世界情報通信サミット2001
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2月15日(木)−19日(月)の発言内容
From: 櫻井 豊   2001/2/15 20:02
Subj:【190】高速バックボーン?
【178】 山本雄大
あと、田舎に引く光ファイバーは、バックボーンではなくて、それこそアクセス系じゃないかとも考えて書いた次第です。コストが高く儲からない=民間に期待できない部分は、公共事業でと考えたわけです。
これを,その田舎の住人が強く要望し,なぜ我々の地域にはブロードバンドがないのだ,とやった結果であればわかります。というか,私も賛成です。

でも,都会にいる我々が「べき論」で敷設したところで,当人達はどこ吹く風になってしまいそうで.....

地方に講演して回っていて気づくのが,東京にも手軽に使えるそういう公共施設(会議場など)があればいいなぁ,ということで,どうも悔しくて仕方ないというのが本音です。
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From: 櫻井 豊   2001/2/15 20:22
Subj:【191】電力線搬送による高速インターネットアクセス技術
後半で触れられていますが,私はインターネット側が各種家電製品に妨害を与える方が問題になるように感じています。

屋外だけでなく,マンションなどの場合,隣近所のテレビとか。

送出データのスプリアス信号等によるものだけでなく,基本波でもインターフェアが出てしまう場合がないだろうか,と。

根拠はありません。ハムの直感(経験)です。子供の頃,さんざん近所から叱られましたから。ははは。

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From: 山下 鐵五郎   2001/2/15 20:31
Subj:【192】日本語の「知」を共有する
【179】今川拓郎
知的資本の公共財としてアクセス可能にすることは極めて重要だと思いますが、保護期間の50年間というのは結構(とはいいつつ、ネットは既に知識の宝庫で、小生も全面的に依存してますが。)
それこそ古文書からはじめて著作権フリーなものを、片っ端からwebに掲載したい。知のピラミッドを築きたい。地方で農業に従事する方の副業にできないかなー、などと考えています。
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From: 内田 勝也  2001/2/16 0:18
Subj:【193】政府の役割について
【180】安延申
これが、経済省のプロジェクトかどうか知らないのですが、小生が経済省にいるときに似たようなプロジェクトをはじめたことはあります。
多分、それだと思います。経済産業省(通産省)のプロジェクトです。
〜「未踏ソフトウェア創造事業」第1回採択プロジェクトの決定について〜(通商産業省)
(問合せ・連絡先)
通商産業省機械情報産業局情報処理振興課 (担当:村上、萩原) です。
注文を付けたいこともいっぱいありますが、新しい試みに対してはエールを送りたいと考えています。
ここで大変なのは、支出の適切性を審査する「会計検査」の存在です。会計検査っていったって、別に技術が分かるわけではありませんから、結局は、書類が揃っているか、証拠はあるか、ドキュメンテーションは適切かなどという、所謂人工作業の適切性の検査(=公共事業と同じ)が行われてしまうこんなことを研究者の方に強いるものですから、お金を使えば使うほど評判が悪くなるという妙なジレンマに苦しんでいました。
この辺りが日本の審査・監査等の問題点ではないかと思います。 私は外資系の銀行で内部監査をやっていたこともありますが、会計検査に対する反論の機会はないのでしょうか?

例えば、監査部門が監査報告書を書く前に、基本的には「指摘事項」に関しては、このような理由で監査部門では報告書に指摘するとの話あいがあります。 この時にその理由を述べて指摘事項に書かれる予定のものが不適切であれば、監査部門は当然ながら、その項目に関して指摘事項から外すこともあります。 勿論、決着が付かないケースもありますので、指摘事項に対して非監査部門が反論を書くこともあります。
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From: 松本 功  2001/2/16 9:12
Subj:【194】もう一つの電子マネー
【要旨】個人間で使える電子マネー
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2月16日、日経新聞の7面に「振り込み 電子メールで」という記事がありました。これは、まさに先日、もうしました電子メール小切手と同じですね。
数円の手数料で個人間のお金のやりとりができるようになる、とのことです。

このような仕組みがどんどん使われるようになって普及していけば、個人対個人の決済がどんどん可能になります。これは、数年前に、投げ銭システム推進準備委員会を提唱した時から、願っていたことですが、どうにか実現の可能性がでてきたということになります。

これが容易になれば、「作り手と聞き手のあゆみより」も、夢想ではなくなります。

上記のサービスはイーバンクのものですが、アマゾンも個人からのカンパを送ること を容易にする仕組みを開始しました。
米Amazon.com、他サイトが利用できる決済システムを提供開始(INTERNET Watch)
これはまさに投げ銭システムと呼べるものであります。1998年から提唱してきたものが、3年たって、インフラができつつあるという実感を持っています。

電子マネーの議論になると、かなり大きな規模の話が中心になります。それは当然のことですが、電子マネーが世界をかえるとしたら、小口のお金のやりとりが、個人レベルになることだと思っています。

その点でも、ここ数カ月の動きはとても興味深いです。
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From: 松本 功   2001/2/16 9:25
Subj:【195】ナップスター判決後、音楽配信はどうなる?
【要旨】著作権メーターとしてのナップスター、としての可能性はないのか?
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【188】中野潔
【要旨】技術による障壁をかいくぐって、著作物データを違法にばらまく人が必ず登場すると思います。違法コピーは止まらないでしょう。
中野さんのおっしゃることはもっともですが、BOLはどう思っているのか、聞きたいところです。BOLは、ナップスターを使って、音楽配信しようと考えていますよね。

