世界情報通信サミット2001
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2月6日(火)−9日(金)の発言内容
From: 村田 初穂   2001/2/6 20:32
Subj:【98】IMT-2000ビジネスのヨーロッパでの状況
村田初穂と申します。第三世代の携帯電話のインフラ側の開発と製造のためにできた、シーメンスとNECとの合弁会社であるモビスフェア社に、NECから出向して英国駐在になってから1年余りになります。そうした意味ではIMT2000は業務そのものです。

現在のヨーロッパでの状況

(1)ビジネスモデルの開発
こちらではUMTSと呼ぶことが多いのですが、関連のコングレスに参加すると、技術関連のセッションよりは、それ以外のセッションの方が多いことに驚かされます。昨年秋のバルセロナでのコングレスでは、ビジネスモデルの話が花盛りでした。前日のセミナーではビジネスモデルの作成がテーマのものに、私も参加しました。

まず、最初に数兆円のライセンス料を支払い、設備投資もして、これを回収するためには、どの程度のトラヒックで、どの程度の料金なら可能かを概算させられました。答えは、とても回収は不可能!。想定される人口、毎日の使用回数、一回当りの料金などの基本的な数値から計算するわけですが、要は、新規の儲かるサービスを開発しない限り、しかも、並大抵のものでは駄目だというわけです。自分で計算してみると、従来の音声電話とは、桁違いのサービス収入が必要なことが身に染みます。

こうした理解の上で、従来の枠組みを超えたサービスの構造やモデルを創出するための手順や方法を教わるわけです。加入者と運用会社のほかに、ISPやその上のサービスだけを提供する会社などを想定して、相互の分担や協力関係の設定を行い、その間の料金設定も含めたモデルを作るのが、最終目的です。

こうしたこともあり、最近は、タリフのセミナーも花盛りのようです。従来のビジネスモデルと比較すると、中間に入る関連した業種が多種多様なために、こうしたビジネスの間の料金体系をどうするかが議論の中心です。

(2)基本議論の重視
こうした議論を聞いていて思うのは、ヨーロッパというのは多数の国から出来ているので、こうした機関や利害関係の違う業界の間の調整に手馴れていることです。アメリカ型のビジネスモデルがデファクトスタンダードになることを重視しているとすれば、ヨーロッパ型は、長い期間の事前会議や調整会議等の準備を重視しているようです。

最新の技術、最高の性能であることも重要ですが、皆が使えて、協力できるものをきちんと決めた後で、各種の新しいサービスがその上に花咲くようにと考えているのだと思います。

上記で話した、複数の業種が協力して実現するサービスのタリフの内容を事前に打ち合わせているのも印象的でした。もちろん、タリフの内容は、サービスの内容や会社ごとに違うわけで、そうした違いを許すようなタリフの規定方法(たとえば、使用時間単位、使用回数、送受情報量等のタリフ設定の基本単位や条件記述の一致)に作業が限定されているようです。

(3)携帯電話の工夫
現在の欧州での携帯電話はGSMと呼ばれる方式ですが、英国に住んでみると、その工夫に驚かされます。携帯端末は、SIMカードと呼ばれる小指くらいの大きさのカードを差し込むことで使用可能となります。電話番号も、このカードに記録されているので、端末を買い換えると、自分でカードを電源の横に挿入すれば、それで、即座に、端末が他社のものになります。逆に、携帯電話会社をA社からB社に替えるのも、申請すると、B社から、何月何日の何時ごろに、サービス中断があり、その後は、B社扱いになると連絡があるだけです。同じ端末、同じ電話番号のままで、会社だけが変わります。もちろん、多少の手数料は徴収されますが。こうなると、端末の機能、デザインで魅力的なものを出しつづけていないと新しいものに簡単に変わられてしまいますし、携帯電話会社もサービスが悪いと、あっという間に別会社に移られてしまいます。こうした環境は、ある意味で競争を促進するための工夫となります。多国間でのローミングが可能なことはもちろんですし、他国にいても、携帯電話の登録国から、電話が追いかけてきます。このサービスを、端末側から起動したり中止したりすることも容易にできます。

(4)仮想携帯電話会社
現在の、もうひとつの大きな話題は、仮想携帯電話会社です。これは無線のライセンスを得た携帯電話会社が、他の会社に仮想携帯電話網を小売するシステムです。携帯電話は、全国をカバーすることが必須なので、多大な設備投資を必要とするため、小規模なサービスやトライアルはやりにくく、インターネットにあるような小回りの利く新しいサービスでの参入と撤退とが困難なのです。ところが、仮想携帯電話会社は、無線や通信の設備を持つ会社から、こうした機能を借りて、サービスだけを自分でやるのだと思ってください。

インフラを持つ携帯電話会社から見ると、高価なライセンス料の分担をしてもらえる相手が見つかったことになりますし、本当にヒットするかどうか不明のサービスを、自分でリスクを犯さなくても、提供することが可能になります。他方、仮想携帯電話会社からすると、参入費用が安くサービスが売れなければ、簡単に撤退することもできます。

本当かどうか、私は知らないのですが、英国の「バージン社」の電話は、こうした仮想会社の実例なのだそうです。

会議屋さんの講習会では、仮想電話会社を設立するための法律の話、申請の仕方、タリフの考え方等、あれこれメニューをそろえています。 無線のライセンスを得た大きな携帯電話会社は、こうした仮想電話会社を、自分の上に沢山作らせて、アイデアやサービスを競わせて、新しいサービスを開拓させようという訳です。

これは腕時計のブランドは沢山あって、デザインや価格も様々だけれど時計のムーブメントは、世界中で数社しか作っていないのと同様の発想と状況なのだと思います。したがって、インフラ自体の最新性や高性能よりも、自分のインフラの上で、どれだけ便利に沢山のサービスを花開かせる環境とインターフェースを提供できるかが勝負だというわけです。

