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A. アジア部会
迫られるインフラ構築--アジア太平洋地域の重要性

1998年1月19日〜1月27日
From: 会津 泉
Subject: [00001] アジアの経済状況について
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すこし討論を始めたいと思っています。何から話題にしましょうか?
一つは、すこし幅広に昨年夏の通貨危機に端を発したアジアの
経済状況について、皆さんがどう見ているか、といったあたりを
出していただければ幸いです。もちろん他の論点もおおいにどうぞ。
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From: 野原 彰人
Subject: [00002] アジアの経済状況について
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アジアの経済危機を如何に見るかについて、通信インフラ構築の観点からコメント
したいと思います。ご存知のように、アジアは海外からの直接投資と輸出によって
急激な成長を遂げてきたわけですが、今次通貨危機に直面したことで、情報イン
フラの整備計画にも相当の遅れがでるものと考えております。国によっても違いが
あり、例えばインドネシアのように石油資源を有している国においては、資金繰り
に懸念はないと考えられましょうし、国の財政赤字が大きく留意の必要のある国も
あるでしょう。
また、多くのアジアの国においては、情報通信インフラ構築のために、民間資本の
導入(外資を含む)を行っておりますが、こうしたプロジェクトにおいても、設備(
交換機)の輸入をドル建てで行うことが多いでしょうから、当初計画に比して資金
不足が生じたり十分な設備投資ができない等の問題に直面しているものと思われま
す。
いずれにせよ、今次アジアの経済危機は、通信インフラ整備の面で相応のインパク
トを与えていると考えられるのではないでしょうか。
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From: 大木 登志枝
Subject: [00003] Re:アジアの経済状況について
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From: 野原 彰人 Subject: [00002] アジアの経済状況について
今次通貨危機に直面したことで、情報インフラの整備計画にも相当の遅れがでるもの
と考えております。国によっても違いがあり、例えばインドネシアのように石油
資源を有している国においては、資金繰りに懸念はないと考えられましょうし、
国の財政赤字が大きく留意の必要のある国もあるでしょう。
いや、インドネシアも他国同様、資金繰りに大変でしょう。外貨準備高が外貨債務
残高の17%しかない(96年)。貿易収支は黒字ですが、経常収支は赤字で、
資本収支で補填していたのですから。その資金の3分の2は民間からで、その半分が
短期資金。今それがすごい勢いで逃げている。短期資金は、利益がなければ逃げていく。
その意味では、信用不安の面が大きいと思う。さらに、短期資金はヘッジされて
いなかったから、ドル買いが殺到している。それもインドネシア企業の債務残高が
大きいところに政治不安が加わって、ドル買いは続く、続く。
From: 野原 彰人 Subject: [00002] アジアの経済状況について
また、多くのアジアの国においては、情報通信インフラ構築のために、民間資本の
導入(外資を含む)を行っておりますが、こうしたプロジェクトにおいても、設備(
交換機)の輸入をドル建てで行うことが多いでしょうから、当初計画に比して資金
不足が生じたり十分な設備投資ができない等の問題に直面しているものと思われま
す。いずれにせよ、今次アジアの経済危機は、通信インフラ整備の面で相応の
インパクトを与えていると考えられるのではないでしょうか。
同感です。アセアン諸国では結構野心的な計画を持っていたはずです。国も民間も
未着手の計画については修正せざるを得ないのではと思います。11月ころ欧米
企業に聞いたとき、投資を続けるようなことをいっていましたが、現在ではどう
なのでしょう。具体的な情報をどなたかお持ちですか。
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From: 会津 泉
Subject: [00004] Re:アジアの経済状況について
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野原さん、大木さん、さっそくのコメント、ありがとうございます。
たしかに通貨の下落は、圧倒的大半を輸入に依存せざるをえない情報
通信インフラの設備機器の購入には大きな痛手となるでしょうね。
通信インフラというと交換機が大きな比率を占めると思いますが、メーカ
ーのアジアでの国別シェアは現在どのくらいでしょう。どなたかご存知の
方があれば教えてください。ずいぶん前、たしか日本メーカー(NECとか
富士通)のシェアが低下傾向にあったと聞いたことがあるのですが。
マレーシアのMSCについていえば、今週火曜日の地元紙には、
「計画は予定より一年早いペースで順調に進んでいると」の、マハテ
ィール首相の前向きのコメントが一面で大きく出ていました。また、M
SCステータスという政府の優遇措置を受けられる認定企業が100社
を越え、その投資予定を合計すると10億米ドルになるとされています。
(原文を、The Star のホームページから転載・添付しておきます。
URL,ちょっと見失ったので、後でまた探します)。
このニュースだけ読むと、経済危機の影響はないように読めるのですが、
必ずしもそうかどうか少々疑問です。MSC認定企業の投資予定額という
のは、まだラフな個別「計画」の単純集計であって、そのまま実行される
かどうか確定していないものが大半と見られるからです。政府予算も、
MSCのインフラには予定通り投資するというのですが、縮小説も出ていま
す。
インドネシアの状況は、大木さんの指摘されている通りかと思います。
原油の輸出があっても、それ以上の借金があるので苦しいでしょう。
いま、深夜のテレビで、インドネシアのルピアが一次対米ドルで15000
ルピアを越え最安値を更新したというニュースが聞こえてきました。
そのため、香港の株が下落したとか。その後12000まで戻したようです
が。
リー・クアンユーシンガポール上級相がバンコクを訪問中で、アセアン
の隣国同士の経済は密接につながっているので、互いに協力して困難
を乗り切ることが大事だと言っていました。一般論としてはもっともですが、
具体的にはどうするのでしょう・・・。
苦しい状況のもとでの戦略投資のあり方というのは、重要な論点だと
思うのですが、いかがでしょうか?
