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C. ネット社会部会
「ネチズンの登場と新しい 民主主義社会―ネットワーク社会問題解決への世界協調」

1998年1月28日〜2月1日
From:水野 隆一
Subject: [00027] What can I do for End users
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From: 杉井 鏡生 Subject: [00026] Re:ジャーナリズムの未来
もっとも、築地さんのいわれるように”適正な値段”をつけずらいということになれば、サイバースペース上だけのマスメディア機関や専業ジャーナリズムはそもそも成り立たなくなる可能性もあります。これは坪田さんの指摘された現行の電子新聞の広告依存度の高さの問題とも関連して検討すべき課題ですね。
築地さんの言われる『電子新聞の値ごろ感のなさ』の問題は、電子新聞だけではなく、サイバースペース全体の問題のような気がします。サイバースペースでは、あまりにボランティアや無料情報が氾濫し、正当な対価を請求することさえはばかられる風潮があります。この現状の中で、ビジネスを完結させていこうとすれば、広告収入位しか思い付かないということではないでしょうか?
(ボランティアは新規ビジネスの芽を摘み、経済発展を阻害する)
ただ、電子新聞が広告収入への依存度が高いことは、どのような問題に発展するのかが良く理解できません。私は寡聞にして正確な数字はしりませんが、既存のメディアも広告収入への依存度はかなり高いのではないでしょうか?日刊紙などの価格を考えた場合、我々が支払っている月々数千円は、宅配のコスト位にしかならないと感じています。したがって、電子新聞の場合も配送コスト分位を読者から徴収し(限りなくゼロに近い)、後は広告収入という線もあながち、間違ってはいないような気がしますが。
このような、電子新聞ビジネスの構造上の問題と、メディア(サイバースペース)の特質から来る問題、例えば双方向性や個々の読者への訴求などとは、分けて考えることが可能であると思います。
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From: 古川 泰弘
Subject: [00028] Re:ジャーナリズムの未来
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From:水野 隆一 Subject: [00027] Re:ジャーナリズムの未来
広告収入位しか思い付かないということではないでしょうか?
(ボランティアは新規ビジネスの芽を摘み、経済発展を阻害する)
広告収入を想定しているビジネスモデルに電子新聞は適さないので、導入すべきビジネスモデルを誤っていると思います。
車の販売宣伝で、その車をいっぱいタダで走らせるような事をやっているようなものでしょう。
From:水野 隆一 Subject: [00027] Re:ジャーナリズムの未来
このような、電子新聞ビジネスの構造上の問題と、メディア(サイバースペース)の特質から来る問題、例えば双方向性や個々の読者への訴求などとは、分けて考えることが可能であると思います。
電子新聞の他に収入を得る方法は探せばあると思っています。
たとえば、シェアウェアのお金を払わせる為のテクを導入のも妙手。
他にも探せば色々あります。
そんなことを考えると、ジャーナリズムの未来は、大きく変わるでしょうが、やりがいのある明るい未来が広がっていると思います。
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From: 小池 良次
Subject: [00029] Re:ジャーナリズムの未来
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From:古川 泰弘 Subject: [00028] Re:ジャーナリズムの未来
広告収入を想定しているビジネスモデルに電子新聞は適さないので、導入すべきビジネスモデルを誤っていると思います。
車の販売宣伝で、その車をいっぱいタダで走らせるような事をやっているようなものでしょう。
え〜と「車の販売宣伝で、その車をいっぱいタダで走らせるような事」とばかりは言えないかも知れません。
米国では広告収入だけで運営するフリーペーパーは、コントロール・サーキュレーション方式と呼ばれて確立されています。日本ではお目にかかりませんから一般の日本人にお馴染みではないでしょうが。
たとえばコンピュータ業界ではトップのZDにせよ、2位のCMPにせよ、全発行部数の半分はフリーペーパーです。これは読者に年2回程度の詳しいアンケートに答えさせ、向こう半年以内に製品を買いそうな人とか、影響力がありそうな人たちだけに絞り込んでメールで送りつけます。もちろん店頭販売はありません。業界専門誌の多くがこの方式を取っています。
現在、コンピュータ系ウェブの多くが、広告収入だけでフリーで見せているのは、このコントロール・サーキュレーションの流れからです。
将来的には、読者のプロファイルを蓄積して、より適切な人に見せるシステムに変わるのではないかと期待しています。たとえば、ファイヤーフライ社が提唱しているプロファイル・ビジネスとか、CMPが検索キーに連動させた広告露出制御などが、その走りと思われます。
From:古川 泰弘 Subject: [00028] Re:ジャーナリズムの未来
電子新聞の他に収入を得る方法は探せばあると思っています。
たとえば、シェアウェアのお金を払わせる為のテクを導入のも妙手。
他にも探せば色々あります。
そんなことを考えると、ジャーナリズムの未来は、大きく変わるでしょうが、やりがいのある明るい未来が広がっていると思います。
議論を読ましていただいて意外と皆さんがウェブ・メディアに夢を持っていらっしゃることにビックリしているところです。10年とか15年といった長い目で見ると確かに大きく変わるでしょうが、短期的にはインターネットでそれほどジャーナリズムやマスメディアが変わるとは思わないのですが....
