世界情報通信サミット2001
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2月12日(月)−15日(木)の発言内容
From: 内田 勝也   2001/2/12 15:25
Subj:【155】電子マネーについて(2)
【148】加藤良平
電子マネーが通貨の限りない私的生成になってしまう危険は、情報開示を きちんとすれば一種の市場原理で阻止される。
「きちんと情報開示をしている」と誰が判断するのでしょうか?
過去の経済犯罪でも情報開示がきちんとされた事はないはずで、日本でも多くの弱者がその餌食になっています。 インターネット時代だからと言って情報開示がきちんとされる保証は一つもありません。 数年前にインターネット上に開設された金融機関が詐欺であったこともあります。

また、一定の条件を満足する発行元が複数存在することになれば、当然それらの間でのやりとりが発生する可能性があります。
中山さん(発言【152】)がおっしゃる通り、複数の発行元の電子マネーの価値が異なると複数の通貨が混在し、その通貨を利用できる場所(物品、サービス等の販売業者・個人)が限られる可能性もあります。個人としては常に複数の通貨の残高を把握しておくか、1つの通貨で持っている必要があります。

もう1つは、電子マネーとして個人がそれを所有していても何ら価値を産みません。個人が貸金業を行うか、専門業者に預けるかをしなければならないことになります。(これによって不良債権が発生する可能性があります)この問題が電子マネーが企業・個人に滞留しない可能性が高いことの1つだと言われる方もおります。
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From: 内田 勝也   2001/2/12 15:26
Subj:【156】電子マネーについて(3)
【151】中山靖司
新宿で実験が行われた電子マネー「スーパーキャッシュ」は、実験では転々流通性は持たせないが、将来持たせることは可能という言い方をしていたと思います。また、サイバービジネス協議会のインターネット上の実験「インターネットキャッシュ」は、途中のフェーズからは転々流通性が可能になったと記憶しておりますが、その「行政指導」は一貫して行われているのでしょうか?
これは中山さんがおっしゃる通りです。私は両方とも関係していましたが、特に後者には多少深く関係していましたが、第2フェーズからは転々流通性が可能でした。これら2つの仕組みは日銀・NTT方式の電子マネーの技術を利用していました。後者は旧郵政省の予算で実施されたもので、大蔵省への根回しは郵政省が中心になってやっていたはずです。
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From: 内田 勝也   2001/2/12 15:29
Subj:【157】逆行政指導(?)
【150】中野潔
一方、小生の知人が「行政指導」を受けたのも事実です。転々流通をしてはいけない??という上記の理由は、知人があげたのではなく、財務省の人があげたものです。
この様なことを言われてそのまま何も言わなかったのでしょうか?少し前になりますが、某電政課長から、「日本ではセキュリティを長年やっている人がいない」と目の前で言われましたので、「そんな事はありません。僕は80年代の初めからシステム監査、コンピュータ犯罪、情報セキュリティなどをやってきました」と言ったことがあります。

先日も、「SWIFT (インターバンクのメッセージ交換システム)」について国内で知っている人がいない」との話がありましたので、「そうでしょうか? 私の複数の友人・知人で詳しいのはおりますが」とお話をしました。

また、認証に関しての法律ができる前に、認証機関についてのご進講を某官庁の補佐にしたこともあります。

要は、正しい情報を与えてあげることも大切ではないでしょうか? 官庁の課長・補佐クラスが常に正しい情報を持っているとは限りません。偏った情報を持っている可能性もあるのではないでしょうか?もっとも、正しい情報を伝えられるだけのものを企業側が持っていない可能性も否定できませんが。
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From: 櫻井 豊   2001/2/12 20:48
Subj:【158】ユビキタス社会は何を目指すのか。
「地域コミュニティ」作りに精を出した結果,日本が古来持ってきたとされる(?)「過干渉で横並び意識ばかりの地域コミュニティ」が復活してしまう危険性はないだろうか,という質問あるいは問題提起であって,無いというのならそれでよいです。

もちろん,多様性を作り出すことも情報化社会の大きな目的ですから,そういったコミュニティも選択肢として出現することは妨害すべきではないと信じます。

嫌だ,と考える人に押し売りしなければ,それでよいことなのですからね。

【136】松本功
「過干渉で横並び意識ばかりの地域コミュニティ」

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From: 櫻井 豊   2001/2/12 20:52
Subj:【159】政府の統計と役割
【137】江崎浩
例えば、銀行ってどうなるのだろうと考えちゃったのですが、完全に我々ユーザが Peer2Peer で金銭のTransactionが可能になった時って、銀行はどういう役目になるのでしょう?
与信管理。
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From: 加藤 良平  2001/2/12 20:57
Subj:【160】開示事項を規定すれば相当な歯止めに(Re:電子マネーについて)
【155】内田勝也
「電子マネーが通貨の限りない私的生成になってしまう危険は、情報開示をきちんとすれば一種の市場原理で阻止される。」とおっしゃっていますが、「きちんと情報開示をしている」と誰が判断するのでしょうか?(後略)
「きちんとした情報開示」に反するパターンは、大きく2種類ありますね。
<パターン1>:開示した方がよい、あるいは開示すべきことを開示しない
<パターン2>:虚偽の開示をする
と仮に表わしておきましょう。

発言【148】では、たとえば以下のような指標をホームページで公開し、そのアドレスを電子マネー利用ページに常に明記することを提案しました。

  -資本金
  -過去数年のビジネス実績
    (新規企業の場合、電子マネーを出すことに対する説得力あるメッセージ)
  -何らかの意味での「信用積立金」
  -現在その会社が発行(保証)しているマネー量
  -その会社がこの一年で保証し終えたマネー量
  -偽造などに対する予防措置や起きた時の責任に関する、明確な説明・規定

この項目自体は不十分なものかもしれません。

ただ、何らかの適切な開示事項を規定し(=政府の役割)、それが開示されているホームページのアドレスが電子マネー利用時に常に明示されることで、<パターン1>はかなり阻止されると思います。

もちろんそれでも<パターン2>の危険は残りますが、これは確信犯なので詐欺罪などを適用することも容易でしょう。

なお、しかるべき情報を開示しないことは、開示規則を作って違反を法律で取り締まることもできるでしょうが、「利用者の自己責任」原則を重視するなら、開示していないこと自体を判断材料にしてもらう、ということもありえるでしょう。

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From: 内田 勝也   2001/2/12 21:41
Subj:【161】情報開示の困難さ
【159】加藤良平
ただ、何らかの適切な開示事項を規定し(=政府の役割)、それが開示されているホームページのアドレスが電子マネー利用時に常に明示されることで、<パターン1>はかなり阻止されると思います。
政府を信用する訳ですね。 それが1つの前提な訳ですね。政府が信じられないことが前提ではなかったでしょうか?
これは確信犯なので詐欺罪などを適用することも容易でしょう。なお、しかるべき情報を開示しないことは、開示規則を作って違反を法律で取り締まることもできるでしょうが、「利用者の自己責任」原則を重視するなら、開示していないこと自体を判断材料にしてもらう、ということもありえるでしょう。
確信犯であることを判断することは非常に困難なことです。 いくつもの実例が日本の詐欺事件にもありますね。(豊田商事を初めとして・・)また、海外のケースでは及ばないこともあります。 前の例で実際にインターネット上に開設された「投資銀行」(だったと思います)が全くの詐欺行為だったことが発覚した事件が3,4年前にありました。海外の情報を誰が正しいと保証するのでしょうか?