ネット時評に以下のように書かせていただきましたが、
NIKKEI Net ITニュース ネット時評(1/26)
問題多い欧州の「パソコンへの著作権料課金」(松本 功)
■著作権メーターとしてのナップスター
ナップスターは、個々のパソコンにインストールされたアプリケーションと大本のサーバーの両方の機能が連動して、コンテンツの共有を実現している。これは、ちょっとひねれば、「超流通」の仕組みになる。そうなれば、作り手をないがしろにした「共有」ではなくて、次の情報を生み出すことも保証した「共有」になる可能性があるではないか。
NIKKEI NET ネット時評 1月26日(金)問題多い欧州の「パソコンへの著作権料課金」
BOLは私と同じこと(「著作権メーターとしてのナップスター」)を考えているような気がするのですが、どうなんでしょうか?
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From: 山村 幸広   2001/2/16 10:52
Subj:【196】高速バックボーン?
エキサイトの山村です。

「デジタルデバイド」もしくは「地域デバイド」は多く議論されながらもやはり商業的にペイしないというかコスト効率の検討の中で後回しになってします様ですね。将来、「光ファイバー敷設陳情団」が地方から永田町に来るのでしょうか?

それはともかくとして、一応私達の親会社は、Excite@Homeといいまして米国ではブロードバンド接続(CABLE上)、コンテンツでは色々な経験がございますが、「ブロードバンドコンテンツ」についてが大きな問題というのは全ての人の認識でしょう。

「つなげっぱなし」で使えるという利点と、「高速で」使えるという2つの大きなメリットをブロードバンドは提供しますが、「つなげっぱなし」という恩恵を楽しむと同じに高速性を楽しみたいのですが、それを実現できるコンテンツはそうあるものではありません。又、コンテンツ作成も非常に高価です。これは、実は「地方に高速バックボーン」と同じ理論で、200万人程度のブロードバンドユーザーではコンテンツの制作費が回収できないというのが本音のところです。

しかし、ある程度ブロードバンドユーザーが増えても最終的に魅力あるコンテンツがなければユーザーは対価を支払ってはくれません。「にわとりが先か卵が先か」、「コンテンツに投資をしてユーザーを確保するか?」「それなりにユーザーが増えてからコンテンツを作るか?(それでもユーザーは増えてくれるのか?)」実際にコンテンツを作る側としては大きなデシジョンです。
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From: 中山 靖司   2001/2/16 12:35
Subj:【197】もう一つの電子マネー
【要旨】個人間での決済では、電子マネーが非同期の手段(電子メール等)でも支払えることが必要。(一言で「常時接続」といっても、「常時接続できる」と「常時接続している」では、特にP2P型のサービスを考えるときの前提が大きく異なる。)
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【194】松本功
【要旨】個人間で使える電子マネー
本日(2月16日)、日経新聞の7面に「振り込み 電子メールで」という記事がありました。これは、まさに先日、もうしました電子メール小切手と同じですね。
個人レベルでは、インターネットの常時接続が普通になったとしても、実際にパソコンの電源をON状態のまま、インターネットにつなぎ放しにする人は少ないようです(以下記事参照)。
フレッツ・ISDN利用者の75%はすぐ切断 NTT東日本が利用状況を明らかに(日経コミュニケーション)

この記事によると、「フレッツ・ISDNの1回当たりの平均接続時間は約20分,さらに75%のユーザーは10分以内で切断している」とのことです。つまり、相手に電子マネーを送ろうとしても、相手がパソコンの電源を入れてインターネットに繋いで、受け取れる状態にあるとは限らないわけです。こうした場合、電子メールに添付した形で電子マネーが送れると非常に便利です(宣伝ですが、私の研究論文にもあります。また、インターネットキャッシュ実験でも実現している機能です)。

なお、ナップスター等の場合は、現在インターネットに接続している端末から条件に合うものを探し出してP2P接続しているのであまり問題ではありませんが、接続したい相手を先に指定する必要があるP2P型の新しいサービスを考えたときに、相手がインターネットに常時接続していないかもしれないというのは制約になるかもしれません(それとも、将来は個人レベルでも皆がサーバーを持って、本当の意味で常時接続していることがあたりまえになるのでしょうか? 例えば電話のように)。
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From: 佐藤 英丸   2001/2/16 12:44
Subj:【198】日本語の「知」を共有する
ジュピターメディアメトリックスの佐藤です。
【172】山下鐵五郎
唐突ですが、日本の知的資産をネットワーク上に掲載(転写)(まずは著作権フリーなものを)する労を誰がどのようにするかの、議論はされたことがあるのでしょうか。無いように思うのですが。
【174】櫻井豊
以前に,ある高等学校の先生から,ITを使った授業のテーマに関するアイディアを求められたとき,まさに山下さんがおっしゃられるようなことを学生・生徒さんにテーマとして与えてはどうかと提案したことがあります。

