府調達庁)ルール見直しによる電子入札の推進
GSAの調達ネットである「FACNET」をインターネットとつなぎ、政府調達は電子入札を原則とした。これにより中小企業などにも電子化の気運が高まった。
(3)電子情報自由法(EFOIA)
米国では1966年に情報公開法を作り、96年には30年後の見直しとして頭に「E(電子)」をつけ、インターネットによる情報公開を促した。SECの企業情報データベースの「EDGAR」などが公開されたのは、こうした背景があり、企業と政府とのつながりがかなり電子化された。

ほかにも例はたくさんありますが、日本の場合は、電子商取引を推進する立場にある通産省管轄のECOMが紙による報告書をたくさんつくらねばならなかったようですが、これは本末転倒というものではないでしょうか。政府は予算をつけたり、電子商取引のスキームを国家プロジェクトとしてやるより、政府自らがまず電子化し、政府と民間の間がもっとスムーズに情報が流れるような形をつくるべきです。

霞が関のワイドエリアネットワーク「霞が関WAN」にしてもようやくメールが交換できるようになったくらいで、各省庁間で電子的に情報交換できるようになるにはまだしばらく時間がかかると聞いています。それから税法の面でも領収書を長期間、紙で保存しなければならないなど、せっかく民間が情報化、EC化しても、政府の存在がそれをじゃましており、二重投資にならざるをえないような状況こそ、ECが盛り上がらない最大の原因だと思いますが、いかがでしょうか。

官邸についても「高度情報化社会推進本部」なるものがあるわけですので、もっと積極的に各省庁を巻き込んだ情報化ビジョンを出していただきたいと思います。


From: 櫻井 豊
 Subj:【3】ECビジョンの欠如〜ビジョンの出る仕組

【1】程近智
2)国家レベルのビジョン・リーダーシップ欠如さらに、日本の課題は、政府・行政の実行力だけではなく、国レベルのECまたは情報化ビジョンの欠如でないでしょうか?

そもそも,そういうもの(ビジョンやリーダーシップ)が出てこないようにした仕組が,日本の国の体制なのではないでしょうか?そこ(国の仕組)から変えないと.....どうも,小手先でどうこうなる問題ではないような気がしてならないのです。


From: 三石 玲子 
 Subj:【4】日本社会の問題点

昨年の今ごろ、某社を手伝ってECOMの報告書を1.5メートルも作成しました。その感想も含めて問題点を書きますと・・

1)行政の安易かつビジョンなき関与(昨年の実証実験は見事に成果なし)
2)行政に予算付けをもちかける大企業(要するにどっちもどっちです)
3)決済議論の先行
4)3)に連動したモールという陳腐化しつつあるビジネスモデルへの傾斜
5)3)4)に見られる見事なほどのセンスのなさ、マーケティング不在
6)5)に関しては当事者たちも自らなげいていますが、改善に結びつかない組織的・体質的要因の不思議さ
とにかく、決済をテーマとするモールモデルの横行で、日本のECは3年分位進歩が滞ってしまったように見受けられます。その分、こんな話に関係ない中小電子商店の人たちはやたらに元気ですが。

昨年いくつかの審査員をしました。その感想ですが、日本のウェブのレベルは
non profit>企業のマーケティングサイト>ECサイト
の順のように見えます。non profitのサイトには本当にレベルの高いものが多いですが、いざ金もうけが前面に出ると(企業の看板を背負うと)、センスが一気に消滅するようですね。


From: 磯崎 哲也
 Subj:【5】「証券市場」が鍵

アメリカの電子商取引が、株式市場と切り離してここまで発展できたか?、というのを、ちょっと考えていただければ容易におわかりいただけると思いますが、電子商取引における「日本の課題」は、「証券市場の発達」に尽きるのではないか、と思います。

■要約(長文、恐縮です)
・Amazon.comのような企業には、日本の現状では資金が十分に付かない。
・これは日本が極度に間接金融に偏った資金供給構造になっているため。
・理論的に考えても、電子商取引で利益を出すのは大変難しい。ベンチャーでも「スピードの勝負」に勝てる資金供給が不可欠。
・株式は、経営者のインセンティブの観点からも重要。
・電子商取引の発展は、証券市場の発展と表裏一体なのだ。
・こうした証券市場を変えるアクションは「役所がやればいいこと」ではない。証券市場は、まさに「インターネット的」な市場であって、ベンチャー的な企業が関われるところが魅力なのだ。
・特に、インターネットを使ったオンライン証券取引は、電子商取引の興味を喚起する上でも、収入の供給を行う上でも重要。
・上記のように考えて、今、オンライン証券取引の会社を立ちあげています。 (^^)/

