A. アジア部会
迫られるインフラ構築--アジア太平洋地域の重要性

1998年1月28日〜2月1日
From: 野原 彰人 Subject: [00008] 通信設備計画
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興銀の野原です。
大木さんの情報と一部重なりますが、当方で把握しているアジア各国の通信インフラ整備計画を提示いたします。
中国(第9次五ヶ年計画1996−2000)5095万回線→1億2300万回線インドネシア(第6次五ヶ年計画1994−1998)252万回線→752万回線フィリピン(Zero Backlog Program外)210万回線→610万回線ベトナム(マスタープラン−2000)150万回線→500万回線インド(第8次五ヶ年計画1992−1997)300万回線→750万回線タイ(第8次経済社会開発計画1996−2001)600万回線→1200万回線マレーシア(第7次計画1996−2000)333万→558万回線これらの国だけでも所要資金は900億ドル超となります。今回の経済危機のインパクトについては整備の主体が国なのか、それとも民間なのかでかなり違うのではないかと思います(既述)。インドネシアのKSO方式、タイのBTO方式など、民間資金の導入を前提とするプロジェクトファイナンスでの通信網整備プロジェクトについては、相当影響を受けているようですので、経済回復に数年要すると見込まれる現状を踏まえると、整備の遅れ・計画未達という事態は想定されるのではないかと思いますが如何でしょう。
なお、小菅さんから「競争政策の在り方について議論しては」とのご提案がありましたが、通信インフラが未整備のアジアにおいて、競争政策の導入が本当に有効なのかどうかについては是非議論したいと思いますが。
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From: 末光 美恵
Subject: [00009] Re:通信設備計画
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末光です。
野原様が提示されたアジア各国の通信インフラ整備計画をみて、各国の政府が先進国を目指して国家予算をこの通信整備計画に注いでいると感じたのですが、間違っていますでしょうか?
From: 野原 彰人 Subject: [00008] 通信設備計画
なお、小菅さんから「競争政策の在り方について議論しては」とのご提案がありましたが、通信インフラが未整備のアジアにおいて、競争政策の導入が本当に有効なのかどうかについては是非議論したいと思いますが。
私は競争というよりも、ヨーロッパに連合という思想があるように、アジアの通信整備も統一されたアーキテクチャのもとに行われるべきだと考えます。個々の国がそれぞれの開発に着手してからでは統一は困難です。
蛇足ですが、先日シンガポールの公衆電話から日本にいる友人の携帯電話に電話がつながりました。しかし、私が日常使っている携帯電話、PHSはシンガポールでは使えません。このようなところから通信環境の整備は統一をはかり、インターネットを含めてアジアの発展を考えねばならないのではないでしょうか。
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From: 会津 泉
Subject: [00010] 通信コストについて
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アジアの通貨危機は、とくにインターネットのプロバイダーに打撃を与えています。ただでさえかなり高い国際専用線料金がドル建てで払うために、さらに割高になっているからです。
いまのところ、まだ末端の利用者への転嫁にはなっていないようですが、いずれその心配もあります。あるいは、弱小プロバイダーが淘汰され、強大な資本力をもつ各国の電話会社がインターネットビジネスも席巻してしまう可能性も大いにあります。
小林さん、森さんのご指摘のダイヤルアップの定額制がないというもの問題ですが、(それ以上に?)日本でも専用線の料金が高いことが、インターネットの発展のネックになってきたと考えられます。さすがにOCNやディジタルエコノミーなどで、多少は安くなったのですが、でもアメリカと比べれば、まだまだ相当高いのは事実です。
いったいどうすれば、通信料金は大幅に安くなるのでしょうか?
日本の例、アメリカの例をアジアにうまく適用できるのでしょうか?
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From: 築地 達郎
Subject: [00011] Re:通信コストについて
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築地@報道ネットワークです。
京都の事例を紹介させてください。私の記憶の範囲内ですので、数字などでもしも間違いがありましたら、ご指摘下さい。
【京都INET】
ご存知の方も多いと思いますが、京都では95年4月(実運用は9月or10月)からインターネットワーク京都(通称・京都INET)という公的接続サービスが供用されています。京都市民あるいは京都市に職場がある人(実質的には審査はありませんが)は個人の場合で年間6000円(別に入会金2000円)でダイヤルアップ接続サービスを受けられます。ひと月500円、1日20円強です。私(このメールのアカウント)も当初からのユーザーの一人です。会員数は20000人を大きく超え、かなり高い率で増えているはずです。
【民業圧迫】
INETによる破格値のサービス提供に対しては「公的サービスによる民業圧迫だという批判が地元プロバイダー業界には存在しています。民業圧迫かどうか、あるいはそれが是か非かという議論は今後させていただこうと思いますが、すくなくとも民間のプロバイダーのうち数社は95年半ば以降にはさまざまな付加価値通信サービスに移行し、そうでない数社は廃業に追い込まれてます。
【京都INETの運営】
INETの運営主体は法人ではありません。名古屋大学の阿草教授をプロジェクトリーダーとするプロジェクト方式をとっており、事務局は京都市の外郭の財団法人、サーバーや人材などはその財団法人の子会社の提供、初期資金は京都市からの補助金(1000万円)とのことです。今も毎年1000万円(+アルファ)の補助金が出ているはずです。法人化、民営化などの予定はまだ表面化してません。
【エピソード】
エピソードとして面白いのは、このプロジェクトが京都市のある幹部の“社内ベンチャー”として生まれたということです。
当時の産業観光局長が95年の1月ごろ、「プロバイダーを作って独立したい」と考え、予算のスキマから1000万円をひねり出して無理矢理創業してしまったのだそうです。その後、彼の市役所内での役割が重要になってきたため「独立」はいまだ果たせてません。まあ、役人さんが自分の天下り先を税金で作るという話は珍しくありませんが、かなりリスキーな段階で動いたということ自体は面白いのではないかと思います。
【考察】
私は一般に分散型コンピューターネットワークは「通貨」のようなもので、
(1)だれでもアクセスフリーであること
(2)安定的に供給されること――が必要だと
考えます。
重ねて一般論ですが、競争促進が効果を発揮するのは、需要と供給の関係において供給が過剰である場合であろうと思います。しかし現在の日本、あるいはアジア諸国のように通信インフラ全般が供給不足であり、かつ需要創出が十分でない場合には、競争促進以外の方策がより効果的であろうと考えます。
京都においてはINETの6000円という価格が需要を創出しているのは確かなようです。
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