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B. EC部会

   「エレクトロニックコマースの新展開 ―経済構造改革へのシナリオ」


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1998年2月12日〜2月15日


From:小池 良次
Subject: [00080] Re:BtoBはどうなるのか


小池です。
まとめ:
広義のBtoB実現過程(流行語風)は:
第一段階:インターネット(通信プロトコルのオープン化、公衆通信網の確立)
第二段階:イントラネット(企業内ネットワークのオープン化)
第三段階:エキストラネット(企業グループ内のオープン化)
第四段階:ワイヤード・カンパニー(社会全体のネットワークのオープン化)
となり、第三段階(現在)から第四段階(将来)にジャンプするにはオブジェクト技術の普及が鍵になると思う。
From: 國領 二郎
Subject: [00079] Re:BtoBはどうなるのか

小池さんのご提案に賛成です。受発注手段としてだけでなく、企業間の協働に関わるトータルシステムの諸機能の一部または全部を、電子的な情報交換を活用しながら提供する現象を分析の対象とすべきでしょう。
明解ですね。さすが!ですね。
ちょうど良いので、この国領さんの船に乗せていただいて「ECとオープンの関係」について書かせて下さい。
From: 國領 二郎
Subject: [00079] Re:BtoBはどうなるのか

公衆に開放されたインターネットを使うかどうか、というのは実は本質ではなくて、ビジネスプロトコルのレベルでのオープン性が大事であるように思っています。
まさにその通りだとおもいます。
そして、ボクが関心を引かれるのは、このビジネスプロトコルでのオープン性という点です。あえて通信プロトコルといわず、ビジネスプロトコルと広い意味を持たせているわけですが、そのひとつとしてボクが特に重視しているのがオブジェクト(目的指向)言語への移行です。(もちろん他に重要なことはいっぱいあると思いますが)
インターネットはTCP/IPやHTMLといった通信プロトコル、テキスト記述プロトコルの標準化(=オープン性)で伸びてきたのですが、広義のBtoBを考えるとき通信レベルでのオープン性では乗り越えられない壁にぶつかったわけです。
たとえば受発注伝票は簡単にウェブに置き換えられたのですが、図面(CADデータ)や統計処理、制御(物流管理や生産管理など)はそう簡単には置き換えられなかったわけです。つまり国領さんの指摘する「企業間の協働に関わるトータルシステムの諸機能」を共有しようとしてもシステムがばらばらでまとまらないわけです。
ゼネラル・モータースは、部品設計で欠かせないCAD/CAM(コンピュータ支援設計、製造システム)で下請け部品メーカー毎に違う26種類のフォーマットをEDS(=GMのシステムインテグレーター)方式にまとめるのに5年の歳月を掛けたとある記事で読んだことがあります。
つまりネットワーク化しても相手も自分もプログラムが方言しか話せなくては仕方ないわけです。この方言しか話せないビジネス・アプリの山を解決するだろう技術が、C++やJavaといった目的指向言語群なわけです。
プログラム・レベルでのオープン化(=標準語化)つまり現在の企業向け大型アプリケーションが、C++やJava、CORBA(通信レベルにマッチさせる)などで置き換わらない限り広義のBtoBは実現しないと見るわけです。
ちょっと細かいかも知れませんが、オラクル社のNCA(Network Computer Architecture)にせよ、サンマイクロのJavaOSにせよ、このプログラム・レベルでのオープン化を目指すものです。もちろん、企業の基幹システムへ参入を目指しているマイクロソフトもDNAと称して同じ方向に向かっています。
また、IBMはサンフランシスコ・プロジェクトと称して200社以上の企業と一緒になってJavaで書いた企業向け大型アプリを開発しています。
IBMのサンフランシスコ・プロジェクトが向こう10年の計画と聴くにつけ、このプログラム・レベルでのオープン化(=広義のBtoB実現)いう過程は先が長いなと感じるわけです。
最後に、流行言葉でまとめると広義のBtoB実現過程は:
第一段階:インターネット(通信プロトコルのオープン化、公衆通信網の確立)
第二段階:イントラネット(企業内ネットワークのオープン化)
第三段階:エキストラネット(企業グループ内のオープン化)
第四段階:ワイヤード・カンパニー(社会全体のネットワークのオープン化)
となり、第三段階(現在)から第四段階(将来)にジャンプするにはオブジェクト技術の普及が鍵になると思うわけです。

