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お寄せいただいた主なご意見を紹介いたします。
皆様からのご意見をお待ちしております。お名前、勤務先・学校名、電子メールアドレスをお書きのうえ、サミット事務局(gis@nikkei.co.jp)までお送り下さい。
1.「ネットワーク経済と情報通信インフラ」
駒 勤 (ネットワンシステムズ株式会社 マーケティング本部)
本格的な議論が開始されました。これからが楽しみです。さて、第1クールとして通信料金の低額・定額化がテーマとなっています。議論の論点として、次の点が考慮されることを期待します。
それは、他の社会インフラも含めた比較をして欲しいことです。よく言われるように日本の場合、総じて社会インフラコストが高いと言われて来ました。それでも従来は世界一といわれるような繁栄も実現できた訳です。つまり、少々高くても普及利用されて来たものもあるわけですから、一概にインターネットインフラだけが例外扱いされることには疑問を感じます。様々なインフラコストをデジタル&ビジュアルに比較した上で、高い・安いの議論が尽くされることを期待します。
次に、NEC村田様のご提案にあったように、技術的にはQoSによるサービスレベルの多様化が模索されつつあります。こうした動きの技術的実現可能性と受容性をあわせて議論いただければ助かります。受益者負担原則は日本においても急速にその市民権を得ており、インターネットの世界にも通用する原則であると思います。安いに越したことはありませんが、安くする議論に加え、満足できる質の提供を受ける議論もなされることを期待します。
駒 勤 (ネットワンシステムズ株式会社 マーケティング本部)
定額制の議論を読んで、単純な疑問を感じています。
Kobayashi Hiroaki wrote:
従量制の料金はまことにけしからんということなるのです。
電気、ガス、水道、世に言う公益事業(つまり、社会的インフラ事業)はすべて従量制を採用しており、なかんずく逓増制となっています。なぜ、電話料金だけが定額制である必要があるのか、今ひとつみなさんの論旨が理解できません。安い方がよいから逓減制・定額制というのは、一般的に受益者負担の原則を大きく逸脱するものです。
日本でこんな制度を採用すれば、結局は大が勝ち、小は飲み込まれてしまうのではないでしょうか?中小企業や個人のインターネット利用率は所詮大企業のそれには遅れているのが実情です。三石様のコメントにあった様に、小の成功もビジネスチャンスを読みとるセンスとやる気、コンテンツの質量に負うところが大きいように思います。むしろ、税制上の優遇措置等でSOHOの開花を促進することで対応可能なような気がします。
定額で利益を享受する人たちがいる一方で、そのツケを払わされることになる一般利用者がいることをお忘れにならないよう、お願いします。それとも、現在の電話基本料を維持したままで、定額制が実現するという試算があるのでしょうか?むしろ、本論に戻って、以下の点を進めて下さるよう、お願いいたします。
- 電話網をインターネットに利用することから生じる問題点を解決する提言(早急にインターネット専用のインフラバックボーンの構築を行う、等)
- 参入障壁をなくすための政策提言(税制面での優遇措置、等)
堀口 正幸 (富士通BSC 第四システム事業部)
料金についてのいろいろな皆様の意見はそれぞれもっともな面をすこしづつもっていると思いますが、なぜそのような議論をしなければならないのかコンセンサスのないまま議論しているのではないでしょうか。
利用者が望む良いサービスを安い料金でやって事業が成りつつのであれば、だれかが事業を始めることにより勝者の交代が発生するのではないのですか。議論などしなくても変化するはずです。そのような方法でなく、政策的、公共負担でネットワークを作る議論であるなら、調整が必要です。皆さんは何の議論をしているのでしょうか。
池 隆文 (住軽アルミ箔)
昨年に続いて本年も素晴らしい議論を拝見させて頂いています。非常に参考になることばかりですが、いくつか意見というべきかお願いに近いことを述べさせて頂きます。
1. 一般利用者の視点からの発言が少ない。
一般利用者がインターネットの利用についてどう考えているのか。どのような使い方をしているのか。現在何を困っているのかという議論が少ないように思う。
2. 定額制、低料金がインターネットの普及のカギか?