自己責任は情報開示が全て正しく行われて始めて言えることです。情報開示が1つの企業で正しく行われなかったその仕組み全体に問題があると思われる可能性が高くなります。

日本の大規模詐欺事件、豊田商事事件とか色々ありますが、法律が常に後手に回っています。一個人が判断するのはそれほどたやすい事でしょうか?
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From: 藤元 健太郎  2001/2/13 3:05
Subj:【162】ユビキタスはビジネスチャンス!
フロントライン・ドット・ジェーピーの藤元です。

【要旨】ユビキタスは利用シーンを大幅に増やすため,利用シーンに合わせたサービス開発によって様々なビジネスチャンスが存在する。
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我々がこれまでビジネスとして想定した環境は遅いインフラでありPCでした。昼間のオフィス(お昼と夕方が多いですね)や,夜23時以降の自宅で書斎の机の上で,時間を

気にしながら利用する極めて限定的なシーンに提供するビジネスがこれまでのe-businessでした。しかし,ユビキタスがもたらす世界は非常に広がります。

・終電情報は人気コンテンツですが,夕方17時の会社では映像情報であろうとその重要度は低くお金を払う気になりませんが,23:30に居酒屋にいる時ではiモード上での数バイトのテキストにでも有料で利用したくなります。

・一人で書斎でPCでおもちゃを選ぶときは冷静ですが,居間のインタラクティブなテレビショッピングでは欲望の固まりである子供が一度見てしまったがたために欲しがった場合は,思わぬ出費もあるかもしれません。欲しい人と買う人が異なることは普通は多いですが,これまでのe-businessでは運良く?なかったですね。

・ディトレーダーの人にとっては,朝から晩まで必要な情報がいろいろ変わることでしょう。朝は自宅のデジタルテレビで海外市況の解説情報,車の通勤移動中はカーナビでアナリストレポート,営業中は携帯で,会社では会社のパソコンで値動きチェック,夜は自宅のパソコンで取引などそれぞれ情報の種類や情報量や双方向性が異なります。
オンライントレーディング会社にとっての競争はどれだけ一人の人を的確にサポートできるかに変わるかもしれません。

つまり端末×場所×人数×重要度で利用シーンは劇的に広がりをみせます。ユビキタスはこれを可能にする概念だと思います。同じコンテンツや商品でも利用シーンが変わればビジネスになる可能性があるのです。これまでの電話回線でとりあえず使っていた「なんちゃってインターネット」とパソコンという「暫定的e-business」の世界ではYahoo!が成功しました。それはこの「限られた時間で素早く情報を探したい」という利用シーンにYahoo!がぴったりであったからでしょう。これからは本当にニーズやマーケティングで挑戦できるe-businessの世界に我々も挑戦していく必要があると思います。

人々がお金を払いたくなる瞬間,欲望が誕生する瞬間,目の前にある端末は何ですか?それはどんなインフラでインターネットに繋がっているのでしょう?

この思考を可能にすることこそユビキタスコンピューティングではないでしょうか?

ユビキタスコンピューティングについては以下にも寄稿しています。
NIKKEI NET ネット時評 1月29日(月)「ユビキタスコンピューティングがもたらす無限の利用シーン」

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From: 水野 隆一  2001/2/13 8:55
Subj:【163】政府の統計と役割
NRIの水野です。

【137】江崎浩
例えば、銀行ってどうなるのだろうと考えちゃったのですが、完全に我々ユーザが Peer2Peer で金銭のTransactionが可能になった時って、銀行はどういう役目になるのでしょう?

【159】櫻井豊
与信管理。
個人ベース取引の与信管理は銀行の関与できるところではないと思います。(超大口は除く)銀行にはそんな情報は蓄積されていないし、預金残高の範囲内は大丈夫という程度の与信しか不可能でしょう。結局、クレジット会社か消費者金融が、新しい与信管理会社を立ちあがるしか無い様な気がします。

今の日本の銀行の生きる道は、B2Bのほうの与信管理ではないでしょうか?
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From: 松本 功   2001/2/13 8:57
Subj:【164】ユビキタス社会は何を目指すのか。
私の両親は、父はもともと下町育ちで、父親を早くなくしたこともあり、母親が小間物商売をして育てました。本人は、郵政省に中卒ではいり、夜間高校をでました。公務員という勤め人になりました。40歳過ぎてから、組合の専従になりましたが、給与をもらって生きているという点では、ずっと同じです。

母親は、広島の田舎の農家に育ち、裕福ではなかったために、口減らしのために東京にでてきて、病院に奉公して、その後、看護学校に行き、看護婦になりました。手に職をもった勤め人ということになります。

私の父の父、つまり祖父は、浅草で飾り職人をしていたそうです。母がたは農家であったわけです。

祖父母の時代(1900年前後生まれ) 職人・農民 (SOHOと読んでも良い)
         ↓
父母の時代 (1930年前後生まれ) 勤め人
         ↓
私     (1960年代生まれ)  勤め人から起業へ

勤め人の時代が今も続いているのは、事実ですが、勤め人の時代は、情報の流通の一つの過程の中で、大きな組織にいないと情報がうまく処理できない時代だったといえます。

住んでいるところは、仕事の気配が無く、寝ることと娯楽の場所になり、職場があるところには、地の利による情報ネットワークと通信インフラもそろっている状況があり、いっぽう、生活の気配はありません。

1時間以上も通勤して通ってくるという社会です。

ところが、子どもを育ててみると、育つ地域社会には、住宅とショッピングモールしかない、ということに気が付きます。ものをつくるということがどういうことかが、分からないと教科書の知識を丸飲みしたり、テレビや情報機関が発信するもを、他人事としてみるか、過剰に反応するか、しかないことになります。メディアリテラシーということですね。

ものを作っている人がいないと、情報の質も意味も分からないと思います。「作り手と見る人のあゆみより」ということを提案していますが、作り手の気持ちなど分かりません。それは、住んでいる場所が、消費しかない場所だからだと私は思います。

身近に、ものを作っている人がいて、その仕事ぶりを見ていたり、両親あるいは親戚、友達の家でもいいのですが、仕事を手伝ってみたりして、分かることというのはあります。別に豆腐でなくても、バイクの修理工場でも、配線板を組みたたている町工場でもいいんです。でも、できれば一階がいい。外から見えるところがいいからです。

ユビキタスの仕組みでいうならば、ある通りがストーカーがでるとして、街角にあちこちに音声感知器を置いて、叫び声があがったら、警察が駆けつける仕組みを作るよりも、暗い街角におでん屋が、回っている。そのおでん屋を、ユビキタスの仕組みで支援できないか、おでん屋というよりも、移動コンビニというべきかも知れませんが。

おでん屋さんは、街角でラッパや声を掛けて、人が直ぐにそとに出てこれるような住居環境の中で、成り立つ商売だったと思います。高層マンションの時代にはかなり難しいことです。おでん屋さんが、500メートル四方に発信できる放送局の機能を持つことができれば、どうだろうか?