ところでウェブベースのニュース配信では(米国では)現実には広告収入型ビジネスモデルに変わるものは(主流を見た限り)ありません。将来はどうか知りませんが。
ある程度、荒っぽい話ですが、ウェブ系では
1995年までは完全な広告収入モデルが中心でした。ただ、1996年ごろから脱広告モデルの動きはありました。余りに早くやったサンノゼマーキュリーは別として、WSJやESPNスポーツゾーンが目指す広告+購読料型です。こうした先行組の見解は以外に一致していて、収入比率が広告:購読料=6:4あたりになることを目指しています。購読料だけで運営することは無理と初めから諦めています。
なお、今後の動向として芽生えているのが物品販売収入です。たとえばサンノゼマーキュリーはバーンズ・アンド・ノーブルと提携しブックレビューで紹介した本を同社のサイトから買うとキックバックが入ってくる仕組みになってます。また記事で読んだ内容をビデオやオーディオで聴く場合はマイクロペイメント(1ドル程度)で金をとる準備をしています。ESPNスポーツゾーンでもスポーツグッツの販売をしています。
これにもし成功すれば、広告:購読料:販売=5:4:1 or 5:3:2あたりになるかも知れません。
ウェブ系と言ったのは、このほかに商業オンライン系があるからです。
AOLであれば、メンバーの総滞在時間数に応じて各コンテンツ・プロバイダーにロイヤリティーを払っているらしいです。(これは知り合いから聴いた話で、実際にAOLから聴いた話ではないので)
この商業オンライン系も今はAOLだけが生きのこっていますが、97年後半からCNETがスナップを開始したほか、ナビゲーション・ビジネスのヤフーがMCIと組んで商業オンライン・サービスを開始しました。ですから復活の可能性がでています。ひょっとしたら将来有力なビジネスモデルとして復活するかも知れません。
ただ、コンテンツプロバイダーはマルチチャンネル・ディストリビューションへと走っていますから自社ウェブ、電子メール、商業オンライン、他社ウェブへの転売などが並行する訳です。(別のメールで書いた情報のライフサイクルのこと)
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From: 小池 良次
Subject: [00030] Re:ジャーナリズムの未来
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From:水野 隆一 Subject: [00027] Re:ジャーナリズムの未来
築地さんの言われる『電子新聞の値ごろ感のなさ』の問題は、電子新聞だけではなく、サイバースペース全体の問題のような気がします。サイバースペース>では、あまりにボランティアや無料情報が氾濫し、正当な対価を請求することさえはばかられる風潮があります。この現状の中で、ビジネスを完結させていこうとすれば、広告収入位しか思い付かないということではないでしょうか?
メディアの値ごろ感についてですが、ちょとマクロ的に意見を書いてみます。
オンライン(ウェブや商業オンライン)の発達にともなって、情報単価の下落が急速に進んでいますが、その一方で忘れてはならないのが情報ライフサイクルが伸びていることです。
極端な例ですが、昔は新聞記者の書いた記事は1日の命しかありませんでした。ところが、コンピュサーブやAOLのおかげで1〜2週間程度に伸びました。(第1期:商業オンライン)
その後、ウェブ・メディアでもダイナミック・ライブ・ベージ・ゼネレーションをめざしデータベース型ウェブ出版が増えています。こうしたサイトはアーカイブの整備が容易なため過去1年ぐらいは平気で記事検索できるようになっています。もちろん全文テキスト検索でDBなしで済ましているサイトもありますが。(第2期:ウェブ・アーカイブ) 現在ユーザーはロボットを使った検索システムで情報を探していますが、これは情報の海であれば表面を空から見ている状況です。
一方、海の深さにあたるアーカイブ内情報には対応し切れていないのが現状です。ただ、聴くところによると、現在のロボット型(=サーチエンジン型)に変わる検索システムの実験も進んでいるようで、この先、アーカイブ型にも対応する可能性があるようです。
そうなると益々、情報のライフサイクルは伸びます。
また、コンテンツプロバイダーはマルチチャンネル・ディストリビューションへと進んでいます。つまり同じコンテンツを新聞(or 放送)、ウェブ(プル、プッシュメディアを含む)、電子メール、アーカイブと複数のチャンネルで流します。
電子メディアの出現で情報単価は急激に下がる傾向は、情報の長寿命化とマルチチャンネル化によって発生していると言えます。ところが、長寿命化にともなう利益回収法の発達が遅れているため現在のアンバランスが生まれています。つまりボランティア型、無料型の情報配信が流行しているように見える状況です。
しかし、このアンバランスは多分、マイクロペイメント・システムや動的広告露出制御などの利益回収法が発達すれば改善の方向に向かうはずです。そうなるとビジネスと言う面で「良いコンテンツは儲かる」という原則にもどると推測しています。
また、長寿命化により総コストの回収期間は長期化してゆきます。そこで長期的に回収ができる資金的体力のある大手メディアが有利になると見ます。
蛇足ですが、これが以前ボクが書いた「既存の大型メディアがインターネットによって益々強くなっているみたい」と書いたもう一つの理由です。
総括すると
情報の創造的価値(採算)=配信チャンネル数x各チャンネルの情報寿命となります。情報の価値(採算分析)は基本的にブランドベースで行く傾向にあると見ますが、将来は記事単位やライター単位での集計などもできるかも知れません。(これが以前書いたフィードバック力の一つの意味です)
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From: 古川 泰弘
Subject: [00031] Re:ジャーナリズムの未来
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From:小池 良次 Subject: [00029] Re:ジャーナリズムの未来
え〜と「車の販売宣伝で、その車をいっぱいタダで走らせるような事」とばかりは言えないかも知れません。
現在、コンピュータ系ウェブの多くが、広告収入だけでフリーで見せているのは、このコントロール・サーキュレーションの流れからです。
たしかに今回の定義でいうジャーナリズムのビジネス方式でした。
From:小池 良次 Subject: [00029] Re:ジャーナリズムの未来
ところでウェブベースのニュース配信では(米国では)現実には広告収入型ビジネスモデルに変わるものは(主流を見た限り)ありません。将来はどうか知りませんが。
バチカンのニュースサービスは有料ですが、Webに広告は見当たりません。(購読していないので、メール版に広告があるか、確認していません)極端な例で、どのくらい売れているか知りません。
(次に書くことは上と関係してないので、誤解ないように改行します)
特定の組織が影響を与えるなら、それも可能かと思います。逆説的ですが、ネット社会を生きる何かの目安にできそうです。
私は、製品の営業の手段として存在するジャーナリズムの未来はあまり描きたくないですね(やっぱり古いのかな)。読者の立場で信頼してもらえるような、コンテンツを書きたいです。
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From: 水野 隆一
