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セッション1

「ネットワーク経済と情報通信インフラ」


情報通信インフラ4

From: 飯坂 譲二
 Subj:【31】インターネットの機能

私も岸上さまと全く同感です。

【29】岸上順一
確かにPC以外のインフラはcellularを始めとしておおいに伸びていくと思うのですが、やはりPCが基本的な役割を占めないといけない気がしています。それはコンピュータリテラシーの問題に関係していると思うからです。日本のPC普及を遅らせたのは、ワープロ専用機というものが出たためだという意見を良く聞きます。

キーボードのタッチの仕方からwebで情報を捜すとか、学習ソフトの起動などは自然に学んでいます。PCというインフラを以下に使いこなすかということを身を持って体験できる訳です。これは単機能だとそうはいきませんね。

私は最初、JIS規格のキーボードで入力していましたが、結局、アルファベットの2ストロークに落ち着きました。時折は、音声認識でWindowを動かします。


From: 中川 晋一
 Subj:【32】日本的インフラ

【30】藤原洋
インターネット・インフラのミッションは、PC(Wintel World)を超えるところが重要だと思います。プラットフォーム・インディペンデントなネットワークの構築は、極めて本質的な議論だと思います。

私は、医師として「医学へのインターネット応用」を研究内容にあげてやってきました。1992年から1994年頃の話です。そこで、UNIXオペレーションシステムのマスターは避けては通れない道だったと思っています。1993年の日本UNIXユーザ会での発表以来、「インターネットの最も大きなボトルネックはUNIXに関するリテラシーの欠如であり、UNIXオペレーションシステムのハードルを如何に低くするのかが今後の課題だと思う。」と言ってきました。

インターネット技術の中には大変優れたものが多いし、フリーのソフトウェアでほとんどの事が足りてしまうほど素晴らしい資産が存在します。しかし、それを使いこなすには門外漢にとって、まだまだハードルが高いのも事実です。 W3(Web)がやったことは、MIMEをWAISモデルに持ち込もうとして、Gopherが行おうとした事をさらに簡単なHTMLで記述することを可能にしたことだと思います。要素技術として時代を変えるようなものをT.B.Lee氏が開発したとは思いません。大切なのはユーザに分かりやすい、扱いやすい、興味を喚起するような環境の提供を行い得たかどうかだと思います。

Windowsは、UNIXが開発者指向のシステムであるのに対してユーザ指向のシステム構築を指向している(少なくとも意識している)点が異なると思っています。Macにしても同じ事だと思います。ただ、問題はインターネット技術に対しての直接の貢献をAppleもMicrosoftも明確には行っていないのが気になります。今のインターネットの技術開発は、ほとんどの場合名もない研究者や学生が「自分が使いたいから」という動機で「標準化なんか考えずにともかく動くシステムを作る」ところから始まっている場合が多いと思います。

【30】藤原洋
PCが本質ではなく、コンピュータが本質だと思います。賢いコンピュータとは、既成概念でいうコンピュータの顔をしていない、より身近な存在であるような気がします。でもこれを実現するには、猛烈に速いCPUパワーとネットワーク容量が必要になってくるでしょう。

御指摘はその通りだと思いますが、既にネットワーク容量はバックボーンレベルで10ギガの時代がそこに来ています。恐らく、Pentiumのそこそこのマシンと18ギガ程度のディスクは、これまでのパーソナルユースの点ではほぼ十分な容量だと思います。ポータブルでも4ギガバイト程度のディスク容量とPentiumII 300MHzのマシンで30M FLOPSを超えるマシンは珍しくなくなってきています。これは5年で約50倍位になったと思うのですが、やっぱり世の中が変ったと自覚するほどの事ではない様に思います。

現在のLinux,FreeBSDのパフォーマンスを考えると、数年前から使っている私のワークステーションの演算速度に比べて数十倍から数百倍のパフォーマンスが得られるようになって来ています。しかし、世の中は変っていません。相変わらずメイルの設定の出来る人も、ホームページの作成の出来る人も、ましてやインターネットの研究者が爆発的に増えたという話は聞きません。

携帯電話でメイルが送受できるシステムを開発したというのは製品化したという点において素晴らしいと思いますが、家庭用ゲーム機のように爆発的に普及することはないように思います。携帯電話も家庭用ゲーム機も「使いやすい、分かりやすい」事が本質なのではないかと思います。欧米でUNIXのハードルが日本よりも低いのは案外マニュアルが母国語で出ているからかも知れないと思います。