また、アジアの経済危機は、日本に主因があると、アメリカのルービン
財務長官が名指しで批判をしたと、今日の夕刊に出ていましたが、本
当にそうなのでしょうか? 同様の指摘が、数週間前のビジネスウィー
クでも出ていましたし。
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From: 金子 肇
Subject: [00005] Re:アジアの経済状況について
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さて、アジアの経済情勢に関する会津さんの質問、コメントにつき意見
を述べさせて戴きます。
先ず交換機のシェアですが、主要各国のメーカ別納入実績をまとめた米
国調査会社のレポートがあるはずですので、別途調べてご報告致しま
す。急成長している自動車電話(今では携帯電話というべきかもしれま
せん)用の交換機を入れるとアジアは欧州標準のGSM方式が多く日本
メーカは参入してませんのでシェアは低下しているのは事実だと思いま
す。
また、マレーシアを初めアジア各国の通信オペレータはドルベースでの
収入減を反映し投資削減に動いており、インフラ構築の遅れの影響はで
てきていると思います。
日本が主因か?この問題は経済の専門家の意見を伺いたいと思います
が、素人考えでいうと、日本の低金利政策がアジアにバブルの輸出を行
い、急成長で体制の追いつかないアジア各国を直撃した。しかも、アジ
アの金融システムは日本の金融システムと同様の不透明なシステムであ
る。一方肝心の日本は自分の国のことにも手をうつのが遅い上大恐慌時
のフーバーと同じ誤りを犯そうとしており、アジアの為に市場開放しよ
うという考えもない。というのが米国のいいたいことではないでしょう
か。
日本政府は景気対策として公共投資を行うのですが、アジア全体の情報
インフラ整備の為の公共投資という観点で計画し、その効果測定をして
みるなんてできないものでしょうか。
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From: 野原 彰人
Subject: [00006] アジア市場と日本
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興銀の野原です。
大木さんのご指摘通り、インドネシアの経済の見方については相当厳しいとは思っ
ております。小生が申し上げたかったのは、石油資源を持つ国と持たない国では、
経済危機後のリカバリーのスピードが違うだろうとの観点です。舌足らずの記述が
混乱を招いてしまいました。すみません。
さて、通信機器市場についてですけれども、寺崎さんもご指摘の通り、日本を除く
アジア市場で考えますと、そのシェアは低く、時系列でみれば逓減傾向にあるもの
と思われます。その一因としては、金子さんのご指摘の通り、移動体通信分野では
アジア諸国はヨーロッパ方式(GSM)を採用しているため、移動体通信分野の交換機
の増加がヨーロッパメーカーのシェアアップとなっているということだと思います。
もう一つの要因は、その是非はともかく、80年代後半から90年代前半にかけて
欧米諸国では、政府(在外大使館等含む)が自国企業のアジア市場への進出を積極
的に支援したということです。
この時期日本も、ODAを通じてアジア諸国に資金提供をしているわけですが、例えば
円借款の大半はアンタイドローン(たしか借款に占めるアンタイドローン比率は世
界でトップクラスだったと思います)でありますので、結果、日本の資金で外国製
品が購入されるというケースが生じてしまった。「日本の税金を使って外国メーカ
ーを潤わせるとはけしからん」的な主張をするつもりはありませんが、ハードの納
入と技術移転はセットになっていることを考え合わせますと、アジアの通信市場と
日本の在り方については、もっと戦略的に考えても良いのではないでしょうか。
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From: 小菅 敏夫
Subject: [00007] アジア・太平洋地域におけるインフラ整備
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今回の議論の中で、途上国をも含んだインフラ整備の問題を取り上げる必要性は有
ると思います。情報スーパーハイウェイの話は途上国のルーラル地域の情報通信と
くに、ユニバーサルサービスをどう実現していくかについて議論がなされる事が必
要であろう。民営化、競争導入等先進国が採用している政策が、途上国でも取り入
れられる事による問題点の議論が必要である。特に教育、医療、環境、危機管理等
公共性の高い情報通信サービスを途上国で実現する上での国、地域、国際的戦略を
どうするかを是非議論しては如何でしょうか。
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