人手を節約するのではなくて、人手をかけるために、電子技術とネットワークが使えないものか、と夢想します。

過去のコミュニティに対する反感が、多くの人に存在していたからこそ、政府の近代化(富国強兵)の実があがったのだと思います。過干渉のということばが直ぐ出てくるゆえんです。それは間違ってはいないのですが、結果として、政府と人々の共犯関係で、コミュニティは破壊されたのだと思います。旧来のあり方でのコミュニティの再生があり得ないからこそ、まち作りなどのNPOのかたちでいろいろなことが起きているので、それを旧来型のコミュニティの再興だと直ぐに思ってしまうのは、私には不思議です。私が自営で、SOHOを経営していて、小さい子どもを育てているから、新しい形のコミュニティが必要だと思うのかも知れません。

最初に、祖父母から父母から私という流れを書きましたように、たぶん、サラリーマンの全盛期から、今は、次の段階に入ろうとしていると思います。その流れの中で、「どこでもコンピュータ」が、どういう役割を果たすべきなのか、ということも議論の中で、重要な部分をしめると思うのです。

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From: 小林 一  2001/2/13 16:40
Subj:【165】電子マネーについて
電子マネーについて、日本銀行券との関わりで、常々考えていたことを一言。

広くは信用創造という意味でマネーサプライとの関係の問題もありますが、より直接的に通貨の私的生成ということとの関係を考えてみます。ご存じと思いますが、日銀券を発行している日本銀行は認可法人ということで、資本金1億円で店頭上場している組織です。大きな役割はいうまでもなく通貨の発行ですが、その財務諸表をみると、発行銀行券は負債として計上され(12年度上期末で56兆円)、全体負債85兆円の大部分を占めています。資産の部では国債59兆円が計上されており大雑把にいえばそれが発行日銀券に対応しているといえます。全体でどういうことかといえば、財務諸表からみれば、日銀券の信用度は国債の信用度=国の信用度に依拠しているといってよいと思います。国の銀行なのだからある面当然ですが。交換可能性についての信用を担保に通貨(マネー)を発行することだけを考えれば、色々なところで話題になっているエコマネー(地域通貨)のように限られた人たちのなかだけで通じるマネー(交換価値をもつ)から、資産(運用)面で信用力の高い企業やその集団が国境を越えて発行することまで、理屈の上では考えられます。

にも関わらず、日銀券に一本化されているのは、まさに「国家」の基礎が度量衡、通貨、言語ということで、特に国民国家の近代においては国家の意義・役割が強かったからだといっていいでしょう。グローバリゼーションの進むなか、度量衡はメートル法に標準化され、言語も特にサイバースペースでは英語が標準(このことには異論もあるでしょうが)に近くなっています。通貨についても電子商取引がネット上で国境を超えて行われていることを考えると、それこそいつでもどこでもユビキタスに利用できる、便利な電子マネーがしかるべき信用力を担保に発行されることは不思議でも何でもないのではないでしょうか。昔の藩札のように当初は様々の形で発行されるかもしれません。通貨管理のための情報システムを考えればたとえばシティバンクなど ・・ またもやですが、最有力な発行会社かもしれませんね。

日本国籍をもち日本に居住する身からすれば、日銀券=日本政府の信用がしっかり守られることを期待するばかりですが、より信用度の高く使い勝手のよい電子マネーがでてくることも否定はできないような気がします。もしかするとグローバルに通用する電子マネーとコミュニティで通用するエコマネーに二極化していくのかもしれませんね。

というわけで、この電子マネーの問題は、国の意義や政府の役割を考える面からも結構奥深い問題だと思います。エコノミストの方いかがお考えでしょうか。

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From: 寺崎 明  2001/2/13 16:54
Subj:【166】政府の役割
【140】森川博之
【要旨】諸外国への働きかけを精力的に...
【要旨】情報通信市場はグローバルに(まず、意識から)
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日本の情報通信産業は、総体として内弁慶なので、心配です。欧州は、コンピュータが米国にやられたということで、携帯電話でグローバルマーケットをGSMにより勝ち取りました。GSMの開発段階から欧州、アジア、アフリカ、北南米への浸透への段階をみると、その戦略が緻密で見事であります。開発のコンセプト、パテント処理の方法、将来への発展性、外国企業の取り込み等欧州中心に動かすシステム造りがあざやかです。戦略面で2〜3人の天才(EU(政府機関)と民間)がいたのでしょう。

当時(数年前)、PDC(日本のデジタル携帯電話)の海外展開は、外国の周波数事情から難しかったので、郵政省(現総務省)として、特にアジアでの周波数の配分が未定のPHSを売り込むことをやりましたが、民間の企業の多くは日本国内の市場で手一杯という状況でした。一番ショックだったのは、ある大手民間企業の幹部から、郵政省さんがそこまでおっしゃる(売り込み活動)のなら、当社も是非ご協力したいと言われた時でした。自分のことだと思っていらっしゃらないのですね(最後まで粘った会社は、最終的に、中国にPHSをかなりの台数入れました。)

中国の内陸部で日本の官民通信セミナーを開きましたが、そのとき、中国の省幹部から言われたことは、モトローラやエリクソンは2〜3ヶ月に一回来るが、日本の企業はほとんど来ない。日本の企業をつれてきてくれて有り難うといわれました。官はよくたたかれますので、官の悪いところはそのとおりだと思いますが、民間もまずいと思います。要は、官民とも体質改善が必要ですね。全体として理解と努力が足りないのでしょう。海外で通用しないことは、もうやめましょうという基本的なことを。こうなってしまった理由はいくつかあります。分析は別途の機会にお話したいと思います。IMT-2000の無線部分はかなり、外国との連携等が前進しましたが、スイッチソフトの部分がグローバル化の足を引っ張らなければいいと思っています。

100パーセント日本の技術で開発しても、日本市場でしか売れないものは情報通信の世界では通用しないが、1/3日本の技術で開発しても、今までの3倍以上の市場(世界)で売れれば、日本の技術も生き残ると思います。

モトローラのアナログ携帯電話などは米国政府からの外圧によって日本への導入が決まりましたし,イリジウムの実現に向けて周波数調整など米国政府が果たした役割は非常に大きなものがあります.