Subject: [00032] Re:ジャーナリズムの未来
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From:古川 泰弘 Subject: [00031] Re:ジャーナリズムの未来
私は、製品の営業の手段として存在するジャーナリズムの未来はあまり描きたくないですね(やっぱり古いのかな)。読者の立場で信頼してもらえるような、コンテンツを書きたいです。
専業ジャーナリズムの主たる収入源が広告だからといって、製品の営業手段として存在するとは言えないのではないですか?そのようになってしまう危険性もありますが
・総コンテンツ中に占める広告コンテンツの比率
・スポンサーからの独立性を保証する体制
等に留意すれば、十分に読者に信頼してもらえるようなコンテンツ作りは可能だと思いますが。
広告主にとって、コンテンツの価値とは広告製品の内容とは無関係に、本体のコンテンツそのものが多数の読者を惹きつけることができるか、がポイントでしょうから、古川さんのような理想と広告収入とは矛盾しないと思いますが。
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From: 坪田 知己
Subject: [00033] Re:ジャーナリズムの未来
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坪田です。
<サマリー>
1)メディアは発信側の代理人から、受信側の代理人になっていく
2)ジャーナリズムとは「読者の代理人」の資格。「関係者から利益誘導を受けていない し、将来も関係者からの利益を期待しない」ということ。
3)「情報の値ごろ感」は、「ある」。読者がその情報を利用して得られる利益からくる。
4)信頼されるメディアは「ブランド」になる。現状ではインターネット単独では、信頼 に足る情報の選択、情報の発信(取材から執筆、価値づけまで)、を成立させられる 運転費用が出ない。
5)オンライン・コメンテーター」は「ミニ・ブランド」に育っていく可能性がある。
6)価値観、関心、仕事の多様化に対応して、カスタマイズした発信方式を持つことは重 要。様々なメディアのデパートという形で、「プラットホーム」というビジネスが発 達しそうだ。
7)有志が金を出し合って、情報の選択、編集を請け負う「情報協同組合」みたいなもの ができるかもしれない。
ジャーナリズム、ビジネス・モデルの話で、議論が続いていますが、私は、「メディアは誰の代理人(エージェント)なのか」ということで、まとめられると思います。
かつてのソ連共産党の機関誌『プラウダ』は発信側(この場合は「権力」の代理人でした。
このパターンは、チラシやビラという印刷物に生きていて、これは発信側の情報そのものです。これをジャーナリズムとは呼びません。
広告しか収入手段がないメディアは、チラシやビラと同等になる危険をはらんでいます。
テレビは広告収入で支えられていますが、これは視聴率(どれだけの人が見たか)によって単位時間の広告料が決まるという構造になっています。
広告主は、CMをどんどん露出して欲しいでしょうが、そうなると視聴者はチャンネルを切り替えてしまう。そこで面白いバラエティ番組やニュース・ショーなど、番組の質(必ずしもそう言えない側面もありますが・・)を高めるという努力をするのです。
インターネットのホームページが無料なのは、「インターネット情報は無料」という常識と、課金決済の手段が確立していないという2つの理由です。
将来的には、広告型と課金型の二つのビジネス・モデルが並立すると思います。
一般情報は広告型で、特殊な(お金を出しても見たくなるような)情報は、課金型になるでしょう。
購読料を課し、しかも、読者が増えるということは、メディアが「受信側の代理人」の色彩を帯びます。そうなれば広告価値が増すので、購読料を下げられ、さらに読者が増える−−という規模の経済の原理が働きます。
この「読者の代理人」への資格が「ジャーナリズム」だと考えます。偏った報道は読者をせばめることになるのです−−−現在においては−−。
築地さんのサマリー1)には、福富さんのコメント(下記)を支持します。
From:福富 忠和 Subject: [00024] Re:ジャーナリズムの未来
「不特定多数の人々に一斉に情報を提供すること」というのは「マスメディア」の定義ではないですか。ジャーナリズムの方でのジャーナリズムの定義はもっと牧歌的で、先にポストした「中立公正な報道を心がけようとする姿勢」といった感じが支配的なように思います。
ジャーナリズムは視聴者が一人でも成立します。要するに「関係者から利益誘導を受けていないし、将来も関係者からの利益を期待しない」ということだと思います(20年記者をやった実感として)。
実際には、それではジャーナリストは食っていけないので、読者から「お礼」をいただく。それでつい大衆迎合、読者迎合になる危険をはらんでいます。
「ジャーナル」とは「日誌」「議事録」ということで、「過去の経験に照らして、これはおかしいのではないか」という「照顧」ではないか−−と同僚がコメントしていました。
サマリー3)の「情報の値ごろ感」は、私は「ある」と思います。これはその人がその情報を利用して得られる利益からくるものです。つまり、企業の倒産、合併などの情報は関係者や株をやっている人にこっそり教えれば相当高い値段が通るでしょう。(日経は、多くの人に知らせるというスタンスですが、そういう時は即売の売れ行きは跳ね上がります)一カ月1万円のニューズレターでも、ビジネスの役に立てば買います。しかし、フランス語で書かれていたらたとえ10円でも不要です。(私はフランス語ができないし、だれかに翻訳してもらうのも大変だから・・・)
ある情報を必要としている人の数×値ごろ感=ビジネスの規模
(ニーズ・ボリューム)
ということで、そこである情報をコンスタントに供給するための取材、編集、製作、配達、販売促進のコストが「ビジネスの規模」より低ければ、メディアは成立します。 ニーズ・ボリュームをよく見ないで、「何人の記者で、何本書く」というコストをかけてもうまく行きません。
さらに、「誰が何のために読むのか」という原点を忘れて、とりあえず記事を取りそろえても、メディアにはなりません。
「読者からお金をいただくことは大変難しいことだ」と、マルチメディア・ビジネスを展開しながら、私は痛感しています。
「ブランド」についてコメント
ブランドは「信頼」だと思います。信頼されるメディアは「ブランド」になります。これはインターネットでも非電子メディアの世界でも同じで、
From:小池 良次 Subject: [00025] Re:ジャーナリズムの未来
2)インターネットが出てきて大手新聞やニュース雑誌は益々、強くなっている。
という小池さんの指摘は、インターネット単独のメディアでは、信頼に足る情報の選択、情報の発信(取材から執筆、価値づけまで)、を成立させられる運転費用が出ない−−−ということから来ると思います。
でも杉井さんの言う
From:杉井 鏡生 Subject: [00026] Re:ジャーナリズムの未来
従来の社会ではマスメディア機関がもっぱら担っていたのに対して、サイバースペースでは、むしろ、マスメディア機関以外にも、ジャーナリズム的な役割を担える主体が広がるように思えます。
の可能性はあります。それは「オンライン・コメンテーター」で、元NHK会長の島さんが94-95年頃にやっていたことは、その走りで、これらは「ミニ・ブランド」に育っていく可能性があると思っています。
