世界情報通信サミット2001
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2月9日(金)−12日(月)の発言内容
From: 中野 潔  2001/2/9 1:37
Subj:【120】broadband patent on CDN
【要旨】大容量コンテンツ配信に関する特許があります。この特許を盾にした特許権者の動きがないようなので、一応平穏無事ですが。
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大容量コンテンツの蓄積元にアクセスが集中したとき、池田先生のいう「first one mile」のボトルネック現象が生じる可能性があります。

このとき、有効だといわれている一つが、akamai(でしたっけ?不勉強でよく覚えていないのですが、)などが採用しようとしている次のような方法です。

オリジナルのデータサーバーに、あるクライアントから大容量データの送信要求がきたとき、オリジナルのサーバーが、クライアントに、そのデータをコピーしてあるサーバーのIPアドレスを伝えて、送信の負荷をそちらに移すというものです。

ただ、これが引っ掛かるかもしれない米国特許が存在します。詳細は「知って得するソフトウェア特許・著作権 改訂三版」(古谷栄男[弁理士]著、p.387、アスキー刊 2000年4月、2900円)を御参照ください。

米国特許 5,790,793  権利者 NET Delivery(米国)

同書の古谷氏による クレーム(発明における特許請求範囲を記した、いうなれば発明の定義)の参考訳を引用します。

1.コンピュータ間の通信方法であって、下記のステップを含むもの:
第1のコンピュータにおいて、予め定めた場所への参照を含むメッセージを作成し、
第1のコンピュータによって、メッセージを第2の場所に送信し、
第2の場所にあるコンピュータによって、メッセージを受信し、
ユーザーが操作を行うことなく自動的に1つのアプリケーションにより、
前記予め定められた場所からのデータを、
第2の場所にあるコンピュータに取り込むことによって、
第2の場所にあるコンピュータによってメッセージをデコードする。

NET Deliveryが特許権行使に動いたという話を寡聞にして耳にしていません。だから、いまのところ無事なのでしょうが。
【72】櫻井豊
CDNを極限まで,すなわち各自の家まで行う方法ですね。回線サービスのコストが無視できないほど安くならない限り,この方法は非常に重要だと思います。つまり,当面はこの方向ももっと真剣に取り組む必要があると思います。
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From: 中村 伊知哉  2001/2/9 1:59
Subj:【121】ユビキタスは視座転換のチャンス
松本さん富沢さんの視点に同感です。

私のいる研究所では、ウェアラブルのほか、飲むコンピュータとかプリントアウトできるコンピュータとか、怪しげなものを開発していますが、それを推し進めたあかつきには、すべてのものがコンピュータを内蔵し、ネットで常時つながっていて、現実ぜんたいが一つのネット空間となり、そこでは今のコンピュータやネットワークが空気のように姿を消している様子が想定されます。かつてもてはやされたモーターが進化して、あちこちの機械に埋め込まれて姿を隠していったように。

技術は進みます。早くて太くて便利になります。ただ、デジタルを飲み込んだそのようなステージでの人の行動や認識のありようは、正直まだ空想が追いついていません。おそらく、機能主義や経済効率という近代の視点では収まらない変化をもたらすことでしょう。共同体や美意識が改めて問われることになるでしょう。それがデジタルの面白さだと存じます。ユビキタス化は、ブロードバンド化のような連続的な進化とは違うので、人と技術の関係を立ち止まって考える大切なチャンスだと思います。
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From: 安延 申  2001/2/9 7:29
Subj:【122】オークションについて
<ダイジェスト4>寺崎氏は、IMT−2000に関してオークションの是非の議論があったことを述べ、その歳入をどう使うかを含め、真剣な議論が必要、とした。中川氏はデジタル放送の伝播遅延が5秒前後あるとして、そのツケを払わねばならないかもしれない、とデジタル放送の隠れた問題を示した。
山下氏は規制当局のあり方として「いかなる体制であっても、政治的や商業的な圧力に影響されず、利用者の便益を目的に行動していることが肝要」と、英国の先進事例を挙げた。
オークションの件ですが、池田さんと一緒にオークションの勉強をした者として一言付け加えます。

オークションの結果の「価格転嫁」の程度は、市場の競争環境に依存するが一般的には高くない筈(例えば、限界費用で市場価格が決定されるような完全競争や完全独占の場合には入札費用は価格に影響しないはずですから)と述べました。寡占とか独占的競争の場合には一部が転化される可能性はありますが。

さて、その場合にオークションの収入をどう使うかですが、これを「政策的に使う」というと変になります。何故かと言えば、

・オークション収入は、元々全ての国民が潜在的に持っている電波利用権を売って得られるものであり、その収入を一部の者に還元させることの公正さ、公平さを確保するのは簡単ではない。

・ましてや一部であっても価格転嫁がある場合には、国民が払うお金を、結果として一部の者に移転することになる。

ということです。したがって、本来、一番望ましいのは、減税、あるいは、国債償還などにあてるといった使い方であって特定の目的にオークション収入を利用するのは、本来望ましいことではないということになります。

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From: 今川 拓郎   2001/2/9 7:30
Subj:【123】 「作り手と見る人の歩み寄り」に関連して
【要旨】ディストリビュータの存在意義は少なくない。
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【88】中野潔
ただ、クリエータからエンドユーザーに直接、作品が伝わるようになったとき、素人のクリエータを育てたり、原石の中から宝石をみつけたりする役割を担う人が出てくるのか−−というのが小生の素朴な心配です。
古い感覚かもしれませんが、ほめる人、けなす人がいてもいいが、時代が共有する(反発でもいい)作品があってほしい……。それは、(別に出版社やレコード会社でなくてもよいが)「major」な勢力が(叩かれ役でもいい)「measure」になって、多くの人に認知されるものではないか。
私も古い感覚かもしれませんが、これと似たようなことをマスコミに関して感じます。例えば報道について、誰もがクリエータかつディストリビュータに容易になれる時代になって一つの事象に対して十人十色の見方が発信されると、時代が共有するような価値観や世論はどう醸成されていくのか。

例えば現政権の評価に関する報道を、パソコンの中のエージェント君が夜中の内に一切合切集めてくれている。朝起きると、エージェント君が編集した順番や内容に従ってその報道を読んでいく。そうするとエージェント君の性格が右寄りか左寄りかで読む人の感じ方が全然変わってくるわけですよね。そこでエージェント君は中立的でなければいけない。しかし、何が中立的なのかをエージェント君が判断するのは難しいですから、結局、報道の出元が例えば日経さんであれば信用できるということになる訳です。だからこの場合も、majorな勢力がmeasureになる訳ですよね。