日本発の技術(昔の例ではハイビジョン,身近なところではPHS)を世界に展開していくときには,一企業だけではやはり限界がきてしまうかと思いますので,このようなときこそ政府の出番,ではないのか,と思います.

#PHSのときなど郵政も頑張られたようですが,できれば外務省ともタイアップしてできたらな,,,と思いました.外務省の機能強化が必須となりますが...

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From: 中野 潔   2001/2/13 20:22
Subj:【167】電子マネーについて
【要旨】汎用性の高い世界共通の「こどもぎんこう券」のようなものが転々流通すると、貨幣の本質が明らかになってくるのでしょうか。誰か「こどもぎんこう券」の信用とブランドを確立してくれませんか。日本では、「パチンコ玉引き換え権利オプション」の移動で代行する手があるかも。
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【165】小林一
より信用度の高く使い勝手のよい電子マネーがでてくることも否定はできないような気がします。もしかするとグローバルに通用する電子マネーとコミュニティで通用するエコマネーに二極化していくのかもしれませんね。というわけで、この電子マネーの問題は、国の意義や政府の役割を考える面からも結構奥深い問題だと思います。エコノミストの方いかがお考えでしょうか。
(1) 95年ごろ、前の発言で言及した 福冨忠和さんだったかの解説文を読んだとき、世界中の何万店もで使える「こどもぎんこう券」なり商店街のブルーチップなりが広まれば面白いだろうな−−と不謹慎にもアナーキーな想像にふけったことがあります。

(2) 不安定な国の国債より、安定した会社の社債の方が、評価されることはあるし、自国通貨の安定化をあきらめて、事実上、ドルを自国の基本通貨にしている国もあるのですから、非常に汎用性が高く、信用される「こどもぎんこう券」が出てきてもおかしくはありません。

(3) 日本なら、「パチンコ玉引き換え権利オプション」でもいいです。くるくる変化する、並んだバナー広告をクリックして広告を見、一定の配列になったら、「パチンコ玉引き換え権利オプション」があたります。原資は、企業の広告費です。(ゲームセンターと同じで、円を「パチンコ玉引き換え権利オプション」に換えてもいいと思いますが)

得た「パチンコ玉引き換え権利オプション」を さらに、バナー広告の並んだインターネットスロットマシンに注ぎ込んで増やしたり すったりするのもOKとします。

パチンコが賭博でないなら、「パチンコ玉引き換え権利オプション」をゲームと組み合わせて弄ぶのも、賭博でないはずです。

「パチンコ玉引き換え権利オプション」を発行するのに、法的資格がいるのでしょうか。どなたか御存知ありませんか。
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From: 中野 潔  2001/2/13 20:58
Subj:【168】電子マネーについて
【要旨】パチンコ玉は、パチンコ屋の中でしか増減できないのでしょうか。そうでなければ、電子bitting の媒体に、パチンコ玉を使う手はありますね。
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全国各地のパチンコ屋から、数百万円のパチンコ玉を買い、引換所(パチンコ玉引き換えオプションをパチンコ玉に換える)にストックしておく。

パチンコ玉引き換えオプションを持ってきた人に相当分のパチンコ玉を渡す。パチンコが賭博でないなら、パチンコ玉オプションを賭けた遊びは賭博ではない。

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特殊景品交換所さえ、協力してくれれば、特殊景品交換所を使ってもいいですよね。

プロモーション用のウェブサイトでは、(懸賞に関する自主規制は守るにせよ)特殊景品引き換えオプションを視聴者にあげるだけです。特殊景品自体は軽いので、請求があれば郵送することができます。

特殊景品交換所は、パチンコ屋の近くにありますが、「偶然」近くにあるだけで、特定のパチンコ屋の付属施設ではありませんから、(特定のパチンコ屋の付属施設だったとすると、増えたパチンコ玉をパチンコ屋自身が金で買うことになって、賭博になってしまいます)判別できる特殊景品が持ち込まれたら、持ち込んだ人に相当の金を渡し、その特殊景品の振り出し人に、特殊景品の買戻しを請求すればいいわけですね。

特殊景品の振り出しと、買戻しが違法だとすれば、特殊景品交換所という存在自体が違法だということになります。でも、コレクションカードを店が買う行為が違法でないなら、特殊景品を店が買う行為も違法ではありませんよね。

ウェブサイトで遊んでいる人は、メンコと同じく、特殊景品引き換えオプションを弄んで遊んでいることになります。
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From: 本荘 修二   2001/2/13 21:40
Subj:【169】望まれる規制緩和策とネット社会に向けた法整備
【要点】インフラ・技術の普及だけでなく、ビジネスの規制の進化が必要。規制緩和のプロセスづくりが重要。
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関口さんの(発言【4】)望まれる規制緩和策とネット社会に向けた法整備、との問題提起についてですが、インフラ関連という枠を越えての話ですが、規制がとても多くのネット活用に影響を及ぼしています。

Priceline.comの逆オークションは航空券については運輸省が運賃の事前届出を求めているため日本ではすぐには実現できません。オンライン証券ブローカーは、書類等の要請事項のため効率的な電子化が容易ではありません。加えて、電子認証などの課題もありますが、法整備は追いついていないのが実情でしょう。

もちろん米国でも、ワインなど酒類の州をまたぐ販売は規制対象ですし、自動車販売の規制もあります。が、相対的には日本は、規制がかなり多いと言えます。

例えば、旅行・交通やメディアプロダクト(本・CDなど)はB2Cコマースの主力ですが、日本は規制が厳しいです。

各事業・アプリケーションによって各論が異なるため一般的な提言は困難なのですが、「IT革命」を社会的に実現するには規制の変更が有効なケースが多々あります。かつてのセコムやヤマト運輸のように各社(勇気をもって)規制と戦えというのが基本方針ならあきらめますが、それでは社会の発展は阻害されるでしょう。

もぐら叩きにもなりかねないので、どういう規制緩和というよりも、どのように規制緩和するかという仕組み・プロセスづくりの議論に期待したいです。
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From: 内田 勝也   2001/2/13 22:48
Subj:【170】政府の役割について
勿論、新しい発想がでてきているもの知っています。 最近の個人の対して最大2000万円だかを支払う試みです。 数名のPMを決めて、その人達にプロジェクトを管理させていますが、このような新しい考えがもっとでてきて欲しいと望んでいます。

マスコミの批判を恐れずにやる気概を官にいる人達は持って欲しいと望んでいます。昔のようにマスコミの論調に一方的にならなくて済むような媒体ががインターネットではないでしょうか?