インターネット時代は、読者がメディアに反論したり、読者間でメディアの姿勢を議論することが容易になります。そういうことから、メディアに対する「読者の選別」は厳しくなるでしょう。
「正しい情報か」「早く知らせたか」「わかりやすく書けたか」「読者に判断の基準を提供できたか」「簡明だったか(同じ情報なら簡潔な方が時間のロスが少ない)、ということを各メディアは改めて照顧すべきでしょう。
また価値観、関心、仕事の多様化に対応して、カスタマイズした発信方式を持つことは重要でしょう。
そうした様々なメディアのデパートという形で、「プラットホーム」というビジネスが発達しそうです。このプラットホームは、決済の一元化、顧客管理の一元化、個別ニーズに応じた情報の個別発信などの機能を持つもので、最近の「パーフェクTV」などは、この形態の原型だといえるでしょう。
From:杉井 鏡生 Subject: [00026] Re:ジャーナリズムの未来
古川さんのいわれるように、情報はブランド性が存在価値を決めるとすると、サイバースペース上にできるマスメディア機関やなんらかの権威者だけにむしろ集中してしまう可能性もないではありません。
と危惧されていますが、そうさせないのは、ユーザーの選択です。私は、ネットワーク時代には、より健全な競争が行われ、優勝劣敗のサイクルも短くなるでしょうから、むしろ緊張しつつ仕事をしています。
私の意識としては、読者からの購読料は「これだけのお金を出しますから役立つ情報をキチンと届けて下さい」という期待のこもったお金だと思います。
そのうち、有志が金を出し合って、情報の選択、編集を請け負う「情報協同組合」みたいなものができるかもしれません。
大分コアラの尾野徹さんの「情報市民公社」構想にもそういう意図を感じています。
追伸
From:古川 泰弘 Subject: [00031] Re:ジャーナリズムの未来
私は、製品の営業の手段として存在するジャーナリズムの未来はあまり描きたくないですね(やっぱり古いのかな)。読者の立場で信頼してもらえるような、コンテンツを書きたいです。
と古川さんが書いていますが、以上に書いたように「製品の営業の手段として存在するジャーナリズム」というのはジャーナリズムとは呼ばない−−と私は思います。
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From: 古川 泰弘
Subject: [00034] ネット紛争解決
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ということで、「名誉毀損の被害者問題」
匿名性を解除する仕組みは、新しいシステムを作ることを制限するという形が妥当な気がします。
1、技術的なイタチごっごに終止符を打てるか?
フリーソフトウェアに影響を及ぼす可能性がある。ネットの背景から、厳しい。
2、圧倒的な技術で簡単につくることができないように技術を高める必要がある。
物理的な紙幣のように割があわなくさせる。
セキュリティ分野では、進行中だが、絶滅は難しい。
3、ネットの経路上、匿名な機関(プロバイダ、ハード、ソフトを含む製品)を法(?) の適用する範囲から除外する。
既に匿名性を売りにしたビジネスが形成されている。
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From: 杉井 鏡生
Subject: [00035] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
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杉井です。
[ネット紛争解決:名誉毀損の被害者問題]
古川さん、「名誉毀損の被害者問題」についての早速のご意見をありがとうございました。
From:古川 泰弘 Subject: [00034] ネット紛争解決
匿名性を解除する仕組みは、新しいシステムを作ることを制限するという形が妥当な気がします。
古川さんの書かれたこの制限というのは、匿名を実現するようなシステムをつくることにに対して何らかの規制措置(たとえば法律)を講じるという意味でしょうか。そして、その後の3点の箇条書は、制限措置を実現するうえでの難しさというか課題と考えればよろしいのでしょうか。
私の知識と理解力が不足しているもので、頓珍漢な質問かもしれませんが、憶測で解釈してしまうのもまずいので、教えていただけるとありがたいです。
[進め方]
ついでで申し訳ありませんが、名誉毀損問題以外にも、みなさまから、ネット紛争解決問題の具体的なトピックがありましたら議論をお出し下さい。
問題ごとに、既存の法律に任せる部分、新規の法律が必要な部分、市場に任せる部分、政府でも市場でもない第三者機関に任せる部分、個人の対処に任せる部分等が、相互に入り組みながらそれぞれ違うのだろうとも思います。
(また、古川さんの指摘された点にも関連しますが、インターネットの問題解決手段としては、技術で対処できる部分もあるわけで、その可能性と限界も検討のテーマになりそうですね)
名誉毀損問題以外でも、ネット検閲問題、ドメイン管理問題、暗号管理問題、プライバシー情報問題、著作権問題等々、いろいろなトピックがあると思いますので、関心のあるテーマでのご意見をお聞かせ下さい。
ちなみに、昨年10月調査のジョージア工科大学の第8回WWWユーザー調査では、「インターネットの直面する最も重要な課題」の設問に対して、以下のよう結果が出ていました。
全体 米国 欧州 (単位:%)
1.プライバシー問題 30.5 32.1 16.5
2.検閲問題 24.2 24.3 24.3
3.ネットのナビゲーション問題 16.7 15.5 24.8
4.課税問題 8.9 8.8 12.6
5.暗号問題 4.8 4.8 4.3
6.文化的多様性の欠如問題 0.8 0.6 1.9
7.言語的多様性の欠如問題 0.5 0.3 1.9
プライバシー問題で欧州の比率が低いのは、保護規制環境がすでに整備されているからでしょうかね。そして、文化や言語の多様性問題について、米国ユーザーが極端に低いのは、設問が多肢選択でなかったためなのか、それとも米国中心主義といわれているインターネットの現実を表わしているのでしょうか。余談ながら(単なる予断だったりして)、ここらへんにも興味を持ちました。
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From: 古川 泰弘
Subject: [00036] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
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古川泰弘です。
From:杉井 鏡生 Subject: [00035] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
[ネット紛争解決:名誉毀損の被害者問題]
古川さんの書かれたこの制限というのは、匿名を実現するようなシステムをつくることにに対して何らかの規制措置(たとえば法律)を講じるという意味でしょうか。そして、その後の3点の箇条書は、制限措置を実現するうえでの難しさというか課題と考えればよろしいのでしょうか。
はい。
既に匿名性を売りにしたビジネスが登場しつつある現在、匿名を排除する課題があると思い、列挙しました。
以下は説明。
器が必要な点では同じでも、解決するためには、何が必要か。
「技術」、「器(法や専門家 等)」、「利用者への浸透」
技術で問題を解決する場合の問題は何があるか?