しかしネットの中で駆けめぐるニュースは無料でしょうから、日経さんは例えばHPの広告収入で商売をする。しかし、読者はエージェント君の報告を見れば済む訳ですから日経さんのHPは見に行かない。そうすると広告主はエージェント君自体に広告を載せようとする。majorなmeasureであるはずの日経さんの経営が成り立たなくなり、信頼できる報道が得られなくなってしまう。。。

これを防ぐためにはオリジナルニュースの複製をブロックして、エージェント君の能力を単なるポータル的なものに止めなければいけないのでしょう(著作権問題?)。或いは、新聞社がエージェント君をASPで送り込むのも一案です(クローズド化問題?)。

新聞の場合、クリエータとディストリビュータの両面を担っているのでしょうが、日々起こる事象を情報発信源とすれば(例えば官庁や企業の報道発表等)、それを編集して伝達するというディストリビュータの側面も強いと言えます。majorなディストリビュータに載ってこそ、発信側も発信されたと実感できるし、受信側も世論や価値観として認識できるのだと思います。

やはりディストリビュータに衰退してもらっては困るような気がします。
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From: 安延 申  2001/2/9 8:18
Subj:【124】 政府の統計と役割
<ダイジェスト4>前川氏は、経済産業省などがまとめたB2C電子商取引市場の規模(2005年13.3兆円など)は商品情報の入手がネット上で行われたものまで含み、「ここまでECの定義を広くした市場推計はほかにない」と国際比較が出来ない問題を挙げた。
これに三石氏は賛成し、「役所の役割として『使える統計』を発表するべきだ」と主張、またライフスタイルの記述がない政府のIT政策の「想像力欠如」を衝いた。中山氏も前川発言に賛成、「残念ながら統計ではない」と改善を訴えた。内田氏は「政府の資料に限ったことではないのでは」と、物事を推進するために大きめの数字を出すことは、どこでも同じだと述べた。
ご批判の「市場規模推計」を1998年にはじめた者として一言

あれは、統計ではありません。ちゃんと「推計」と書いてあります。次に、あの「推計」を行ったときの最大の眼目は「日米を同じ基準で比較する」ことであって、そのために」日米の既存統計にある「分類の相違」などを調整することに相当な労力と時間と(カネ)を使いました。

ところが、高いんですね、これが、このため、二年目から(これは、通産省は予算を確保できませんでした)は、E-Comの内輪の予算を用いてやっているため B2Cの推計になってしまっているのです。

B2Cの推計が課題である理由は簡単で「不動産」が滅茶苦茶大きな数字になっているからです。ただ、定義として「決裁までオンラインで行ったものをB2Cの売上」としている計算はほかのシンクタンクもやってないはずです。
今、発表されている数値から「不動産」を除けば、他の機関の推計結果とそんなに違わないはずです。
ただ、実際に何を「電子商取引市場規模」とするかについてきっちりした定義が必要と言うことは、そのとおりだと思います。

なお、「推計」ではなく、「統計」の作成については、すでに政府部内で2年前から作成の準備がされていると承知しています。今年くらいから予算が取れているのではなかったでしょうか?

でも、政府が「電子商取引市場規模」の数値を推計しているのも日本くらいじゃないですか?他は全部フォレスターとかIDC、テキサス大学、ゴールドマン・サックスといった機関ではなかったでしたっけ?
石黒氏は、政府の役割について、「市場関係者の予見性を高める上で引き続き政府が重要な役割を果たすべき」と述べたが、「一度決めると予算執行上のつじつま合わせから柔軟性を失い、最後は陳腐化する」と反省、「『朝令暮改』という批判を恐れず修正していくこと」が大事だとした。これには内田氏が、「政府の役割で言えば、何をやるかを考えて欲しい」と報告書の厚さでプロジェクトの金額を決めるなどという「愚」を責めた。榎本氏も日本政府に欠けているのは「グランドデザイン、構想力とその展開力」と述べた。
一般的なコメントになってしまいますが、今の世の中の潮流は「政府の裁量を低くする」ことです。したがって、研究の成果は「投入されたlabor cost 」で計るのが一番間違いがないし無難、「一度、ハイレベルで決めたものは、それを遵守するのが無難」ということになってしまい勝ちです。

でも、考えてみれば当たり前で、例えば、予算を投入されて実施したR&Dプロジェクトを「技術的価値」で評価する、したがって、「この研究はアウトプットは少ないけれど、この予算に値する」といった運用をしたとすると何がおこるか、「会計検査院で不適当な支出」と指摘され、新聞が「不透明な予算執行」と書きまくるといった事態です。

小生も役所にいるときに、常にこうしたご批判を受け、どう対応するかに苦慮してきました。結局、「個人がリスクを取って柔軟性を確保する」しかないという今の(行政と予算執行の)システムが最大の問題のような気がしましたが。

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From: 山下 鐵五郎   2001/2/9 8:34
Subj:【125】 規制当局のあり方
一つ、言葉を重ねさせて下さい。
<ダイジェスト4>
山下氏は規制当局のあり方として「いかなる体制であっても、政治的や商業的な圧力に影響されず、利用者の便益を目的に行動していることが肝要」と、英国の先進事例を挙げた。
「李下に冠をたださず」という諺がありますが、立法府(政治)の人たちが、「李下に冠を頂き仕事をさせている」+長年続けてさせてきた裁量行政 の"状態"を内外に向かって、「フェアにやっている」と言えるのかどうか。

今一つ、
【21】中村伊知哉
以前、議論の中で、「それは行政問題じゃなく政治問題じゃないか」
3権分立を常々意識すべきご指摘に賛同します。
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From: 加納 貞彦   2001/2/9 10:06
Subj:【126】 ユビキタス社会は何を目指すのか。
【要旨】ユビキタスな情報通信環境を作った上で、どのような社会にしようとして行くかの議論が大切なことは、皆さんのおっしゃる通りです。私は松本さんの「地域のコミュニティの再生」と言う点に大いに共感します。
----各論-----
私は、松本さんが書いた桃源郷とでもいうべき「地域のコミュニティの再生」に共感を覚えます。
【112】松本功
私は、唐突ですが、21世紀には、地域のコミュニティが何らかのかたちで、再生するきっかけが生まれてほしいと思っています。明治以来、破壊を続けてきたので150年くらいはかかると思いますけれども。
具体的に言うと、地元のおいしいパン屋や豆腐屋、畳屋が一階で、仕事をきちんとしていて、子どもたちが、その中で、暮らせる社会です。職人たちが一階で、仕事をして、人々が、縁側で人々が世間話や夕涼みをしていれば、視線が街にあふれることで、街は安全になります。おとなたちが、昼間から、街にいれば、安全になります。
私が今いるエジンバラが首都のスコットランドでは、1707年にイングランドがスコ ットランド議会を糾合して連合王国を作って以来、実に291年ぶりに、1999年にスコ ットランド議会が再開され、教育、福祉、健康、地域開発計画などについて一定の権限を委譲され、ロンドンの英国政府・議会からある程度の独立を勝ち得ました。いわば1707年に「廃藩置県」が行われましたが、291年後の1999年に再び「廃県置藩」の方向に向けて「地域コミュニティ再生」への道を歩み始めたと言えます。