■以下詳細
●電子商取引のベンチャーに資金が付かない日本のしくみ
電子商取引の「代表格」である Amazon.comは、ご存知の通り、直近一年間で、年間 80億円もの赤字を垂れ流しています。ところが、アメリカではこの会社の株式の時価総額は、(良かれ悪しかれ)、2兆円近く(!)にも評価されています。粗利が 23%しかない本を通販しているド赤字会社が、ですよ。(Amazon.com社を悪くいうつもりはございませんで。日本なら「粗利が23%しかない本を通販しているド赤字会社」、と言われてしまうところだが、の意です。)

ご存知のように、日本は個人金融資産1200兆円の6割もが預貯金という、極めて間接金融にウエイトがおかれた資金の流れの構造になっています。これは、アメリカの個人金融資産に占める預貯金の割合が15%程度しかないのと比べて非常に対照的です。

間接金融、すなわち貸付けというのは、金利は取れますが、株式のように元本自体の価値が何倍にも跳ね上がることは期待できません。だから、どうしても慎重にならざるを得ない・・。日本でこんな会社に銀行やノンバンクが貸付けを行ったら、その貸付金は、それこそ「不良債権」扱いでしょう。

●「スピード命」=カネの供給が生命線
経済理論的に考えて、インターネットで情報が非常に伝達しやすくなって、一物一価が強力に働くとすると、インターネット上のビジネスで利益(超過利潤)を出すことは難しくなります。(もちろん、商品自体が差別化できていれば話は別ですが、それは電子商取引固有の問題ではありません。)

また、同じ物を売るなら、既存の企業のほうが有利に決まっています。だから、インターネットで、今までにもあったようなものを売るビジネスを新たに立ちあげて、既存の企業に勝とうと思ったら、急速に成長して、既存企業と対抗できるようにまでなること、つまり「スピード」が重要です。

そのためには「カネ」の補給がスムースにつくことが極めて重要です。いいところまで来たのに、銀行などに「これ以上の金は、もうちょっと経営が軌道に乗ってからじゃないと出せない」というようなことを言われて弾薬が尽きたら、そこでアウトです。

●株式によるインセンティブ
もうひとつは、経営者のインセンティブです。フローの面からは大儲けが期待できない(それどころか赤字垂れ流し)という状況が続くことが想定され、赤字企業なりの年収しかもらえないとしたら、多大なリスクを犯してそんなビジネスをはじめるヤツはいません。株式を高値で売却して大金持になるチャンスがある、というなら話は別です。

●ベンチャー無しで電子商取引が始動するか?
電子商取引におけるベンチャーの役割は極めて重要ですよね。もちろん、電子商取引マーケット全体では既存企業も重要ですが、その大企業を電子商取引に駆り立てたものは、ベンチャーでしょう。アメリカでも、仮に、電子商取引のベンチャーが登場していなかったら、大企業だけで既存のチャネルとコンフリクトがある新たな流通チャネルに手を出したでしょうか?手を出したところもあるでしょうが、ここまでの盛り上がりは見せなかったのは確実でしょう。

●「証券市場の整備」は「お役所の仕事」か?
日本では、電子商取引というと、電子決済や物流などの「フロー」面についての議論が中心ですが、上記のように考えてくると、電子商取引を始動させるためには、「ストック」の側面の環境が整っていないといけないことがわかるかと思います。

日本で電子商取引に関与していらっしゃる方のほとんどは「おれは金融なんかには興味が無い」という方ではないかと思います。しかし、エンジンが始動しないのに、コーナーリングやブレーキングの話をしててもしょうがないわけでして。つまり、電子商取引のためにも、日本も証券市場を活性化させる必要があるわけです。

これも「それは大蔵省や金融機関の仕事だろ?」というのが、日本の電子商取引関係者の方々の一般的なお考えではないかと思いますが、・・・違います。銀行などの間接金融と異なり、証券市場というのは、投資銀行、ブローカー、クリアリング会社からはじまり、投信運用会社、投信の評価会社、など、非常に多岐にわたる業態が協調分散してうごいています。

