デジタルIDの標準化を

「世界情報通信サミット2004」(主催・日本経済新聞社)は23日午後、「デジタルID革命を支える技術・インフラ」をテーマに討議した。パネリストはID(識別番号)の進化を進めるうえでは、安全性と利便性を両立が重要との考えで一致。外国人パネリストからは仕様の標準化を世界規模で進めるべきとの指摘が相次いだ。
日立製作所で情報・通信グループ長兼CEOを務める古川一夫執行役常務は、微弱電波でデータをやり取りするRFID(無線自動識別)の普及には読み取り精度、距離の改善や安全性の強化をさらに進める必要があると指摘した。
ソニーグループのビットワレットの川合成幸社長はソニーが開発した電子マネー、エディー(Edy)の発行枚数が全世界で4700万枚に達したことを紹介。「今後は携帯電話にも搭載し、さらに利便性は向上する」と述べ、仕様の標準化を目指す考えを示した。
ノキアのテロ・オヤンペラ上席副社長は「高い信頼レベルと利便性を確保するには、『連合』という形をとるのが重要」と指摘。世界中から約150の企業・団体が参加するリバティ・アライアンス・プロジェクトでID仕様の標準化を進めていることを紹介し、「世界中で同じサービスを使えなければならない」と訴え、日本企業の参加を求めた。
マサチューセッツ工科大学のサンジェイ・サルマ助教授は「IDの分野で日本は最先端にいる」との見方を示したうえで、「IDはサプライチェーンにかかわる問題。日本独自で仕様開発を進めれば、世界で製品を販売する時にふたつのICタグを付けなければならなくなる」と述べ、日本企業に仕様の標準化を進めるべきと訴えた。