通信情報インフラの備える条件として
1:ユーザ端末が簡単に動くこと−ともかく内容が良く分からなくても動かせること
2:用途をユーザに任せられるくらい機能が理解しやすいこと−道具としての使用に耐えること
3:仲立ちするメディア(通信網も含む)の特性を予測しやすいこと
 −途中で何が起こっているのかをユーザが良く分かった上で通信を行えること:(通信路の透明性、情報の提供)
 −どれ位自分の送った情報が変化して相手に届くのかをユーザが理解すること(伝達品質の保証)
 −トラブルが生じた場合、端末装置、通信路、相手の端末、あるいは端末上のソフトウェアのどれがどう問題があって、通信が出来ていないのかをユーザが知りたいときにいつでも知ることが出来ること
4:ユーザの支払う対価に見合ったサービスを提供できる期待感を持ちうること−お金を払っても、惜しくないほど優れているか、払っても損をしたと感じない程度の割安感
をあげられるのではないかと思います。


From: 藤原 洋
 Subj:【33】日本的インフラ

インフラの議論(何もファイバだけに限らず、研究開発基盤も含めて)を続けさせて頂きます。

【32】中川晋一
私は、医師として「医学へのインターネット応用」を研究内容にあげてやってきました。1992年から1994年頃の話です。そこで、UNIXオペレーションシステムのマスターは避けては通れない道だったと思っています。1993年の日本UNIXユーザ会での発表以来、「インターネットの最も大きなボトルネックはUNIXに関するリテラシーの欠如であり、UNIXオペレーションシステムのハードルを如何に低くするのかが今後の課題だと思う。」と言ってきました。

インターネット技術の中には大変優れたものが多いし、フリーのソフトウェアでほとんどの事が足りてしまうほど素晴らしい資産が存在します。しかし、それを使いこなすには門外漢にとって、まだまだハードルが高いのも事実です。W3(Web)がやったことは、MIMEをWAISモデルに持ち込もうとして、Gopherが行おうとした事をさらに簡単なHTMLで記述することを可能にしたことだと思います。要素技術として時代を変えるようなものをT.B.Lee氏が開発したとは思いません。

大切なのはユーザに分かりやすい、扱いやすい、興味を喚起するような環境の提供を行い得たかどうかだと思います。Windowsは、UNIXが開発者指向のシステムであるのに対してユーザ指向のシステム構築を指向している(少なくとも意識している)点が異なると思っています。Macにしても同じ事だと思います。

ただ、問題はインターネット技術に対しての直接の貢献をAppleもMicrosoftも明確には行っていないのが気になります。今のインターネットの技術開発は、ほとんどの場合名もない研究者や学生が「自分が使いたいから」という動機で「標準化なんか考えずにともかく動くシステムを作る」ところから始まっている場合が多いと思います。

『今のインターネットの技術開発は、ほとんどの場合名もない研究者や学生が「自分が使いたいから」という動機で「標準化なんか考えずにともかく動くシステムを作る」ところから始まっている場合が多い』という中川さん【32】のご指摘ですが、全くその通りだと思います。インターネットに限らず、当然のことですが、研究者、開発者の直接的な動機は、必要に迫られることと、その背景にある好奇心、探求心だと思います。あまり拙速的な結果を求めない、枠組み作りが重要な気がします。

【32】中川晋一
御指摘はその通りだと思いますが、既にネットワーク容量はバックボーンレベルで10ギガの時代がそこに来ています。恐らく、Pentiumのそこそこのマシンと18ギガ程度のディスクは、これまでのパーソナルユースの点ではほぼ十分な容量だと思います。ポータブルでも4ギガバイト程度のディスク容量とPentiumII 300MHzのマシンで30M FLOPSを超えるマシンは珍しくなくなってきています。

これは5年で約50倍位になったと思うのですが、やっぱり世の中が変ったと自覚するほどの事ではない様に思います。現在のLinux,FreeBSDのパフォーマンスを考えると、数年前から使っている私のワークステーションの演算速度に比べて数十倍から数百倍のパフォーマンスが得られるようになって来ています。しかし、世の中は変っていません。相変わらずメイルの設定の出来る人も、ホームページの作成の出来る人も、ましてやインターネットの研究者が爆発的に増えたという話は聞きません。

携帯電話でメイルが送受できるシステムを開発したというのは製品化したという点において素晴らしいと思いますが、家庭用ゲーム機のように爆発的に普及することはないように思います。携帯電話も家庭用ゲーム機も「使いやすい、分かりやすい」事が本質なのではないかと思います。欧米でUNIXのハードルが日本よりも低いのは案外マニュアルが母国語で出ているからかも知れないと思います。

