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A. アジア部会
迫られるインフラ構築--アジア太平洋地域の重要性

1998年2月12日〜2月15日
From: 会津 泉 Subject: [00033] Re:公的セクターと通信インフラ
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山崎さん、「正論」だと思います。
国民に「情報(アクセス)権」があるから、(地方)政府がプロバイダー事業を直接手がけるべし、というのは、論理に相当の飛躍があるように思います。
利用しやすい環境をつくることの第一に、行政自らがネットワークを使いまくること、それによって行政の効率を上げ、サービスの質をあげ、そうやって行政利用の需要が増えれば自然に民間プロバイダーの事業も成り立ちやすくなり、ひいては民間市場も育つ、と考えられます。
米国のインターネットの発展の歴史をみても、学術研究という形が強いのですが、そこに行政の先行利用はあったように思います。
で、問題なのは、理屈ではわかっているはずのこういう「正論」が日本の、とくに地方の情報化となると、なかなか通らずつい、目先のサービスの不在などを持ち出して、行政に資金を出させ事業経営も期待し、赤字でも良し、としてしまう体質が、ユーザー側にもあるというところではないでしょうか? 「官」が出てきてくれた方が、中立で安くなるといったりして。
本当にそうなのでしょうか? ニューメディア・ブームのなかで、数多くの第三セクターができて、その累積赤字は実は膨大なものがあると言われています。
もちろん、「民業圧迫」といえば、デラックスな温泉保養所やスキー場を外郭団体がつくって、安く特定の人達を中心に使わせている、という事例も多々あり、そのコストに比べれば、プロバイダーに使う費用など微々たるもの、ともいえるけど、そういう数字の比較の問題ではありませんね。
新しいインフラ、費用をだれがどう負担してつくっていくのが正解なのか、皆さんのご意見、お待ちします。
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From: 末光 美恵
Subject: [00034] Re:公的セクターと通信インフラ
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末光です。
京都のようにプロバイダ事業を公的機関がやってしまうのもひとつの方法ですが、支援する方法はいくらでもあるはずです。もっと別の支援形態も考えてはいかがでしょうか。
From: 会津 泉 Subject: [00033] Re:公共セクターとプロバイダー事業
米国のインターネットの発展の歴史をみても、学術研究という形が強いのですが、そこに行政の先行利用はあったように思います。
始まりは大学の研究によるルータの実験でした。ネットワークの整備は軍事目的でした。ある意味日本では政府がネットワークの必要性を感じないから整備が遅れているのでしょう。軍事でなくとも利用範囲、利用目的は無限にあります。エニアックに始まったコンピュータそのものがそうであるように。
官として赤字でも安く提供すべきだというのは、誤った考えです。また、そのような考えが私利私欲を貪る官吏の資金集めに利用されるやもしれません。
例として DTI というプロバイダは三菱の支援の元で事業が開始されました。いわゆるベンチャーな性格をもった企業であり、設立には三菱という大企業の支援があったからこそ今の事業展開になっていると考えられます。他にも大企業の支援を受けて小さな事業が立ち上がっていく例はあります。このように、公的機関でプロバイダ事業そのものを設立運営するのではなく、資金面や運営面において支援し、ネットワークを広めていくサポート体制を引く事ができればよいなと考えますが、いかがでしょう。
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From: 会津 泉
Subject: [00035] Re:情報通新社会への離陸条件
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飯坂さん、
カナダからのとても真摯なご意見、ありがとうございます。
経済の発展度合いと情報化の推進との関係についてのコメントだと理解しました。
たしかに、衣食住が足りないのに、コンピューター通信など、本当に効果があるのか、電話だって未整備ではないか、という議論は、それなりに説得力があると思います。
「情報のみでは食えない」のをどうするのか?