From: 小川 琢之
Subject: [00081] Re:BtoBはどうなるのか


小川です。
小池さんが次のように書かれています。
From: 小池 良次
Subject: [00080] Re:BtoBはどうなるのか

広義のBtoB実現過程(流行語風)は:
第一段階:インターネット(通信プロトコルのオープン化、公衆通信網の確立)
第二段階:イントラネット(企業内ネットワークのオープン化)
第三段階:エキストラネット(企業グループ内のオープン化)
第四段階:ワイヤード・カンパニー(社会全体のネットワークのオープン化)
となり、第三段階(現在)から第四段階(将来)にジャンプするにはオブジェクト技術の普及が鍵になると思う。
私の認識では、小池さんの4段階の切り口で、現在の日本の状況を見渡すと、進捗状況は次の順です。
(1)第二段階:イントラネット
各企業内の情報の共有化・事務効率化を意図して、昨年頃から急速に広まっている 。
(2)第三段階:エキストラネット
関係会社を多くもつ企業グループで少しずつ始まる兆しが出てきている。
(3)第一段階:インターネット
広義のECは、現状ごく限られた形でしか行われていない。広まる姿がまだはっきり とは見えてこない。(漠然とではあるが、ここに至るのに一つの「ジャンプ」が必 要なのではないかという感じがする。)
(4)第四段階:ワイヤード・カンパニー
全く見えてこない。
皆さんはどのような認識ですか?また、アメリカでは異なった進み方をしてきているのでしょうか?

From: 田中 辰雄
Subject: [00082] Re:BtoBはどうなるのか


田中辰雄です
登場が遅れました。すいません。たくさん論点が出ているので要約します。まずBtoBについて
(1)日本におけるBtoBのEC(小林さん、堀越さんなど)
・企業グループ内の閉じたECはかなりあるものの、オープンなECは規模はまだ小さい。この点はアメリカも同じではないか。
・大企業は自前の閉じたECがすでに存在するのでオープン化への動きが遅い。中小企業も大企業が入れない状況ではメリットが見えず導入意欲はいま一つ。
・海外取引が導入のきっかけになるのではないか。
(2)BtoB のECの一般類型と方向性(小池さん、国領さん)
・ECはサプライチェーンのどこをどう変えて、どういうメリットがあるかが明らかであることが大切。たとえば二千以上の物流拠点が114カ所で済むという話あり(国領)
・受発注だけのECを狭義のECとすれば、さらに開発・設計まで含む共同た作業のためのECが考えられる。この広義のECではオブジェクト指向の設計が行われるのではないか(小池)
 以上が大雑把なまとめですが、さらに分類軸を使って整理してみます。
 分類軸としては、closedなEC<-->openなECがあります。国領さんの表現で事前契約したメンバーに限るものとそうでないものにほぼ対応するのではないかと思います。もう一つの分類軸としては、小池さんの言う受発注のみに限る場合(狭義)と、営業・開発などまで含む場合(広義)が分けられそうです。この二つを交差させると次の分類が可能です。
           closedなEC           openなEC
         事前契約したメンバー間    事前契約していない間でも
           国領さんの(イ)        国領さんの(ロ)
          (企業グループ内)      (企業グループ外とも)

  受発注のみ         A              B
(小池さんの狭義)    <エクストラネット>
              EDI: ANX(自動車)
                GEIS(電機)
          
          
  営業・開発         C               D
  なども含む
(小池さんの広義)   CCO(シスコオンライン)
              台湾PCメーカー[森さん]