(5)市場環境の整備
市場での競争と言っても、市場が機能するためには、一定のルールや環境、条件の整備が必要ですし、ルール違反者に対する措置も考える必要があります。自分に有利な競争条件を自由に作ってよい市場というのは稀ではないかと思います。

これからの第三世代の携帯電話サービスとして「何が儲かるか」といわれても誰も明確な答えを出せない状況では、「豊かなアイデアを容易に始められる環境を提供できるか」と、置き直した方が良いのではないかと感じています。
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From: 前川 徹  2001/2/6 22:52
Subj:【99】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
【要旨】「携帯電話機器の製造販売」と「携帯電話サービス」の分離を推進すべきではないか。
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日本では携帯電話を購入して不思議に思ったのは、ほとんどの携帯電話が通信事業者のブランドで販売されていることである。もちろん、型番から(本当に)製造した企業が分かる仕組みになっているが、製品としてはあくまでも通信事業者のものとして扱われている。

しかしよく考えてみればこれは決して「当たり前」のことではない。極端な話、NHKがNHKしか見られないテレビを販売していたり、TBSがTBSしか映らないテレビを販売しているのと同じなのである。もちろん、テレビと異なり携帯電話はサービス提供者を日に何度も変えたいとは思わないから不便さはあまり感じないかもしれない。しかし携帯電話会社を変えようとすれば、現時点では電話機から買い換えなければならない。

幸いにして次世代携帯電話にはUIM(Universal Identify Module) が搭載されることになっている。これを機に、機器の製造とサービスが分離されることを期待したい。

IMT-2000のサービスが普及するにつれて日本の携帯電話はUIMが搭載されたものになっていく。UIMが着脱可能なものになれば、UIMを取り替えることによって1台の携帯端末で複数の携帯電話サービスを利用したり、友達の携帯電話を借りて自分の携帯電話と同様に使うことができるようになる。また、機器を買い直さずにUIMを取り替えるだけで別の携帯電話会社に乗り換えられるようになる。

ただ、機器を安売りして利用者を増やし、通話料で機器コストも回収しようという電話会社にとっては、UIMは無用どころか迷惑な仕組みかもしれない。しかし、解決策はある。「UIMロック」である。これは、ある一定期間(例えば1年間)ほかの電話会社のUIMでは動かないように携帯電話を設定できる機能で、これを利用すれば、現在のように機器とサービスをある一定期間バンドルして売ることができる。

UIMの採用によって、もう一つ期待できることがある。それは機器メーカーブランドの携帯電話が増え、携帯電話のデザインや機能が多様化することである。昔、普通の家庭の電話機が黒電話だった時代は、電話機は日本電信電話公社が供給していた。もちろん当時でも電話機は何種類かあったのだが、現在のように電話機の機能とデザインが多様化したのは、機器メーカーが自社ブランドで販売するようになってからのように思う。

機器とサービスの提供が分離されれば、機器メーカーはより自由な発想で機器を設計・開発できるだろうし、通信事業者はより公正な環境で競争を強いられることになる。それは消費者にとってより望ましいことではないだろうか。
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From: 江崎 浩   2001/2/7 1:24
Subj:【100】「技術>サービス」でなく「サービス>技術」の発想
<ダイジェスト3>
サービス業者が自在にインフラを調達し、シームレスに情報送受信のルートをキープしてくれれば、ユーザーは快適環境を楽しめそうです。商社の人、証券会社の人はここがチャンスだと思いませんか?「技術>サービス」でなく「サービス>技術」の発想がユビキタス時代では極めて重要だと思います。
まったく逆だと思います。 つまり、「技術 > サービス」。サービス業者が自在にインフラを調達可能にしたのは、「技術」と「ポリシー」ではないでしょうか? やはり、強いベンチャーは、「技術>サービス」で、「コア技術」を元に、新しい「サービス」や「機能」で勝負をしているように思えます。
#小職の、偏った見方かもしれません。

したがって、小職は、「技術 > サービス」という構図で、常に、技術が、マーケットを意識している、マーケットへの出口を模索しているという姿が、重要ではないかとかんがえます。
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From: 山本 雄大  2001/2/7 7:18
Subj:【101】サービス>技術
【要旨】ユビキタスを実現するのは「技術」であるが、ユビキタスを実感させるのは「サービス」である。
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「技術」を「インフラ」や「ハード」、「サービス」を「コンテンツ」や「ソフト」にしていただいても構いません。

【100】江崎浩
つまり、「技術 > サービス」。サービス業者が自在にインフラを調達可能にしたのは、「技術」と「ポリシー」ではないでしょうか?
当り前の話ですが、どんなにいいサービスを思いついてもそれを実現する技術がなければ「画に描いた餅」で、逆にどんなにいい技術でも、広くサービスされなければ「宝の持腐れ」です。

両方そろって初めて夢や理想が実現するわけで、どちらが「>」というのは、その方の立場や周辺状況で変るので、一般的にはあまり議論しても仕方がないと思います。

ただ、ユビキタスという点では、「遍く、広く」つまり、使う人が多くなければ意味がありませんから、今回のところは「サービス > 技術」ということだと思います。サービスがはじまって、初めてユビキタスの便利さを経験する訳ですから。
「技術 > サービス」という構図で、常に、技術が、マーケットを意識している、マーケットへの出口を模索しているという姿が、重要ではないかとかんがえます。
この考え方は大事です。ある意味で、消費者とメーカーの中間に位置する我々(この場合はコンテンツプロバイダー)は、「技術」だけに偏り、「マーケット」や「ユーザー」を重視しないで失敗していった「技術」や「新製品」「会社」をいくつも見てきています。マーケットやユーザーを意識することが、成功の条件だと思います。
強いベンチャーは、「技術>サービス」で、「コア技術」を元に、新しい「サービス」や「機能」で勝負をしているように思えます。
「強いベンチャー」というものは、江崎さんが仰っているとおりで、やはり技術あってこそと思います。
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From: 石黒 憲彦   2001/2/7 11:49
Subj:【102】政府の役割
【要旨】政府の統計はユーザーの便宜のために前提、作成方法をトランスペアレントに。ビジョン等については、建設的な批判を通じた官民の相互作用が重要。
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三石さんと経済産業省内輪の前川さんの統計についてのコメントですが、ご批判ごもっともと思います。内田さんのおっしゃるとおり、推進サイドの大本営発表的要素のバイアスがあることは否定できないかも知れません。内田さんのご意見に賛成で、重要なことは、内田さんが示唆しておられるようにその試算の前提、考え方をなるべくトランスペアレントに説明することと思います。統計のユーザーがそうしたものとして判断して使えるようにするということが重要でしょう。具体的な批判について責任を持って回答する立場にあるのは実は安延さんかと思いますが、現状でもある程度その面でも工夫はされてるのではないかと思います。