「廃藩置県」は、当時の電信・鉄道の発達により中央の指令(監視)が地方に届きやすくなるという意味で物理的に可能になったと思います。しかし今回は、通信・交通手段のさらなる発達を、「藩(各地域)」の独立性を高める方向(「廃県置藩(?)」)に活用する、ということを意識的に行う必要があると思います。そうでないと、 「電話」「ファクシミリ」と「新幹線」が、東京への集中をさらに助長した、ということと同じことが起こりかねません。インターネットは、その誕生から言っても、是非個々人や個々の地域の創意工夫が活かせる「地域コミュニティの再生」に活用したいものだと思います。これは、自然にほっておいて出来るものでなく、相当意識的にやらないと駄目だと思います。具体的な目的の一つを、地域に仕事(現代の「パン屋さん」「豆腐屋さん」「畳屋さん」などの仕事)をもってくることにするのが結構分かりやすいと思います。

こういう方向はすでに色々なところで議論されたり、実地に移されたりしていますが、人材の育成や真の意識改革は世代が変わらないとだめでしょう。(松本さんのいうように150年かかる? 一世代30年として、30年位で最初の本格的な変化が目に見えるようにしたいものです。3代で達成するとして90年?)ということで、グローバル化とインターネットの時代にあって、各地域が自分達のこれからのビジョンを描くというのが大切な仕事になると思います。

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From: 江崎 浩   2001/2/9 10:23
Subj:【127】SIMカードがインフラ
【119】池田信夫
SIMカードなどのインフラはあまり関係ないでしょう
なんで、SIMカードがインフラなのか、ご教授くださいませんでしょうか。
勝負はiモード(次世代はFOMA)のレイヤーだという判断だと思います。
iモードのレイヤの って、何のことなのでしょう? もしかして、WAPとか、JAVAとか のことなのでしょうか?
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From: 池田 信夫    2001/2/9 12:07
Subj:【128】SIMカードがインフラ
【127】江崎浩
なんで、SIMカードが インフラなのか、ご教授くださいませんでしょうか。
「インフラ」というのはちょっと変かもしれませんが、通信の言葉でいうと「物理層」という意味です。SIMカードのIDを認識するのは基地局の機能だから、端末の規格はインフラの一部です。ドコモが世界へ売り出そうとしているのは、IPを中心にした「ネットワーク層」から上の技術だから、端末は何でもいいし、無線LANでもBluetoothでもいいわけです。

実際、WAPフォーラムの主導権はドコモが握ってしまったし、W3Cで標準化しているBasic HTMLも実質的にはCompact HTMLの拡張版だから、遠からず携帯の世界も普通のインターネットと一体化するでしょう。3Gでは、やがてコア・ネットワークもIP over WDMになり、無線と有線の区別も意味がなくなるでしょう。
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From: 江崎 浩  2001/2/9 12:13
Subj:【129】SIMカードがインフラ
【128】池田信夫
「インフラ」というのはちょっと変かもしれませんが、通信の言葉でいうと「物理層」という意味です。SIMカードのIDを認識するのは基地局の機能だから、端末の規格はインフラの一部です。
なるほど、そういう意味ですか。 ただ、認証を基地局でやらなければならないという制約は、やがてなくなると思いますけども。 インターネットでは、当然、遠隔認証とか、当たり前ですし。
ドコモが世界へ売り出そうとしているのは、IPを中心にした「ネットワーク層」から上の技術だから、端末は何でもいいし、無線LANでもBluetoothでもいいわけです。
本当に、IPにして欲しいと願っています。 :-)
実際、WAPフォーラムの主導権はドコモが握ってしまったし、W3Cで標準化しているBasic HTMLも実質的にはCompact HTMLの拡張版だから、遠からず携帯の世界も普通のインターネットと一体化するでしょう。3Gでは、やがてコア・ネットワークもIP over WDMになり、無線と有線の区別も意味がなくなるでしょう。
是非、そのようにして欲しいものです。 ただ、無線と有線の区別は、やはり、なくならないと思います。 物理原則ですので。 周波数は、やはり貴重な資源ですので。
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From: 早川 仁  2001/2/9 12:39
Subj:【130】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
【概要】i-modeのオープン化と携帯電話サービス分離は別の議論だと思う。携帯ユーザーが携帯会社を自由にスイッチングできる環境がコンペティティブなマーケットをつくる。
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携帯電話サービスの分離を実現させるためには、携帯ユーザーが料金とかコンテンツの魅力によって自由にキャリアを乗りかえられる仕組みが重要だと思います。つまり携帯番号のナンバーポータビリティやISPの自由な選択権利をユーザーに持たせるのです。現状携帯電話(パケット)網からインターネットに出ていくゲートウェイを個々のキャリアが押さえていますので、他のISPへのスイッチングは実現していませんし、番号ポータビリティもまだです。いずれ電話会社の網+ゲートウェイという概念が無くなれば、ISPの選択の自由、はたまたP2Pでの携帯会社の網を介さない携帯電話同士間のやり取りなどが実現してくと思います。

とりあえず今出来そうなことについて考えてみます。ユーザーが特定のキャリアやISPからのスイッチングをするさいにノックアウトファクターとなりうるもののひとつに電話番号が変わってしまうことと、慣れ親しんだメアドが変わってしまうことがあげられます。これらの不便はキャリアに番号ポータビリティーを義務付ける政策などで実現すれば改善され、キャリア間の競争促進に繋がり、新たなサービスの出現や今一歩の通信料金引き下げなどユーザーが享受できるメリットも広がりそうです。でも実際にこれをやると一番いやがるのはDoCoMoではなくNCCのほうかもしれませんね。個人的にはとりあえずSimなどで次世代には実現してもらいたいと思っていますが。

コンテンツをキャリアフリーにして共通化することについて言及します。少なくともJPhoneからは実は既に多くのCHTMLのiモードコンテンツを見ることが出来ます。コンテンツ同士の互換性は非常に高いです。そのことにユーザはあまり気づいていないようです。J-PhoneからすればDoCoMoをPiggy Backするようなマーケティング(J-Phoneからもi-modeコンテンツが見れる等)をすればよかったのかもしれませんが、ここまで圧倒的なシェアを取られることも無かったかもしれませんが、当のJ-PhoneからするとDoCoMoテクノロジーの軍門に下るようなイメージがあってやらなかったのかもしれません。