多くの人がおかしいと感じていることに対し修正を加えていくことに対して、民間にいる人達の大部分は積極的な行動をとると信じています。今問題なのは、このような事態を先送りにする体質(官だけではありませんが)ではないでしょうか?
【124】安延申
▲一般的なコメントになってしまいますが、今の世の中の潮流は「政府の裁量を低くする」ことです。したがって、研究の成果は「投入されたlabor cost 」で計るのが一番間違いがないし無難、「一度、ハイレベルで決めたものは、それを遵守するのが無難」ということになってしまい勝ちです。

▲でも、考えてみれば当たり前で、例えば、予算を投入されて実施したR&Dプロジェクトを「技術的価値」で評価する、したがって、「この研究はアウトプットは少ないけれど、この予算に値する」といった運用をしたとすると何がおこるか、「会計検査院で不適当な支出」と指摘され、新聞が「不透明な予算執行」と書きまくるといった事態です。
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From: 池田 信夫   2001/2/14 8:09
Subj:【171】高速バックボーン?
【4】関口和一
(1)IT戦略会議がまとめた「IT基本戦略」に対する評価分析
(2)高速バックボーン敷設に関する政府と民間との役割・・・
「高速バックボーン敷設に関する政府の役割」なんて議論する意味があるのでしょうか。そもそも、今のNTTの光ファイバー網は1割しか使われていないのです。これ以上、「バックボーン敷設」をして何に使うのでしょうか。

問題はバックボーンではなく、アクセス系ののコストが高く、広帯域にふさわしいコンテンツがないことです。そういう問題を解決しないで、「デジタル・デバイド」解消と称して田舎に無駄な光ファイバーを公共事業で引くのは、整備新幹線と同じです。
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From: 山下 鐵五郎   2001/2/14 9:14
Subj:【172】日本語の「知」を共有する
唐突ですが、日本の知的資産をネットワーク上に掲載(転写)(まずは著作権フリーなものを)する労を誰がどのようにするかの、議論はされたことがあるのでしょうか。無いように思うのですが。
 (1)IT戦略会議がまとめた「IT基本戦略」
 (3)電子政府構想
 (4)教育分野における情報化
に関連するかと思いますが、狭くは、生涯学習も含めて、教材に『ユビキタス』にアクセスでき、公共財として知識がネットワーク上で共有できたら素晴らしいな、と考えています。
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From: 山本 雄大  2001/2/14 9:57
Subj:【173】高速バックボーン?
【要旨】政府が高速バックボーンを敷設する必要はない。しかし、過疎対策デジタルデバイド解消としての役割はある。
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【171】池田信夫
「高速バックボーン敷設に関する政府の役割」なんて議論する意味があるのでしょうか。そもそも、今のNTTの光ファイバー網は1割しか使われていないのです。これ以上、「バックボーン敷設」をして何に使うのでしょうか。
私も基本的には「高速バックボーン敷設に関する政府の役割」なんてないと思っています。

一般の電話におけるNCCの例同様、長距離とかバックボーンの部分は、それなりに需要があり利益が見込めるため、放っておいても民間がやるでしょう。

また、雑誌の付録のネットワーク図ではありませんが、既に十分な太さがあると思います。

ただし、これは都市部及び都市間だけの話であって、過疎地などではまだまだではないかと想像します。

ですので、以下の部分では異論があります。
問題はバックボーンではなく、アクセス系ののコストが高く、広帯域にふさわしいコンテンツがないことです。そういう問題を解決しないで、「デジタル・デバイド」解消と称して田舎に無駄な光ファイバーを公共事業で引くのは、整備新幹線と同じです。
確かに整備新幹線と同じかも知れませんが、デジタルデバイド解消も重要な課題(?)ですので、人が住んでいて需要があるのならば、光ファイバーに限らず、衛星でも無線でも有線でも何でもいいですから、公共事業でブロードバンドが利用できるインフラを用意してもいいのではないでしょうか?

よほどの山奥でもない限り、電気や電話は通じているのですから、これらの電柱に光ファイバーを追加するだけですので、新幹線ほども費用はかからず、ランニングコストも少ないと思うのですが、どうでしょう?(塵も積もればという話もありますが)

先日の「サービス>技術」の議論ではありませんが、ある程度技術やインフラが見えてこないと、コンテンツやサービスは実現できないと思います。ですので、広帯域にふさわしいコンテンツは、これから出てくると期待しております。
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From: 櫻井 豊   2001/2/14 10:25
Subj:【174】日本語の「知」を共有する
以前に,ある高等学校の先生から,ITを使った授業のテーマに関するアイディアを求められたとき,まさに山下さん(発言【172】)がおっしゃられるようなことを学生・生徒さんにテーマとして与えてはどうかと提案したことがあります。

IT教育といっても,パソコンやインターネットの使い方だけでは物足りないので,企画や取材なども含めた総合的な学習になるのではないかと思ったのでした。
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From: 櫻井 豊   2001/2/14 10:32
Subj:【175】 高速バックボーン?
池田さんがおっしゃりたいのは,何も田舎に光ファイバを引くな,と言う主張ではなく,問題は優先順位,あるいは少なくとも並行してもっとやるべきこと「も」あるのではないか,という問題提起なのだと理解しました。

私も旧郵政省の21世紀情報基盤なんたらかんたら委員会の専門委員会で池田さんと同様のことを毎回毎回主張しつづけました。

どうも,論理とは別の「力」が働いているように感じたのは,私がひねくれているからなのかもしれません。
【173】山本雄大
【要旨】政府が高速バックボーンを敷設する必要はない。しかし、過疎対策デジタルデバイド解消としての役割はある。
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【171】池田信夫
「高速バックボーン敷設に関する政府の役割」なんて議論する意味があるのでしょうか。そもそも、今のNTTの光ファイバー網は1割しか使われていないのです。これ以上、「バックボーン敷設」をして何に使うのでしょうか。
私も基本的には「高速バックボーン敷設に関する政府の役割」なんてないと思っています。
一般の電話におけるNCCの例同様、長距離とかバックボーンの部分は、それなりに需要があり利益が見込めるため、放っておいても民間がやるでしょう。
また、雑誌の付録のネットワーク図ではありませんが、既に十分な太さがあると思います。
ただし、これは都市部及び都市間だけの話であって、過疎地などではまだまだではないかと想像します。
ですので、以下の部分では異論があります。
問題はバックボーンではなく、アクセス系ののコストが高く、広帯域にふさわしいコンテンツがないことです。そういう問題を解決しないで、「デジタル・デバイド」解消と称して田舎に無駄な光ファイバーを公共事業で引くのは、整備新幹線と同じです。
確かに整備新幹線と同じかも知れませんが、デジタルデバイド解消も重要な課題(?)ですので、人が住んでいて需要があるのならば、光ファイバーに限らず、衛星でも無線でも有線でも何でもいいですから、公共事業でブロードバンドが利用できるインフラを用意してもいいのではないでしょうか?
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From: 山本 雄大  2001/2/14 23:29
Subj:【176】日本語の「知」を共有する
質問なんですが、山下さんがイメージされている日本の知的資産には、文学作品は含まれているのでしょうか? それとも、技術関係でしょうか?

たとえば、著作権の消滅した作家の作品を集めた「青空文庫」というのがありますが、こういったものも含まれるのでしょうか?