それから内田さんが私と坂村先生とのエピソードにふれられました。省内では直接の担当ではなかったのですが、私も当時ユーザーの利便性こそ全てでグローバルにつながることが重要との考え方で、このままでは日本が孤島になるとの危機感からDOS−V普及すべしと議論をしていた一人です。しかし、規格の策定に当たり、単純なユーザーの使い安さという視点以外に、国内に競争勢力を育てることによって競争状態を作り出し国内産業の発展と独占の不利益からユーザーを守るのも重要ではなかったかという坂村先生のご意見も、独占の弊害がでてきた昨今の情勢をみると一つの識見と思いましたので、こうした仕事の難しさの一端をご紹介したかった次第です。但し、異なる意見の中にある種の戦略意識とバランス感覚をもって結論を導いていくのが我々の仕事の面白さでもあると思っています。

三石さんからIT戦略会議についての厳しいご批判がありました。担当でなくて良かったと首をすくめておりますが、実はあの議論を当初リードしたのは、著名な委員の先生方だったようです。官僚外しが露骨に行われた部分もあったと裏方から聞いています。多分郵政、通産、NTTなどもそれなりに巻き返したでしょうから、どっちもどっちで中途半端になったのかも知れませんが、私は著名な有識者の先生方がまとめても、ITバウチャーの議論など、レベルはこんなものかと実はがっかりしました。政治的要請から短兵急にまとめる必要があり、ああならざるを得なかったのですが、せっかく官僚外しでやるならNIIのように各地でタウンミーティングのようなものを重ねたら面白かったと思います。地方公聴会のようなものは少しやられましたが、形骸化されていた感じがありました。そうした試みをすると基本計画はもう少し国民の生活感覚、ニーズに近づき、「自分たちの計画」という意識になったのでしょうし、それ自身ITリテラシーを考え、普及啓蒙につながったのではないでしょうか。

私は、今年の1月から新しいポストにつき経済産業省の中で中長期の産業構造ビジョン、長期成長シナリオを担当しています。今はまだ勉強中で何かアウトプットを出せるのは夏頃になりますが、批判を恐れず世の中に問うてみたいことがあります。その際には数字を今後発表する機会がありますので、ご意見を踏まえて極力試算や統計の前提をトランスペアレントに出す努力をし建設的な批判を得たいと思っています。
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From: 藤原 洋  2001/2/7 13:49
Subj:【103】サービス>技術
ネットベンチャーの経営者として、こうありたいと思っていますのは、確固たる技術や独創的なマーケティング手段を備えていないとネットベンチャーは成立しないと思います。この意味で、ブロードバンドとユビキタスの分野で意味のあるネットベンチャーの出現が必要だと思います。

【101】山本雄大
【要旨】ユビキタスを実現するのは「技術」であるが、ユビキタスを実感させるのは「サービス」である。
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From: 小林 一  2001/2/7 14:14
Subj:【104】政府の役割 ・・ 機会の平等=ユビキタス ?
地域公団の小林 一です。

<政府の役割の一つはインターネット社会に全ての人が参加する機会を得られるようにすること。たとえば地方のお年寄り達が参加できるようなハードとサービスを提供する、できるようにする>

地域振興という政策の実施部隊で働いてきた立場から一言。

<地方のお年寄り達のインターネット>
「IT革命のなかで地方はどうしたらよいか」ということを、地方のリーダーの方々と議論していたときにでた一つの話題は、「地方のお年寄り達でも使いやすい端末が必要だ」ということでした。キーボードを扱うのも大変ですし、携帯は全体に細かくてお年寄り向きではないようです。去年の関根さんのプロジェクトの発表会では、開発者サイドの色々の努力の成果を拝見することができましたが、それをどうやって社会的、全国的に経済的にもリーズナブルな形で普及させるかということがポイントです。

統計によればこれからの地方経済にとっては、従来の土木工事型の公共事業よりも年金等の寄与度が大きくなることが予想されるのです。そのとき、一方でB2CやP2Pの電子商取引が進むなかで、お年寄り達が「デバイド」されない形で自由に、多様な選択肢のなかでモノを売ったり買ったり、サービスを受けたり提供したりできるかということは、ビジネス側からみても国民経済的にみても結構大きな意味をもつのだと思います。

<機会の平等>
政府の役割との脈絡でどう考えるか。市場での競争促進との関連で「結果の平等」までいうのはともかくも、「機会の平等」ということは基本でしょう。これは「役割」というより目的かもしれませんが。「いつでも」、「どこでも」にプラスして「誰でも」(「いくつになっても」)ということもユビキタスの含意と考えたいものです。

<多様な手段>
具体的にどうするか。リーダーシップということでいえば、まずは「お年寄りの参加できるIT社会を」とゴールというか方向を示すことでしょう。少し気がきけば、「お年寄りがインターネットをやi-modeを使うようになれば、パチンコをするかわりに株のオンライン取引に参加するようになる」などといって、民間ビジネス側からのサービス提供、開発を促すことが考えられます。