 現在はA点が進行中で、これがBあるいはCへの拡大を志向しつつあるというところなのでしょう。
 この図を使ってこれまでの話を整理すると以下のようになります。
・AからBへの移行が、(大企業にはすでにClosedのECがあり、中小企業はメリットが見えにくいなどの理由で)必ずしもスムーズでない(小林・堀越)
・AからBへの移行は、サプライチェーン全体の中で確かなメリット(例:拠点が数千から100ちょっとに減る)がある必要がある(国領)
・アメリカではAからC(そしてD)へ移行しようという動きが起こっている。たとえばシスコオンラインは社内での営業や管理ツールの一部を大口ユーザに開放して、マニュアルやソフト配布のコストを下げた(小池)
#なお、森さんが報告された事例、台湾のPCメーカーがアメリカのバイヤーに対しサンプルの提示・評価・購入をwebを通じて行うという事例も、分類としてはCに入りそうです。(森)
・CからDへの移行にあたってはオブジェクト指向言語の発想が必要になるのではないか 例:サンフランシスコプロジェクト (小池)
以上です
なにかコメントあればお願いします。
PS
1)上で領域Cの日本での事例はないでしょうか。ミスミさんのシステムは営業のかなりの部分を代替したと聞いているので、Cの領域に多少足を突っ込んでいるように思えますがどうなんでしょう。ミスミの猪熊さん、いかがでしょうか
2)森さんがあげた台湾のPCメーカーに似た例は、東アジアに進出した日本の中小企業と日本本土の企業の間で起きているということはないのでしょうか。Webは使わなくてclosedの事例でもよいので、事例を知っている方がおられたらレポートしてください。
3)三井物産の小川さんの方から、A以外の部分はあまり見えないという趣旨の指摘をいただきました。確かに直近の話題としてはA点のエクストラネット周辺の動きが大切です。そこで、A点の付近絞った話題も議論する価値があると思います。たとえば、グループと言っても、いわゆる系列のグループ、同じ産業というグループ、などで変わってくるでしょう。

From: 田中 辰雄
Subject: [00083] Re:金融でのEC<要約>


田中辰雄です
金融でのECについて、ここまでの要約をつくりました。
 目次
 1)E-tradeについて
 2)ホームバンキングについて
 3)電子決済について
1)E-tradeの日本での可能性について
肯定的意見
・固定手数料が自由化されれば、e-tradeの有利さが出てくるのではないか(田中)
・顧客は日米同じ。ただ慣れが必要なだけで、日本でも有力なベンチャーがe-trade的なことを始めれば、トロイの木馬のように現状の秩序が崩れるのではないか(校條)
否定的材料
・日本の証券市場は個人向けにできていない。情報が開示されておらず、証券会社の個人向けサポートも悪い(小池)
・日本の証券市場は自由化が遅れたために業務がアンバンドルされておらず、バックオフィス業務が分離されていない。いわばOSにあたる部分がアンバンドルされていないわけで、それなしにいわばアプリケーション部分にあたるe-tradeだけが伸びると思えない(磯崎)
合意点(たぶん)
・E-tradenのようなものが伸びるか否かは、日本にベンチャーが起きるか否かにかかっている。アメリカでもamazon.comやE-tradeを始めたのはベンチャーで、大手は同じアイデアがあっても自分ではなかなかやらなかった。したがって、ECの普及のためには日本でもベンチャーが起こりやすいような環境づくりが大切だ。
2)ホームバンキングについて
・自動振替が発達した日本では、振り込みの回数月1〜2回程度と少ないので、それほどの収益は期待できない。むしろ電子決済に期待(坂内)
・もう少し振り込みの利用者がいるのではないか(森)
3)電子決済について
 個人向け(BtoC)
・通販では「逆伝票コスト」が高いため、これを避けるためにSETのようなクレジットカード連動型がよい。逆伝票問題が起こらないデジタルコンテンツでは、入金が直ちに行われる電子マネーでよいだろう。(坂内)
 企業向け(BtoB)
・日本では全銀手順、J手順と言っているが、アメリカではすでにその先を行っており、バッチ方式とリアルタイム方式くらいの差がある。(森)
以上です。コメントの有る方お願いいたします。

From: 田中 辰雄
Subject: [00084] Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC


田中辰雄です。
ちょっとEC部会が静か(?)になってきたので議論の喚起のためにいくつかフォローします。引用が多くなりますが、remindということでお許し下さい。
前に企業間取引への電子決済の利用について質問を出しました。
From: 田中 辰雄
Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC

(3)企業間取引での電子マネー利用
> ちょっと前の新聞に、日立がグループ内の取引をネッティングすることで、銀行への手数料支払いを減らすという記事が載りましたが、これは閉じたグループ内での一種の電子決済と見なせないこともありません。このような動きがさらに広がることはないのでしょうか?
これに対し、森さんの方から関連する発言がありましたのでフォローします。
森さん貴重な情報をお寄せいただき、ありがとうございました。
From: 森 洋一
Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC

森@ユニシスです。
昨日ソルトレークシティーに移動してきました。
B2Bの話しで企業間決済を省くわけには行かないでしょう。
日本固有の全銀手順やJ手順、そして数年前にお上の主導(?)で決めたCIIシンタックス、この辺の議論が大事ですがいかがですか。
これらは、EDIFACTやアメリカのX12と比べかなり見劣りがするように思います。もっとも日本の先端ではEDIFACT指向がかなり持ちあがっていることは認識しています。
ここらへんの現状と問題点をどなたか解説していただけないでしょうか。日本の状態が「見劣りする」のであればそれは解決すべきひとつのテーマと思います。森さんいかがでしょう。あるいは森さんは移動中のご様子ですので、他の方お願いできませんでしょうか 。
銀行関係の方、全銀方式、J手順について何かコメントありませんか?
From: 森 洋一
Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC

先週シリコンバレーにいましてこのあたりの話をしましたところ > X12がいつEDIFACTになるか等は枝葉末節で、サプライチェーンを基本とした狭義の各業界のいろいろなプロトコルをこぞって検討しているのだと言われ、がっくりしました。いわくOBI(Object Buying Interface)、OTP(Open Transaction Protocol)、ICE(Internet Commerce Exchange)等でこれらはみんなECの世界の出来事です。
まるでバッチ方式(全銀、J手順)の日本とリアルタイム方式の進んだ世界 のような違いを感じました。何か妙薬はありませんか。
リアルタイム方式がはじまっているのに、いまだにバッチ方式の日本というのは、本当だとするといささかショッキングです。ただ、具体的な内容が上記だけではいまひとつわからないので、これもまずはもう少し説明していただけるとありがたいかと思います。
森さんか、あるいは他の方お願いいたします。

From: 近藤 均
Subject: [00085] Re:電子決済について


VISAの近藤です。
ECにおける電子決済についての雑感を書きます。
\クレジット型、デビット型、電子マネー型物販に関して言えば、ECの場合注文から商品の受領まで、どうしてもタイムラグが出てしまいます。この夕イムラグが妙にクレジットの仕組みに合うように思います。
伝統的な通販の世界でも、良心的な業者は注文と同時に信用照会のみ行い、商品発送、一定のクーリングオフ期間を経た後に売上げデー夕をカード会社に送信します。
これによって、通販業者側で、坂内さんのおっしゃる逆伝票コストを圧縮できるわけです。ECでも特にBtoCでは商品到着後決済という条件が消費者保護の観点からも大切であり、そう考えると、極論すれば、リアル夕イムで決済されてしまうデビット型や電子マネー型はかえってECでは不都合のような気もします。
]加盟店契約
ただし、ECの将来像を現在の通販の延長線で考えるのではなく個人が買い手にもなれれば売り手にもなれるというようなフリーマーケットのようなものを想定すると話は違ってきます。
カード会社から見れば、加盟店契約は一種の(条件付)支払い保障になる訳ですが、この契約をバーチャルな売り手に拡大していくことには限界があります。
クレジッ卜やデビットの仕組は、どこまで拡大していっても所詮はクローズドマーケットにおいて通用する仕組であり(数億人のカード会員が一千万加盟店にアクセスできてもそれらが不特定多数ではなく特定多数であるという意味においてクローズドという言葉を使っているのですが)、真にオープンであり、不特定を対象にしようとすると、SET的な取り決めではとても無理だと思います。
もっともBtoCという言葉が使われている間は、そこまでオープンな市場を想定する必要はないかもしれませんが...

From: 三石 玲子
Subject: [00086] Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC


From: 田中 辰雄
Subject: [00084] Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC

>田中辰雄です。
ちょっとEC部会が静か(?)になってきたので議論の喚起のためにいくつかフォローします。引用が多くなりますが、remindということでお許し下さい。
●こんにちは。三石です。何故静かにしていたかというと実際にモールなにかを作ってみた立場からいうと電子決済なんてどうでもいいな!って思うからです。
どうでもいいと言うわけではなく人は買いたいものがあれば金は何とかして払うぞということなのです。
オンラインで決済まで完結するとは大事なことですが全てではない。その証拠にコンビニ払いの採用がどんどん増えていきますよ。今後。
その前にいかにウェブ向きのマーケティングやマーチャンダイジングを確立するか、モールであればディベロッパーの役割をどこまで行うかの確立の方が大事だと思うのですけどね。
もっと大事なのは起業家候補を元気にさせる社会の仕組みを作ることですけど。
日本のEC関係者は電子決済や電子マネーの話になるとがぜん盛り上がるのですが、今実際に行っていることを見ると本当に情けない位下手ですよ。今の実証実験のモールの多くは本当にレジとカートばかり立派で「プロ」の消費者からみると笑ってしまいそうになるものばかりです。
それで「売れない、売れない」と頭を抱えているのですから!何か違っているような気がしますが。
その内ECを本当に盛り上げるためには〔決済以外に)何が必要かの投稿をしていいですか? マーケティング、マーチャンダイジング顧客サービス等まず本当にすべきことはたくさんありますよ。

From: 田坂 広志
Subject: [00087] Re:電子マネーが電子ショッピングを活性化するという幻想について


日本総合研究所の田坂です。
下記の三石さんの意見に大賛成です。
小生も、一昨年に出版した『日本型エレクトロニック・コマース』という本の中で明確に主張したことですが、我が国に存在するEC幻想の一つが「電子決済と電子マネーが普及すると電子ショッピングが活性化する」という幻想です。
これを、小生は、「財布の紐が解きやすいからといって、消費者は商品を買うわけではない」と少々皮肉を込めて主張してきました。逆に言えば、「本当に欲しい商品があれば、消費者は財布の紐を解くのに多少手間がかかっても買う」ということです。
その点は、三石さんの意見が正鵠を得ていると思います。
こうした主張を裏付けてくれているものの一つが、最近出版になった『成功するオンラインショップ』です。これはOL1300人が、実際にオンラインショッピングを体験して感じたことを率直に述べた本ですが、三石さんの言う、「消費者からみると笑ってしまいそうになる」話が多数載っています。
要するに、現在の電子ショッピングやエレクトロニック・コマースを主導する人々に、まだ「テクノロジー信仰」が強すぎるのです。技術は理解していても、消費者の気持ちを理解していない人が多いのです。その点は、米国とはかなり違っていると思います。
米国のエレクトロニック・コマースの動きは、ご承知のように「民間主導」ですから、もともと消費者相手のビジネスのプロが中心に立っています。小生が米国コマースネットと結んでコマースネット・ジャパンを立ち上げたのも、この「民間主導」と「消費者中心」のポリシーが、我が国におけるエレクトロニック・コマースの発展のために極めて重要であると考えたからです。
一月末から二月初めにかけて、日米のコマースネットが中心になってグローバル・サミットをハワイで開催しました。ここでも、あらためて、そのことの大切さを痛感して戻ってきました。小生は、エレクトロニック・コマースは「消費者主権の市場」であるとかねて主張してきましたが、米国でも、いま最も頻繁に使われる言葉の一つが「Buyer Centric Market」という言葉です。
小生はECOMの運営委員でもあるので、あまり批判的な意味で申し上げるわけではないのですが、ECOMのような影響力のある通産省主導のプロジェクトが、やはり「技術開発」を中心に動き出したことに、このあたりの問題が象徴されているように思われてなりません。
手短なコメントで恐縮ですが、三石さんにエールを送ります。

From: 尾野 徹
Subject: [00088] Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC


VISAの近藤さんが出てこられてますから、ちょっと私も一言。
 ECの内、カード型電子マネーを地域導入するかどうかが大分で議論になっています。
昨年、近藤さんやJCBの方、NTTの方、それぞれのカード型電子マネーのご専門の方々に大分に来ていただきパネルシスカションを行いました。
 なかなか面白かった。パネリストの方々のお話も面白いのですが、何よりも普段からマルチメディアやインターネットをどちらかというと避けたり、取り組みを先延ばししているなぁ、と思われるような方々がこぞって集まってこられた。県外からも集まって大盛況。
 つまり、マネー、ということばはサイバーショップ以上に既存経営者に訴えるものがあるようで、なるほど、この言葉(「電子マネー」)からサイバービジネスやサイバー産業を育てる啓発の入り口としてもいいな、と、思いました。
 で、昨年12月に、近藤さんにお願いして大分県の情報課長や、日本銀行大分支店長、NTT大分支店長、経済同友会の産業委員長などと神戸の実験を見に行きましたが、面白かった。三鷹のJCBも見てきたのですが、あきらかに神戸のVISAは成功の方向に一歩足を踏み入れたように思いました。(その要因は皆さんお感じになっていると思いますので説明は省きます)
 で、さて、それを大分にどのように地域導入するか?
 民間で成功し始めたものは公的資金では支援が難しく、間接的な支援策(商店街活性化資金など)等を模索せねばなりませんが、それにもましてやはり地域の一番銀行の腰をあげるお願いをしなければなりません。
 しかし、地銀系はJCBであったり、あるいは、富士通を考えたり、と、なかなかにややこしい。
 かつ、NTTさんの非接触ICカードの出方が来年以降でないと見えないのでこれが私の最終判断を遅らせる。
 しかし、大分の時期的な段階を考えると、
1)今年秋の国民文化祭にあわせて半公共セクターでつくっている大型商業施設(100メートルの高さの第一ホテル大分、NHK大分放送局、県文化センター、商店街などの複合施設)開館時期に導入するのが一番身近なチャンス。商店街活性化を兼ねて。
2)しかし、そうだと、現状のVISAの接触型カードのみが選択枝に思える。
3)VISAは6月に渋谷の実験では銀行を組み合わせて新規な実験を行うというならば、大分は、“VISA+銀行+商店街ポイント制”ということで新規制が出せないか?
4)ICカードは、常々新しくなるが、カード会社はそのたびに新しくすることを誰が負担するか心配している。それに関しては、希望者には安くバージョンアップ費(?)で交換をoKする仕組みを作る。
 何しろ、大分のような地方では東京のような地下鉄もなく非接触ICの必要性が急がれない。東京によく出張する人から順次バーションアップするだろう。
5)NTTの公衆電話非接触ICカードは、公衆電話が携帯電話の普及で赤字ビジネスになっていることからどの程度普及し市場に影響があるか、別途見てから考えても遅くないのではないか?
6)NTT公衆電話非接触ICカードにVISAカードが相乗りすることを運動しよう、さすれば解決するか?
7)そうこうする内に2000年に立命館アジア太平洋大学が開校するのでそこでの学生証に電子マネーが併用できないか、運動してみよう。
8)最終は、2002年のワールドカップ大分開催が照準。
その頃には国内10都市、あるいは韓国の10都市をあわせた複数都市での国際通貨決済に似た機能を持った電子マネーに発展することを祈ろう。
9)さらには、この2002年までには、ネット上の個人認証も普及していることだろうし、カード型電子マネーはネット上の電子マネーとしても通用するはずであって、それらを意識した地場企業の啓発活動を続けていこう。
 というようなことでして、サイバーショップは三石さんが指摘されておられたビジネスの経営姿勢そのものの話になります。
 神戸視察の折り京都のTシャツ販売のサイバーショップ経営者に会いましたが、多くの方が知っておられるのかな?、名前は有限会社イージーwww.easy888.co.jpの岸本栄司さん。インターネットビジネスを正面から見据え、逃げを許さない経営姿勢はバーチャルショップに関係ない、本質的な経営姿勢であり、とても好感が持てます。
 そういった方々を大分に呼びつつ、電子マネーという撒き餌(?)を巻きつつ、、、なんてこといってるから、なかなかうまくいかんのかなぁ。。。

From: 田中 辰雄
Subject: [00089] Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC


田中辰雄@議論が活発になって良かった! です^_^
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近藤さん
・通販では逆伝票コストため時間差のあるクレジットカード型がよい。
(坂内さんと同意見)
・ただ電子マネーには誰とでも取引できる個人間取引の可能性がある。
近藤さん、フォローどうもありがとうございます。
後者の個人間取引の極端な例として消費者同志が取引できるノミの市(CtoC?)がありますね。
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三石さん
・消費者は本当に欲しいものがあれば、決済手段はなんとしても払う実際にモールを作ってみた立場からいうと電子決済なんてどうでもいい。
 現在は、カートとレジばかり立派で欲しいものの無いモールばかりだ。
 三石さん、いつもながら明快で強烈なご主張ありがとうございます。^_^
 ちなみにコンビニ払い込みは確かに便利だと思います。コンビニが銀行化して くれたら私はそこに預金を移したいくらいです^^。
From: 三石 玲子
Subject: [00086] Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC

その内ECを本当に盛り上げるためには〔決済以外に)何が必要かの投稿をしていいですか? 
是非お願いします。一発ぶちかましてください。^_^;
 ただ、電子決済の話題はそれはそれでする必要がありますのでスレッドのタイ トルを変えて始めていただけるとありがたいです。
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田坂さん
・いまのモールは消費者のニーズに応えていない。(三石さんと同意見)
・アメリカでは民間主導であり、消費者中心(Buyer Centric Market)である。
・日本のEC関係者にはテクノロジー信仰が強すぎるのではないか。
・ECOMも技術開発中心である。
田坂さんどうもありがとうございます。
三石さんと同様に、現状のモールはマーケティングが出来ていない、というご意見でした。ここらへんはモールの運営をする方に改善をお願いしたいところです。
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さて、以上、三石さんと田坂さんのご意見に2点ほどコメントします。
1)「電子決済は問題ではない」というのは、とりあえずは消費者向けECの話と思います。
  企業間決済の場合(森さんの言った全銀手順とか)はまた別の話と思いますので、それはそれで議論をお願いしたいと思います。
2)マーケティングができていない現状の根本的な解決策はどこにあるんでしょうか。とりあえずは、モール運営者がマーケティングを学ぶというのが対策でしょう(三石さんのメールを期待しております^_^)。それで解決すればそれでいいのでしょう。が、同じ事をくり返さないためにはこうなった原因を考える必要があります。テクノロジー信仰はアメリカにもあります。ECOMのようなところではマーケティングなどできないでしょう(だから技術開発ということになったのでしょう)。アメリカのECでも失敗例が多くあることを見ると、ベンチャー的な企業がたくさん出て試行錯誤をしなければならないのかな、と思うのですがどうなんでしょうか。三石さんも起業家がやりやすいようにするという表現で同じことを述べていたように見えます。
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尾野さん
・大分での電子カード導入の試みを考えたい。
・接触型と非接触型の選択、導入のタイミングなどの判断がポイントである
尾野さん、大分での電子カード導入の具体的なお話、どうもありがとうございます。
なかなか具体的でイメージがよく湧きました。非常にいいですね。
ところでお話の中で、神戸の電子カードが成功に向けて動いているとあります。これは近藤さんにお伺いした方がよいと思うのですが、その成功の要因とはなんでしょうか。というのは電子カードにはかねてから、1)リーダーのコストが高くお店に普及しない、2)クレジットカードと現金の組み合わせにくらべて優位点が乏しい、などの弱点が指摘されていたからです。もし、これを克服する方向が見え始めたとすればニュースと思います。近藤さんか尾野さん、よろしければ解説お願いいたします。

From: 國領 二郎
Subject: [00090] Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC


國領です。
田坂さんに先を越されてしまいましたが、私も三石さんの見方に賛成です。
(田中さんのご指摘どおり、電子決済といっても範囲が広いので「対消費者の物財販売について賛成」としておきます。学者のくせで堅苦しくてスミません。)
エレクトロニックコマースの道具を提供したい側の見方だけでなく、ユーザ側が何を望んでいるのかという角度からマーケティング的に見たいところです。その上でやはり必要な技術は開発するのだろうと思います。
From: 三石 玲子
Subject: [00086] Re:電子決済(電子マネー)<-金融でのEC

●こんにちは。三石です。何故静かにしていたかというと実際にモールなにかを作ってみた立場からいうと電子決済なんてどうでもいいな!って思うからです。
どうでもいいと言うわけではなく人は買いたいものがあれば金は何とかして払うぞということなのです。
うちの研究室で調査した時も似たような感想を持ちました。ゼミ生がちょっとした実証研究をやったのが次にあります。
http://www.kbs.keio.ac.jp/kokuryolab/ecrp/topic-s/project/M19fukuda/shuuron.html
扱う商品によって決済ツールに対する需要が随分違うようです。
お急ぎの方には次の図だけでも、面白いと思います。
http://www.kbs.keio.ac.jp/kokuryolab/ecrp/topic-s/project/M19fukuda/zu1.htm
http://www.kbs.keio.ac.jp/kokuryolab/ecrp/topic-s/project/M19fukuda/zu2.htm
http://www.kbs.keio.ac.jp/kokuryolab/ecrp/topic-s/project/M19fukuda/zu3.htm