アジアに限らず、地方の情報化推進予算などの議論でも、同じような意見はよく出されるようですね。「なんとなく」予算がつくことは多いけど、本当にどこまで効果があるのかは不問にされている・・・。
よろしければ、他の方の反論・同調のコメントなどあれば、ぜひお願いします。
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From: 小林 一
Subject: [00036] Re:情報通新社会への離陸条件
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小林 一です。
開発途上国といわれるアジア諸国の情報通信社会への移行について、小生は次のように考えます。
「社会」全体の発展段階については、工業社会をすべてトレースせずに、いわゆる情報通信社会へスキップすることがあってよいと思います。農業、製造業、情報通信それぞれ社会に必要なもので、**社会なる表現はそのなかでのその時代、その地域での優先順位をいっているにすぎません。現実の世界がグローバルな情報通信社会なのですから、発展途上国といわれる国々が情報通信化を推進しようというのは、国の経営戦略としての一つの有効な選択肢だと思います。少なくとも機械の替わりに人間が働く農業や、公害をまきちらすコンビナートづくりをそっくりたどる必要は全くないのだと思います。むしろ、情報通信のおかげで、本当にあるべき産業像がみえてきて、伝統的農業を見直したオーガニック農業や、素材とデザインを徹底的に洗練したバティック(インドネシアのBIN HOUSE)など、すてきな動きがはじまっているとみるべきです。もしかすると、日本の方が遅れているかもしれません。
コストの問題も自動車や道路にかかるコストにくらべれば、端末やネットワークに要する費用は微々たるものだと思いますし、農耕に使う水牛(国々によって違うかもしれませんが)にくらべても安いのではないでしょうか。
発展途上国において情報通信化を進める意義はたとえば次ぎのようなものがあると考えます。
1 あらゆる社会に共通な市場の情報交流を活発化することで、生産者と消費者の距離が短くなること
2 農業や工業生産に必要な情報が入手しやすくなること ・・・・このことは技術移転にもつながります。
3 技術の背景となる、いわゆる先進国社会・文化の様子を理解することにより、その国にあった技術移転が可能となること ・・・・ 国際衛星放送・通信はその意味で推進されるべきです
4 それぞれの国の歴史、文化、地理等の相違がわかるようになり、国や民族について対等な関係が生まれること ・・・・ 特に、イスラム社会について、私達はもっと知るべきだと思います。不正確かもしれませんが、たとえば、rent-seekingな金融資本主義社会より、利子はとらない(投資と考える?profit-sharing)イスラム社会の方が健全なのではないかということも考えます。
5 現実の情報通信ビジネスで発展途上国での雇用とビジネスの創出に直接貢献(輸出=外貨の獲得)すること ・・・・ 発展途上国の教育水準はあがっていますし、高学歴の人材は質量ともに日本をしのいでいるのではないかとも思います。
ということを考えると先進国でお金持ちの日本の経営戦略としては、官民あげてアジアを中心とした発展途上国の情報通信化に「投資」を集中することであると思うのですがいかがでしょう。
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From: 大木 登志枝
Subject: [00037] Re:情報通新社会への離陸条件
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大木です。
From: 小林 一 Subject: [00036] Re:情報通新社会への離陸条件
開発途上国といわれるアジア諸国の情報通信社会への移行について、小生は次のように考えます。
「社会」全体の発展段階については、工業社会をすべてトレースせずに、いわゆる情報通信社会へスキップすることがあってよいと思います。
そうですね。現に東南アジアは、欧米での産業革命はスキップして、農業社会から急に工業社会になっています。
From: 小林 一 Subject: [00036] Re:情報通新社会への離陸条件
農業、製造業、情報通信それぞれ社会に必要なもので、**社会なる表現はそのなかでのその時代、その地域での優先順位をいっているにすぎません。現実の世界がグローバルな情報通信社会なのですから、発展途上国といわれる国々が情報通信化を推進しようというのは、国の経営戦略としての一つの有効な選択肢だと思います。・・・情報通信のおかげで、本当にあるべき産業像がみえてきて、伝統的農業を見直したオーガニック農業や、素材とデザインを徹底的に洗練したバティック(インドネシアのBIN HOUSE)など、すてきな動きがはじまっているとみるべきです。・・・