最後に回収代行のオープン化についてです。携帯のネットアクセスのオフィシャルサイト(i-mode、J-Sky等)とは簡単に言ってしまえばハイパーリンク集ですから、紹介する責任上(有料サイトは代金回収するリスク上)、めったやたらなコンテンツに門戸を開いてしまえば富沢さん(発言【108】)がでおっしゃっておられるようにダイヤルQ2の二の舞になってしまう可能性が高く、携帯キャリアはやらないと思います。
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From: 櫻井 豊   2001/2/9 13:18
Subj:【131】参考情報
最近,米国Ciscoや日本の松下さんなどでも取り組んでいるインターネット・ハウスですが,オーストラリアで実際にでも環境が公開されたようです。後者のオーストラリアの事例にはCiscoオーストラリアが協力しているようで,昨日社内情報として回ってきたばかりで,私もびっくりしているところです。なかなか楽しいWebサイトです。

米国Ciscoの例

オーストラリアのiHOMEプロジェクト
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From: 櫻井 豊  2001/2/9 14:11
Subj:【132】ユビキタス社会は何を目指すのか。
これは言うべきことか黙っているべきことか迷っていますが,皆さんの暖かい寛容なお心にすがって,勇気を出して言ってみます。

日本の村社会的な「地域コミュニティ」の復活になってしまっても,幸福なこと「ばかり」なのでしょうか。ユビキタス社会は何を目指すのか。

私は過干渉で横並び意識ばかりの地域コミュニティができるくらいなら,少々味気ない住環境でもバーチャルな仕組みを通じるなどして「知のコミュニティ」に住みたいです。
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From: 酒井 雅子  2001/2/9 15:47
Subj:【133】ユビキタス社会は何を目指すのか。
【要旨】地域コミュニティも知のコミュニティもあってもしできることなら、各人がえらぶことができるというのが理想。選択肢の多いもしくは多様な価値観を認める社会であってほしい。
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ユーザとして、携帯電話のキャリアをたびたび変えたいとはいまのところおもっていませんが、私は通話機能がついていてメールのやりとりができる「だけ」のケータイがほしい(WebはPCで見るし、何十和音の着メロもいらない)のに、たぶんどんどんいろいろなものがくっついていくのでしょう。そもそも電話は鳴ったらすぐ出るのが基本なのにお気に入りの着メロに聞きほれているかのごとき人をみかけるようになって、「ああ、技術進歩はすばらしい」と思うことはできません。早くでなさいよ、と思うだけです。銀行の通帳にキャラクターがくっついているのをみるたびに、「わたしには無地の通帳をください。そのかわり、サンリオだかディズニーだかに払う高い高いキャラクター使用料のぶんを預金金利にのせてください。」と思います。

いつでもどこでも、を求める人たちがいるからこそ技術の進歩、サービスの深化はあるのですが、マイナスするもしくはプラスしない選択肢もあってほしいとおもいます。

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From: 中野 潔  2001/2/9 19:20
Subj:【134】ubiquitous mobile intermezzo on awareness service
【要旨】携帯電話+非接触ICチップ で、携帯電話の「プルプル」を使うアイデアを2つ考えました。交通定期券とコンサートチケットに関してです。
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2月9日の日経産業新聞の最終面に載っていたビットワレット株式会社(ソニーの電子マネー/非接触ICカード のプロジェクトが分離して1月18日にできた会社。ソニーグループ47%、ドコモ15%、さくら銀行グループ15%、トヨタグループ 10%、DDI 5%、三和銀行 4%、東京三菱銀行4%)を、今日、たまたま訪問しました。

執行役員の宮沢 和正 氏 (先月まで、ソニーのeビジネスの事業部)に面談しました。そこで、非接触ICチップ入り携帯電話 の開発を考えている−−という話を聞き(その事実自体は、12月26日付 日経掲載済み) 小生がアイデアを2つ出しました。

数十万円の費用を払って特許にしてもペイするほどのアイデアではありません。かといって、アイデアが埋もれるのも もったいないので、このオンライン会議を使って、「公知の事実」にしてしまいます。
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アイデアの内容:
(1) 非接触ICチップ入り携帯電話 を交通定期券に使う可能性がある
−−という話から考えたもの

定期の場合、午前中は自宅の最寄駅から会社の最寄駅に、夕方以降は会社の最寄駅から自宅の最寄駅に向かう可能性が一番高い。午前中に最もよく降りる駅がどこか、夕方以降よく降りる駅がどこか−−を定期券入り携帯電話は覚えられる。平均所要時間も、携帯電話は覚えられる。

乗車駅で改札を通った時刻から、蓋然性の高い降車駅の到着時刻を推定し、その5分前に、携帯電話が プルプルする(車内なので、医療機器に影響を与えないよう、送受信は切るが、アラームの機能は切れないようにする)。

(2) 非接触ICチップ入り携帯電話 をコンサートなどのチケットに使う可能性がある (もぎりが要らず、チケットの郵送が要らない)
−−という話から考えたもの

コンサートの開始時間の2時間前になったら、携帯電話が プルプルする。(定期券システムにより、最後の降車駅の近くにいるものと推定し、コンサート会場の最寄駅までの所要時間を計算して、出発時間を逆算してくれるとなお良い)
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From: 勝屋 信昭   2001/2/9 19:21
Subj:【135】政府の統計と役割
【要旨】2000年のBtoC市場規模は、ネット上で受発注を行う取引に限定しても4000億円程度ある。
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BtoCの市場の推計にあたり、まず、単にマーケティングにのみ、ウェブを活用しているものは、含んでいません。不動産や自動車の場合、実際に店頭における購買に結びつける目的で作りこまれた機能(たとえば、詳細資料請求、販売員との面談予約等)を提供するサイトをもち、かつ、サイト上でこのような機能を使ったうえで、実際に店舗を訪れ商品を購入した金額のみを集計しています。

このような形態は、ネット上で受発注が行われない高額商品である不動産、自動車では、特徴的なウェブの使い方で、各業界における現場感とも合致しています。

この2つの業界の合計は、3800億円であり、BtoCの市場予測8240億円からこの数字を引くと4440億円になります。この数字は、少なくとも申し込み予約まで、ウェブ上で行われているケースであり、受発注に限定しても4000億円程度になります。

少なくとも、過大な数字を意図的に作っているわけではなく、厳密な定義に基づき、実態を踏まえた数字です。
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From: 松本 功   2001/2/9 20:35
Subj:【136】ユビキタス社会は何を目指すのか。
私は、畳屋さん、パン屋さんなどの職能を持っている人の例を挙げています。かれらは商売人でもあります。SOHOと呼んでもいいでしょう。

どうして、それが、「過干渉で横並び意識ばかりの地域コミュニティ」になってしまうのですか?畳屋さんは、横並びでしょうか?パン屋さんは横並びでしょうか?過干渉ですか?