一般への浸透が不十分になりやすいと考えています。暗号技術が色々言われても最後に「100%とはいえない」で結んであったりすれば、利用を避けるのが普通です。続々登場する技術に対するには、犯罪の予想と対処モデルを技術に絡めることがポイントだと思います。法に照らして動く警察だと、新犯罪に出遅れるかもしれません。
下手な説明ですが、いかがでしょうか。
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From: 杉井 鏡生
Subject: [00037] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
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杉井です。
[ネット紛争解決:名誉毀損の被害者問題]
古川さん、素早いご説明をありがとうございました。
たしかに、古川さんのいわれるように、続々登場する技術に対するには、法に照らして動く警察だと、新犯罪に出遅れるかもしれないというのはそうですね。
ただ、その対策がシステム開発の規制にまで及ぶ場合は、システムそのものに善悪があるわけれではないでしょうし、規制をする開発範囲の策定が難しいため、同じ技術がもたらす有効性を損ねる可能性があるかも知れませんね。
とくに、匿名性の問題に関しては、古川さんが箇条書で指摘された技術やサービス上の難点が的確だと思うだけに、システム開発を制限することのデメリットを越えてまでのメリットを見いだせるかも大きな課題に思えます。どうでしょう。
また、高木さんが紹介されていた、「白黒はともかくとして、少なくとも訴訟を起こす程度の名誉毀損はあるかなど、匿名性を解除する判断をする準司法的な第三者機関のようなもの」というのについては、みなさん、どう考えますか。
さらに、こうした問題については、強制的な決着が必要となるような最終場面だけでなく、高木さんが以前にもいわれてましたが、紛争の発生時点と発生場所のなかで紛争解決を図っていく仕組みも考える必要があるように思います(そのひとつがコミュニティ・システムかも知れません。ただし、共同体のためにということで、問題をうやむやにされるだけのもは困るでしょうけどね)。
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From: 高木 寛
Subject: [00038] Re:ネット紛争解決
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高木 寛です。
匿名性の問題は、古くて新しい問題なんでしょうか。匿名性と規制の関係については次の場所にちょっと書いたものを置いてあります。昨年末の郵政省の報告書が出る前に書いたもので、一昨年の報告書を前提にしています。関心がある方はご覧いただければと思います。
http://www.asahi-net.or.jp/~lg9h-tkg/
それで、匿名性を一般的に解除するのはこれまでのインターネットの発展の経緯や通信の秘密という点からむずかしいのですが、第三者機関を使うというのは、名誉毀損として救済する価値があると見られる場合に限って、プロバイダなどの通信事業者がドメインとアクセス記録から割り出した発信者の情報を被害者に公開するものです。そして、その公開して良いかどうかの判断を第三者機関がするというものです。
実は、先ほどのurlでも私は第三者機関に懐疑的なです。通信の秘密は憲法上の保障なの
で、法律で第三者機関に解除する権限を与えうるか疑問なことと、第三者機関の組織や構成員のによっては不公平な判断をするおそれがあるからです。ただ、憲法の関係はここにも専門の方がいますので、私が言うべきじゃないとも思いますが、以前から通信の秘密のような「制度的保障」については、学説上批判があったように記憶しています。また、組織や構成は工夫していけば良いともいえます。
それで、このような第三者機関を作った場合、多くのケースは、プロバイダの協力を得れば、解決が可能ですが、しかし、それでもなお、古川さんが上げてくださったような解決が必要になります。
加害者がいろいろなサーバを経由することでドメインで追跡ができないとか、ダイヤルQ2のような匿名性の高い経路を使った場合などです。この二つの場合について、技術的解決の可能性というのはどれぐらいあるものなのでしょうか? もし、ご存知の方がいらしたら、ご教示いただけるとありがたいのですが。
もちろん、グローバルなネットワークで普遍的な解決はこの第三者機関でも難しいのですが、それは、別に考えることと思っています。
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From: 小林 博昭
Subject: [00039] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
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小林 博昭です。
問題提起:通信コストについて
日本の問題は単純で特殊です。上記のこともプライバシー、紛争解決も大きな問題です。次のことも考慮すべき大きな問題です。
日本のインターネットで直面する最大の基本的な問題は通信コストの問題です。
この問題はプライバシー、その他のいろいろな問題をさて置いて解決が図られないと日本の次の若い世代の人達がインターネットを充分活用し、米国などの他国と産業経済の分野で競争してゆくこともままならなくなります。
lastmailなどのメーリングリストでも多くの議論がありますが、やはり日本の高コスト体質がインターネットの普及の足かせになっていると思われます。日本のインターネットのISP(サービスプロバイダー)へのアクセス料金は米国に比べて目の玉が飛び出るほど高い現状は日本という井戸の中にいるとそれも分からないのです。
詳細なデータは割愛しますが、日本で安い部類の専用線接続サービスはNTTのOCN(月額38K円)とおもわれます。米国では一年間に1400万本の電話線が増えています。(telephony)一方、日本の電話敷設本数は減少していると聞いています。
米国ではAOLやAT&Tのインターネットサービスに加入すると1ヶ月24時間接続を続けても電話代16ドルに接続料19.95ドル合計約36ドルしか掛からないのです。
大学の学生がインターネットをするために学校に一晩いるというのは自宅の電話ではコストが掛かって接続を行えないからです。
多くのメールをお使いの方々は現在の料金体系を与件と考えて問題とはとらえていないかもしれませんが、日米の通信コストの差はとてつもなく大きいのです。情報通信の為のコストがこのように差があることは製品のコスト、経済のコスト社会のコストに大きく影響してきます。
私は現在「教育分野に於るインターネットの活用促進に関する懇談会」に参画させていただいておりますが、多くの家庭で子どもが家でインターネットをどんどん活用し自由に電話線を利用していろいろなことを学ぶという環境からはまったく程遠いのです。日本の多くの家庭では子どもへの有害画像の問題などを解決することと同時に多分にインターネットは禁忌的です。
米国で1ヶ月36ドル程度で使い放題のインターネットと日本の例えば15時間までは2000円、それを越えると1分10円それに電話料金が従量制というコスト比較をやってみることを是非お勧めします。
米国のISPの大手が米国では大赤字でも日本に進出してくるのは通信のブラックホールを無くすだけではなく、日本はビジネスになるということではないでしょうか?