IT教育といっても,パソコンやインターネットの使い方だけでは物足りないので,企画や取材なども含めた総合的な学習になるのではないかと思ったのでした。
上記の山下さんと桜井さんのご意見で、私も思い出しました。東京のある区で、区内の小学校や中学校を対象にIT活用コンテストなるものを企画しているようです。一度相談を受けたのですが、自治体はすぐに「コンピュータを使って」とは「インターネットを使って」をテーマにする傾向があるようです。

本当のIT教育は、なにかのテーマを調べたり学んだりするときに、それを達成するための一つの道具としてITも使えるのでうよということを学ばせたり発見させたりするのが重要なのではないでしょうか。桜井さんのご意見を読んで、私もすこし思い出しました。

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From: 佐藤 英丸   2001/2/16 12:49
Subj:【199】政府の役割
【140】森川博之
日本発の技術(昔の例ではハイビジョン,身近なところではPHS)を世界に展開していくときには,一企業だけではやはり限界がきてしまうかと思いますので,このようなときこそ政府の出番,ではないのか,と思います.
森川先生のご意見に大賛成です。政府の出番までに時間がかかるようでしたら、地方自治体レネルでもどんどんやればいいと思うのですが、地方自治体が行動を起こすのが遅かったりするのは、やはり政府からの指導がないと出来ないのでしょうか?
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From: 中野 潔  2001/2/16 13:56
Subj:【200】allow me to say a trivial joke
【要旨】語呂合せ
皆さんがまじめに論議しているときに、語呂合せでふざけてごめんなさい。
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昨夜のテレビ東京 ワールドビジネスサテライトのモルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券のロバート・セルドマン氏にヒントを得て。

 か(果断)+ち(蓄財)=勝ち、 ま(迷い)+ち(蓄財)=待ち、
 か(果断)+け(欠配)=賭け、 ま(迷い)+け(欠配)=負け

(カナがプロポーショナルではないフォントで御覧ください)

け(欠配)← →ち(蓄財)
先行投資大
 か
(果断) 賭け 勝ち
 ↑ 現時点 現時点
での

←−−−−−−+−−−−−−→

での
 ↓ 収入小 収入大
 ま 負け 待ち
(迷い)
先行投資小 
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From: 山本 雄大  2001/2/16 14:10
Subj:【201】Lモードとユビキタス
昨日、「NTT東西、Lモード認可を申請」というのが出ていました。

実は、家庭用電話機でのLモードについては、ビジネス的には成功するかは疑問なのですが(家庭の固定電話が簡単に買い替えられるとも思えない)、しかし、ICカードタイプの公衆電話については、ユビキタスという点で期待する部分があります。

ユビキタスの実現は、何も自前で端末を用意する必要はないと考えます。

携帯電話やPDA、パソコンその他の情報機器を持ち歩かなくても、公衆電話を通じてインターネットの情報が取れるのであれば、かなり利用価値がありますし、ICカードにIDを記憶させておけば、電子メールも利用できるかも知れません。

こういったものが全国津々浦々にあれば、十分ユビキタスの実現かなと考えます。(ついでにデジタルデバイドの解消)

iモードの公式メニューほど充実したコンテンツは当初は望めないかも知れませんが、大きさに制限が少ない点を利用して、小型のキーボードでもつけて、「勝手サイト」を利用しやすくすれば、もっといろいろな情報を利用できるかも知れません。

また、コンパクトHTMLではリッチなコンテンツを作るのは無理でしょうから、いっそ通常のHTML対応にして、PC並みもしてもいいのではないでしょうか?

NTT東西と総務省の対立(?)ばかりが話題のLモードですが、こんな見方はいかがでしょうか?

なお、Lモードにまつわる制度や規制の諸問題は、池田さんや國領さんがネット時評に書かれていますので、こちらが勉強になります。

NIKKEI NET ネット時評 2月6日(火)「Lモード」問題(上)総務省の「天動説」(池田信夫)
NIKKEI NET ネット時評 2月7日(水)「Lモード」問題(下)未来志向政策の欠如(國領二郎)
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From: 松武 秀樹  2001/2/16 18:25
Subj:【202】ナップスター判決後、音楽配信はどうなる?
発言【26】でも発言しましたが2月12日の判決に際し思うことを書きました。

一旦無償のP2Pシステムを味わったユーザは、多分、有償化されたP2Pシステムを好んで使うことは無いと思います。でもP2PとMP3の技術は高く評価し支持します。

CDレンタルなどで、安い値段で手に入れるシステムが認められ、そのシステムが定着しているところを考えると、そんなに高くない値段であり且つ一般店舗では考えられない膨大なデータを検索・入手できるシステムであれば、これまでこっそりやっていたオタク系ユーザだけでなく、幅広いユーザを獲得できるのではないかと思います。

# 事実、私の息子が最近PCを買って、「インターネットで音楽を手に入れたいけどどうしたらいい?」と聞かれたんですが、そういった「純」な人に何か、悪いことを教えるような気がして、Napsterや違法MP3ダウンロードサイトを教えることはできませんでした。ですが、お金はかかるけど合法的に入手できるところがあれば、ちゃんと教えることができると思います。>>倫理、学校教育の問題

P2Pシステムでは、中央サーバは、データベース管理と、個々のPCの接続役を担うのみで、そこにはデータそのものを蓄積することはありませんが、「個々のPCを接続する」という部分に課金・認証する機能を付加できるはずです。利用条件がそろわないものは、接続させなければ良いわけですから。