どうしてそのように飛躍されるのか、私はわからないのです。さくらいさんが前提とされていることを説明して下さいませんでしょうか?
【132】櫻井豊
日本の村社会的な「地域コミュニティ」の復活になってしまっても,幸福なこと「ばかり」なのでしょうか。私は過干渉で横並び意識ばかりの地域コミュニティができるくらいなら,少々味気ない住環境でもバーチャルな仕組みを通じるなどして「知のコミュニティ」に住みたいです。
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From: 江崎 浩   2001/2/9 23:56
Subj:【137】政府の統計と役割
さて、ネットビジネスって、B2B、B2C、C2C があるそうな。B2Bはどうも、Peer2Peer ですね。 B2Cは、基本的に、Client-Server かな。C2Cは、激しい Peer2Peer になります。これって、なんか、計算機ネットワークのたどってきた歴史に非常に近そうな気がします。 それで、Client-Serverから、Peer2Peerになると、すべての機器がサーバでありクライアントになります。 ということは、B2C の次に来る(実際その日は近づいているように思えます)C2Cでは、いわゆるサーバが必要なくなるか、サーバの役目が、変わるのでしょう。

例えば、銀行ってどうなるのだろうと考えちゃったのですが、完全に我々ユーザが Peer2Peer で金銭のTransactionが可能になった時って、銀行はどういう役目になるのでしょう? 電子財布が進展すると、きっと、我々は、銀行経由で報酬をもらう必要はなくなるような。

さて、ところが、世の中には、所得税とか消費税とかいう国家を維持するための税金を徴収する Function が必要だといわれています。 そうなると、電子財布を推進するためには、きちんと、電子財布でのTransaction をトレースできなければならないような気がしてきます。

ということで、現在の B2C を基本に考えられているシステムが登場した時に、いろいろな法律を変えたように、Peer2PeerのC2C が登場する時には、また、いろいろな法律を変える必要が出てくるのでしょうね。

既に、コンテンツの流通に関する諸問題として、Peer2Peerシステムにどのように対応すべきかという議論が、最近盛んになってきました。 コンテンツでおこることと同じようなことが、あちこちで おこりそうな。
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From: 関根 千佳  2001/2/10 3:29
Subj:【138】ユビキタス社会は何を目指すのか
たしかにユビキタスとは、「神は遍在する」といった場面で使われますが、必ずしも場所の問題だけに限定する必要はないと思います。むしろ、それに「いつでも」「だれでも」の概念を加えていくべきなのではないでしょうか?

「機器」の「環境」がUCである、という結論は、少し残念です。UCの本質は「機器に人が合わせていた環境」を「機器が人に合わせる環境」に進化させられることにあると思っているからです。

「誰のために」「何のために」科学技術が進むのか、その視点を無くしてはならないと思います。IT技術者にも、深い倫理観や歴史認識が必要な時代に来ているような気がします。

逃げられない、とおっしゃったお友達は、映画Enemy of Americaの印象があったかもしれません。監視されているようでいやだという人もいると思います。しかし、その人の状況を、必要なときに判断し支援し、場合によってはネット上で情報を探して送ってくれるようなシステムが、今後は必要になってくる場合もあります。

ジョージア工科大学で研究されているAwareHomeというプロジェクトは、遠隔地に住む一人暮しの親を、見守るための家です。デジタルの気配はなく、でしゃばらず、それでも緊急のときは助けてくれます。
Aware Home Research Initiative

ここで9月にUbiCompという学会があります。UIの研究者たちと、ツアーを組んで行こうと話しています。
UbiComp

ユビキタスコンピューティングが成功するかどうかは、本人が自分で制御感を持てるかどうかにあると思っています。機械やネットに使われているのではなく、自分を支援するために技術があるのだと思えるかどうか。AR(Augmented Reality)の研究が必要なのです。

良いARとは、ソニーCSL暦本氏によれば、歌舞伎の音声案内システムなのだそうです。歌舞伎を見るときはそのタスクに集中でき、ときどき歌舞伎の専門家の声が、控えめに時代背景などを耳打ちしてくれます。鑑賞という行為を邪魔せずに、エクスパートの知識だけを「補完」します。

私も、ARや実世界はあまりくわしくありませんが、一度日経デジタルに書かせていただいています。
NIKKEI NET ネット時評 2000年12月8日(金)「デジタルからクリスマスの贈り物」


中村さんがおっしゃるように、ユビキタスは、人間と技術の関係を考えなおす大切なきっかけになると思います。もしUCの定義に「誰でも」が入っていないのであれば、その上に、ユニバーサルデザインの考え方を追加していきたいと思います。
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From: 森川 博之  2001/2/10 4:55
Subj:【139】ユビキタス社会は何を目指すのか。
【要旨】すべてのオブジェクトがネット接続されるユビキタス世界では,新たなアプリケーションが出現してくる可能性がある。
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「ユビキタス」の定義ですが,森川的にはすべてのオブジェクトが有線/無線リンクでネット接続されるような世界のことであると認識しています。すなわち,ユーザが保有する携帯情報端末や携帯電話端末のみならず,センサー,ウエアラブル機器,白物家電(白物家電がネット接続されて何が嬉しいのか,という議論は別にして...)など,ありとあらゆるモノがネット接続される世界です。

わかりやすいのは,センサーネットワークです。部屋,工場,道路など至るところに埋め込まれたセンサーが周囲の環境を検知し,当該情報がユーザや制御機器にフィードバックされるというイメージです。また,自然災害が発生した地点にセンサーをばらまくことによって,例えば噴火可能性などを適切に予測することができるようになります。

言うなれば,センサーが我々の周囲の「神経系」として働く,というものです。

#加納さんがご指摘された A. Hopper の Sentient Computing でもこのような環境情報の把握が一つの key factor となります。

極論してしまうと,現在のネット世界はウェブの延長線上に位置すると考えています。ウェブが非連続的な発展の契機となり,現在はその延長線上で技術開発が行われているようなものです.かなり多くの技術開発がなされてきたので,ウェブの延長線上として捉えると「やればなんでもできる」というレベルにまで達してきているように思います。

この流れを「ユビキタス」が打破するのでは,という期待があります。センサーネットワークなどを契機として,ウェブに匹敵するキラーアプリが登場するのでは,まったく新しい世界が拓けていくのでは,という期待です。さまざまなオブジェクトをネット接続し,超分散的なコンピューティング(P2Pも含まれます)を行うためには,種々の技術課題を解決する必要がありますので,技術者としてもチャレンジングなテーマとなります。