【172】山下鐵五郎
唐突ですが、日本の知的資産をネットワーク上に掲載(転写)(まずは著作権フリーなものを)する労を誰がどのようにするかの、議論はされたことがあるのでしょうか。無いように思うのですが。
 (1)IT戦略会議がまとめた「IT基本戦略」
 (3)電子政府構想
 (4)教育分野における情報化
に関連するかと思いますが、狭くは、生涯学習も含めて、教材に『ユビキタス』にアクセスでき、公共財として知識がネットワーク上で共有できたら素晴らしいな、と考えています。
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From: 今川 拓郎   2001/2/14 23:39
Subj:【177】高速バックボーン?
【171】池田信夫
問題はバックボーンではなく、アクセス系ののコストが高く、広帯域にふさわしいコンテンツがないことです。そういう問題を解決しないで、「デジタル・デバイド」解消と称して田舎に無駄な光ファイバーを公共事業で引くのは、整備新幹線と同じです。
そういう側面があることは否定できないと思いますが、一方で行政が人口密度の低いことを理由に「○○村にはそのような設備は必要ない」とは言えないこともご承知の通りだと思います。資源配分の効率性を重視する経済学者であっても、地元のことになると話は別ということもあるように思います。

景気刺激が優先で、財政再建に本格的に取り組むことが難しい現時点においては、公共事業が非IT型からIT型にシフトすることはむしろ望ましいことではないかと理解しています。

それにしても広帯域にふさわしいコンテンツが必要というのは、仰る通りです。

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From: 山本 雄大  2001/2/15 0:04
Subj:【178】 高速バックボーン?
【175】池田信夫
池田さんがおっしゃりたいのは,何も田舎に光ファイバを引くな,と言う主張ではなく,問題は優先順位,あるいは少なくとも並行してもっとやるべきこと「も」あるのではないか,という問題提起なのだと理解しました。
最初はそう思っていたのですが、「整備新幹線と同じ」といわれたのでつい反応してしまいました。

まあ、全体的な優先順位は、池田さん、櫻井さんがおっしゃるとおりで、ブロードバンドならではのコンテンツがなければダメなのはわかります。

かといって、公共事業でコンテンツをという話は、それこそ「インパク」になってしまいます。(私がいうのも何ですが)

あと、田舎に引く光ファイバーは、バックボーンではなくて、それこそアクセス系じゃないかとも考えて書いた次第です。
コストが高く儲からない=民間に期待できない部分は、公共事業でと考えたわけです。

しかし、政府に期待するのは、これぐらいではないでしょうか? 後は、変な規制や圧力さえなければ、民間だけで何とかなると思います。

本題に戻れば、「高速バックボーン敷設に関する政府と民間との役割」では「政府の役割はもうない」で終わってしまうと思います。

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From: 今川 拓郎   2001/2/15 0:49
Subj:【179】日本語の「知」を共有する
山下さん(発言【172】)のご指摘の点に関しては、「パブリックドメイン」の整備ということで各所で議論されていると思いますが、統一的に議論された場があったどうかは存じ上げません。

私が関係していた映像分野ではこれが極めて難しく、文章や音楽とは比較になりません。例えば、過去の放送番組を集めた放送ライブラリーという施設がありますが、放送番組のライブラリーへの提供が難しいだけでなく、提供してもらっても著作権の制約から館内視聴しか認められていません。研究会でも相当議論しましたが、権利者との間には大きな隔たりがあります。

これは予算をかけて買い取れば良いというものでもなく、報酬請求権+許諾権の権利処理がありますので、権利者に「嫌だ」と言われればそれまでです。例えば

某役者が「昔の自分の演技は下手だったから、昔の映像を他人に見せることなど許さない。」ということもあり得る訳です。

教材についても、米国の大学ではネット上に教材を掲載しながらID等でアクセスを制限しているところもあります。

個人的には山下さんのご指摘のとおり、知的資本の公共財としてアクセス可能にすることは極めて重要だと思いますが、保護期間の50年間というのは結構真剣に長いです。

権利者の権利はしっかり認めつつ、保護範囲の限定(例えば教育利用等の例外化)や保護期間の短縮というのも一案だと考えています。

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From: 安延 申   2001/2/15 1:32
Subj:【180】政府の役割について
【170】内田勝也
勿論、新しい発想がでてきているもの知っています。 最近の個人の対して最大2000万円だかを支払う試みです。 数名のPMを決めて、その人達にプロジェクトを管理させていますが、このような新しい考えがもっとでてきて欲しいと望んでいます。マスコミの批判を恐れずにやる気概を官にいる人達は持って欲しいと望んでいます。昔のようにマスコミの論調に一方的にならなくて済むような媒体ががインターネットではないでしょうか?
▲これが、経済省のプロジェクトかどうか知らないのですが、小生が経済省にいるときに似たようなプロジェクトをはじめたことはあります。

▲ただ、このあたりから難しくなるのですが、要は、今の外務省問題にあるような「支出の適切性」と「支出の柔軟性」の相互矛盾の問題が出始めます。小生が始めたプロジェクトは、発想としては早稲田大学の前川さんのアイデアをお借りしたのですが、

1)若い研究者、技術者の方は、500万から1000万円もお金があれば、研究に集中できる

2)したがって、give away で多少、バラマキ気味であっても広く若い研究者にお金が行くような仕組みができれば総額は少数でも(例えば年20人としても最大2億円で済みます)有意義ではないか。

と考えたわけですが、ここで大変なのは、支出の適切性を審査する「会計検査」の存在です。会計検査っていったって、別に技術が分かるわけではありませんから、結局は、書類が揃っているか、証拠はあるか、ドキュメンテーションは適切かなどという、所謂人工作業の適切性の検査(=公共事業と同じ)が行われてしまうこんなことを研究者の方に強いるものですから、お金を使えば使うほど評判が悪くなるという妙なジレンマに苦しんでいました。結局、研究者に行くお金と殆ど同額を管理のために使うというバカみたいな事態が」発生します。

▲本当は、こういったものの審査・管理こそ外部にoutsourceすべきだということを言ってはいたのですが、世の中(特に・禄歳)は、こういった場合、決して現業部門の味方にはなってくれませんから。

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From: 安延 申   2001/2/15 1:38
Subj:【181】望まれる規制緩和策とネット社会に向けた法整備
【169】本荘修二
Priceline.comの逆オークションは航空券については運輸省が運賃の事前届出を求めているため日本ではすぐには実現できません。オンライン証券ブローカーは、書類等の要請事項のため効率的な電子化が容易ではありません。加えて、電子認証などの課題もありますが、法整備は追いついていないのが実情でしょう。もちろん米国でも、ワインなど酒類の州をまたぐ販売は規制対象ですし、自動車販売の規制もあります。が、相対的には日本は、規制がかなり多いと言えます。
▲規制緩和の話ですが、基本的に日本は規制が多すぎるということについては全く反論の余地がありません。