個々のユーザが公開するデータは、特に課金などは意識することなく、それを受け取る側がきちんとお金を支払うというシステムであれば、いわば個人によるインフラにより商品を流通させることもできるということになります。

原盤権所有権利者側もしくは、複製権所有権利者側が「オリジナルデータ」をネット上に公開すれば、わざわざ個人でエンコードしたりすることも無くなるのではないでしょうか。(現在では大手レコード会社がP2Pではないが配信を始めている)

その「オリジナルデータ」には、楽曲情報などに限らず、アプリケーション情報などが暗号化して埋め込まれ、この情報を含んでいないものはP2Pシステムでは公開できないとすれば、むやみやたらに個人がエンコードした海賊データはP2Pシステム上には現れません。

個人が持っている貴重なコンテンツ(例:SP盤や廃盤レコードなどをデジタルエンコードしたものなど)は、権利者との登録手続きを行った上、公開可能とし、そこで許可があれば、著作権者に利益が還元されると同時に、多少の利益が、その個人に還元されても良いかもしれません。(そうすることで、コンテンツの拡充ができます)

一旦入手したデータの扱いについては、コピーなどがオフライン、もしくは、ストレージ系サーバを介して行われることもありますが、それについてはパッケージ商品でも同じ問題があります。(これについては、P2PシステムやMP3技術の責任ではないと思います)
>>著作権法30条問題

現在無秩序なP2Pシステムですが、その無秩序さは、何の保護も無い「データ」を誰でも公開・取得できるところにあるんだと思います。やはり、P2Pシステムの中核のサーバが、先に述べたような「フィルタリング」をして、ある程度秩序付けできれば、非常に有効な流通システムであると思います。

これは、メジャーデビュー(メジャーデビューがそれほど意味をなさない時代ですが)ができないアーティストの切なる願いであると思います。
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From: 山下 鐵五郎  2001/2/16 19:05
Subj:【203】 「e−Japan重点計画」に「知のストック」を
「IT基本戦略・e-Japan戦略 」の章だては次のようになっています。
1.超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策
2.電子商取引ルールと新たな環境整備
3.電子政府の実現
4.人材育成の強化

既存の知的ストックを電子化、ネットワーク化する話が何処かにあるのでしょうか?

国会図書館の著作権切れの蔵書の電子化は、それこそ目標を掲げて加速推進できるでしょう。重点計画に盛り込まれるのでしょうか?何方かご存じでしょうか。

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From: 中野 潔  2001/2/16 19:24
Subj:【204】ナップスター判決後、音楽配信はどうなる?
【要旨】センターにある程度の管理権をゆだねているような「行儀のよい」P2Pシステムなら、松武さんの議論は成り立ちます。しかし、著作権を尊重しない人たちは、今後、本来のというか、センターをまったく必要としないP2Pシステムを使うわけです。技術的な保護手法と並行して、コンシューマーの何割かが まったくコンテンツ料を払わなくなる社会を想定したビジネスのモデルを開発するしかないと思います。
【203】松武秀樹
「個々のPCを接続する」という部分に課金・認証する機能を付加できるはずです。利用条件がそろわないものは、接続させなければ良いわけですから。
これは、著作権を尊重しようという人達が作ったP2Pシステムでは可能でしょう。しかし、著作権を尊重する気のない人たちは、そうした機能のないP2Pシステムを開発して広めようとするでしょう。
個々のユーザが公開するデータは、特に課金などは意識することなく、それを受け取る側がきちんとお金を支払うというシステムであれば、いわば個人によるインフラにより商品を流通させることもできるということになります。
これも、著作権を尊重しようという人達が作ったP2Pシステムでは可能です。教育によって、「著作権を尊重する気のない人たちの作ったP2Pシステムを使うことは恥ずかしいことだ」と刷り込むことで、尊重する人たちの割合を少しは増やすことが可能です。
原盤権所有権利者側もしくは、複製権所有権利者側が「オリジナルデータ」をネット上に公開すれば、わざわざ個人でエンコードしたりすることも無くなるのではないでしょうか。
同上。
その「オリジナルデータ」には、楽曲情報などに限らず、アプリケーション情報などが暗号化して埋め込まれ、この情報を含んでいないものはP2Pシステムでは公開できないとすれば、むやみやたらに個人がエンコードした海賊データはP2Pシステム上には現れません。
同上。
P2Pシステムの中核のサーバが、先に述べたような「フィルタリング」をして、ある程度秩序付けできれば、非常に有効な流通システムであると思います。
中核サーバを置くタイプのP2Pシステムは、著作権を尊重しようという人達が作った「行儀のよい」P2Pシステムだけになります。

(1)著作権尊重教育による刷り込み、(2)スポンサー、パトロンモデルなどコンシューマーから対価をとらないで成り立つ作品の増加、(3)対価をきちんと払って、ライブやプレミアムを正々堂々と楽しむことこそかっこいいと思われる状況を作る、(4)技術的障壁を増やして、(少なくとも中級者ユーザー以下には)その障壁を超えて違法配付、違法受信する方がばかばかしい状態にする−−で、クリエーターが回収できる分を地道に守り、その間に、次世代のビジネスモデルを作るしかないのでは。
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From: 坪田 知己  2001/2/17 0:01
Subj:【205】司会 〜 ラストマイル問題
NIKKEI NETに掲載しているネット会議の抄録に対し、以下のような意見投稿がありました。この件についてのご意見を承りたいと思います。