また日本の2.5倍程度の人口の米国が1年間に1400万本ほど電話線が増えていて日本は減っているという(ISDNは年間100万本ほど増えているのでしょうか?データなし)現実の相違を問題として捉えることは必要でしょう。
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From: 水野 隆一
Subject: [00040] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
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From:古川 泰弘 Subject: [00036] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
私は、まず被害の認定をすることが課題だと思います。最終的に、強制捜査ということになれば、やはり公権力の登場は不可欠であり、その前提としては法体系の整備ということは避けて通れません。
現在は、今朝判明した名簿流出事件にしてもそうですが、被害があったということが公的に認定されていません。プライバシー情報の盗み出し、公表といったことがストレートに犯罪であると認定されていれば、警察は動き出すことが可能です。後は、捜査方法に対する技術的な問題(システム技術、法技術)が存在することになります。
(名誉毀損などは、非常に主観的な被害であり、公権力が動き出しづらい犯罪です) 捜査方法については、通常の犯罪捜査の際に利用される捜査令状的な発想で十分ではないでしょうか。警察から裁判所へ情報開示命令書を請求し、その情報に基づき、プロバイダー等に情報開示させる、という仕組みです。
また、高木さんのご意見にある、ダイヤルQ2ですが、あれは決して匿名性は高くないと思います。ダイヤルQ2の場合には、NTTがプロバイダーにあたりますので、NTTとプロバイダーの両者から情報を引き出せれば、容易に本人にたどり着くことができるでしょう。ですから、プロバイダー等から情報を入手できる仕組みさえ確定すれば技術的な問題は存在しないと思います。
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From: 古川 泰弘
Subject: [00041] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
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古川泰弘です。
アブスト:
プロバイダには一定期間のログの保存義務を求める。
From:水野 隆一 Subject: [00040] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
私は、まず被害の認定をすることが課題だと思います。最終的に、強制捜査ということになれば、やはり公権力の登場は不可欠であり、その前提としては法体系の整備ということは避けて通れません。
はい。
From:水野 隆一 Subject: [00040] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
捜査方法については、通常の犯罪捜査の際に利用される捜査令状的な> 発想で十分ではないでしょうか。警察から裁判所へ情報開示命令書を請求し、そフ情報に基づき、プロバイダー等に情報開示させる、という仕組みです。
思い付きですが、グローバルな「電子捜査令状」を提案します。
この「電子捜査礼状」(PGPの電子メールでもいいんですけど)が届いた(タイミングは難しいですが)、その時点で、マシンをある条件の下にさせる。遠隔で押さえられるかもしれません。今の技術では抜け道はありますが、技術を高度化させていければなんとかなりそうではありませんか。
From:水野 隆一 Subject: [00040] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
この点については、ログ管理の問題があります。
Q2プロバイダも、一般2種のプロバイダでも紙一枚だせばよいだけです。
自身がアクセスログを保存する義務はないんです。捜査の段階でログは必要なはず。 名誉毀損のケース以外にも効果ありますので、ログの保存義務を提案します。
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From: 高橋 徹
Subject: [00042] Re:ネット紛争解決
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From:高木 寛 Subject: [00039] Re:ネット紛争解決
加害者がいろいろなサーバを経由することでドメインで追跡ができないとか、ダイヤルQ2のような匿名性の高い経路を使った場合などです。この二つの場合について、技術的解決の可能性というのはどれぐらいあるものなのでしょうか?