技術開発ということでは、もちろん個別企業でのそれに期待するとしても、新技術ーシステムということで国として開発支援をすることが考えられます。必要な社会インフラと考えれば、民間からの資金調達を含めて、端末までの整備を考えることもできます。

より直接的な高齢者福祉という視点からみれば、使い易い端末を欲しい方々に年金等の一部として配布するというより直接的なやり方も考えられます。これはITビジネスのデマンドプル型のインキュベーションということでも意味があると思います。

という具合に、様々の手段があり、ゴールー方向の提示ですめば一番簡単ですが、実際はおそらくは目的に応じた様々のミックスなのでしょう。ともあれ、上述のように、このお年寄りインターネットは国民経済的にみても大いに採算の合う話なのでまず始めたらと思う次第です。
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From: 富沢 木実  2001/2/7 18:44
Subj:【105】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
【要旨】前川さんの発言【99】で「携帯電話機器の製造販売」と「携帯電話サービス」の分離を推進すべきではないか」について、ゲーム機もそうです。オープン化だけが本当に正しいことなのか。
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前の発言【49】でも述べたのですが、ピカチューもあれだけブレークしましたが、このゲームソフトは任天堂の機器でしか動きません。機器とコンテンツがクローズドなのは、必ずしも、携帯電話だけではありません。

ハードの機能が限られているなかで、魅力的なコンテンツを作りこむには、クローズドな仕組みをとらざるをえないのかもしれません。

携帯電話では、通信業者ごとに端末が異なり、しかも、新しい機種と前の機種とでも、使えない絵文字があったりします。ノキアやエリクソンの人たちは、当然のことながら、オープン化を求めています。メーカーの規格(ブランド)でどの通信業者にも対応できるようにすべきだというのです。メーカーにしてみると、大量生産でき、ユーザにとってもそのほうが端末価格が安くなるのでメリットがあると言います。何でもオープン化のインターネットやコンピュータの世界の常識から考えて、私も当初は、この意見が正しいと思いました。

しかし、通信業者と端末メーカーとコンテンツプロバイダーが三位一体になって開発し、通信業者のリスクで端末が生産されているからこそ、次々とあれだけの短期間に冒険ができ、魅力的なコンテンツが開発されたようにも思えるのです。

端末メーカーは、OEM生産でリスクが無いから、カラー化したり、音色をよくしたり、さらにはカメラまでつけてしまうわけです。

日本のユーザは、こうした変化に大変敏感でかつ新しいものを欲しがるので、こうしためまぐるしい変化と進歩になるのです。もし、最初から、ノキア方式で、端末が安いが差別化されていなかったら、次々と新製品が出されなかったら、これほど短期間に、モバイルインターネットが普及したとは思えません。

日本車も、部品の共通化、オープン化の流れは無視できませんが、はやり狭い空間に機能を最大限に詰め込むために、特注部品になりがちです。これに対し、アメリカでは、自分で部品を取り替えて直せるように部品の標準化が進んでいます。

一方、パソコンやインターネットの世界は、アメリカ発ですから、本来オープンですが、日本では大衆化するにあたって、たとえば富士通のパソコンを買えば、ニフティにすぐ接続できるようになっています。実際、この会議に参加されている方々は、先進ユーザなので、自分で全て組み立てたりなさるかたも多いでしょうが、普通の人にとって、オープンな世界というのは、とても大変です。

パソコンが悪いのか、ソフトの設定が悪いのか、NTTが悪いのか、ニフティなどのISPが悪いのか、一つ故障が起こると、何が原因かを探すだけで、時間と労力を使い果たします。日本人は、安いよりも便利で簡単で面白いほうを望んでいるのではないでしょうか(マジョリティの話です)。

だから、選択肢として、先進ユーザが端末とサービスを選べるようにするのは良いとして、本当にオープン化だけがよろしいものなのか、アメリカ発のグローバルスタンダード的な考えばかりで進めるのは、本当にハッピーなのか。考えてみる必要があるように思っています。
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From: 勝屋 信昭   2001/2/7 21:19
Subj:【106】クローズドVSオープン ブロードバンド
アクセンチュアの勝屋です。

【要旨】ユビキタスの最終形は、どんなチャネルからでも、一定品質のサービスがオープンな形で(専用端末ではない)提供できること、発展段階は、クローズドなネットワークから始まり、徐々にオープン化していく。
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富沢さんの発言に私も非常に共感しています。最近、ブロードバンドネットワークを使ったサービスを考える機会がよくあります。

しかし、現状のブロードバンドネットワークは、高品質のブロードバンドサービスを実現するには、技術的な面で多くの問題を抱えています。これは、単にADSLが安く早く普及しようと解消されない問題です。

たとえば、高速回線を自宅に引き込み、ストリーミングやVoIPや、ファイルのダウンロードを自分の望む品質で実現することは、どこの通信会社も実現していません。QOSをサービス毎に設定して、制御する技術が確立されることが重要です。この問題は、DigitalCATVのように、EndToEndでクローズされているケースならば、まだ、対処が可能ですが、さまざまな通信会社をまたがって、このことを実現するには、まだ、時間がかかると思われます。

ある程度の品質での、ブロードバンドサービスは、やはり、EndToEndが保証しやすい環境がどうしても先行するでしょう。DoCoMoのMstageの品質は、PC環境でオープンなネットワーク環境では当面実現できないと思います。