#1980年代にウェブがキラーアプリとなることを予想してできていた人がいなかったように,ユビキタスのキラーアプリがどのようになるのかを予想することはきわめて困難ですので,単に森川的にはそのような方向でブレークスルーがあるのでは,と考えている,とお考えください。
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From: 森川 博之  2001/2/10 4:58
Subj:【140】政府の役割
【要旨】諸外国への働きかけを精力的に
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スエーデン大使館,フィンランド大使館,アメリカ大使館などからコンタクトがあったことがあります。趣旨は,日本の技術開発動向を教えて欲しい,キープレイヤーを教えて欲しい,などといったものです。これらの情報を外務省が収集し,各国の企業にフィードバックすることや,日本に進出するときの基本情報として利用する,ということなどが狙いのようです。

自国の製品やシステムを売り込むための情報収集,また売り込み戦略の立案,実際の売り込みなどにかなり深く大使館が関わっているな,というのが印象でした。

モトローラのアナログ携帯電話などは米国政府からの外圧によって日本への導入が決まりましたし,イリジウムの実現に向けて周波数調整など米国政府が果たした役割は非常に大きなものがあります。

日本発の技術(昔の例ではハイビジョン,身近なところではPHS)を世界に展開していくときには,一企業だけではやはり限界がきてしまうかと思いますので,このようなときこそ政府の出番,ではないのか,と思います。

#PHSのときなど郵政も頑張られたようですが,できれば外務省ともタイアップしてできたらな,,,と思いました.外務省の機能強化が必須となりますが...
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From: 前川 徹  2001/2/10 10:08
Subj:【141】日本のBtoC市場規模について
【135】勝屋信昭
2000年のBtoC市場規模は、ネット上で受発注を行う取引に限定しても4000億円程度ある。
BtoCの市場の推計にあたり、まず、単にマーケティングにのみ、ウェブを活用しているものは、含んでいません。不動産や自動車の場合、実際に店頭における購買に結びつける目的で作りこまれた機能(たとえば、詳細資料請求、販売員との面談予約等)を提供するサイトをもち、かつ、サイト上でこのような機能を使ったうえで、実際に店舗を訪れ商品を購入した金額のみを集計しています。このような形態は、ネット上で受発注が行われない高額商品である不動産、自動車では、特徴的なウェブの使い方で、各業界における現場感とも合致しています。
ということなら、この定義をはっきり記載すべきですね。定義が書かれていたPDFファイルが発表時にはあったのに、現在はなくなっているようです。是非、復活をお願いいたします。

この2つの業界の合計は、3800億円であり、BtoCの市場予測8240億円からこの数字を引くと4440億円になります。この数字は、少なくとも申し込み予約まで、ウェブ上で行われているケースであり、受発注に限定しても4000億円程度になります。
なるほど、そうすると、米国Accentureのウェブサイトにある2000年のアジア・パシフィックのB to C市場規模は18億ドル(約2000億円)という数字は、また別の定義で調査したものだということですね。
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From: 藤原 洋  2001/2/10 20:05
Subj:【142】政府の統計と役割
C2Cは、本当に極めて重要な問題、特にリーガルな、提起をしていると思います。是非日本のロイヤーの方々に斬新な法制度を世界に先駆けて作って欲しいと思います。
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From: 藤原 洋  2001/2/10 20:09
Subj:【143】ユビキタス社会は何を目指すのか。
確かにセンサーベースは、産業の基本である製造業をネット化する仕組みですので是非ユビキタスの一つの側面として掘り下げたいと思います。
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From: 藤原 洋  2001/2/10 20:09
Subj:【144】政府の役割
森川先生に大賛成です。元センサーベースのエンジニアでした。
【140】森川博之
(前略)モトローラのアナログ携帯電話などは米国政府からの外圧によって日本への導入が決まりましたし,イリジウムの実現に向けて周波数調整など米国政府が果たした役割は非常に大きなものがあります.
日本発の技術(昔の例ではハイビジョン,身近なところではPHS)を世界に展開していくときには,一企業だけではやはり限界がきてしまうかと思いますので,このようなときこそ政府の出番,ではないのか,と思います.
#PHSのときなど郵政も頑張られたようですが,できれば外務省ともタイアップしてできたらな,,,と思いました.外務省の機能強化が必須となりますが...
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From: 中野 潔  2001/2/10 22:07
Subj:【145】政府の統計と役割
【要旨】財務省の電子マネーへの「強力な行政指導」が始まっている。
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情報ソースは、言えないのですが、電子マネーシステムの開発元と話していたときのこと。

モンデックス型の電子マネーシステムの特徴は、ユーザー同士がマネー情報をやりとりする機器を使うと、マネーICカード(モンデックス・ワレット)からマネーICカード(モンデックス・ワレット)へ、銀行を介さずに、マネー情報を移す(支払いや贈与や貸し借りをする)ことができます。(専用の機器を使うしかないために、マネー情報の偽造を防げるという触れ込み)これを、転々流通性 だったか 生生流転性 だったかと呼ぶそうな。

さて、日本である電子マネーシステムの開発元は、日本の財務省にこの転々流通の機能を決して持たせるな−−と強い行政指導を受けたそうな。

財務省の説明は、(1)万一にでも偽造が可能になったときの影響が大きすぎる、(2)マネーサプライの総量が把握しにくくなる、(3)通貨の私的生成に限りなく近くなる−−など。

まず、(3)についての小生の感想ですが、正当な「円」の情報の移動であり、「円」の正当性のレベルでは、口座から別の口座への振り込みと同じなのに(3)を理由にするのには、無理があります。

これから先は小生の推測ですが、福冨さんが94年か95年のstudiovoiceだったかですでに記しているように、目先では税金のとりっぱぐれ、深謀では貨幣の発行を通じた国家権力の実効性の減少−−を本能的に恐れているのでは。
【142】藤原洋
C2Cは、本当に極めて重要な問題、特にリーガルな、提起をしていると思います。是非日本のロイヤーの方々に斬新な法制度を世界に先駆けて作って欲しいと思います。
【137】江崎浩
例えば、銀行ってどうなるのだろうと考えちゃったのですが、完全に我々ユーザが Peer2Peer で金銭のTransactionが可能になった時って、銀行はどういう役目になるのでしょう? 電子財布が進展すると、きっと、我々は、銀行経由で報酬をもらう必要はなくなるような。さて、ところが、世の中には、所得税とか消費税とかいう国家を維持するための税金を徴収する Function が必要だといわれています。 そうなると、電子財布を推進するためには、きちんと、電子財布でのTransaction をトレースできなければならないような気がしてきます。
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From: 前川 徹  2001/2/10 23:58
Subj:【146】FTTH推進の前にすることがあるはず
【要旨】FTTHを否定するつもりはないが、現在ある通信インフラを十分使うためにすることがあるのではないか?
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最近、日本のケーブルインターネットは、128Kbps〜512Kbpsで運営されているものが多いと聞いて驚いた。何人もの知人が東急ケーブルを利用しているので、ケーブル内の通信速度が14.3Mbps、放送局間を622Mbps、ISPとの間を140Mbpsで接続というのが当たり前だと思っていたからである。