▲他方、規制緩和に反対するのが「行政である」というステレオタイプな見方をしている以上、この議論は進まない気もします。日本の規制緩和のリーダー役である、オリックスの宮内会長が保険業界に参入したときに「インサイダーになったらこんなに楽だとは思わなかった。」と行っておられたのを覚えています。それでも規制緩和の旗を降ろさない宮内さんは立派だと思いますが、多くの場合規制緩和に反対するのは、これもまた、行政の裏にいる民間である場合の方が圧倒的に多いと思います。

▲典型は、規制緩和を叫ぶマスコミが「再販制度見直し」になった途端に全て「反対!!!!」になるケースでしょう。
各事業・アプリケーションによって各論が異なるため一般的な提言は困難なのですが、「IT革命」を社会的に実現するには規制の変更が有効なケースが多々あります。かつてのセコムやヤマト運輸のように各社(勇気をもって)規制と戦えというのが基本方針ならあきらめますが、それでは社会の発展は阻害されるでしょう。
▲結局、今のNTT改革論でもその傾向が見られますが、日本とアメリカの最大の相違は「市場への信頼」の程度の問題ではないかと、最近痛切に感じています。
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From: 安延 申   2001/2/15 1:42
Subj:【182】電子マネーについて
【165】小林一
大きな役割はいうまでもなく通貨の発行ですが、その財務諸表をみると、発行銀行券は負債として計上され(12年度上期末で56兆円)、全体負債85兆円の大部分を占めています。資産の部では国債59兆円が計上されており大雑把にいえばそれが発行日銀券に対応しているといえます。
▲日銀券は経済の拡大に伴う資金需要に一定の計数をかけた量だけ発行されるはずであり、日銀券の発行残が国債の残に対応するというのは、ちょっと違うのではないでしょうか?

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From: 池田 信夫  2001/2/15 1:45
Subj:【183】高速バックボーン?
私は、「政府の役割」としてはバックボーンよりもっと重要なことがあると思います。それは、だれもがわかっていながら直せない「線路敷設権」の問題です。これは政府の「検討課題」としては、ずっとあがっていながら、ほとんど実質的に進展していません。それどころか、その事務局はなんと外務省にあるのです:
線路敷設権(外務省)

これは、要するにどこの官庁もやりたがらない「外圧」としか見られていないからです。私の聞いた限りでは、外資系キャリアがいちばん困っているのは、日本の法外な工事費用と複雑な規制です。現に、この障壁を「突破」した有線ブロードネットワークスは、100Mbpsで月5000円のサービスをやろうとしています。

政府に何かできるとすれば、たとえば「全国の電柱の認可手続きを政府に一元化し、1本100円で1週間以内に認可する」というような「電柱ビッグバン」でしょう。「バックボーン敷設」よりはるかに低コストで効果が上がると思うんですが・・・
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From: 小林 一  2001/2/15 10:50
Subj:【184】 電子マネーについて
【182】安延申
日銀券は経済の拡大に伴う資金需要に一定の計数をかけた量だけ発行されるはずであり、日銀券の発行残が国債の残に対応するというのは、ちょっと違うのではないでしょうか?
目的(とその基準)はおしゃるとおりかもしれませんが、会社(?)の経営としては(ここがポイントですが)、裏付けなしに発行できるわけでなく、実際は国債を持つ形で日銀券が発行され、経営状況として全体が一般的な財務諸表で表現されているということではないですか。

ちなみに、12年度上期末の自己資本比率は8.49%、14日の株価は高値6万1千円、安値5万9千円となっており、2000年当初は10万円近くをつけていましたから、全体の相場tどおりに下落しているといえますね。前回はここまでいいませんでしたが、日銀券、日銀も市場メカニズムのなかにあるもので、国債リスク=政府の経営リスクまで含めれば実は結構大変な状況ではないかとも思います。こちらは専門家の方々のご意見をお聞きしたいところです。

流動性、交換可能性の担保という機能だけを考えれば、通貨発行は日銀=国だけに限るということが未来永劫の前提ではないのではないか、特にグローバルに利用される電子マネーの場合別の答えもあるのではないかということをいいたかったわけです。リアルマネーとしても中野さんのこども銀行券(たしかドイツのカジノのチップはそのようないわれ方をしていたのではなかったかな?)や、パチンコ玉でも理屈・機能の上では可能なのでしょう。電子マネーということでいえば現実の電子商取引決済に多く用いられるクレディットカードも見方を変えれば個人側からの信用発行かもしれませんね。

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From: 中山 靖司   2001/2/15 12:17
Subj:【185】電子マネーについて
【165】小林一
全体でどういうことかといえば、財務諸表からみれば、日銀券の信用度は国債の信用度=国の信用度に依拠しているといってよいと思います。国の銀行なのだからある面当然ですが。
日本銀行は通貨発行の対価として得られた資産を安全に運用し、健全な財務状態を保つ必要があるため、安全と思われる国債を保有しています。結果的には、国の信用度に依拠している面があることは否定しませんが、これは「国の銀行だから」というわけではないと思います。

日本銀行は、通貨の信頼を得るために、通貨の価値を安定させるべく金融政策の舵取りをするとともに、健全な財務状態を保つように務めています。民間の電子マネー発行機関の場合でも、利用者の信頼を得るためには財務の健全性が重要との認識を持てば、同じように発行見合いの資産を国債で運用するという発想もありえます。
日本国籍をもち日本に居住する身からすれば、日銀券=日本政府の信用がしっかり守られることを期待するばかりですが、より信用度の高く使い勝手のよい電子マネーがでてくることも否定はできないような気がします。もしかするとグローバルに通用する電子マネーとコミュニティで通用するエコマネーに二極化していくのかもしれませんね。というわけで、この電子マネーの問題は、国の意義や政府の役割を考える面からも結構奥深い問題だと思います。エコノミストの方いかがお考えでしょうか。
日銀券の信用=日本政府の信用ではないと思います。日銀券が、なぜ使われるかというのは、
 1.皆が使っており、どこでも誰にでも受け取ってもらえれる。
 2.偽造、変造が困難。
 3.日銀が倒産することはない。
 4.通貨(日銀券)が安定した価値を保っている。
などの理由により、信頼を得ているからだと思います。

これらは、電子マネーが広く使われるためにも、同じことだと思います。
1は、別に法律により強制通用力を与えられていなくてもよいわけで、結局は便利であれば、使うということでしょう。
2は、電子マネーでは暗号やICカードを使ったセキュリティ対策が重要であることを示しています。
3は、電子マネーの発行機関の財務の健全性を保つことの必要性を示しています。
4は、電子マネーと日銀券との両方向の交換を保証するとか、日銀券に比べて受けとってもらえる店が少ないなどの利便性で劣る部分があったら、インターネット上で使える等の別の魅力でカバーすることによって、日銀券と比べても遜色ない価値のものにするなどが考えられます。