しかし、技術が成熟してくれば、本当にUbiquitusな環境は技術的には実現できるでしょうが、少数の会社が独占している状況にならないことが重要です。
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From: 池田 信夫   2001/2/7 22:06
Subj:【107】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
【105】富沢木実
前川さんの発言で「携帯電話機器の製造販売」と「携帯電話サービス」の分離を推進すべきではないか」について、ゲーム機もそうです。オープン化だけが本当に正しいことなのか。
この場合の「分離を推進」する主語は何でしょうか?電話会社なら、「べき」論以前に、分離(アンバンドル)しないと世界市場では生き残れないでしょう。事実、NTTドコモも3Gではそういう路線です。しかし主語が政府なら、私は「アンバンドル規制」や「ドミナント規制」には反対です。昨日の「ネット時評」でも書いたように、この問題は市場で解決できるからです:
NIKKEI NET ネット時評 2月6日(火)「Lモード」問題(上)総務省の「天動説」

iモード端末の構造が「閉鎖的」だとして、総務省はドコモに「開放要求」をしましたが、余計なお世話です。NCCがiモードの勝手サイトを読める安い端末を出せばよいのです。プレステが任天堂に勝ったのも、(相対的に)オープンなライセンス政策をとったためでした。こうした「プラットフォーム競争」こそ、市場の主役を交代させるダイナミズムです。NCCは、役所に泣きつく前に、なぜ自前でもっとオープンなサービスをしないのでしょうか。
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From: 富沢 木実  2001/2/7 23:48
Subj:【108】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
【要旨1】クローズドかオープン化は発展段階によるというのは、期待も込めて賛成。
【要旨2】池田さんのNTTへの総務省による「開放要求」は、対NCC対策ではないと思いますとの事実認識の話(コンテンツプロバイダーの生殺与奪をドコモが握っていることへのオープン化がテーマ)
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勝屋さん(発言【106】)のように、発展期はクローズドで、ある程度成熟してきたらオープン化というのが現実的というのが理想だと私も思います。

池田さん(発言【107】)のように、私もNCCがドコモと同じやり方で追いかけるのではなく、もっと革新的なやり方でプレステがセガや任天堂を脅かしたようにやってもらいたいものと思っています。ただ、それにしましても、プレステのソフトを任天堂のハードで利用できるわけではありません。

ただ、池田さんのコラム並びに発言【107】のご指摘で、「総務省の開放要求がNCCを助けるため」とあるのは、ちょっと違うように思います。

現在、いわゆる「公式サイト」は、コンテンツ料金をドコモが回収代行してくれており、このため商売が成り立っているわけですが、いわゆる「勝手サイト」は、この手段が無いため、商売が成り立たないというところに問題があります。また、インターネットでは存在するISPもドコモが兼ねており、ニフティやソネットにあたる別の事業者が参入できていません。

そうかといって、「勝手サイト」全てに対し、代金回収サービスを提供するとダイヤルQ2の二の舞となり、ドコモのブランドが非難され、このサービス自体がぽしゃってしまう可能性があります。「公式サイト」に入るには、時間がかかるし、その基準も不明確なので、どうしたらよいのか分からないコンテンツプロバイダーが多いのです。

これからIMT-2000になり、あらゆるビジネスがモバイルインターネットを活用するようになるなかで、よりオープンで、誰でもが参入、利用できるプラットフォームにしていきたい、それには、どうしたらよいかというのが総務省の「開放要求」のポイントです。

一方で、前述のように、クローズドだから発展しうる、新しいコンテンツ(端末)など冒険しうる、という面もあります。

IMT-2000では、前川さんおっしゃるようにUIMカードの搭載もありますし、セキュリティも向上するので、現在問題になっているクローズド化は、次第に薄れてくるとは思いますが。
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From: 今川 拓郎  2001/2/8 7:26
Subj:【109】著作権関連
大阪大学の今川と申します。郵政省から出向し、昨年7月から大阪大学で研究を行っております。

郵政省で放送コンテンツの担当をしていたこともあり、著作権問題には関心を持っています。DVDレンタルにおける邦画の品揃えの少なさは目を覆うばかりであり、この問題の根深さを思い知ります。

音楽コンテンツは著作権が比較的シンプルであり、ナップスター問題等はまだ前哨戦といったところでしょうか。國領先生のご指摘通り、競争下における限界費用ゼロ=価格ゼロの経済ルールはパワフルであり、無料消費による消費者の余剰をどうやって回収するかがポイントです。

知的財産権に関する伝統的な経済学的議論からすれば、創造された知識に対して専有権を与える特許と同様、著作物についても専有権を与えて「a)個別の利用料徴収」又は「b)定額制」による収入確保を認めるのが本筋だと思います。その代わり、保護期間を大胆に短くする(例えば数年)とか、利用料を時間に応じて逓減的にする(古いものほど極端に安くする)といった工夫により、著作権フリーなパブリックドメインを拡げることも必要でしょう。

専有権を与える仕組みが技術的に不可能で、P2P複製が管理できないのであれば「c)別収入」となるでしょう。しかし、この場合も広告やハード機器課金による収入を著作権者・隣接権者にどうやって配分するかという問題が生じ、著作物の利用度をネット視聴率等の形で把握しない限り正当なインセンティブが生まれなくなると思います(「b)定額制」も同様です)。結局のところ、利用や複製の「量」を技術的にフォローするための仕組みが必要となるのでは無いでしょうか。

技術が専門ではないので、的外れのコメントであればご容赦下さい。
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From: 加納 貞彦  2001/2/8 9:02
Subj:【110】技術>サービスについて
Ubiquitousの主語は、「機器」であって、それがどこにでもあることから、一つの「環境」を形成しているというのが Ubiquitous Computing だと理解していました。

ケンブリッジ大学のA.ホッパー教授の研究室では、少なくともそのように使っていたと記憶しています。その発想の基本は、航空管制から来ているようで、航空機の中のコンピュータが航空管制のために作られたユビキタスな環境から色々情報を得て(現在位置、飛行経路、天候状況など)、それをもとに航空機内のコンピュータの助けを借りて、パイロットが色々判断して行く。それと同じような環境を地上に作ろうという研究だったと記憶しています。もちろん、とりあえず研究室のある建物の中でやり(これはほぼ終了)、次にケンブリッジの中心市街に広めようとしているところでした。私が訪問時、最初に私が何かしゃべってその声紋がコンピュータに入ります。すると私がしゃべると壁に埋め込まれたマイクがそれを拾って、中央のコンピュターに連絡し、音声分析やマイクの位置から、私の今いる位置が傍にあったコンピュータ画面上に表示されました。さらに傍においてあるPCを使うと、それが私のPCとして動作するように中央コンピュータからそのPCに私の個人データがダウンロードされ、「私の」PCになるという環境になっているとのことです。(見学だけだったので私のデータはもちろん入っていません)実を言うとあまり気持ちの良い環境ではありませんでした。そこでは、確か Ubiquitous Intelligent Environmentとか言っていましたが、この言葉は、不正確で問題を色々含むので私は使いたくありません。