ADSLの利用者も500Kbp〜640Kbps程度の利用者が多いという。(我が家も下り最大640Kbpsである)ADSLは規格にもよるが、G992.1仕様(フル・レートADSL)なら下り最大6Mbps、上り最大640Kbpsの通信が可能である。

ケーブルモデムやADSLの持てる潜在能力が十分発揮されない理由はどこにあるのだろう。むろん、ADSLの場合は、お金をもっと払えば高速のサービスが受けられる。しかし、一般家庭への普及を考えれば、月5000円程度でもっと高速化して欲しい。

近く実用化が期待されている電力線によるインターネット接続も忘れてはいけない。現時点で3Mbpsの通信が可能だというが、将来は数十Mbpsの通信も可能になると言われている。ところで、この技術の実用化には、電波法の規制緩和が必要だという話を聞いた記憶があるが、それは経団連が98年10月に出した規制緩和要望の中に入っている「電力線を使用する電力線搬送通信設備の指定基準の見直し 」だろうか?

情報・通信分野の規制緩和要望(経団連)
この規制緩和はどうなっているのだろう?(ご存じの方、是非、お教えください)

経団連が実施した「IT国家戦略」に関する緊急アンケート結果には、「Q2「IT基本戦略」の提言事項に盛り込まれていないもので、是非とも実現が必要な事項は何か」という問の答えとして、「電灯線(コンセントから照明器具や家電につながっているコード)を用いた高速データ通信を実現すべく、電灯線通信に利用できる帯域の拡大(現在は10Khz-450Khzのみ、米国では1.7Mhz-30Mhzも使用可能)と研究開発を推進すべき」という意見が掲載されている。
「IT国家戦略」に関する緊急アンケート結果 詳細(経団連産業本部)

p.s.一方でユーズコミュニケーションが、FTTHによる10Mbps以上の超高速インターネットサービスを月額4000〜5000円/月で提供する計画を進めているという話を聞くと、これに期待したくなる。しかし、これが実現可能なプランなら、東西NTTの光ファイバーによるサービスは、どうしてあんなに高いのだろう?

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From: 内田 勝也   2001/2/11 1:50
Subj:【147】電子マネーについて(1)
【財務省の電子マネーへの「強力な行政指導」って本当でしょうか?相当疑義があります。】
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中野さん(発言【145】)が、モンデックス型の電子マネーでは、金融機関を介さず、マネー情報(価値)を移すことができ(転々流通性)、それに対して日本の財務省は転々流通性を持たせるなと強力な行政指導をしている。
その理由は
(1)偽造時の影響が大きい
(2)マネーサプライの総量が把握しにくくなる
(3)通貨の私的生成に限りなく近くなる
ためとのことですが、本当にその情報源の方は電子マネーについての過去の議論をご存じなのでしょうか?
この程度の議論は全て当時の大蔵省の「電子マネー懇」(電子マネー及び電子決済に関する懇談会)で行われております。

経済に関しては、私は専門でありませんが、「電子マネー懇談会」を2年ほど傍聴させて頂きました。(1)の偽造以外の問題については、池尾和人慶応大学教授が平成9年4月11日に「電子マネーと金融政策」と題して報告を行っておりますので、この資料を参考にして頂くのが良いと考えております。

この資料では以下の引用をしております。

1997年2月28日、松下康雄日銀総裁は講演で「金融政策の有効性との関係について言えば、理論的には、電子マネーが小口決済のみならず、大口決済の分野でも、かなりの程度既存の決済手段であるお札や預金を代替するといった状態にならない限り、金融政策の有効性それ自体が大きく損なわれる可能性は小さいと考えている。」

なお、上記資料に近いものとして「電子マネーと経済秩序の変容可能性」(同氏)」が下記のURLにあります。
ITME

簡単に私なりの解釈をすれば、
(1)偽造に関しては、偽造が発生した場合、誰がその損失を負担するのでしょうか? 多分、発行元になるでしょうね。
(2)マネーサプライの総量が把握しにくくなるといいますが、勝手に電子マネーを発行できる訳ではありません。現在の通貨に基づいて発行するのであれば、あまりその恐れはないのでは?
(3)通貨の私的生成に限りなく近くなると言っても勝手に電子マネーを作ることが発行元で可能なのでしょうか? これは基本的には考えられないと思いますが。

転々流通性に関して言えば、現在の通貨が同じ機能を持っています。また、例えばニフティでやっているギフトは同じ機能を持っています。Aさんが自分のギフトをBさんにあげることも可能ですし、Bさんはそれを使ってC店からチョコレートを買って、Dさんに送ることも可能です。

私の理解も完全ではありませんが、どうもこの情報源の方の電子マネーに関する知識は偏りがあるように感じられます。過去の電子マネーの議論をもう少し読まれることをお薦めしますが。
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From: 加藤 良平  2001/2/11 8:33
Subj:【148】要は信用度の問題では?/Re:電子マネーについて
【要旨】電子マネーが通貨の限りない私的生成になってしまう危険は、情報開示をきちんとすれば一種の市場原理で阻止される。
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電子マネーへの行政指導の議論、素人ながら興味深く読ませていただいています。

さて、世の中で一番「勝手にマネーを作っている」のは、いうまでもなく各国政府で すね。彼らはその代わりに、為替レート、インフレ、国債格付けなどの問題と日夜直面して おり、責任ある政府ほど、やみくもな通貨供給をしないのは当然です。

もっともそういう責任が感じられない国家もたくさんあった(ある?)ようですが...

