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C. ネット社会部会
「ネチズンの登場と新しい 民主主義社会―ネットワーク社会問題解決への世界協調」

1998年2月9日〜2月11日
From: 山崎 一樹
Subject: [00077] ネット紛争解決:プライバシー問題
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From: 福富 忠和 Subject: [00070] Re:ネット紛争解決:プライバシー問題
うーん、どうしてこういう文脈になるのか、ちょっと理解できていないのですが、山崎さんは「通信の秘密」がよほどお嫌いのようですね。
私が嫌いなのは、「通信の秘密」自体ではなくて、「通信の秘密を金科玉条にしてイデオロギーを構築しようとするという考え方」や「通信の秘密は必要なことなんですよ、と他人に押し売りをしようとする考え方」の方でして、この点、誤解のないようお願いできれば幸いです :-)
From: 福富 忠和 Subject: [00070] Re:ネット紛争解決:プライバシー問題
裁判所の現状の令状発行の手続きを厳密かつ迅速にすれば、変な法改正はいらないはずだし、むしろ余計なプライバシー流出も防げるはずだ、というのが私の先のポストの内容です。
「防げるはずだ」という点が現行法規に照らして妥当な解釈であるのかどうか、私には大いに疑問に思えるのですが、ここは法律の専門家の方のご意見を頂きたいところです。
私の理解は、犯罪捜査などの場合に通信を傍受することができるとするには法律の明確な定めを置くべきである、かつ、そのような立法を行うためには「通信の秘密は法律の定めの範囲内である」という憲法の条文があった方が透明性が高いだろう、ということです。
何等の法律の定めもなしに裁判所の事務の効率化だけで対応できるという福富さんのお考えは、「裁判所が令状を出せば何でもできる」ということに容易につながることにはならないでしょうか。それこそ恐ろしい事態であるように私には思えますが。
From: 福富 忠和 Subject: [00070] Re:ネット紛争解決:プライバシー問題
また通信の秘密に関する例外規定など、通信傍受などについても、明文化しているのは米国など一部の先進国だけで(私が確認できたのは約10カ国)、グローバルスタンダードとは言えないんじゃないですか。それ以前に言論の自由や通信の秘密が一般的に守られていない国のほうが多いことが問題でしょう。
要するに、福富さんのご意見ですと、わが国は「先進国」ではなくて、「それ以前」の方に入るというわけですね。私は日本以外の国における表現の自由についてまでとやかく言うことは「小さな親切、大きなお世話」だと思うのですが、それはさておいても、自分の国についてはせめて「先進国」の仲間入りをさせたいものであると思います。つまり、通信傍受は法律できちんと明確化した上で導入して「先進国」の仲間入りをすべきである、ということになりましょうか。
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From: 福冨 忠和
Subject: [00078] Re:ネット紛争解決:プライバシー問題
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From: 山崎 一樹 Subject: [00077] Re:ネット紛争解決:プライバシー問題
私の理解は、犯罪捜査などの場合に通信を傍受することができるとするには法律の明>確な定めを置くべきである、かつ、そのような立法を行うためには「通信の秘密は法律の定めの範囲内である」という憲法の条文があった方が透明性が高いだろう、ということです。
何等の法律の定めもなしに裁判所の事務の効率化だけで対応できるという福富さんのお考えは、「裁判所が令状を出せば何でもできる」ということに容易につながることにはならないでしょうか。それこそ恐ろしい事態であるように私には思えますが。
ネットワークの問題からはずれますので、あまりこの問題につっこむつもりはないのですが、進行している通信傍受の法制化(組織犯罪対策のための刑法整備)を踏まえてお書きなのかと思いますので、一応一言。
現状でも通信傍受は麻薬犯罪など幾つかのケースで裁判所令状によって合法的に行われており(つまり通信傍受は特定の犯罪の捜査にはすでに使われている)ますし、日本共産党国際部長宅のケースでは非合法にも行われているようです(^^;)。この件については警察は未だ認めていませんが、先の発表で自民党も盗聴の事実があったと判断しているようです。
現在の法制化されるつつある組織犯罪対策立法(の少なくとも法制審議会答申)は、ある面ではこうした通信傍受を「手続き」として簡略化しようとするものというふうにも捉えられます。
ところで、いわゆるガサ時に問題になっているケースというのは、ほとんどが簡易裁判所の令状発布だと聞いています。そうでなくても警察・検察令状請求の99%がそのまま裁判所を通るというのが現状らしいですが、私が申し上げたのはこれに対して「現状の令状発行の手続きを『厳密』かつ『迅速』にすれば」ということでして、実際には機能していると言えない令状主義を機能させるように改善するべき、ということです。
通信傍受をこういう裁判所と警察・検察関係の状況下で法文化してしまうことは、それこそ「裁判所が令状を出せば何でもできる」だけでなく、「警察・検察が令状請求すればなんでもできる」という「恐ろしい事態」だと考えます。
まず、裁判所をチェック機関として機能させることが重要だと思います。
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From: 山崎 一樹
Subject: [00079] Re:ネット紛争解決:プライバシー保護
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From: 福富 忠和 Subject: [00071] Re:ネット紛争解決:プライバシー問題