『世の中は変っていません。相変わらずメイルの設定の出来る人も、ホームページの作成の出来る人も、ましてやインターネットの研究者が爆発的に増えたという話は聞きません。』というご指摘に対してコメントさせて頂きます。

確かにインターネットの研究者は、職業上のポストの問題などがありますので、直接的でないかもしれませんが、最近日本を代表するコンピュータ・通信機・総合電機メーカー、通信キャリアのトップの方々に招かれて研究開発の責任者の方々と議論する機会が多くありました。皆さんは、大変な危機意識をお持ちで、これからの方向性はIPしかないという共通認識をもてることができました。

これまで、Wintel PC、NTサーバの製品化やATM交換機の開発に甘んじていた日本の研究開発パワーは、急速にIP技術にフォーカスしていっているという感じがしますし、ここにできるだけ協力したいと思っています。また、インターネット利用者は、明らかに1000万人を超えたことは事実で、これは、93年の商用化時期から考えると決して遅いペースではないと思います。

任天堂のファミコンが出たのは83年ですが1000万人の利用者になったのは、スーパーファミコンになった90年頃でちょうど10年遅れで日本でインターネットが商用化されたわけですが、単純なエンタテインメントと比較するのも何ですが、私は、ゲーム機や携帯電話並み、いやそれ以上にインターネット利用者は増えると思っています。

そこで、重要なのは、テクノロジーによって、人間とコンピュータの間をつなぐことだと思います。コンピュータは、ムーアの法則に乗って、相変わらず1.5年で2倍、でも伝送容量は、ここ2年WDMの法則で1年に4倍という状況にあり、昔のAIのような難しい話ではなく、それこそドコモの若手社員が発案して30万台をアッ言う間に売ってしまったPocket Boardなものが、いくつか出てくるような気がします。そしてちょっとしたアイデアを低コストで実現できる環境がパワフルなコンピューティングパワーと高速ネットワークだと思います。

【32】中川晋一
通信情報インフラの備える条件として
1:ユーザ端末が簡単に動くこと−ともかく内容が良く分からなくても動かせること
2:用途をユーザに任せられるくらい機能が理解しやすいこと−道具としての使用に耐えること
3:仲立ちするメディア(通信網も含む)の特性を予測しやすいこと
 −途中で何が起こっているのかをユーザが良く分かった上で通信を行えること:(通信路の透明性、情報の提供)
 −どれ位自分の送った情報が変化して相手に届くのかをユーザが理解すること(伝達品質の保証)
 −トラブルが生じた場合、端末装置、通信路、相手の端末、あるいは端末上のソフトウェアのどれがどう問題があって、通信が出来ていないのかをユーザが知りたいときにいつでも知ることが出来ること
4:ユーザの支払う対価に見合ったサービスを提供できる期待感を持ちうること−お金を払っても、惜しくないほど優れているか、払っても損をしたと感じない程度の割安感
をあげられるのではないかと思います。

全くその通りだと思います。


From: 中川 晋一
 Subj:【34】日本的インフラ

郵政省では補正予算でギガビットネットワークを構築中です。通信総合研究所の研究者として、「ギガビットネットワークを世界有数の次世代情報基盤テストベッドとして機能し、次の社会情報基盤構築のための原動力としたい。」と考え、どのような貢献も行うつもりで取り組んでいます。

そのために、通信総合研究所の研究者に対して、旧来の電波研究所時代の「有線は民間、実用技術は民間、基礎研究が国研」という認識を改め、何とか実用技術、ネットワーク技術の研究にシフトできないかというバイアスをかけています。昨年、ある研究開発を行うプロジェクトに関わり、その会議の途中で開発を請け負うあるキャリア系の会社の人が「今年はたった1億円しかないので、研究開発としては大した事はできません。」と、おっしゃったことがあります。

私は大変憤り、「1千万円あったら、大学では少なくとも3人から4人のドクターの学生を養って新しい技術を何十本も生むことが出来るのを僕は知っている。ここにあるのはその10倍の予算だということを忘れてはならない。二度とこのプロジェクトに関わるな!」といったことがあります。これが恐らくメーカー側の特に営業的な仕事をしている人の我々国立研究所の研究を見る目なんだろうと思いました。