☆私も小林さんが挙げられた1−5の点には共感を覚えますが、アジアの都市部に限定するという条件をつけたいと思います。
(どなたかおっしゃられていたように),情報通信技術は、利用者がそれを扱うスキルをもたなくては無意味です。マレーシアのKL周辺でMSCが成功しても、サバ、サラワクのイバン人(土着の人々)にそれらが普及するのは、時間がかかるように思います。まして、いまだ(トフラーのいう)第1の波にいるイリアンジャヤの人々が、急に第3の波にのるとは考え難いことです。
(イリアンジャヤは極端にしても)アジアの農村の人々がマルチメディアを享受するのも、時間がかかるように思います。が、可能性はあります。農村の人々に情報通信ツールの利用方法を理解してもらうか(山田村?のように)、もしくは、ODAかNGOが常駐するとか。
その結果、人材育成を兼ねた遠隔教育や遠隔医療が利用できれば、農村の人々の福祉に貢献するのではないでしょうか。しかし、これを民間ビジネスとして成り立たせるのは難しいですね。
アジアはまだら模様です。
From: 小林 一 Subject: [00036] Re:情報通新社会への離陸条件
ということを考えると先進国でお金持ちの日本の経営戦略としては、官民あげてアジアを中心とした発展途上国の情報通信化に「投資」を集中することであると思うのですがいかがでしょう。
☆都市部では、賛成です。僻地では、注意深く情報化を進める必要があるように思います。日本人にそれができるかはわかりませんが。ここは、うまく説明できません。感覚的に述べて申し訳ありません。
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From: 会津 泉
Subject: [00038] アジアへの日本の投資
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ここクアラルンプール周辺は、毎日36〜37度という猛暑が続き、一年中夏なのですが、ひときわ暑いのです。いまはアジア各国の中でももっとも暑いようです。モデレーターとしては、少々夏バテ気味ですが、議論はぜひ熱くお願いします。
小林さん、日本がアジア諸国に戦略的に情報化投資をすべきだという前向きの意見、ありがとうございます。ASEAN諸国は、ミャンマー以外はほとんど国策として情報化の推進を謳っています。しかし、自国だけでそれが可能といえるところはごくわずか、だと思います。日本の役割は十分あると思います。
大木さん、都市部と農村部を分けるべきだという主張、一理あるでしょう。でも、たとえ農村部・過疎地でも、ネットワークを利用できるようにすることが戦略的に(可能であれば)重要だということには異論はないと思ってよいでしょうか?
実は、この12、13日にマレーシアで、MSCの国際顧問委員会という会議が開かれ、欧米日からトップ経営者らが集まり、首相を囲んでのブレストが行なわれました。
今回鮮明になったのは、欧州、米国の情報関連企業は、アジアの経済危機に対して、そう悲観的ではなく、中長期に考えて積極投資をしようという姿勢を表明しているところが多いのに対して、日本企業は、相当慎重だということでした。
事実、日本のトップ経営者では、NECの関本会長が来られた位で、NTTの宮津社長は長野オリンピックがあるから、ソニーの出井社長も、風邪で、いずれもぎりぎりでキャンセル。
富士通の関澤社長、ソフトバンクの孫社長らは最初から欠席。首相を囲む記者会見でも、日本勢の影はとても薄かったと思います。
(もっともシリコンバレーも、ネットスケープやサンマイクロ、オラクル、インテルなどの現役トップは顔を見せませんでしたが) ビル・ゲイツは、今回は欠席するが、3月にはマレーシア訪問を予定しているという情報が首相筋から発表されたようです。
たしかに、日本の電気業界では、利益が大幅に減ったり赤字になったところが多いだけに、アジアへの新規投資どころではない、のか〜もしれませんが、その間に、欧米企業が着々と地歩を固めるという可能性は十分あるように思います。
アメリカが、アジアの経済危機を救うよう日本の行動を促しているのは、それなりの戦略に基づいてのことと思われますが、それにしても、来たるべき社会が情報技術を中核にしてグローバルに発達することはほぼ間違いないとすれば、いまの日本の産業界の動きは、イイノカナ?と思われます。
大蔵省の捜査、銀行や証券などの金融システムをめぐる動きを見ていると、かなり基礎体力が無くなっているのだなと思えてなりません。
司会の割に意見を言いすぎ、というご比判があったらごめんなさい。
つい口が(手が)動いてしまいました。
このオンライン会議も、そろそろ後半戦に入ります。これまでのアジア経済の動きとインフラ構築というテーマに加えて、新しいテーマを出されることも歓迎します。
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