私はそんな「海賊的国家」よりは、資本主義社会の担い手たる企業の方が市場原理にさらされる分、まだ信用できるだろうと考えています。仮に度をすぎた量の電子マネーを出した発行元があったとすれば、たとえばその単位が「円」であったとしても、その発行元とのある種の「ダブル・ブランド」性が生じ、その価値は額面通りには通用しなくなる、ということです。

従って、たとえば以下のような指標(詳しい指標は専門家に任せるとして)をホームページで公開し、そのアドレスを電子マネー利用ページに常に明記することで、「責任ある発行元」が選別されるのではないでしょうか。

-資本金
-過去数年のビジネス実績
 (新規企業の場合、電子マネーを出すことに対する説得力あるメッセージ)
-何らかの意味での「信用積立金」
-現在その会社が発行(保証)しているマネー量
-その会社がこの一年で保証し終えたマネー量
-偽造などに対する予防措置や起きた時の責任に関する、明確な説明・規定

そういった開示の枠組みを作るのが「政府の役割」であり、また独自の観点でわかりやすく伝えるのが「メディアの役割」だとは思いますが。
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From: 江崎 浩   2001/2/11 9:03
Subj:【149】 要は信用度の問題では?/Re:電子マネーについて
昔、米国の友人から、セキュリティー技術の規制は、実は、税金をきちんととらないといけないので、米国政府は規制をしようとした。

財務省も、国家赤字 の状況から見ても、、、、規制して、ちゃんと、課税したくなるような気もします。

#こういうところ、ちゃんと、技術が解決しないといけないんでしょうね。

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From: 中野 潔  2001/2/11 11:18
Subj:【150】role of gvnment on ele money Re: 電子マネーについて
【要旨】勉強すべきは、その「行政指導」をした財務省の方でしょうね。
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内田さん(発言【147】)のいわれることは、もっともだし、素人ながら、おっしゃるとおりだと思います。

一方、小生の知人が「行政指導」を受けたのも事実です。転々流通をしてはいけない−−という上記の理由は、知人があげたのではなく、財務省の人があげたものです。

ですから、その「行政指導」をした財務省の人が、過去の電子マネーの議論を読んでいない、あるいは、読んでいるのに、しらばっくれて、省利省略で動いているあるいは、局利局略で動いている−−と解釈するのが、妥当だと存じます。
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From: 中山 靖司   2001/2/11 23:18
Subj:【151】政府の統計と役割
東大の中山です。
【148】加藤良平
さて、日本である電子マネーシステムの開発元は、日本の財務省にこの転々流通の機能を決して持たせるな−−と強い行政指導を受けたそうな。
技術的な話をするならば、モンデックスのような残高管理型で転々流通性を持つ電子マネーは、安全性の拠り所をICカードの耐タンパー性(不正な情報の読み出しや改ざん等が困難なこと)に置いています。これが破られたときには、偽造などの不正行為が歯止めなく可能となり、システムが完全に崩壊する危険性を持っています(転々流通性を諦めれば別の安全性確保手段も取り入れることができます)。

一方、NTTの開発したような電子証書型で転々流通性を持った電子マネーの場合は、安全性の拠り所を暗号を使った別の方法に置いており、ICカードの耐タンパー製などは補完的なものです。この場合、耐タンパー性が破られると、電子マネーの二重使用が一時的には可能になりますが、不正の痕跡は残るため、不正行為者の特定などにより被害には歯止めをかけることはできます(転々流通性を諦めれば、これも防ぐことは可能です)。

こうした状況のもとでは、最初は念のため転々流通性を持たせない、より安全な方法にしろという判断もありうると思います。財務省の人もそういうつもりで言っていたのが、これを聞いた人が過剰に反応して、「決して持たせるな」と受け取ってしまった可能性があります。電子マネーが活発に使われるようになるためには、転々流通性は必要な機能だと私は思いますので、もし、財務省の人が本当にそういったのであれば言い過ぎですね。

なお、新宿で実験が行われた電子マネー「スーパーキャッシュ」は、実験では転々流通性は持たせないが、将来持たせることは可能という言い方をしていたと思います。また、サイバービジネス協議会のインターネット上の実験「インターネットキャッシュ」は、途中のフェーズからは転々流通性が可能になったと記憶しておりますが、その「行政指導」は一貫して行われているのでしょうか?
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From: 中山 靖司   2001/2/11 23:18
Subj:【152】要は信用度の問題では?/電子マネーについて
【要旨】加藤さんの意見に賛成。なお、電子マネーが円建てとかドル建てといった区別は無意味になる可能性がある。
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【147】内田勝也
簡単に私なりの解釈をすれば、(1)偽造に関しては、偽造が発生した場合、誰がその損失を負担するのでしょうか? 多分、発行元になるでしょうね。
そのとおりだと思いますが、それが原因で電子マネー発行機関が破綻した場合は、電子マネー利用者を保護する仕組みがないと、電子マネー保有者にふりかかってきます。
(2)マネーサプライの総量が把握しにくくなるといいますが、勝手に電子マネーを発行できる訳ではありません。現在の通貨に基づいて発行するのであれば、あまりその恐れはないのでは?
電子マネー発行機関は、健全性を保つために何らかの監督下におかれるべきと考えられますから、総量を把握することは簡単なはずです。
(3)通貨の私的生成に限りなく近くなると言っても勝手に電子マネーを作ることが発行元で可能なのでしょうか? これは基本的には考えられないと思いますが。
電子マネーを発行するということは、発行機関にとっては同量の債務を抱えることになるわけですし、法制度による一定の歯止めが行われるはずですから、勝手に電子マネーを作って発行することは難しいはずです。
【148】加藤良平
私はそんな「海賊的国家」よりは、資本主義社会の担い手たる企業の方が市場原理にさらされる分、まだ信用できるだろうと考えています。仮に度をすぎた量の電子マネーを出した発行元があったとすれば、たとえばその単位が「円」であったとしても、その発行元とのある種の「ダブル・ブランド」性が生じ、その価値は額面通りには通用しなくなる、ということです。
電子マネー発行機関の信用によって、利用者が電子マネーに額面どおりの価値を認めなくなった結果、同じ円建ての額面であっても、価値に差が出てきて、日本銀行券との交換レートも、時々刻々と移り変わる変動為替相場のような状態が生じると思います。そうなると、この電子マネーは「円建て」だとか「ドル建て」だという意味もなくなり、新たな通貨単位が発生したのと同じようになってくるのではないでしょうか。電子マネーがインターネット上で国境を越えて使われるようになれば、なおさらです。
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From: 中野 潔  2001/2/11 23:30
Subj:【153】電子マネーについて
内田さん、中山さんの御意見に賛成。要するに、その企業に行政指導した財務省の人の勉強が足りなかったのでしょう。
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From: 江崎 浩   2001/2/12 8:42
Subj:【154】電子マネー
電子マネーが登場すると、市場でのお金の流通量が把握できなくなるということですが、、、、
そういえば、株 とか 社債 とかって、、、、会社が勝手に発行する紙幣(マイナスの概念とかコミットの概念とか) と同じような気がして、これって、貨幣とあまり変わらない(貨幣との相対的な変動率は大きいですが)。
ってことで、流通量の把握ができなくなるので、電子マネーはちょっと困るってのは、Makeセンスしないかな。
偽造の件は、はっきり言って、きっと、株 や手形の方が、はるかに危険な気がする?

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