銀行というのは、今後も簡単に始められるもんじゃないわけで、通信業界でいけば電話のキャリアみたいなもんですが、証券市場というのは、まさにインターネット・プロバイダ業界のようなもので、非常にたくさんの企業が入り乱れ、協調・競争して動くものですし、小さな企業でも参入のチャンスがあります。現に、アメリカでは万単位の証券関連企業が存在します。

●電子商取引の発展と表裏一体で結びつく「オンライン証券取引」
特に、電子証券取引は、電子商取引発展の関連とも重要に結びついています。アメリカでは、インターネット等のネットワークで証券取引をする量が、個人投資家の取引量の3割にもなってきていますが、当然のことながら、インターネットで証券取引をする人は、必ずインターネットユーザーであり、電子商取引にも興味があるでしょうし、電子商取引関連の企業の株に興味を持ち、その株を購入する可能性も高いわけです。

また、電子証券取引は、電子商取引関連の収入源にも大きく寄与しています。ポータルサイト等の広告出稿額の上位には、電子証券取引企業がずらずら並ぶのはご存知の通りです。ポータルサイトのページビューでも、ファイナンス分野のアクセスは、トップクラスですし、こういうところに電子証券取引サービスのバナーやボタンが並んで、それが収入の大きな柱になってます。

●というわけで、オンライン証券取引始めます
・・というわけで、日本の電子商取引、さらには日本を変えるのは、証券市場の変革であり、そのためには、まずはオンライン証券取引を大ブームにさせなくちゃだめだ、と思って、現在、私、インターネットトレードの新会社の立ち上げを行っています。ちょっとまだ詳細を明かせる段階ではないのが恐縮ですが、すでに、日本の既存のサービスをはるかに上回るシステム及び技術をそろえて、猛然と準備を進めておりますので、請うご期待。 (^^)/


From: 飯坂 譲二
 Subj:【6】問題意識

おそらく、これについて詳しく論ずると一冊の本になってしまいます。e−mailで議論できる範囲ということで、私は次の点を挙げたいと思います。

1: 日本の社会に必要な情報リソース、開発と整備を急ぐこと!
データ・ウェアハウス、コンテンツなど類似語がありますが、情報リソースはその利用によって、社会の生産性を高め、より優れた経済、環境、生活を営めるのに必要なものです。その有効利用が図れるインフラの整備も急がねばなりませんが、一旦その味の良さを味わえば、あっという間に、日本にはそれを整備してしまう力があります。問題は、味わったことの無い人たちが、料理の本のみを頼りに、議論したり、そのおいしい料理にそっぽを向いているのではないでしょうか。

2: 情報イリテラシーをなくすこと。
日本が近代化に成功した大きな理由の一つは、江戸時代に農民まで普及した寺子屋の読み書きの教育と、明治以後の義務教育があると思います。いまはそれに次ぐ大きな変革期といわれています。情報イリテラシーをなくすことは、学校にインターネット用のPCを導入すればよいというものではありません。

企業の経営者や管理職層の情報イリテラシーは、インターネット時代における企業や社会の方向を誤らせる危険が大きいとおもいます。政治家も官僚もこの意味での意識改革を勧めなければならないでしょう。教師、企業内の管理職、中小企業経営者の再教育も必要で、中でも教育者の再教育が急務であると同時に、マルチメディア機能を駆使した新しい教材の整備も不可欠です。

3: メディアの意識改革を!
インターネット時代にふさわしい改革は、日本国民のあらゆる層で求められています。政治の改革は、選挙民の意識改革なしではできません。行政改革も、政治家の意識改革、企業の意識改革、国民の意識改革なしには進みません。医療システムも年金システムも、教育システムも同様、また、土地に対する意識がかわらなければ、大衆は末代まで、ローンの支払いに追いまくられます。

この意識革命はメディアの力なくしては不可能であるだけに、メディアの意識と規範の改革がインターネットにまつわる日本の諸問題を解決に向かわせるための必須条件だと思います。


From: 飯坂 譲二
 Subj:【7】ECビジョンの欠如〜個の確立

【3】櫻井豊
ECまたは情報化ビジョンの欠如でないでしょうか?そもそも,そういうもの(ビジョンやリーダーシップ)が出てこないようにした仕組が,日本の国の体制なのではないでしょうか?そこ(国の仕組)から変えないと.....どうも,小手先でどうこうなる問題ではないような気がしてならないのです。

全くそのとおりですが、では一体誰が、シナリオ・ライターになるか、そこに問題がないでしょうか。これまで、あなた任せで、軍部や官僚のシナリオにまかせっぱなしできた思います。国民ひとり一人の意識と自立なしには、このシナリオは書けないとような気がします。


From: 関口 和一
 Subj:【8】和製決済手段の有効性は?