どんな応用を想定しているかと聞いたら、上述のように航空管制の話を持ち出されて、今の位置とか、経路、とか言っていたので、カーナビと同じではないか、と聞いたら、「まあそうもいえる」という感じの答えでした。

つまり、個人がもっているコンピュータ(入りの携帯機器)と、コンピュータ処理されたデータが手に入る環境が(もちろん電波を介して)作られてあり、この両者のインタラクションがUbiquitous computing なのだろうと考えていました。

普通の言葉でいえば、カーナビが使える環境、あるいはPHSで個人の位置が分かる環境などが、一番原始的な形でのユビキタス・コンピューティング環境と理解しています。

このユビキタスの理解の線上で感じているのは、カーナビの話です。日本のカーナビの普及率は大変高く、しかもどんどんソフトが改良されて使いやすくなっています。欧米では、まだそれほど普及しておらず、何かスパイものの映画に出てくる特殊なもののように普通の人は理解しているようで、日本で私の車に載っていて、目的地までの経路だけでなく、現在の渋滞情報を考慮して経路案内をしたり、駐車場の空き情報が得られるというと殆どの人が目を丸くします。これは、カーナビ用にユビキタスな環境があるから可能になったことですが、日本の戦略商品になるような気がします。今回のユビキタス+ブロードバンドの議論であまり出てきませんが、上述の意味でユビキタスという観点から注目してよい商品だと思います。
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From: 酒井 雅子  2001/2/8 9:53
Subj:【111】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
未来証券の酒井雅子と申します。

【要旨】クローズドかオープン化というよりも一般のユーザーは現状がどうなっているのかも恐らく知らない。それでもいままではさしあたってさしつかえはなかったが、変な感じ。
-----
このテーマのご議論の意味がわからず、これに近い仕事をしている夫に解説してもらってやっとわかりました。私が使っているのは三洋電機製のJフォンです。ケータイ販売店に払ったのは9,800円だったようにおもうのですが、そういえばカタログにはもっと高い値段がでていたようにおもいました。競争がはげしくてディスカウントなのか、と単純におもってました。わたしは三洋電機のJフォンを買った(すなわち三洋電機にお金を払った)とおもっていたのですが、Jフォンの三洋電機バージョンであったわけですね。いまのやりかたのおかげで、インターネットに接続できるケータイが安く普及したというのならべつにそれでいいですし、いまや手放せないほど活用(とくにケータイのメール)しているわけですが、消費者になんの説明もなかったというのが妙な印象として残りました。
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From: 松本 功  2001/2/8 9:55
Subj:【112】ユビキタス社会は何を目指すのか
【要旨】どこでもコンピュータ社会という社会は、どんな社会になっているのでしょうか。
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私は、唐突ですが、21世紀には、地域のコミュニティが何らかのかたちで、再生するきっかけが生まれてほしいと思っています。明治以来、破壊を続けてきたので150年くらいはかかると思いますけれども。

具体的に言うと、地元のおいしいパン屋や豆腐屋、畳屋が一階で、仕事をきちんとしていて、子どもたちが、その中で、暮らせる社会です。職人たちが一階で、仕事をして、人々が、縁側で人々が世間話や夕涼みをしていれば、視線が街にあふれることで、街は安全になります。おとなたちが、昼間から、街にいれば、安全になります。

コンピュータは、単に消費社会を強化するだけだとすると、職人たちは絶滅することになるでしょう。

街に大人が帰ってくる・・・。これは、関根さんがご指摘されているように、ブローバンドなどなどで、自宅で、地元の事務所で、仕事をすることができるのなら、面白いことが起きるように思います。

ネットワークが、通勤電車の代わりになる、ということでしょうか? あるいは、電子会議室が、リアルな打ち合わせの代わりになるということでしょうか?

個々の電子機器が、IPアドレスをふられて、連動して動くようになることは、どのような社会を構想しているのでしょうか?

1950年代には、どんな田舎の都市にも、ほとんど映画館があったそうです。家族や友達といったり、見るなと言われた映画を見たり・・・。もちろん、オンデマンドでもないし、ドサ回りであれば、フィルムも傷が付いていたでしょう。幻想であったかも知れませんが、結果として、街やコミュニティを作るという機能があったわけです。

電子機器は、消費社会の強化ともう一つ個室化を極端なところまで推し進めます。

そろそろ、消費社会とも個室主義でもない、次の思想がでてきてもいいころなのではないのでしょうか。ハッカーが作ったという電子メールには、その兆しがあったわけですが、ジャンクメールで破壊されてしまいました。

消費社会でも個室主義でもないテクノロジーというのは、生まれないのでしょうか。 あるいは、「どこでもコンピュータ」が実現し、消費社会と個室主義が極北まで行って、やっと折り返すのでしょうか?
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From: 池田 信夫  2001/2/8 12:01
Subj:【113】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
【108】富沢木実
現在、いわゆる「公式サイト」は、コンテンツ料金をドコモが回収代行してくれており、このため商売が成り立っているわけですが、いわゆる「勝手サイト」は、この手段が無いため、商売が成り立たないというところに問題があります。また、インターネットでは存在するISPもドコモが兼ねており、ニフティやソネットにあたる別の事業者が参入できていません。
だから、NCCがコンパクトHTMLの読める端末を売って、回収代行をすればよいのです。C-HTMLは普通のHTMLのサブセットだから、技術的には何でもありません。WAPが規格として失敗だったことは明らかであり、WAP2.0はiモードと「両互換」になる予定です。今までやってないのは、ただの「意地」でしょう。昔、NEC以外のパソコン・メーカーが「独自DOS」で全滅したのと同じです。

