世界情報通信サミット2002
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キーノートスピーチ4
「信頼確保へ水準高く」
クレイグ・マンディ クレイグ・マンディ
米マイクロソフトCTO
 高度なコンピューター社会になるとプライバシー(個人情報)とセキュリティー(安全性)の二つの言葉に象徴される新しい懸念が浮上する。コンテンツ(情報の内容)を提供する側も利用する側も「コンテンツが決して改ざんされない、盗まれない」という安心感がほしくなる。

 消費者はコンピューターのプロではない。個人情報の保護や安全性はサービスを提供するうえで必要な仕組みだと事業者側が考えるべきだ。

 コンピューターシステムはいつも当たり前に使えるようにならなければならない。だがコンピューターシステムは電話や電力に大きく依存しているにもかかわらず、まだそれらほどの信頼性や完全性はない。

 昨年9月の米同時テロの数日後、コンピューターウイルス「ニムダ」が発生し世界のコンピューターを攻撃した。サイバースペース(電脳空間)でも現実社会と同様の脅威が生まれ、人々が安全性を懸念するようになった。

 当社は昨年11月、コンピューターの信頼性確保への取り組みをより総合的にとらえるため、マトリックス(行列)化した新たな考え方を政府や業界などに向けて幅広く公表した。120通りの項目を通じて取り組みを評価でき、社内外での論議のツール(道具)にもなる。

 また設計段階で製品の安全水準が高くなるような策も打った。2―3年前に「セキュアウィンドウズ構想」と銘打ち、設計担当者3000人を教育したが、この6カ月間、場合によっては開発作業を延期・中止して設計担当者を教育した。昨年9月は開発をまったく行わず、3000人の設計者にソフトの設計・導入・運用における安全性についての教育を実施した。

 当社が開発した製品も徹底的に点検した。完ぺきな製品を近い将来に出すことはできないかもしれないが、安全性の水準を少しでも高めたいということで努力した。

 当社は長年にわたって安全性への取り組みを続けてきたが、今年1月、ビル・ゲイツ会長は全社員にメールで「『トラストワージー(信頼できる)コンピューティング』でなければ当社の将来は明るくない」というメッセージを伝えた。1995年の「インターネットに焦点を当てる」というメールに次ぐ重要な指示だ。当社は安全性確保にまい進していくことになる。

 コンピューターが信頼されるにはデジタル著作権管理(DRM)の問題も大事。どんなコンテンツにも永続的に適用される統一ルールを制定すべきだ。現実社会で法による規制が著作権管理に効力を発揮しているように、DRMでも立法が必要だ。そのためには業界だけでなく、権利保護団体や政府が国境を超えて協力体制を構築するのが欠かせない。

 我々は有形の世界で個人情報の保護や安全性、著作権管理という問題に対処してきた。コンピューターの世界でもまったく同じ取り組みが必要になっている。すべての企業、政府、市民に協力が必要であることを提唱していきたい。

 72年に米データゼネラルでソフト開発を担当した後、米アライアント・コンピューター・システムズの共同創立者兼最高経営責任者(CEO)に就任。92年にマイクロソフト入社。2001年から最高技術責任者(CTO)を務める。

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