わが国の研究開発は到達点を誰かが決め、技術開発の目標を目指して旗を振って突っ走るというタイプのプロジェクトが多かったと思います。「衛星を打ち上げる、何ピコ秒の時刻同期技術を開発する、テラビット/秒の伝送路を作る」というオリンピック型のプロジェクトは、「この技術開発を行えば、国民の生活のためにこういう貢献ができますよ!」という理屈さえ立ててしまえば何年間も何億円という予算を獲得することが可能です。

このような予算の配算方法は明らかな技術目標を立てることが出来る場合は有効ですが、明確な技術の到達点ではなく、社会への直接の働きかけを含む総合的な研究開発を行っていくプロジェクトのコストモデルとは背反するものだと思います。IETF等で求められる技術開発のモデルはもっと地味な「面としての技術開発」であり、わずかな研究者のトップエリートが剃刀の刃の様な研究開発を行ってきた従来の研究開発モデルとは異なるのだと思います。

藤原さんの御意見にもありますが、

【33】藤原洋
『今のインターネットの技術開発は、ほとんどの場合名もない研究者や学生が「自分が使いたいから」という動機で「標準化なんか考えずにともかく動くシステムを作る」ところから始まっている場合が多い』という中川さんのご指摘ですが、全くその通りだと思います。インターネットに限らず、当然のことですが、研究者、開発者の直接的な動機は、必要に迫られることと、その背景にある好奇心、探求心だと思います。あまり拙速的な結果を求めない、枠組み作りが重要な気がします。

この点において、先日の「UCAIDとJAIRCが共同研究の契約を締結」という日米のインターネット研究の枠組みの大きな変革を行った話が注目されないのは、目に見える大きな成果を出さないと評価が得られにくいのかも知れません。少なくとも、歴史的にわが国のどちらかというとこれまで協調してこなかったWIDE,SINET,GENESIS,IMnet,CRL,ETL,RFP-INA,JGNといった研究グループが足並みを揃えてたった一枚の紙の上ですが、Internet2に対してMoUにサインをしたというのは、素晴らしい事だと思っています。

JAIRCでは、「一気に大きなお金をはたいて、花火をあげるような話はしないでおこう。確実に少しずつ成果を出して行こう」ということを申し合わせています。やはりそれほど派手ではなくても地に足のついた研究開発を支援して行くという枠組みにしようということです。これは、多額の投資を行ったvBNSのモデルからUCAID、Internet2型のシステムにシフトした合衆国におけるネットワーク研究のモデルに同調したものだと思っています。

JGN(ギガビットネットワーク)は5年間で500億円規模の投資であり、政策的にも大変重要なプロジェクトですが、従来型の大量投資、トップエンドの成果だけを出すためのプロジェクトではなく社会的にどれくらいのインパクトをネットワーク研究として与えて行けるのかに関する様々な取り組みを行っていこうということを、研究者の間で申し合わせています。このような時、必要なのはそれほど大きな予算ではなく、むしろヒューマンネットワークであり、一人一人が独立したネットワーク研究を行う個別の研究者である事を求めたいというのがポリシーだと思っています。

【33】藤原洋
確かにインターネットの研究者は、職業上のポストの問題などがありますので、直接的でないかもしれませんが、最近日本を代表するコンピュータ・通信機・総合電機メーカー、通信キャリアのトップの方々に招かれて研究開発の責任者の方々と議論する機会が多くありました。

皆さんは、大変な危機意識をお持ちで、これからの方向性はIPしかないという共通認識をもてることができました。これまで、Wintel PC、NTサーバの製品化やATM交換機の開発に甘んじていた日本の研究開発パワーは、急速にIP技術にフォーカスしていっているという感じがしますし、ここにできるだけ協力したいと思っています。

トップは分かったつもりになっても、本当に技術開発を担うのは20代から30代の研究者やエンジニアであり、そこに行き着くまでに様々なバイアスがかかってプロジェクト全体を動かなくしている現在のこの国の研究開発の構図を書き変えなければダメでしょう。

今や小学生でもパソコンやインターネットを触ることに抵抗を覚えない時代に、UNIXオペレーションシステムを触ったり、インターネットの技術に一度も触れたことのない、むしろ触れることを躊躇するような世代が間に入っている研究体制を大幅に改めなければ、「絵に描いた餅」になり、若い人の生殺しの状態が続くだろうと思います。これが出来るのは各研究機関のトップですが、間に入っている中間管理職の劇的な若返りまたは意識改革を断行できる程柔軟な組織にはなっていないと思います。これがボトルネックかも知れないと思います。