ベンチャー企業にとっては大きな問題なのかもしれないが一般利用者にとってはこれが一番の問題なのだろうか。むしろ、コンテンツ、パソコンを含めたインターネットの使い勝手ではないのかと思えるが。携帯電話がこれだけ普及しているのをみれば分かるような気がするが。
3. 昨年に比べて、情報通信の世界(インフラ、インターネット、セキュリティ,ECなど)がどのように進展しているのか。
この世界の進展は素晴らしいものがあると思えるが、その変化について触れてもらえると問題がもっと見えてくるのではないかと思えるが。
2.「電子商取引が切り開くネットワーク経済」
小林千寿 (自営業・コンピューター関係業務委託)
論議を見ておりまして意見させていただきます。インターネット上で決済を行う手段としてはいくつかあると思いますが、利用者側の用途としては、
- 物流を伴う代金支払い
- 物流を伴わない代金支払い
のいずれかにより利用できる決済手段が違ってくると思います。また、購入した人が誰かというプライバシ保護の観点や未成年は利用できない決済手段もあると思います。
このあたりも含めた現状と今後の展開がどうなるかを討議していただいと希望します。一方で利用者にとって決済手段は「利用できれば何でも良いのでは」とも思っています。また、話は変わりますが現在行われている渋谷や大宮で行われいている実験の可能性と問題点などにも興味があります。
佐藤 淳 (トレンドマイクロ株式会社 営業部)
現金という物のハンドリングコストの削減という観点から、電子マネーに注目しています。物としての現金は、現金輸送という通常よりも相当に高いコストをかけて物流されています。ATMにしても、現金を扱う機械部分のメンテナンスと現金の補充・回収にコストをかけています。小売に関しても、売上データと現金との対比や銀行への輸送などに手間とコストをかけています。消費者も、一般的には口座に振り込まれた給与を現金(物)化して使っています。
いずれも、現金(物)にまつわる部分がコストを上げていないでしょうか?全てが、現金レスになるとは言いません。ただ、今までかかっていたコストが電子マネーを利用することで削減できるのであれば、それらを原資に関係者が相互にメリットを享受する仕組みを構築することは可能だと思います。
デバイスのセキュリティは、それが体現する価値との対比で論じられるでしょうし、また、使いやすさの問題でも論じられるでしょう。実際に私たちの生活の相当部分で現金を必要としていないようにも思います。公租公課の支払が現金を必要としなくなれば更に、現金を取り扱うコストを考えずにはいられないのではないでしょうか?
リテール分野も含めてもっとコストのかからない取引社会を実現するための道具として、電子マネーを論じていただければと思います。
西城尚也 (綜合警備保障)
■要約
・学生がベンチャーを起こせないのは幼いころの教育が悪い。
・ベンチャーに反対するのはリスク管理に慣れていない女性。
・地方から会社を起こしにくいのは中央集権的な産業構造だから。
■本文
日本の課題【31】飯坂譲二
問題は、意外と別のところにあるような話しを、最近聞きました。それは、新しいアイディアや専門知識をもつ若い人達、特にエリート大学の工学部出身の人が「どうして、一流大学まで、今まで教育してきたのに、一流企業に就職せずに、訳のわからないベンチャービジネスなどをおこすのは」という家庭、とくに母親の圧力が強いということです。
これは、本郷にある大学の工学部の教授の話しです。この話しの方が現実味があり、ecやnetの議論以前に日本の家庭に潜むパラダイムの変化を求めないといけないのかなと思えますがいかがでしょう。
学生のころに塾講師をやっておりましたが、この話題がよく出てきました。まず、子供時代の母親からの「命令」として、日本では「みんなとなかよく遊んできなさいね。」というものがあり、これが20歳前後まで続いているのではないか、それゆえ事業を起こすにしても、家族や彼女(^^;)や周りから反対されたときに従順に従ってしまうのではないか、というのが1つ。
また昨今の現象として挙げられる「男性の中性化」。「俺についてくる女じゃなきゃ、俺には関係ねえ。」とはならず、「二人でいっしょに歩んでいこうよ(男女平等だしね〜)」といった考え方が流行っている(はびこっている?)ため、大学3年頃にはもうすっかりまたたびを与えられた猫と化している、というのが1つ。
女性は女性で「リスクを背負う」考え方に慣れてないものですから、#大学3,4年なら一般的にそうでしょう。社会人ならまた違うのでしょうが。会社を起こすといわれても、「そんなふらふらしてる人とはとてもとても」となりますし、「いい人だけど将来を考えるとやっぱり」といわれたらそりゃ猫男は一流企業に入る道を選びますよね。
まあ、上記の問題は「男がわがままになる」ことで解決できてしまうので産業面から考えればどうってことない問題でしょうけど、教育面から考えると結構重要だったりします。産業構造を考えると思い当たることが一つあります。
一流大学というものがどの大学なのかは判りませんが、今までの中央集権的な産業構造では、地方の大学からベンチャーを起こすのはきついのではないかと思います。それゆえ地方の活性化や政府の分散が叫ばれたとき、産業構造も分散化されるのではと思ったのですが、世論は政治の構造に焦点をあててましたね(少なくとも仙台ではそうでした)。もう少し産業問題に焦点があたればよかったのですが。
村林 成 (ラ・プリマベーラ 代表)