警察庁のネットワーク犯罪防止技術フォーラムが隔月に開かれていて、そこでプロバイダのサーバがどうログを保存しているかが問題になりました。
加害者のメイルは、経路情報を含んでいるので、被害者が最初にプロバイダに問い合わせてきます。このとき、お前のところのユーザがこんなひどいことをしている、責任をとれと言われることが多いのです。ヘッダにある経路情報は、たとえば、
Received: from mailgate.TokyoNet.AD.JP (mycity.shinjuku.TokyoNet.AD.JP
[202.239.60.163]) by adhoc.shinjuku.TokyoNet.AD.JP (8.8.5/3.4W405/16/97) with
ESMTP id PAA01289 for ; Thu, 29 Jan 1998 15:53:35 +0900 (JST)
Received: from achilles.nikkei.co.jp (root@achilles.nikkei.co.jp
[138.101.197.3])
by mailgate.TokyoNet.AD.JP (8.8.6/3.6Wbeta4-06/30/97) with ESMTP id
PAA06655
for ; Thu, 29 Jan 1998 15:53:35 +0900 (JST)
Received: from penelope.nikkei.co.jp (root@penelope.nikkei.co.jp
[138.101.198.6])
by achilles.nikkei.co.jp (8.8.5/8.8.5) with ESMTP id PAA18635;
Thu, 29 Jan 1998 15:50:16 +0900 (JST)
こんな風に続いています。ドメインを見ると、どこのサーバを経由してきたかが判ります。そのドメインやIPアドレスを手がかりにネットワーク運用者のデータベース(whoisデータベース)で調べると、どこのプロバイダを経由しているかが判り、その担当者に苦情が来ます。
匿名の加害者はsource addressを偽って送るなどの手法を取ります。このとき、プロバイダのプロキシサーバを経由して、もとのアドレスが見えないようにすることがあります。しかし、プロキシサーバに入ったとき、その痕跡が記録されたログが残ります。プロバイダはログの記録を手がかりに、何時何分にどこから入ってきたかを調べ、他のプロバイダのユーザであることを突き止めたりします。問題は、サーバのログの管理と保存時間がプロバイダによってまちまちであったり、全く残していなかったりすることです。
いくつかのケースでは、プロバイダ同士の連携で、加害ユーザを特定し、強く注意を与えたりしました。
公序良俗に悖る行為であるから速やかにそれをやめて下さい、というように。
しかし、脅迫的な言辞をメイルで送りつけるような場合、そのユーザを特定するとしても相手が確信犯的であり、プロバイダがどんな被害を被るか判らないために躊躇することもあるでしょう。
以上、プロバイダの日常的な場面からのひとことです。
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From: 福富 忠和
Subject: [00043] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
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福冨です。
まとまらないのですが、一言。
皆さんのポストを読む限り、名誉毀損の問題とプライバシー侵害の問題は、たぶん事件のレベルでは近くても、ベクトルは違うのではないかな、という気がしました。
プライバシー問題は、それが侵害された時には同じ課題になるとしても、技術的な回避(予防)に関する議論が別途あります。むしろ日本人が他人のプライバシーに鈍感なことなど、社会的な意識の問題もあるように思えます。
名誉毀損の場合は、高木さんなどの一連の議論が有効かも知れません。
しかし、匿名性の問題はさらにまた違う視点ですね。
たとえば郵便物でも「匿名メールによる名誉毀損」などのケースは発生しうるわけですが、かなり重大な事件(たとえば脅迫状)でも、警察は郵便局を家宅捜査したりはしません。私書箱を捜査するなどはあるのかもしれませんが、郵便局を捜査しても意味がないので、捜査しません。逆に、メールなどの場合は、プロバイダーを捜査すると本人特定が出来るので、捜査されます。
(別途会議室などの公開性・公然性の問題もあるでしょうが)
つまり、プロバイダーを捜査するという現状の警察の手法などでは、実際には、郵便のケースより解決しやすいように思うのですが、いかがでしょうか。郵便で来る匿名の脅迫状や怪文書などはほとんど解決できません。
ただし、私はプロバイダーには通信の秘密を死守して欲しい気がします。そのためにも捜査された場合のガイドライン、民事訴訟された場合のガイドラインなどをユーザーに提示して欲しいです。
ユーザー側では、たとえ原則的なものであろうとも「実名主義」というスタンダードづくりが必要だとは思います。郵便物でも、名前を偽ることができたり、匿名発信は出来ますが、概ね実名主義が定着しています。
また、自動車の安全性との類推で言えば、年間一万人事故死する人がいて、マナーの悪いドライバーもいるのに、交通法を強化しようという意見があまり強くないのは、やはり自動車の利便性を認める意識が広まっているからでしょうね。インターネットも個別問題への解決スキルが向上して、その利便性が認められれてくれば、現在の生臭い議論は昔話になるんじゃないかと思います。さしあたりサイバースペースで人が直接的に死ぬことはないと思いますから、拙速な法制化などはさけて、丁寧に対処法をコンセンサス化してほしいと思います。
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From: 高木 寛
Subject: [00044] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
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高木 寛です。
From:古川 泰弘 Subject: [00034] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害 古川さんが書いてくださった
3、ネットの経路上、匿名な機関(プロバイダ、ハード、ソフトを含む製品)を法(?)の適用する範囲から除外する。既に匿名性を売りにしたビジネスが形成されている。
は、ダイヤルQ2を使ったプロバイダ等のことかと考えたのですが、具体的にはどのような商品でしょうか?
基本的にはログがどこかに残っていれば良いわけで、ダイヤルQ2の場合もNTTとプロバイダの両方のログを調べれば追跡はできるとは思います。その意味では水野さんがおっしゃるように匿名性は高くないともいえます。ただ、少し気になるのは、NTTという第一種通信事業者の場合とプロバイダのような第二種の通信事業者を同列に考えて従来の取り扱いとのバランスが崩れないかという点です。たしか、NTTは通信の秘密との関係で誘拐のような緊急の現行犯的な場合以外は、逆探知はやってこなかったと聞いています。こういう考え方には、発想の転換を要求することになりますが、それで良いのかは少し考えなくてはいけないかもしれません。つまり、デジタルで脅迫が行われた場合、発信者の開示を認めた場合、アナログでの脅迫にも広げるべきだというような議論が出てくると思います。
高橋さん。詳しい説明をありがとうございました。プロキシーサーバ経由であってもログさえ残っていれば、追跡は可能だとするとプロキシーサーバはプロバイダだけでなく大学や企業などにもありますから、こういうところも含めて記録保存のルールを作っていく必要があるわけですね。プロキシーサーバではなく、一般のアクセス記録でも従量課金をしているところは完全でしょうが、固定料金のプロバイダは残してないところもあるのではないでしょうか。
From:高橋 徹 Subject: [00038] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
しかし、脅迫的な言辞をメイルで送りつけるような場合、そのユーザを特定するとしても相手が確信犯的であり、プロバイダがどんな被害を被るか判らないために躊>躇することもあるでしょう。
たしかに、確信犯的に悪いことをする人はいますから第三者機関を作ったとしてもかなりシビアな業務になる可能性がありますね。また、こういう公開される側だけでなく、反対に公開を要求する側も開示された情報を使って裁判などの適法な手段に使えば良いのですが、それを使って反対に恐喝とかをする人も出てくるかもしれません。被害者を装って情報を入手して加害者に変身するケースです。かなり、踏み込んだ調査が要求されるのでしょう。
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From: 水野 隆一
Subject: [00045] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
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From:高木 寛 Subject: [00044] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
古川さんが書いてくださった
3、ネットの経路上、匿名な機関(プロバイダ、ハード、ソフトを含む製品)を法(?)の適用する範囲から除外する。既に匿名性を売りにしたビジネスが形成されている。
は、ダイヤルQ2を使ったプロバイダ等のことかと考えたのですが、具体的にはどのような商品でしょうか?