ちゃんと書いている時間がないので簡単で申し訳ないのですが、これは私も同様で、同じく申し訳ないのですが、もちろんこの規定は、戦前において、言論や表現の自由が侵されたり、通信の秘密が侵されたことへの反省にたった文面でしょう。
十分ご存じであるとは思いますが、旧憲法においても「言論の自由」は憲法上は認められていたのですし、(通信ではなく)「信書の秘密」も認められていたわけですね、「法律の制限下において」という条件付きで。
普通、反省する場合のノーマルな反応は「変な法律を作ってしまったことが誤りであった」というものではないかと思うのですが、日本国憲法制定時にはそうは考えずに「ほおっておくと、また変な法律を作ってしまうから、とにかく無制限に「通信の秘密」を保障するようにさせよう」という意図が働いた結果に過ぎないのではないかと思いますが。
From: 福富 忠和 Subject: [00071] Re:ネット紛争解決:プライバシー問題
となっていて、前項の「言論、出版の自由」の項目から続けて、「検閲はこれをしてはならないし、通信の秘密だって侵しちゃいけないよ」といった連続した文面になってます。ですので、言論・表現・出版の自由を保証する、だから検閲を禁止し、通信の秘密を守る、という流れからくるものだと考えるのが妥当なんじゃないかと思いますが。
要するに、「表現の自由」が「目的」であって、「通信の秘密」はその目的を達成するための「手段」ということではないですか。通信の秘密を守ることが憲法上の目的であるとは私には読めませんけれども、しかしこれは通説には反するのかもしれません :-)
加えてよしんば「目的」が無制限であったとしても、直ちに「手段」までもが無制限であるということにはならないのではないかと思いますね。
仮に「通信の秘密」が無制限に保障されるべきものだと考えると、裁判所の令状でそれがひっくり返るというのは論理的矛盾になりませんでしょうか。この点、福富さんはどう整理されているのでしょうか?
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From: 藤原 宏高
Subject: [00080] Re:ネット紛争解決:プライバシー保護
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弁護士 藤 原 宏 高です。
山崎様
From: 山崎 一樹 Subject: [00071] ネット紛争解決:プライバシー問題
「防げるはずだ」という点が現行法規に照らして妥当な解釈であるのかどうか、私には大いに疑問に思えるのですが、ここは法律の専門家の方のご意見を頂きたいところです。
実は弁護士としての実務的な感覚からすれば、裁判所の令状自体、警察の言いなりで、「法の番人としては、いまいち信頼できないの」ではないかと思っています。したがって、令状実務の現状では、令状があるから正当性が担保されると断定するのは危険ではないかと思います。
では、発言者の情報開示請求の正当性を担保する方法があるのか、といえば、法律で要件を厳格に規定して、第一次的には警察なり、弁護士なりの請求を認めるものの、事後的に裁判所(令状審査ではない本案訴訟)で要件該当性を再度審査できるシステムしかないのかなあ、と思っています。最後のより所として、じっくり審理を重ね?、しかも即効性には全く期待できない?裁判所の役割に期待するわけです。これ以外に、正当性を担保する方法があれば、今後、皆が知恵を出し合って実務的に導入できるシステムか検討すべきであると思います。
なお、現在の令状による盗聴自体、これを明文で認めた規定がないことを不思議に思う人はいないのですか。通信の秘密は精神的自由権の範疇であるにも関わらず、解釈だけで実務上(裁判所の判例?)、盗聴が合法化されてしまっているのです。盗聴の是非は別として、通信の秘密の制限は、明文の法律による制限の方が、事後的な司法審査が可能である点から、より好ましいと思いませんか。
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From: 杉井 鏡生
Subject: [00081] Re:電子ネットワークと市民生活:働き方の変化
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杉井です。
[電子ネットワークと市民生活:働き方の変化]
<要旨>
テレワークでの時間契約制はうまくいくのだろうか
<本文>
「働き方の変化」というよりは、あまり「変化しない」話を聞いてきました。
本日、先ほどまで、IFFの「オープン・ディスカッション:テレワーク98を考える大会」というのに参加していました。
そこで、NTTパステル高知支店の方から、高知情報スーパーハイウェイの実験プロジェクトのひとつとして「バーチャル人材派遣」という事業をスタートしたという話をうかがいました(2月から6月までだそうです)。
テレワークというと、裁量労働、成果主義という方向が一般的な流れですが(だから進まないという意見もあるようでずか)、今回の実験では、文字通り人材派遣事業で、在宅型の人材派遣を行っています。しかも、契約は出来高払いではなく、賃金方式による時間報酬契約をとるそうです。
裁量労働・成果主義だと、自由なようで実は時間を自由に使われているだけだとか、保険などが自己負担になるのは辛いなどの声があり、個人のテレワークの方式にも、個人請負と成果主義方式だけではない雇用契約と時間報酬という選択肢を取り入れたいというのが担当者の方の説明でした。
仕事は電子メールでわたせるようなものが対象になりますが、時間契約をするため、業務管理にはテレビ電話を設置するそうです(NTTさんだからフェニックス)。
働く側から考えると、在宅ワークでも時間を管理されるのを望むのだろうか、会社の側から考えると、テレビ電話を使って業務管理しながら時間契約するテレワークにメリットを感じるのだろうか、というあたりは難しいところでしょうね。
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