【33】藤原洋
また、インターネット利用者は、明らかに1000万人を超えたことは事実で、これは、93年の商用化時期から考えると決して遅いペースではないと思います。任天堂のファミコンが出たのは83年ですが1000万人の利用者になったのは、スーパーファミコンになった90年頃でちょうど10年遅れで日本でインターネットが商用化されたわけですが、単純なエンタテインメントと比較するのも何ですが、私は、ゲーム機や携帯電話並み、いやそれ以上にインターネット利用者は増えると思っています。

インターネットの利用者が何人なのか、国勢調査を行っている訳ではないので、正確な実数を把握しているわけではありませんが、まだ右肩上がりで需要は伸びていると聞いています。特にNXPIXP2でのトラフィックはまだ右肩上がりであるとの事です。アクセス系の料金問題(通常の電話料金を課金している状態)があっても、まだ右肩上がりであることを考えれば、正味の利用人口が増加していると予測されています。

しかし、企業ユーザの殆どは1.5Mbps専用線で接続しており、6Mbpsのリンクを持つ所はまだまだ少数です。ましてや個人の自宅からのリンクが50K−128Kbps程度として簡単な計算をしてみます。数字は全く根拠のないものなのですが、オーダを考える程度のものであるとお考え下さい。

構成比(%)
53Kbps
70
64Kbps
20
128Kbps
5
1.5Mbps
3
6Mbps
2
程度だとすると、例えば1000万端末が同時にぶら下がったとして
2.2×10^12(10の12乗)=2.2Gbits/s
ということになります。携帯電話が3000万台だとして1端末64Kbpsで通信するとすると同時発呼として1.92×10の12乗<2Gbps程度だと思います。

乱暴な言い方をすれば、わが国の全ての情報通信(固定電話、携帯電話、データ通信(現状のインターネット))なら、10Gbpsのバックボーンネットワークが一本ですべて納まってしまうかも知れません。ということは、現在十分枯れている程度のバックボーン容量やスイッチング技術で現状の需要はまかなえる事になると思います。従って、ネットワークは十分な容量を持つのにそれほど時間はかからないのではないかとも言えると思います。

むしろアクセスラインに関するボトルネックを2桁あげる(数十Kbpsオーダから数メガbpsオーダにあげる)様な努力をしなければ、今の右肩上がりの需要は続かないのではないかと思われます。この点から、一部の地域で行われつつあるケーブルテレビやシティーファイバーの計画は重要であると思われます。従って、アクセスラインの容量を如何に引き上げるのかが、今後重要な課題になると思われます。

先日から議論のあった料金問題を考えておられる皆様はこの点を指してアクセス線コストの問題をどう解決するかが今後のデータ通信産業を考えていく上で大きな課題でだと思います。

【33】藤原洋
昔のAIのような難しい話ではなく、それこそドコモの若手社員が発案して30万台をアッ言う間に売ってしまったPocket Boardなものが、いくつか出てくるような気がします。そしてちょっとしたアイデアを低コストで実現できる環境がパワフルなコンピューティングパワーと高速ネットワークだと思います。

全く同感です。ちょっとしたアイデアがこの不況の時に考えられないような利益を生むというような構造を創出できなければ、インターネットを始めとするインフラが根付くことはないように思います。新規産業をどう創生するのかは我々の問題ではありませんが、少なくとも儲かるかもしれないビジネスモデルをどのように構築できるのかが次世代の社会情報基盤を成功させる鍵だと思います。


From: 藤原 洋
 Subj:【35】日本的インフラ

中川さん【34】が興味深い議論を展開して下さいました。私も次世代インターネット研究は、最近もっとも興味を持っていることの一つです。特に昨年の7月INET98(Geneva)と12月CANARIE(Ottawa)のパネルディスカッションに招かれてUCAID、NSF、SURFnetなどの人々と議論したことなどを踏まえて以下に意見を述べます。

【34】中川晋一
郵政省では補正予算でギガビットネットワークを構築中です。通信総合研究所の研究者として、「ギガビットネットワークを世界有数の次世代情報基盤テストベッドとして機能し、次の社会情報基盤構築のための原動力としたい。」と考え、どのような貢献も行うつもりで取り組んでいます。

日本では、これまで、政府機関やキャリアの研究機関で、インターネットの運用技術の立場から研究コミュニティに熱意のある人が少なかった気がしますので、是非、活気溢れるテストベッドになるように宜しくお願いします。

【34】中川晋一
そのために、通信総合研究所の研究者に対して、旧来の電波研究所時代の「有線は民間、実用技術は民間、基礎研究が国研」という認識を改め、何とか実用技術、ネットワーク技術の研究にシフトできないかというバイアスをかけています。