総務省の人々は主観的には善意でやっているのでしょうが、これはかつての米国の「ケーブル開放論争」と同じです。当時も、AT&Tがケーブル・インターネットを@Homeにバンドルしたことが「閉鎖的だ」という批判が起こりましたが、FCCはインターネットについて「非規制」(unregulation)の方針を打ち出し、結果的にはAOL-TWの合併によって問題は消滅しました。

プラットフォームを独占しようとする者は敗れるというのがインターネットの鉄則だから、iモードが閉鎖的なのは、NCCがもっとオープンな「iモード・クローン」でドコモをdisruptするチャンスなのです。
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From: 前川 徹  2001/2/8 13:25
Subj:【114】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
【107】池田信夫
「分離を推進」する主語は何でしょうか?電話会社なら、「べき」論以前に、分離(アンバンドル)しないと世界市場では生き残れないでしょう。事実、NTTドコモも3Gではそういう路線です。しかし主語が政府なら、私は「アンバンドル規制」や「ドミナント規制」には反対です。昨日の「ネット時評」でも書いたように、この問題は市場で解決できるからです。
3Gの携帯電話でUIMが分離されるならよいのですが、UIMは内蔵で着脱不可になる方向だと聞いたものですから心配になって、、、UIMが内蔵で着脱不可だと、UIMのよいところが生かされない世界になってしまいます。ちなみに、「アンバンドル規制」や「ドミナント規制」を期待しているわけではありません。機器メーカーにがんばってほしいなと思って書いたのですが、誤解を招く書き方だったかもしれません。申し訳ありません。
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From: 江崎 浩   2001/2/8 14:26
Subj:【115】 携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
【105】富沢木実
ピカチューもあれだけブレークしましたが、このゲームソフトは任天堂の機器でしか動きません。機器とコンテンツがクローズドなのは、必ずしも、携帯電話だけではありません。
ビジネスモデルだからだと思います。囲い込み、自分の機器"だけ"を 売りたいという「ゲーム機器」側の思惑。ユーザは当然そうじゃなく、作り手側もそうじゃない。はい、「ゲーム機器」に主導権があるからです。 これって、そう、電話システムとか携帯電話と同じですね。
ハードの機能が限られているなかで、魅力的なコンテンツを作りこむには、クローズドな仕組みをとらざるをえないのかもしれません。
誤りだと思います。 明らかに、自分の機器を売りたいので、ベンダーとしては、必ずクローズドにしたくなります。それから、ハード的な制約は、解消する方向にあると思いますし、実は、インターフェースの公開の仕方なのだと思います。最も、分かりやすい例は、日本の会社が作った 携帯情報機器(PDA)と、ぼろい Palm Pilot (最近はバイザ) の違いではないでしょうか? ハードの制約としては、たぶん同程度か、あるいは、Palmの方が大きいのではないかと思います。しかしながら、Palm は アプリケーションプログラマにAPIを公開しましたね。 これがオープン化です。

明らかに、マイクロソフト と LINUX とでは、同じハードの機能ですが、オープン化の程度と戦略が異なります。
携帯電話では、通信業者ごとに端末が異なり、しかも、新しい機種と前の機種とでも、使えない絵文字があったりします。
ちょっと、間違った認識なのかもしれませんが、この前、携帯の魔術師と自分を豪語してる学生と話をしましたが、日本の携帯電話は、ほとんどといってよいほど、インターフェースが同じなので、はっきりいって、個別のマニュアルはほとんど不要だといっていました。 これって、すべてのベンダに関して、統一化された仕様に基づいて、機器の製造がされているためなのでしょう。 なんか、昔の電話交換機の開発製造のような気がしました。 そうなると、ちょっと、変わった機能で差別化したくなって、こういうことが起こるのでしょう。それから、新しい機器でバックワードコンパチがないとか、通信業者で違うということですが、これは、まぁ、当然なことですよね。 計算機はそうじゃないですか。 これ、囲い込みがなくなれば、かなり、改善されると思います。絵文字にしたって、実は、フォントを自由に入れたり出したりできれば、解決する問題ですし。 実際、携帯電話に使われているOSはそのくらいなことは、可能だと思ったりしますけどもぉ。
ノキアやエリクソンの人たちは、当然のことながら、オープン化を求めています。メーカーの規格(ブランド)でどの通信業者にも対応できるようにすべきだというのです。メーカーにしてみると、大量生産でき、ユーザにとってもそのほうが端末価格が安くなるのでメリットがあると言います。何でもオープン化のインターネットやコンピュータの世界の常識から考えて、私も当初は、この意見が正しいと思いました。
このことに、いつ、エンドユーザが気づき、かつ これを 売りにした プロバイダが出るかだと思います。こういうのを、後押しするのが、あるときは政策でしょうし、技術の進歩(実現容易性を高める)なのでしょう。
しかし、通信業者と端末メーカーとコンテンツプロバイダーが三位一体になって開発し、通信業者のリスクで端末が生産されているからこそ、次々とあれだけの短期間に冒険ができ、魅力的なコンテンツが開発されたようにも思えるのです。
もちろん、そうです。 しかし、これは、市場規模の拡大とともに、変わって行くように思われます。ビジネスのブートストラップ期には、このような 三位一体が必要なのでしょうが。
普通の人にとって、オープンな世界というのは、とても大変です。
でも、子供は、とってもとっても複雑な ゲーム機を使いこなしているような気がします。子供達は、我々よりも、はるかに、上手に 携帯電話を使いこなしています。インターフェースを容易にすることと、オープンにすることには、強い因果関係はないような気がしますけども。。。誤りかな。
パソコンが悪いのか、ソフトの設定が悪いのか、NTTが悪いのか、ニフティなどのISPが悪いのか、一つ故障が起こると、何が原因かを探すだけで、時間と労力を使い果たします。日本人は、安いよりも便利で簡単で面白いほうを望んでいるのではないでしょうか(マジョリティの話です)。
すいません、クローズドは、もっと 始末に終えないような気がします。だって、エンドユーザには、手も足も出なくなるのですよぉ。 そうすると、もう、提供者の言いなりになりませんか?
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From: 富沢 木実  2001/2/8 16:09
Subj:【116】ユビキタス社会は何を目指すのか
【要旨】ユピキタス社会というのは、思い立ったらインターネットでやりたいことがやれる社会だけれど、それはあくまで後ろ側に隠れていて欲しい。
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松本さん(発言【112】)に触発され、書かせていただきます。Eコマースが普及し、皆がネットで買い物をし、街中を走っているのがクロネコヤマトと佐川急便のお兄さんだけ、というのは、不気味です。日本の場合、少子高齢化ですから、ほうっておいても、町に人が居ないのですから。