From: 田中 辰雄
Subject: [00091] Re:知的所有権に対する問題提起


田中辰雄です。
消費者保護問題でのお約束のフォローです。
なお、コーディネーターとしては片方の立場にたって意見を言うべきではないので、両方の立場をとってあります。
目次
(A)山崎さんへのフォロー
 (1)ECのような変化の激しい分野で事前予防をすると、やはり許可制になるのでは?
 (2)ECでアメリカ方式をお薦めするのは、単にパフォーマンスが良いから
(B)民間主導派の方への質問 
 事前予防は国民が望んでいるのではないか。
-----------------------------------------------
(A)山崎さんへ、
(1)事前予防すると許認可にはなるか。
From: 三石 玲子
Subject: [00062] Re:知的所有権に対する問題提起

予防対策を国が責任を持って法令等により行うことと、民間事業者の許認可とは直ちには結び付かないのではありませんか。
おっしゃるとおり事前予防をしても許認可と結びつかないことはありえて、基準が明確に書ける場合がそうだと思います。たとえば、通販の場合で言えばクーリングオフ制度を守りなさいというルールはそれでしょう。
 ただ、ECのように何が出てくるかわからない時は、基準が明快に書けないんじゃないでしょうか。そういう時に責任を持って予防をしようとすると、原則禁止にして置いて、安全性が確認できたものからゴーサインを出すとういことなりませんか?
(2)事前予防を民間に任すのはアメリカ式であり、ヨーロッパをはじめほとんどの国はアメリカ式をとっていない。国が関与している。それなのになぜアメリカ式をとるのか。
From: 三石 玲子
Subject: [00062] Re:知的所有権に対する問題提起

また、事前の対応は民間の自主的対応で行うというのはアメリカの手法ですが、少なくともEUはそのようなやり方は取らないことを明言しているわけで
これは事実問題としてはそのとおりだと私も思います。アメリカ方式は良くないと思っている欧州人は多いと想像します(ちなみに分野によっては私もそうですーたとえばボルノ規制)。
 では、ECについてなぜ民間主導のアメリカ方式が良いと主張するかというと、理由は簡単でECでのアメリカのパフォーマンスが良いからという一点に尽きます。非常に技術革新が激しい分野では、事前規制は少な目にして、事後的規制にした方が競争が活性化し、パフォーマンスが良いと思われます。そして、そのパフォーマンスの良さは消費者の利益となって最終的には国民に返ってきます。ですから事前予防は民間にさせた方がよい。いかがでしょう。
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(B)民間主導派の方への質問
攻守ところを変えて規制派(事前予防規制やるべし派)の立場に立ってみます。藤原さんが事前予防派かどうかはまだちょっとわからないのですが、とりあえず材料として藤原さんの発言から引用して使わせてもらいます(藤原さん、もし本意と違ったらご指摘下さい)。
 消費者保護も民間でやればよく、国による事前予防は必要ないという意見が多々見られました。しかし、実は国民が、国による事前予防を望んでいるということはないでしょうか。E-tradeのところでも多少話題が出ましたが、日本では自己責任原則は弱く、ある程度の安全性を国が保証することが求められます。自己責任原則が無い国民がいけないということを主張するのは自由ですが、国民が望まないことを行うのは消費者主権に反します。藤原さんの言葉を借りれば、
From: 藤原 宏高
Subject: [00008] Re:詐欺と事故

なぜなら、電子商取引のリスクをすべて消費者に負わせる限り、少しでも心配のある消費者は、自己防衛上、電子商取引きを行わない、という形で対応するであろうと予測されるからです。これは消費者の選択であり、かかる消費者の選択を誤りであるといって否定することはできません。
「少しでも心配のある消費者は、自己防衛上、電子商取引きを行わない」というのは自己責任でリスクをとる心づもりが弱いということです。藤原さんの言うとおり、これが消費者の自由な選択の結果であるなら消費者を責めるわけにはいきません。そこで消費者を責めるのは消費者主権に反しますし、おそらく民主主義にも反しかねないでしょう。再び藤原さんの言葉を借りれば、
From: 藤原 宏高
Subject: [00014] Re:知的所有権に関する問題提起

私は、消費者保護を国家が放棄して、これを民間の団体に委ねる、というのは国家としては怠慢であると思うのですが、いかがですか。
というように。
このように反論された場合、民間主導派の方はどう再反論されますでしょうか?

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