三石さん、さっそくのご指摘ありがとうございました。

【4】三石玲子
昨年の今ごろ、某社を手伝ってECOMの報告書を1.5メートルも作成しました。その感想も含めて問題点を書きますと・・
1)行政の安易かつビジョンなき関与(昨年の実証実験は見事に成果なし)
2)行政に予算付けをもちかける大企業(要するにどっちもどっちです)
3)決済議論の先行
4)3)に連動したモールという陳腐化しつつあるビジネスモデルへの傾斜
5)3)4)に見られる見事なほどのセンスのなさ、マーケティング不在
6)5)に関しては当事者たちも自らなげいていますが、改善に結びつかない組織的・体質的要因の不思議さ

とにかく、決済をテーマとするモールモデルの横行で、日本のECは3年分位進歩が滞ってしまったように見受けられます。その分、こんな話に関係ない中小電子商店の人たちはやたらに元気ですが。

私も同感であります。最近のサイトをみていますと、もうけが出ているかどうかはともかくとして、一応、立ち上がっているのは政府支援とは全く関係のないサイトのような気がいたします。それから大宮での郵貯のシステムにしてもVISAとの歩み寄りがあるわけで、必ずしも和製決済手段が一般的になっているとは思えません(もっともVISAは外資ながらECOMの実験に入っていますが)。

ECOMの批判はまったくするつもりはありませんが、多額の予算をつけたECOMで何が生まれたかの評価はしっかりとすべきではないかと思います。当時、渡辺さん(現通産次官)が「この実験は5000億円の経済効果をもたらす」とぶち上げていましたが、果たしてそれだけの成果があったのでしょうか。(数字が間違っていたらすみません)

ネット上での決済手段についても和製のプロトコルである「SECE」ができたわけですが、「SET」との比較でどういうメリットがあるのかもう少し理解できません。VISAの近藤さんや富士銀の三津間さん、それに日立の市川さんなど、このあたりに詳しい方、ご解説いただけないでしょうか?通産の鈴木さんもご覧になっていたらよろしくお願いします。

 


From: 勝屋 信昭
 Subj:【9】日本は危機的ではない

日本の課題について、国家のビジョン、日本人の個の確立とかなり哲学的な議論になっていますが、そんなに大騒ぎすべき状況なのかといささか疑問に思います。確かに、米国に比較すれば課題は多いでしょうが、それは米国以外のすべての国に共通の課題にも思えます。

以下の市川さんの指摘は、非常に尤もだと思います。このような状況を考慮すれば、そもそも日本のecマーケットが米国と比較して議論すること自体無意味だと思われます。日本の場合は、PCを使ってインターネットで物を買うことの価値が米国に比べて非常に低いことが下の分析からわかります。もっと言えば、インターネットチャネルにユーザーが移行しても、ユーザーを含めて誰も得をしない状況と言えます。

私の意見としては、日本では、PC以外のデバイス、ゲーム機、携帯電話、テレビ等からのインターネットが主流となり米国とはかなり違う行動支援的なサービスやアフターマーケット的なサービスが主流になると考えています。また、一旦、価値が認められるとその時の市場の動きは米国の比ではありません。(例えば、携帯電話は、完全に米国の普及率を上回った。)5年もしたら日本の方がインターネットの加入率が高くなっている可能性もゼロとは言い切れないでしょう。

B2Bの領域での遅れや政府のインターネットを使った行政の効率化が進展しないことは、日本企業にとって、日本国民にとってマイナスですが、B2C(サイバーショッピング)の領域は、あまり日本が遅れているというような認識を持たない方がよいのではないでしょうか。