ますます、地域社会というか、リアルな空間の意味づけが重要になってくると思います。まちは、歩きやすく、ワクワクしたり、心が和む場所であって欲しいものです。

現在、水道や電気を意識しないで使っていますが、同様に、必要な時に、蛇口をひねって水を使うようにインターネットを使いたいものです。ディズニーランドでは、従業員が通る道やゴミが通る道は、地下街になっていて、遊んでいる人には見えないようになっています。インターネットもこうあって欲しいものです。

発展途上のうちは、みせびらかす傾向が強まるでしょうが(液晶ビジョンがあちこちに置かれるなど)、ある程度すると、隠すことがステイタスのようになると思います。

現在、町の製造小売業は、量産品に押されて、衰退の一歩ですが、インターネットがこれらのビジネスを効率化させ、存続の手助けをしてくれれば有り難いことです。ただ、残念ながら、そこまでの段階的なイメージが私には浮かびませんが。
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From: 本荘 修二   2001/2/8 16:31
Subj:【117】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
【要点】クローズな環境下でキャリアのコントロールが強いままでは問題。オープン化が求められる。
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ゲーム業界経験者なのでご参考まで:
ビデオゲームで機器がクローズドなのは、儲けの仕組みのためです。ゲーム・ソフトメーカーは任天堂など機器メーカーにライセンス料を支払います。だから機器でもうけなくてもソフトが1台あたり数本売れればよい、といって機器拡販戦略をとったりするのです。そしてソフトメーカーと連合軍を作ることが重要になります。
しかし、ユーザーの視点からすると迷惑な話です。何台もゲーム機を持っているユーザーは少なくありません。ソフトの売れるユーザー数も対象ハードに限られてしまいます。ソフトメーカーにも都合は良くないのです。(なお、ドイツや米国ではPCゲームはゲーム専用機と同等の市場規模となっています。オープンではダメというわけではありません。)

これが携帯電話でも起こっているのは心配です。コンテンツ・プロバイダーの多数はキャリアごとに出すものを変えています。ライセンス料をとっているわけではないですが、市場シェアのために競合他社との差別化を求めてこういった現象が起こっているのでしょう。
ゲームでは機器メーカーでしたが、携帯電話(特に日本)ではキャリアのコントロールがきついです。iモードの公式サイト認定もその一つでしょう。これだけキャリアの影響度が強いと、次の発展段階へと移行するにあたり問題を感じます。オープン化が必要でしょう。
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From: 松本 功  2001/2/8 18:33
Subj:【118】「ツールと作品、よしあしと好き嫌い」に対して
【要旨】批評と観客の微妙な関係・プロの批評家のかむ前のインキュベーション
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素人の観客の言葉は、さほど信用できないと思いますが、行動や反応は、また、別の ような気がします。
プロの批評家は、問題点を指摘してくれますが、アマの観客は、あくびをするか、帰 ってしまいます。会場で騒ぎだしたりします。それが、ルールに反している場合もあるでしょうが、批評家よりも、正しいこともあると思います。

そういう場合だけではない、とは思いますが。

電子テキストの場合、画面の向こう側の人が、どういう表情をしているのか、わから ないのが非常に問題です。どこが受けているのか、どこがつまらないと思われているのか。

紙の世界は、たった一人の編集者が、著者とつきあって、その執筆行為を支えると言うことも、多くはないにしろ、あったわけで、ディスプレイを超えて、読者の声を伝えるというのが、編集者の役割なのでしょう。でも、それが機能しなくなってきているのかもしれません。

リアルの世界の音楽の場合には、ストリートがあり、ライブがあります。それはインキュベーションの機能を持っています。ライブで、それなりに評判があったり、ライブハウスの主人が、ライブをやらせるということが、スカウトするプロの前にあるのではないかと思います。

この段階の過程が、ネット上に生まれることができれば、と思います。声援やコインやブーイングを投げられれば! と思っているんです。
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From: 池田 信夫  2001/2/9 0:58
Subj:【119】携帯電話機の製造販売と携帯電話サービスの分離
ドコモが次世代で念頭に置いているのは、国内市場ではなく欧米ですから、SIMカードなどのインフラはあまり関係ないでしょう(そもそも持ってない)。昨年の欧州の「ワイヤレス・バブル」に参加しなかったのも、勝負はiモード(次世代はFOMA)のレイヤーだという判断だと思います。たぶん次世代で最も有望なビジネスは、モバイルのAOLやExodusになることで、それにはインフラは持っていないほうがいいぐらいです。

インターネットは必然的にそういう国境を超えたオープンな競争を実現するし、それを拒絶する企業は淘汰されるだけです。政府の役割は、淘汰さるべき企業を守ることでもなければ「グランド・デザイン」を描くことでもなく、周波数オークションなどの「オープン・プラットフォーム」を提供して新規参入の障害を除去する「環境整備」ではないでしょうか。
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