サーバー管理者がログを一切残さず、外に公表しないということを売り物にしている場合があります。マネーローンダリングと同様の手法で、捜査を切ってしまうことが可能なります。ですから、古川さんは、このようなことを法律違反にしていまえ、とおっしゃったのだと思います。
From:高木 寛 Subject: [00044] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害
ただ、少し気になるのは、NTTという第一種通信事業者の場合とプロバイダのような第二種の通信事業者を同列に考えて従来の取り扱いとのバランスが崩れないかという点です。たしか、NTTは通信の秘密との関係で誘拐のような緊急の現行犯的な場合以外は、逆探知はやってこなかったと聞いています。
ダイヤルQ2の場合は、逆探知とは状況が異なると思います。なぜなら、Q2ではNTTが利用者に料金を請求し、その代金を業者に支払うという請求代行業務をしていますので、その通信状況は厳密に管理されているはずだからです。
つまり、ダイヤルQ2のログを提供させることは通信の内容を公表することではなく、NTTの取引履歴を公表させることにしかなりません。
もちろん、このような内容を無制限にNTTの判断で開示させることは望ましくありませんから、裁判所の命令が必要である、という手続きを介在させる必要があると思います。 |
From: 杉井 鏡生
Subject: [00046] Re:ネット紛争解決:プライバシー問題
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杉井です。
[ネット紛争解決:ブライバシー問題]
福冨さんがいわれた下記の点、
From:福富 忠和 Subject: [00043] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害 皆さんのポストを読む限り、名誉毀損の問題とプライバシー侵害の問題は、たぶん事件のレベルでは近くても、ベクトルは違うのではないかな、という気がしました。
私もそう思います。実は、それで、「ネット紛争解決」を全般的にどうするかというだけでなく、個別の問題毎に当って、程度の違いだけでなく、ベクトルの違いもあるかどうかを確認してみたいと思ったわけです。
また、プライバシー問題に関しては、最近の名簿流出事件のような典型的なものばかりでなく、ここで話題になった「経路情報」や、懸賞などウェブ上のサービスを通じて収集される「個人情報」の利用に関わる問題など、新しいトピックも登場していますね(他にもありそうですが)。
これらも問題によって、法律的な規制をかけたほうがいいもの(その場合、どこまでをプライバシー情報=自己に関わる情報の自己制御権の対象と考えるかという点も議論がありそうですが)、新たな法律規制をかけて不自由にするより、個人が注意することで対処したほうがいいもの(使用目的を明示していないところや怪しいところでは安易に個人情報を書き込まないとか)、対処への考え方はいろいろありそうに思います。
それから、福冨さんが書かれている下記の点にも興味を持ちました。
From:福富 忠和 Subject: [00043] Re:ネット紛争解決:名誉毀損の被害 ユーザー側では、たとえ原則的なものであろうとも「実名主義」というスタンダード>づくりが必要だとは思います。
これはパソコン通信などでは、個別ネット毎の原則としてはあっても、一般的な原則にはならなかったと思いますが(女性へのセクハラ・メールを防ぐというような点もあったでしょうが)、インターネットの世界では、(完全とはいわないまでも一定程度の)合意形成はそれよりは容易に出来そうでしょうか。みなさんの感触とご意見はいかがでしょうか。そもそも「実名主義」をスタンダード化する必要はないというご意見もあろうと思いますが。
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From: 公文 俊平
Subject: [00047] ネットワーク社会の未来
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杉井さん、
今進んでいる議論に直接関係のない話題で恐縮ですが、数日前、GNUのリチャード・ストールマンが昨年始めて書いたというSFをとても面白く読んだもので、ちょっと紹介させてください。(月面のルナ・シティで2096年に出版されたことになっています。)
そこに描かれているのは、国家が情報や思考を完全に統制する「1984年」の世界ではなくて、企業連合がコンテントへの知的財産権を独占している21世紀半ばの世界です。そこでは、自分が読む権利を買った本を他人に貸すことは違法行為になります。デバッガーでコピーライトのモニター・コードを書き換えることも、もちろん違法です。
そんな世界にいる主人公は、自分のコンピューターを壊してしまったガールフレンドにコンピューターを貸してくれといわれて悩みます。貸すのはいいけれど、主人公がそこにダウンロードしている本を彼女が読んだとしたら、二人は犯罪を犯すことになるのです。悩んだ挙げ句、主人公は、ガールフレンドにコンピューターを貸すと同時に、自分のパスワードも使わせることに決心します。もちろんそれも違法行為ですから、彼女が密告すると彼は逮捕されかねないのです。
しかし、もちろん彼女が密告することはなく、二人はやがて結婚して月面に移住し、2062年の「ティコの蜂起」に参加します。蜂起者たちの中心的な狙いの一つは、普遍的な読む権利の獲得です。
この話は、国家が市民に恣意的な課税を行っていた「アンシャン・レジーム」に反抗して立ち上がったフランス革命やアメリカ独立革命を思い起こさせます。私は、一昨年の本で産業社会の市民革命に匹敵する情報社会の「ネティズン革命」の可能性を想像してみました。もちろん、私はそのような革命が望ましいと思ったのではありません。それを避けるためにも、既存の「産業企業」および「市民」と、新興の「情報智業」および「智民」の協働が今から推進されなくてはならない、と主張しました。それは同時に、既存の「知的財産権」や「国家主権」と、新たに確立されなければならない「情報権」(情報の普及の自由や、通有の権利を含む新しい権利観念です)との間の平和的な調整の必要の主張でもありました。ストールマンのSFは、それに失敗したディストピアを描いたものだと私には読めました。
いかがでしょうか。皆さんは、情報・ネットワーク社会は、どちらの方向に進む可能性が高いとお考えでしょうか。
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