<意見投稿>
情報産業労働組合連合会の田中一三です。NTT労働組合、KDDI労働組合などが加入する産業別労働組合です。

ブロードバンドネットワークの最終課題は、ラストワンマイルとも、ファーストワンマイルとも言われます。政府の「21世紀における情報通信ネットワーク整備に関する懇談会」第2次中間報告では、き線点までを民間主導で光化するとしか述べていませんが、東西NTTやKDDIの財務を考えると、この目安さえ達成できるか疑問です。

き線点から加入者宅までのラスト4分の1マイルの高速アクセス網(配線系)をどうするのか。ネットワークがオープン化された現在、確実に商売になる都市部のビジネスエリア以外、リスクを冒して配線系の高速化に手をつけるメリットはありません。接続料を払うなり、キャリアズ・レートで借りたほうが得だからです。

開拓時代の西部の鉄道とは条件が違いますから、民間任せでは当分、xDSLが限度ではないでしょうか。是非、ラスト4分の1マイルの整備のあり方について議論をお願いします。
意見投稿
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From: 中野 潔  2001/2/17 12:14
Subj:【206】ラストマイル問題
【要旨】支配的事業者間の義務による入札方式を採用する。4分の1マイルではありませんが、8分の1マイルを意味するハロン(furlong)という言葉があるので、小生は、ラスト・ワン・ハロン問題と呼んでいます。
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高速の通信ネットワークサービスの整備に関する特別法を作ります。「高速」の定義は、数年おきに国会で見直す政令で定めます。入札は、その数年に1度実施します。

入札で高速回線整備の義務を負った企業は、あらかじめ公表された仕様(固定無線、xDSL、CATV、光ファイバーなど、複数の方式を横断して通用する仕様)の足回り回線を、あらかじめ公表された整備計画にしたがって整備していかなければなりません。

全国を5つから9つ程度の地域に分けます。地域ごとに、携帯電話、有線電話で、支配的地位にある企業、および、「数千億円規模の公共事業のうち、法律により独占的地位が1980年ごろまでに保証されていた公共事業体から4分の1以上の出資を受ける通信関連企業」(電力系とNHK系[NHKが通信に参入した場合]を想定)は、後述の「高速ネットワークユニバーサルサービス」の入札に参加する義務を負うものとします。入札義務から逃れるための企業分割や資本構成の変更については、公取が判断します。

そういう企業が、1社しかない地域では、高速ネットワークサービスは、その地の企業の意向で決まります。そういう地域なのですから、仕方がありません。高速ネットワークユニバーサルサービスがないのが嫌な住民は転出すればいいことです。転出が続いて困る地方公共団体は、自分で解決策を見つければいいわけです。

さて、「高速ネットワークユニバーサルサービス」の入札では、より高い額の札を入れた企業が、その額を、最も低い額の札を入れた企業に支払うことで、「高速ネットワークユニバーサルサービス」の提供義務から逃れることができます。(3社以上の場合は、これをもとに合理的に支払い額を決めます)。「高速ネットワークユニバーサルサービス」の義務を負った企業はあらかじめ公表された仕様の足回り回線を、あらかじめ公表された整備計画にしたがって整備していかなければなりません。他社がその利用を要求したときには、イコールアクセスさせなければなりません。

支配的な少数の企業が談合して、第1地域では、A社が1円、B社が2円、第2地域では、A社が2円、B社が1円−−といった入札をしないように、入札額を地域の世帯数で割って、あらかじめ定めた掛け率を掛けたものが、入札した企業以外の企業が、その足回り回線を利用するときの 回線使用料になるものとします。したがって入札額は、その地域での高速回線整備の実費に連動して決まることになります。
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From: 藤原 洋  2001/2/17 17:31
Subj:【207】ラストマイル問題
【要旨】
1.原則的に、日本が先進国だとすれば、規制緩和と自由競争によってラストマイルのインフラ整備を行うことが妥当だと思います。民間主導は当然だと思います。

2.「き線点までを民間主導で光化」するとADSLにとっては、不都合となり、中途半端になる可能性もあります。FTTCなりFTTHなり具体的サービスを実施する中で、「き線点までの光化」「最終端までの光化」「光化せずにADSL向け環境整備」の何れかを実施するのが良いと思います。

3.民間競争を促進するためにオールドキャリアとニューキャリアとの間で、がかなり大胆な人事交流を図るべきだと思います。ニューキャリアは、有能な人材獲得と資金調達を的確に行わないと、競争にならないと思います。オールドキャリアへの規制強化による業界保護を行うのではなく、消費者保護のために、オールドキャリアへの規制緩和と、オールドキャリア保有設備の設備開放を同時に実施すべきだと思います。