多くの事項は、電子マネー発行体の努力によって解決しなければならないことですが、一方で、競争の結果、敗北して倒産したからといって電子マネーが無価値になってしまっては問題は大きいでしょう。そこで、大蔵省の「電子マネー及び電子決済の環境整備に向けた懇談会報告書」(1998年6月)では、電子マネー発行体の適格性を確保するための制度整備の必要性を謳っています(非金融機関にも電子マネーの発行を認めるとの考え方を示している)。まさに、こうした法整備が政府の役割として求められているのだと思います。

ところで、この電子マネー法案は、延び延びになっているようですが、いまどういう状態にあるのかご存知の方いらっしゃいますか?
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From: 中山 靖司   2001/2/15 12:23
Subj:【186】電子マネーについて
【184】小林一氏
ちなみに、12年度上期末の自己資本比率は8.49%、14日の株価は高値6万1千円、安値5万9千円となっており、2000年当初は10万円近くをつけていましたから、全体の相場tどおりに下落しているといえますね。前回はここまでいいませんでしたが、日銀券、日銀も市場メカニズムのなかにあるもので、国債リスク=政府の経営リスクまで含めれば実は結構大変な状況ではないかとも思います。こちらは専門家の方々のご意見をお聞きしたいところです。
日本銀行が発行しているのは、株式ではなくて出資証券です。この出資証券が店頭市場で売買されています。出資証券には議決権はないし、配当は業績に関わらず一定ですし、万が一日銀が解散したからといって資産の配分を受けられるものでもありません。従って、本来、市場金利以外の要因で、取引価格が大きく変動することのほうがおかしく、下落したからといって額縁に入れて飾りたいというコレクターに対する人気度を測る意味ぐらいしかありません。国債のリスクや政府の経営リスクが認識されるなら、まず、国債の価格や円相場に反映されると思います。あえて、日銀の財務の健全性を問題にするならば、破綻銀行に対する貸付の焦げ付きなどのほうが、先に議論に上がるはずです(実際には引当金があり問題ありませんが)。なお、日銀券自体の価値は市場メカニズムのなかでは物価の変動としてとして現れます。
流動性、交換可能性の担保という機能だけを考えれば、通貨発行は日銀=国だけに限るということが未来永劫の前提ではないのではないか、特にグローバルに利用される電子マネーの場合別の答えもあるのではないかということをいいたかったわけです。
これに関しては賛成です。政府も日銀も、現時点では規制するよりは、イノベーションの発展を見守るという立場をとっていると思います。日銀が電子マネーを発行すべきかどうかについても、いろいろな電子マネーが出現し、競争していく中で、その是非が議論されていくことになるのではないでしょうか。
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From: 碓井 聡子   2001/2/15 18:10
Subj:【187】ナップスター判決後、音楽配信はどうなる?
富士通総研の碓井と申します。ドッグイヤーは企業ではアタリマエすぎて死語になっていますがぜひ政府の政策も同じ時間枠で走って欲しいと思っている一人です。

Napsterについては、いろいろ語り尽くされたことと思いますが今回の判決は興味深かったので出てきました。

【要旨】今回の判決はP2Pのファイル交換サービス自体を否定するものではない。むしろある種の「お墨付き」を与えたものではないか
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多くの方が論じてこられたように、P2Pのサービスはネットワーク流通の本質に沿うものであり、規制で管理できる限界を超えているものと私は思っています。要は「管理」よりも著作権を侵害しない「利用」を考えるべきで、その一つが一定料金でダウンロードし放題というサブスクリプションであり、ダウンロードした端末からしか聞けないといった工夫であると思われます。

今回の判決では著作権問題に関してはNapsterは、これまでのやり方がほぼクロと認定されてしまったため、賠償問題などを抱えて、今後の先行きは危うくなる可能性は否めないですね。

しかし、逆に判決ではP2P型のファイル交換サービス自体は違法ではないとしていることから、ユーザの著作権侵害を技術的に

阻止する策さえあればP2Pサービス自体は問題なし、というお墨付きを裁判所が与えたようにも見えます。

ブロードバンドで当面見えている音楽や映像コンテンツなどの流通形態としての可能性もあるということではないかと。。こうなると、権利保証の手段をだれが提供するか。

ビジネスチャンスを逃さない技術系ベンチャーに期待したいところです。

結局P2Pの流れは止められず、後は時間の問題、ということにならないでしょうか。多分現時点で流通の利権を握っているところが自らP2Pを始めることになるんじゃないかと思っているのですが。

以下、ご関連URLです。
米Napsterに著作権侵害の控訴審判決、使用差し止め命令は差し戻し(INTERNET Watch)

音楽業界側の主張を認めた控訴審判決――Napsterの今後は?(ZDNet)

Gartner Says That Napster's Searchable Directory May Be Dead, But Peer-to-Peer File-Sharing Continues to Grow and Thrive(Gartner)

ガートナーは今後もP2Pは拡大するという擁護論でした。

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From: 中野 潔  2001/2/15 19:10
Subj:【188】ナップスター判決後、音楽配信はどうなる?
【要旨】技術による障壁をかいくぐって、著作物データを違法にばらまく人が必ず登場すると思います。違法コピーは止まらないでしょう。
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今回の判決自体は、昨年7月の路線を大体継承したものです。

参考までに、拙著による分析記事を示します。
  米ナップスター社のサービスの不当性は明らか。
  長期的にはファイル交換が流行し、豪華トイレで無料映画を見るはめに
米ナップスター社のサービスの不当性は明らか(ascii24)

碓井さんのおっしゃるとおり、
【187】碓井聡子
ユーザの著作権侵害を技術的に阻止する策さえあればP2Pサービス自体は問題なし
です。しかし、「マシン特有のIDで、音楽データ全体を暗号化して、マシンごとに、そのマシンに向けたデジタル音楽データを配信し、そして再生ソフトがそれを復号化しながら、再生する」といった仕組みでも導入しないかぎり、音楽データのパケット列がどこかを通りすぎていくわけで、それをキャッチして蓄積し、違法にばらまく人が必ず登場すると思います。

gnutellaのように、情報仲介サーバーさえ介さない完全P2Pが広がっていきますから、違法コピーは止まらないでしょう。
しかし、逆に判決ではP2P型のファイル交換サービス自体は違法ではないとしていることから、ユーザの著作権侵害を技術的に阻止する策さえあればP2Pサービス自体は問題なし、というお墨付きを裁判所が与えたようにも見えます。
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From: 小林 一  2001/2/15 20:01
Subj:【189】電子マネーについて
日銀・日銀券については、国債の安全性と日銀財務の健全性が継続することを期待します。電子マネーについて、色々な試みがなされることを期待します。政府の役割としての電子マネーの発行主体の適格性についての法制整備ということについて、一般的に小生も賛成です。問題はどこまで、どうやってといった中身ということですね。財務の健全性ということについていえば、一番(?)ソフトなのは財務状態の公開、あとは格付け機関等による格付けということなのでしょうか。

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