このご指摘は非常に重要だと思います。「国研は、清く正しく、商用から離れて」という考え方は、従来からあるようですが、今日のネットワーク時代には全く実状に合っていません。それに技術に、そのような区別はありません。モノを作って動かして初めて価値の出る世界なのですから。1月にNOFを訪ねて議論しましたが、NSF予算を巡って、大いに産官学が、競争しながらも、いい意味で癒着していると思います。

【34】中川晋一
昨年、ある研究開発を行うプロジェクトに関わり、その会議の途中で開発を請け負うあるキャリア系の会社の人が「今年はたった1億円しかないので、研究開発としては大した事はできません。」と、おっしゃったことがあります。

私は大変憤り、「1千万円あったら、大学では少なくとも3人から4人のドクターの学生を養って新しい技術を何十本も生むことが出来るのを僕は知っている。ここにあるのはその10倍の予算だということを忘れてはならない。二度とこのプロジェクトに関わるな!」といったことがあります。これが恐らくメーカー側の特に営業的な仕事をしている人の我々国立研究所の研究を見る目なんだろうと思いました。

研究開発の場面では、金額の議論だけでなくその意義について理解して欲しいと思います。特にキャリアの方々にお願いしたいのは、今、きっと少しは余っているであろう高速バックボーンの学術研究における活用方法です。Qwestに聞いたらInternet2への協力理由は、「Good Citizenであること」なんて言ってましたが、明らかにMCI Wrldcomへの牽制球である訳で、ここにも興味深い競争があって、とてもエキサイティングです。

【34】中川晋一
わが国の研究開発は到達点を誰かが決め、技術開発の目標を目指して旗を振って突っ走るというタイプのプロジェクトが多かったと思います。「衛星を打ち上げる、何ピコ秒の時刻同期技術を開発する、テラビット/秒の伝送路を作る」というオリンピック型のプロジェクトは、「この技術開発を行えば、国民の生活のためにこういう貢献ができますよ!」という理屈さえ立ててしまえば何年間も何億円という予算を獲得することが可能です。

(中略)

この点において、先日の「UCAIDとJAIRCが共同研究の契約を締結」という日米のインターネット研究の枠組みの大きな変革を行った話が注目されないのは、目に見える大きな成果を出さないと評価が得られにくいのかも知れません。少なくとも、歴史的にわが国のどちらかというとこれまで協調してこなかったWIDE,SINET,GENESIS,IMnet,CRL,ETL,RFP-INA,JGNといった研究グループが足並みを揃えてたった一枚の紙の上ですが、Internet2に対してMoUにサインをしたというのは、素晴らしい事だと思っています。

このMoUは、UCAIDのPresidentからも聞いていましたが、日本にとって大きな前進だと思います。今後は、キャッチアップ型のトップダウンの研究開発ではなく、枠組みだけを決めておいて、研究テーマや実現方法、目的に応じた研究予算の獲得方法といったプロセスそのものを、研究者自身が学ぶ必要があると思います。国立大学主導の研究だけだと文部省しかスポンサーがいないという研究では寂しすぎますね。

【34】中川晋一
トップは分かったつもりになっても、本当に技術開発を担うのは20代から30代の研究者やエンジニアであり、そこに行き着くまでに様々なバイアスがかかってプロジェクト全体を動かなくしている現在のこの国の研究開発の構図を書き変えなければダメでしょう。

今や小学生でもパソコンやインターネットを触ることに抵抗を覚えない時代に、UNIXオペレーションシステムを触ったり、インターネットの技術に一度も触れたことのない、むしろ触れることを躊躇するような世代が間に入っている研究体制を大幅に改めなければ、「絵に描いた餅」になり、若い人の生殺しの状態が続くだろうと思います。これが出来るのは各研究機関のトップですが、間に入っている中間管理職の劇的な若返りまたは意識改革を断行できる程柔軟な組織にはなっていないと思います。これがボトルネックかも知れないと思います。

そうなんですねえ。意外と今の大企業の方々では、危機感をお持ちのトップの世代がIPに理解がある。部長以下の世代の人には、IPだと仕組みが変わってしまうので抵抗感がある感じがします。やはり戦後日本の教育のせいか、ゼロから創るしかなかった世代と違って、上から与えられる環境ができてしまったのでしょうか?