築地達郎さんの「消費者主権」の話は、大変興味深いものです。
現在の米国の繁栄の元が、ケネディ大統領の推進した消費者主権を守るという政策に始まっているという指摘も、目からうろこが落ちるような話です。この話題から感じたのは、グローバルスタンダードや情報公開などの話も、この消費者主権という見方を押さえていないと、何のためのものか的外れになってしまうのではないか、ということです。
日本にグローバルスタンダードが馴染むのかどうか、という問題では、消費者主権を推進できるほど、個人の自覚と自立が出来ているか、できていないとしたら、如何に、ここにテコ入れできるかという視点が重要になってきます。もし、それが出来ない日本人であり、日本社会であるなら我々が21世紀に何を目指していくのか、もう一度、よく考え直してみる必要があると思います。
恐らく、消費者主権を確立する過程では、政府も含めた既得権益者は、少なく無い痛みを感じることでしょう。しかし、それを推進しない限り、将来、大きな果実は得られず、社会全体がジリ貧になってしまうことでしょう。
佐藤 雄祐 (明治大学PCプロジェクト)
「電子商取引が切り開くネットワーク経済」日本キッズは大丈夫かに関して
ここ数年の就職難と言われる状況は、卒業を控える学生にとっては沈滞ムードであるとも言えます。この様な状況においてベンチャーとは、多くの学生にとって先行きの明るいイメージのみで捉えられているのであろうと思われます。即ち、明確なビジョンもスキルも持たず、単なる閃きのみで起業すること自体に、この沈滞ムードからの救いを求めている学生が多いのではないでしょうか。
このイメージ先行型のブームが終了した時に学生であっても本当の意味でのベンチャーが本格的に数多く登場して来るのではないかと思います。
小沼 英明 (明治大学・法学部法律学科三回生)
ベンチャーを育てるプロデューサーの必要性
西条氏の意見は興味深かったが、地方から会社を起こしにくいという指摘には疑問を感じる。なぜなら「地方」には都市を凌駕するメリットが存在するからである。まず都市部と比較して人件費・地価・物価が安く、設備投資のコストを低く押えることができる。地方には「優秀な研究者」を抱える大学が存在し、その人的資源は計り知れない。
具体例として、名古屋大学医学部と愛知県の地元企業が中心になり手術用皮膚生産を目的とした、ベンチャー企業が誕生したことを始め世界初の青色ダイオードが、徳島大学と徳島の一企業の協力で誕生したことを指摘することができる。歴史と伝統に裏打ちされた地域の伝統・風土はしばしば『独創的な』人材や企業を生み出してきました。
日本初の西洋美術館に大原社会問題研究所と労働科学研究所を設立し『世界に先駆けてビニロンを商品化した』クラレ・グループの歩みはそれを証明している。しかしここで指摘しなければならないのは、クラレ・グループの成功は大原孫三郎という強力なプロデューサーがいたからである。地方からベンチャーが出にくいのではなく、ベンチャーの萌芽を育て指導していく強力なプロデューサーがいないだけではないだろうか。
そこを踏まえないで『地方でベンチャーが育たない』と言うのは本末転倒と言わざるを得ない。
牟田 学 (行政書士)
日本が認証制度に関して諸外国と比較して遅れているとされるのは、電子署名法が制定されていないことが一因かと思います。日本における電子署名法の制定は次のことがポイントになるかと思います。
(1)一度作った法律は変えるのが大変
(2)電子署名(暗号)の技術進歩が速い
法律は現実社会の要求に応える形で制定されることが多いかと思いますが、現状に拘りすぎて下手に細かい規定を設けますと、後の修正が困難になりますので、出来るだけアウトライン的な内容がよろしいかと思います。施行されてから、すぐに使い物にならなくなるようなことがない様に検討して頂きたく思います。
(3)電子署名法の目的と日本の裁判制度
各国の電子署名法の内容を見ますと、その目的は「電子署名の法的効力」と「認証局の責任と要件」、この二つが大きな比重を占めているかと思います。
電子署名に法的効力を持たせるためには、電子署名を現実の世界における署名(記名捺印)と同等の効力を認めるのが良いのですが、署名というものが日本の法律の中でどのような効力を認められるのかと言えば、裁判が法律紛争の最終的な解決法であることを考えると、それは民事訴訟法228条にあるかと思います。つまりは、署名のある私文書の真性推定です。
思いますに、日本の裁判制度が自由心証主義を採用している以上は、電子署名法の制定がなくとも、電子署名の法的効力を認めることは十分に可能かと思います。確かに法律でその効力が定められていると、裁判官を説得しやすい、逆にいえば反証しにくいのですが、諸外国の立法状況や実際の電子商取引等での利用状況を考慮した上で、電子署名の証拠能力を認めることは多いにある得るかと思います。
そして、それが判例として蓄積されていきますと、更にその効力は安定したものになるかと思います。しかしながら、利用する方にしてみれば、やはり法律でその効力を担保されていた方が安心できると、いうのもまた事実であるかと思います。
また、電子署名の利用される状況が、場所的制限にあまり影響を受けないネット上においてということを考えますと、諸外国にある法律が日本にないというのも国際関係上よろしくないかと思います。私個人と致しましては、日本における電子署名法の成立を大変期待しております。
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