4.結論的には、どこか1機関に委ねて、それ以外の事業者への規制を強化したり、公共事業を行おうとするのではなく、規制緩和による競争状態の創出が本質的であると考えます。
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From: 高木 寛  2001/2/17 20:25
Subj:【208】ユビキタススと電子認証&個人情報
【要旨】ユビキタスが展開すると私たちはもう一歩便利な社会に入っていくことか出来ますが、英文の会議では比較的早い段階で、電子認証やプライバシーについてのコメントが書かれています。この点への配慮を忘れないで欲しいと思います。
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ユビキタスの実現にどれぐらいの時間がかかるかは、何をもってその実現と考えるかによるでしょう。強引な言い方をすればiモードによって既にその一部が始まっているともいえます。しかし、実際にはいろいろなアプリケーションが開発され、また、新しいハードウェアが登場するのを待つ必要があります。先日、電子認証のシンポジウムで村井さんが、自動車にいろいろなセンサーをつけてインターネットに接続する話しをされていました。関根さんがおっしゃったような便利なシステムになるには、もう少し時間がかかるのではないでしょうか。

ただ、いずれにしても、デスクの上からインターネットに接続するのとは比較にならないアクセス量が発生します。したがって、当然、そこでの個人の認証も繰り返し大量におこなわれることになるでしょう。また、自動車の例で村井さんがプライバシーについて触れていましたが、例えば、心臓に疾患がある人が身体に取り付けた小さなハードウェアから心臓の異常を医療機関に送るなどでは、プライバシーへの配慮と電子認証が必然的になってきます。

ナプスターの違法判決がでました。これまでのインターネットでは、技術的に走らせてから社会的な問題を考えるという姿勢が多かったのですが、そろそろ、これを少し見直しても良いのではないかと感じています。走らせてから考えることの効率の高さは否定できません。また、ネガティブな問題にとらわれていては前に進めなかったインター

ネット以前の時代の苦い経験もたくさんあります。しかし、社会的な問題があってもそれを克服する知恵を集めて前に進むこともできると思います。ナプスターでそれが出来たかは分かりませんが、インターネットの世界に投げ込む前に著作権の問題が生ずることは分かっていたわけで、それを克服するのを待っても良かったのではないでしょうか。そうすれば、適法な手段が見つかったかも知れませんし、PtoPについてまで違法視されるおそれも生じなかったでしょう。

インターネットは、すでにメディアとして確立しつつありますから、ユビキタスでは、それを社会に投入する前に天使認証やプライバシーについて、十分な議論や検討がなされると良いと思います。

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From: 村上 輝康  2001/2/18 1:20
Subj:【209】 実名性のネットコミュニティ
極めて活発な議論が行われていますが、議論の大筋は、ユビキタス社会をどう実現するか、あるいは目的や役割はどうか、という2001年に視座を置いた議論が中心になっているように思います。あえて、ユビキタス・ネットワークが実現したときに、どうするか、何が起こるか、という仮定の問題提起をさせていただきます。

2005年のユビキタス・ネットワークが実現している社会で、企業や生活者がどのように振舞っているかを考えるときに、なかなか解けないのが、そのときネット上のコミュニティやフォーラムがどうなっているのだろう、という疑問です。

現行の64Kまでのオンデマンド接続のインターネットでは、原則として匿名性(技術的に本当に匿名になれるかどうかは別として)の世界がネット上に広がり、ハンドルネームで発言したり、顔を見せずに自由に様々な店舗を渉猟し、いやならハンドルネームを変えたり、消えてしまったりできるという気安さが、かえって自発的なネットコミュニティを形成しやすくし、また活力を生み出す源にもなっているように思います。

ところが、数メガ(野村総研では6メガといっていますが)で個人が常時ネットとつながっている世界では、おそらく現在の文字と数字のコミュニケーションでなく、動画クリップを介したコミュニケーションが支配的になると思われます。もともと現在の文字と数字だけで行うコミュニケーションは、人格のほんの一部しか表出しない状態でおこなっている不自然なコミュニケーションとも考えられますが、動画クリップで行うコミュニケーションは、見た目とか顔つきとか声音、抑揚など、メールよりもはるかに大量の情報を伝達しあうことができます。

これはこれで、ひとつの進化を示すものなのですが、こういうふうになった時現在のコミュニティサイトやフォーラムは、どうなるのでしょうか。より実名に近い、人格のより多くを表出するコミュニケーションのできるコミュニティで人はより活発な自発性を発揮するのでしょか。それとも、相手の顔が見えるのではシラケてしまってコミュニティ自体が出来にくくなるのでしょうか(勿論、このGISという実名性のコミュニティはどのような形態においても続いていると信じますが)。
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From: 池田 信夫  2001/2/18 13:20
Subj:【210】ラストマイル問題
【206】中野潔
支配的事業者間の義務による入札方式を採用する。
「高速ネットワークユニバーサルサービス」というのは、どういう意味でしょうか。「高速ネットワーク」を全国民に行き渡らせる「提供義務」を電話会社に負わせるという意味なら、ナンセンスというしかありません。

官民ともに、電話時代のインフラを「配給」する感覚が抜けていないことが最大の問題です。「民間任せ」ではだめで、政府が介入しなければならない、という思い込みが日本の通信を歪めているのです。いま必要なのは、「ユニバーサル・サービス」などというまやかしの概念を卒業して、インフラで市場メカニズムを機能させることです。

日本の総務省が「ドミナント規制」などの強化をはかっている時、ブッシュ政権は規制撤廃に向けて大きく舵を切ろうとしています。26日のシンポジウムでは、ペッパー局長がパウエル新委員長のもとでのFCCのunregulation政策を説明し、「インターネットはなぜ規制してはならないか」を論じる予定です。
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From: 松本 功   2001/2/18 13:36
Subj:【211】「作り手と見る人の歩み寄り」に関連して
【要旨】世論は必要か、世論を作るとしたらどこがになう?
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【123】今川拓郎
majorなディストリビュータに載ってこそ、発信側も発信されたと実感できるし、受信側も世論や価値観として認識できるのだと思います。
根本的な問題提起のように思います。