【34】中川晋一
ちょっとしたアイデアがこの不況の時に考えられないような利益を生むというような構造を創出できなければ、インターネットを始めとするインフラが根付くことはないように思います。新規産業をどう創生するのかは我々の問題ではありませんが、少なくとも儲かるかもしれないビジネスモデルをどのように構築できるのかが次世代の社会情報基盤を成功させる鍵だと思います。

とにかくバックボーンの大容量を埋め尽くす意味のあるトラフィックを創造するあらゆるアクティビティが必要だと思います。


From: 中村 伊知哉
 Subj:【36】日本的インフラ

情報分野に限りませんが、日本の研究開発費のGDP比は欧米に比べ高い(3%程度。欧米は2%程度)のだが、その政府負担が低い(23%程度。米34%、独37%、仏44%、英32%)という指摘を通産省工技院の資料で読んだことがあります。技術オリエンテッドな性格の強い情報通信分野では、国がどの程度まで力を入れるべきか、民間企業が今後どこまで基礎研究に携わっていく力があるか、国研や大学と産業との連携をどうしていくか等は重要な問題ですね。

【35】藤原洋
このご指摘は非常に重要だと思います。「国研は、清く正しく、商用から離れて」という考え方は、従来からあるようですが、今日のネットワーク時代には全く実状に合っていません。それに技術に、そのような区別はありません。モノを作って動かして初めて価値の出る世界なのですから。1月にNOFを訪ねて議論しましたが、NSF予算を巡って、大いに産官学が、競争しながらも、いい意味で癒着していると思います。


From: 中村 伊知哉
 Subj:【37】論点の提起

Y2K問題、研究開発の議論が始まり、いよいよ第3クールです。あと一週間あまりでオフライン会議ですので、そろそろ「ではどうするか?」の議論を本格化させたいと思います。インフラの整備・提供・利用について、政府、自治体、大学、企業等の役割をどう考えるか。政策や行動としてなすべきことは何か。今、何が大切か。ということについて、ご意見をお寄せ下さい。

例えば、
・接続、料金など求められる競争政策は?情報通信産業政策は?
・地域格差の是正策は?
・バックボーン構築、研究開発、公的アプリケーション開発のような支援政策は?
・教育、行政、医療等どの分野の情報化を推進すべきか?
・産学官の癒着の弊害、あるいは協調の必要性は?
・自治体や大学の役割は?国際機関やNGOに期待することは?
など、何でも結構です。恐らく皆さんご意見がおありだと存じますので、どしどしどうぞ。これまでの議論と重複しても、あるいは全く逆のことでも結構です。


From: 藤原 洋
 Subj:【38】学術から産業を起こす視点

全般的に研究開発費のGDPに占める総額は、そこそこのように見えますが、その内容が気になります。確か、科学技術白書に毎年公表される数値だけでは判断は、難しいのですが、日本のR&Dは、民間の負担が多い、国研は、純粋科学にウェイトが高く工学に薄い感じがします。また工学に関連する場合でも、重点指向というよりも、分野間の平等性や純粋な民間ではできないリスクの高い研究にウェイトがあるということで、商用化を極度に嫌うため形骸化している感じがします。

結果的に、中途半端な成果しかでない予算化に陥っている場合が多い。むしろ、インターネットを中心に据えた展開として、NSFNETからMCIやSprintがインターネットバックボーンではAT&T以上に国際競争力をつけたわけですので、そのような学術から産業を起こす視点が国費投入には必要だと思います。


From: 福冨 忠和
 Subj:【39】誰がどのようにインフラを構築するか

インフラ整備のイニシアチブを誰が握るべきか、ということではないかと思いますので、ちょと別の視点からポストします。インターネットの世界にいると、日米比較でものを見がちなので、「日本のインフラの遅れ」という視点をとりがちですが、たしかに日本に遅れはあるにせよ、インターネットの普及自体の絶対的な速度も気にした方がいいように思えます。

よく使うデータでは、
・日本で商用接続サービススタート後5年間で、利用者数が1000万人を越えた
というものがありますが、この普及速度はちょうど、
・放送開始後5年で出荷台数が1000万台を越えた(白黒)テレビ受像器に匹敵しています
つまり「普及の遅れている」日本ですら、テレビなみのインパクトをもたらす可能性が大きい、という印象があります。

また、米国の場合はより急激で、インターネットは5年で5000万人のユーザー数を確保していますが、同国で、ラジオのリスナーが同数になるには38年かかっており、テレビの視聴者の場合は13年かかっている、というデータもあります。(資料は 藤竹暁・山本明『図説・日本のマス・コミュニケーション』NHKブックス 1994年/エリック・ニー「Surf up! インターネットの波に乗る企業家たち」 Forbs 1998年11月号 など)。