市川明彦
3.次に「コストパフォーマンス,ベネフィット向上」について考えます。今年正月そうそう、私は何人かの方々から「12月の米国サイバー・クリスマス商戦に比べ、日本のそれが小さいのは何故か」と尋ねられました。私は、米国でサイバーショッピング、Webビジネスが興隆している理由は、以下の様な点ではないかと勝手に推定しています。[( )内はそれに対応する日本の状況]

(1)税制がサラリーマンでも自己申告制で家計管理が必要だが、これにPC及び家計簿ソフトがあると便利で節税になるメリットがあるので、PC購入家庭が多い(源泉徴収のサラリーマンが多い)
(2)クレジット利用や公共料金は請求書払いであり、チェック郵送か、銀行払込での引落し指示に、PCをネットワークに接続して利用する方が、手間・コスト少なく管理し易い。(自動引落しが多い)
(3)通信料金が市内定額制で、時間を気にせず使える(電話代は時間従量制)
(4)国土が広く、昔から通信販売のカルチャがあって、自己責任や保護に関するコンセンサスがあり、提案ノウハウも積重ねがある。(リアルな店がすぐそこにある)
(5)書籍の再販制、運賃・手数料の事前届出制等の価格統制につながる規制が少なく、低価格メリットを出し易い(規制多く、低コストチャネルを生かしたダイナミックな価格難しい)
(6)EC環境を有効・有利に生かす様に機構・組織・業務をダイナミックに変える為のレイオフが可能(雇用保持の為、人を余らせられず、仕事の仕組みを変え難い)
(7)物流として[メーカー]−[卸]−[小売]の頑固な既存チャネル、既得権にとらわれないチャネル設定のカルチャーがある(大企業、古い企業業種程、既存チャネル保持は政治課題含みで無視できない)
(8)KBは英語入力に適しており、タイプライター等で慣れている(日本語は2ストローク必要でKBに慣れていない)

上記(1)や(2)は、今から変えるのは難しいし、どちらが良いかは判りません。EC環境利用によるコストパフォーマンス向上、ベネフィット享受に、日本で我々は(3)〜(8)について、対応、改善、工夫・努力の余地が十分あると思います。


From: 小池 良次
 Subj:【10】「証券市場」が鍵

磯崎さん【5】のご指摘、大賛成です。ちなみに、本日ニューヨーク証券取引所(NYSE)のリチャード・グラッソ会長の講演を聴いてきました。

1)証券市場の国際化
NYSEは来年中ごろから取引時間の大幅延長を導入するそうです。なんと朝5時から深夜0時までの3シフト制だそうです。その理由は証券市場の国際競争に勝つためだそうで、今後は南米や欧州企業のNYSE上場を積極的に取り組んで行くそうです。(残念ながら彼の口からアジアも日本も出ませんでした。)

また本国で資金調達に不自由する海外の優良企業はNYSEを使って資金調達ができる一方、「現在どんどん増えている大衆投資家へ付加価値の高いサービスを提供するためには国際化が重要だ」とも述べていました。この発想はアメリカでもう直ぐ機関投資家と大衆投資家の比重が逆転するからでしょうね。

2)IPOの重要性
また新規上場も(質を落とすことなく)積極的に取り組んで行くそうで、ここ数年でNYSEに上場した企業が5年後には全体の取引の3割前後を支えるまでに成長するだろうとの予想を述べています。磯崎さんのご指摘にある通り、日本の株式(金融)市場の遅れが通信や建設、港湾事業などいろいろな面でデメリットを与えていることは間違いないです。早く日本の証券市場も活性化しないと間に合いませんね。

【5】磯崎哲也
■要約(長文、恐縮です)
・Amazon.comのような企業には、日本の現状では資金が十分に付かない。
・これは日本が極度に間接金融に偏った資金供給構造になっているため。
・理論的に考えても、電子商取引で利益を出すのは大変難しい。ベンチャーでも「スピードの勝負」に勝てる資金供給が不可欠。
・株式は、経営者のインセンティブの観点からも重要。
・電子商取引の発展は、証券市場の発展と表裏一体なのだ。
・こうした証券市場を変えるアクションは「役所がやればいいこと」ではない。証券市場は、まさに「インターネット的」な市場であって、ベンチャー的な企業が関われるところが魅力なのだ。
・特に、インターネットを使ったオンライン証券取引は、電子商取引の興味を喚起する上でも、収入の供給を行う上でも重要。
・上記のように考えて、今、オンライン証券取引の会社を立ちあげています。 (^^)/


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