今は、残念ながら、かなりの部分、機能不全に陥っていると思いますが、かつてはいくつかの総合雑誌と新聞が、世論形成と議論にかなり大きな比重をしめていたと思います。あるいは、小学校や中学校などの画一的な教育も、国民を作りましたし、問題はあるにしろスタンダードを作りました。

総合雑誌や新聞に言説を発表できることは、ある種のエリートであったり、エスタブリッシュメントとして認知されるという要素を持っていました。本当にそこでの議論が、正しいのかということはさておき、それに対する反体制とか、軸がわかりやすかったと思います。

言い換えると言説を作るがわとそれを受け取るがわという2極がはっきりしていたといえるかもしれません。

出版の例をあげると、文字を組むと言うことは、1980年代前半まで、印刷所と出版者に限られた技術でした。それが、1980年代後半のワープロの普及によって、だれでも、かなり高品位な文字でレイアウトできるようになり、1990年代にはDTPが普及しはじめ、1990年代後半には、格安でホームページが作れるようになりました。

一方、プロと呼ばれる人々、出版でいうと編集者たちは、時代を読む目を曇らせてしまい、価値ある情報を作り出せなくなってきています。それと同時に、かなりのゴミも混じりながら、検索してみれば、数パーセントであっても、価値ある情報に無料でたどり着ける場合もあるという状況が生まれています。

情報でメシを食っている人は、経済原理で少しはフィルタリングしてほしい、こんなに情報アクセスの手間が掛かるのはたまらん、と思っていますが、多くの情報の消費者は、無料だし、掘り出し物はたまにはあるし、こんなもんかと思っています。また、むしろ、無駄であっても共感できる情報の方がいいと思っているでしょうし、そういう情報を発信している人も非常にたくさんいるわけです。

情報のカオス状態で、それなりに楽しいと思っている人は少なくないと思います。プロの情報ではなくて、素人の情報でいいと思っているでしょう。こういう時代に、世論が必要だというのは、インテリ臭い発言であり、時代錯誤だ、国家や国民という枠組みが無くなりつつある現状を反映しているので、どうしようもない、あらがいようもないという人がいても、不思議ではないでしょう。(私はそうおもっていません)

私は、仮説ですが、教授・享受型の知からコミットメント型の知にかえていくしかないと思っています。みんなが、自分は、情報を作っていない消費者だと思っていますが、そうではない、微分的な責任を皆が背負っているのであり、消費も、購買も参加の一つのかたちであり、そこと情報発信は陸続きである、ということを訴えて行くしかないと思っています。

参加しているという意識のないところに、責任はありえないわけです。責任というとおおげさかもしれませんので、いいかえるとコミットしていることは事実である、ということです。

私の発言には職人のたとえが、多くて分かりにくいと言われることが多いのですが、地元の上手いそばやさんをみんなで誉めて、そのそばやさんをカリスマそばやにして、そば業界のご意見番に育てるというようなことを、バーチュアルな世界でできないものか、と思います。

世論というものの作られ方を再構成できないものか、と思っているわけです。

まち作りをどうするか、子どもの教育環境をどうするか、といった問題は、多くの人が当事者であるのですが、当事者であるだけに、具体的な利害関係があり、世代によって認識が違うし、なかなか議論さえもできません。国家的な世論というのではなく、ある地域の中で、言論が創出されなければ、ならないわけですが、上手くいっていません。

たぶん、これは新しい地域世論の創出の技術と方法が生み出されないと難しいのでしょう。まち作りのワークショップなどが行われはじめているのは、その兆しではないか、と思っています。ネットの中でも、その兆しはあるのではないでしょうか。

ネット上のある発言に対して、評価をし、よい評価であれば、それを積み上げていけるような仕組みができないものでしょうか。その一つの試みが、大道芸人に、お金を送るような仕組みとしての「投げ銭システム」なのですが、そのためのインフラもできつつあるようです。
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From: 中野 潔  2001/2/18 20:49
Subj:【212】ラストマイル問題
【210】池田信夫
官民ともに、電話時代のインフラを「配給」する感覚が抜けていないことが最大の問題です。「民間任せ」ではだめで、政府が介入しなければならない、という思い込みが日本の通信を歪めているのです。いま必要なのは、「ユニバーサル・サービス」などというまやかしの概念を卒業して、インフラで市場メカニズムを機能させることです。
この点に関し、池田先生の言われることは、首尾一貫しています。その点に敬意を表します。

それで、小生が拙稿で答えようとした、下記247 について、池田先生の御意見をお聞かせください。(1)〜(4)のうち、いずれかですか。それとも、(1)〜(4)に並べたこと自体、池田先生から見ると的はずれですか。

(1)民間の競争にまかせれば、人口密度の低いところにも、いずれ、高速の足回り回線が大部分、整備されていく。

(2)高速の足回り回線の費用を市場原理にまかせる。必要な企業、家庭は、費用と効果との見合いで (どうしても必要なら高い費用を払ってでも)導入するはずである。

(3)人口密度が低かったり、意欲的な通信業者がいなかったり、地方自治体の政策が足りなかったりして高速の足回り回線の整備率が非常に低い地域があったとき(それでは生活していられない、仕事をしていられないという)企業や家庭は、転出していく。そこまで含めて市場メカニズムにまかせればよい。