こうしたデータや、携帯電話の普及状況から考えると、80年代末からとられてきた、公から民へのイニシアチブの移行は、概ね間違っていなかったと思えますし、
・普及策は民間主導、そのなかでインフラ整備を考えていく
・地域格差是正、競争確保などの指導を政府が行う
という方向しか、考えられないように思えます。あまり私らしい結論ではないのですが(^^;)、一応イメージを共有する手がかりになるかと思います。


From: 小林 一
 Subj:【40】誰がどのようにインフラを構築するか

地域づくりで似たような仕事をしている立場で考えていることを自分の頭を整理しながら述べさせていただきます。

まず、EC部会の方で述べたのですが、少なくとも、来るべきECが実物経済の主流となる新しい経済社会で、インターネットとそれにまつわるソフトシステムは、現在の道路ー自動車システムと同じく社会の基本的インフラです。それもEC経済社会へのシステム進化のスピードを考えると短期間での集中的なインフラへの投資が必要に思われます。

はじめから、利用者の期待する料金でサービスが供給できて事業者も儲かるなら通常の民間事業でよいのですが、現況は高い、遅い、難しいという声が強いようです。どうするか。道路整備の例を頭におきながら、基本的には次の3方法を考えました。

1民間普請事業 ・・・・ 地域レベルではお薦め
昔の道普請のように、共有財として地域・国の民間、旦那衆がボランティア的に整備する。もちろん全員が土方になるわけでなく、金のある人は金を、知恵のある人は知恵を、体力のある人は汗をということも結構でしょう。やがては便益が皆に還ってくるのだから、それなりにバランスがとれたのだと思います。利用者から料金をとるということもありますが、利用があまり見込めない当初段階は相当の赤字覚悟が必要です。

この案は民間企業が赤字とリストラに苦しみ、旦那も強烈なリーダーもいない現在の日本社会ではなかなか難しいものかと思います。ただし、地域のレベルでは、結構FMやCATVのように財界主導で共通インフラ整備がされている例もありますから、この方法もよいかと思います。そうした地域は地域間競争の勝者となるでしょう。昨年の会議で紹介した全国の青年会議所の方々が連携して地方からの情報発信のために設立したCS放送のPチャンネルも頑張っています。

2税金投入 ・・・・ 例えばウルグアイラウンド対策費

本来共有財で、公共性をもつのだから、税金で整備する。変形版としては、道路整備についてガソリン税をあてる道路特別会計のような目的税のような形もあります。その後の経済成長との釣り合いを考えると、少なくとも導入時において名税制であったといってよいでしょう。その頃の国土計画の自動車交通量の予測値は実績より1−2桁低いものであったということも付記しておきましょう。

いささか乱暴ですが、こうしたある種ブレイクスルーの時代、公共インフラは予測の10−100倍の容量で整備しておくのが賢明というのが歴史の教えるところです。大きい政府、小さい政府という議論もありますが、どちらを選ぶかは国民の選択、情報通信インフラについては一定期間どうどうと大きな政府の道を選ぶのも検討に値する一つの選択肢だとは思います(もちろん調達、運営については徹底的に競争原理を導入してですが)。

この案もやはり、ただでさえ財政赤字のなかでの財源確保をどうする、道路特別会計方式の場合でも財源となる特別税の対象となる関連ビジネスの国際競争力を削ぐこととなるのではないかといった問題が残ります。EC部会で小生が最後に提案した元々農業(食産業)の強化に充てることを想定したウルグアイラウンド対策費を大量に投入するといった、現行財政支出の範囲でしかも受益目的も明解な費用を充当するのは一案かと思います。

3投資減税
上記2案の折衷案として、投資減税はいかがでしょう。企業及び個人が情報通信インフラ及び関連ソフトシステムビジネスに投資(出資)することについて、損金算入を認めるというしくみです。企業、個人からみれば税金の倍近い額を一旦支払うことにはなるのですが、インフラの便益を受けられるし、あわよくば将来配当となって還ってくるというわけです。

しかも直接的にビジネスに口を出すこともできます。民間のリスクテイクとお金の循環を促進することにはなると思いますがいかがでしょう。。前例としてはテクノポリスを推進する組織に対する出えんについての損金算入を認めた制度があります。

いささか荒っぽい議論で恐縮なのですが、小生としては、基本的には第三の投資減税による民間活力活用を中心に地域レベルの民間普請事業と一定の税金投入を組み合わせてやっていけばよいのかと思います。いかがでしょう。


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