プライバシー保護、重要度増す

「世界情報通信サミット2004」(日本経済新聞社主催)は24日午後、「デジタルID社会のビジョンと課題」をテーマに討議した。パネリストの間では、デジタルIDの導入により、脅かされる可能性があるプライバシーの保護について活発な意見が展開された。司会は富士通の加藤幹之知的財産権本部長兼安全保障輸出管理本部長。
米マイクロソフトの古川享バイスプレジデントはビジネスチャンスの面から、世界規模でのデジタルIDの互換性は必要との見方を示したうえで、「3カ月から半年でセキュリティーに対するコンセンサスは変わる。国がどこまで規制すべきか考える必要がある」と述べた。
NTTデータの浜口友一社長は、同社が運営するサイトの顧客データが入ったパソコンが紛失した事例を紹介。「(不正アクセスの防止など)セキュリティー管理には気を遣っていたが、運用面で伴ってなかった」とし、「日本では今後、セキュリティー文化の醸成が課題だ」と述べた。
ビザ・インターナショナルのエグゼクティブ・バイスプレジデントのフィリップ・イェン氏は安全面に対する認識は国や業界など環境によって異なると指摘。そのうえで「デジタルIDは最低限の標準化を果たしたうえで、それぞれの環境に合った規制が必要だ」と語った。また「日本は秘密データの保護の面で欧米に比べ劣っている」と警鐘を鳴らした。
電子プライバシー情報センター(EPIC)のマーク・ローテンバーグ代表は「(プライバシーを保護されるべき)一般市民がもっと国や企業の意思決定に参加するべきだ」と指摘。日本でも国や企業の個人情報の取り扱いを厳正に監視するNPO(非営利団体)の発展が不可欠との認識を示した。