(4)数Mbpsクラスの衛星通信など、人口密度だとか、都市だ農村だとかに、無関係のインフラが放っておいても整備されていく。
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From: 池田 信夫  2001/2/19 11:57
Subj:【213】ラストマイル問題
政府が介入する際の最大の根拠となるのが「ユニバーサル・サービス」ですが、これはAT&Tが独占を正当化するために使い始めた言葉です。

たとえば野菜は生活必需品ですが、「ユニバーサル野菜」が必要だから全国で同じ値段でなければならない、というような議論はないし、公共性の高い電気料金も全国均一ではありません。ところが、なぜか郵便の民営化や新聞の宅配の問題になると、「全国均一料金を守るために」云々という話が出てくる。つまり、これは価格カルテルの口実にすぎないわけです。

インターネットは「自由」が生命ですから、これをユニバーサル・サービスの対象にすることは、それを殺すことに等しい。米国でも「高度サービス」はユニバーサル・サービスの対象から除外されています。いま問題になっている「Lモード」も、インターネットを政府規制の対象にする危険な前例になりかねない。

かりに所得分配上の配慮から全国で同じ条件のサービスが必要だとしても、価格支持を行う必要はありません。料金は市場で決め、山間僻地の利用者には「電話バウチャー」のようなものを支給すれば、市場を歪めないでサービスの水準を維持できます。その財源は一般財源でよく、「均一価格」によって都市の利用者から内部補填する理由はありません。これは福祉政策の一種だからです。

実際には、有線ブロードが示しているように、インフラの効率さえ上げれば、少なくとも政令指定都市ぐらいまでは民間ベースで光化は可能でしょう。それ以外の地域は、人口が少ないほどスループットが上がる無線インターネットのほうが効率的です。稚内や高知では20Mbps出るそうです。
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From: 中野 潔  2001/2/19 14:41
Subj:【214】ラストマイル問題
【要旨】「人が生きていけるところなら高価でも必ず入手できるもの」と「事業者の力がないと入手できないもの」との間には、違いがあり、「事業者の力がないと入手できないもの」については、高価でもいいから、ともかく入手できるようにする手立てが必要なのではないか。
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【213】池田信夫
野菜は生活必需品ですが、「ユニバーサル野菜」が必要だから全国で同じ値段でなければならない、というような議論はないし、公共性の高い電気料金も全国均一ではありません。
賛成です。
ところが、なぜか郵便の民営化や新聞の宅配の問題になると、「全国均一料金を守るために」云々という話が出てくる。つまり、これは価格カルテルの口実にすぎないわけです。
御卓見のとおり、通信費用が全国同額である必要はないと思います。小生の使ったユニバーサル・サービスという言葉が「全国均一料金」を想起させるなら、小生の舌足らずでした。まあ、地域ごとの入札といったので、「地域内では過疎地でも都会地と同じ」を一応、想定してはいます。
かりに所得分配上の配慮から全国で同じ条件のサービスが必要だとしても、価格支持を行う必要はありません。料金は市場で決め、山間僻地の利用者には「電話バウチャー」のようなものを支給すれば、市場を歪めないでサービスの水準を維持できます。その財源は一般財源でよく、「均一価格」によって都市の利用者から内部補填する理由はありません。これは福祉政策の一種だからです。

実際には、有線ブロードが示しているように、インフラの効率さえ上げれば、少なくとも政令指定都市ぐらいまでは民間ベースで光化は可能でしょう。それ以外の地域は、人口が少ないほどスループットが上がる無線インターネットのほうが効率的です。稚内や高知では20Mbps出るそうです。
人の住むところで、野菜の運べないところはないので、いくら高くてもよいなら、必ず野菜は入手できます。舟1台とバイク1台で行き着けるところなら、どこでもいいわけです。

たとえば3Mbpsの通信が、文化的な最低限度の生活に必要不可欠になるとしたら、合理的な値段で全国津々浦々でサービスを享受できるのだろうか−−というのが質問者の意図だと思います。3Mbpsの通信については、舟1台、バイク1台のレベルで提供できるものではないからでしょう(衛星でどこまでできるのか、済みません、不勉強でよくわかりません)。
【212】中野潔
(1)民間の競争にまかせれば、人口密度の低いところにも、いずれ、高速の足回り回線が大部分、整備されていく。

(2)高速の足回り回線の費用を市場原理にまかせる。必要な企業、家庭は、費用と効果との見合いで(どうしても必要なら高い費用を払ってでも)導入するはずである。

(3)人口密度が低かったり、意欲的な通信業者がいなかったり、地方自治体の政策が足りなかったりして高速の足回り回線の整備率が非常に低い地域があったとき(それでは生活していられない、仕事をしていられないという)企業や家庭は、転出していく。そこまで含めて市場メカニズムにまかせればよい。

(4)数Mbpsクラスの衛星通信など、人口密度だとか、都市だ農村だとかに、無関係のインフラが放っておいても整備されていく。
そうすると、池田先生のお答えは、(1)ですね。
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