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| セッション2 -「デジタル・デバイド時代のエレクトロニック・コマース
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デジタルデバイド1 |
From: 広瀬 正
.Subj: 【1】デジタルデバイド問題 |
英文のオンライン会議では池田さんの明快な議論に活性化されて「ディジタルデバイド」について多く語られています。日本語の方でも少し議論しませんか。英語会議(10)会津泉 As for 'Digital Divide', I think it is a real issue, especially betweenalready economically divided nations and peoples. 賛同します。 私が心配なのは「ディジタルデバイド問題を引き起こすネット社会化は慎重に」という進化阻止論が巻き起こることです。このオンライン会議の参加者には釈迦に説法ですが、この種の議論をする時には、ネット社会化のメリットをペアにして議論すべきです。ネット社会化は供給者側、消費者側双方にメリットがありますし、そうなるように展開しなければなりません。(11)William L.Schrader The so called Digital Divide is directly caused by high cost dialup (minute-based) prices from domestic telephone companies (like NTT and BT), high cost Internet services which are driven by limited licensing for ISP competitors (like Singapore) and high cost telephone long line circuits (Japan, HK, ROK), and lack of serious competition in selling computers and related services in domestic markets.
と主張されています。賛同しますが、通信分野、IT企業の競合を活性化させて価格を下げるだけでは不足とおもいます。
より積極的に官民一体となってインフラ整備を進めるべきです。たとえば、
(1)ぜひ全国の図書館、郵便局には(無料の)Web端末を設置してほしい。
(2)米国のNetDayのような国民運動は起こせないか。
(3)消費税、印紙税などでのEC優遇措置は取れないのか。
これらのコストの回収は国全体としての効率向上分(たとえば申請電子化に伴うBPRによるコスト削減分など)から行うというのはどうでしょうか。
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From: 中野 潔
.Subj: 【2】デジタルデバイド問題 |
【1】広瀬正 より積極的に官民一体となってインフラ整備を進めるべきです。たとえば、(1)ぜひ全国の図書館、郵便局には(無料の)Web端末を設置してほしい。 基本的には賛成です。ただ、結局は、図書館を運営する市町村の決断の問題だと思います。
神奈川県鎌倉市の中央公民館に、パソコンが(多分)インターネットにつながった状態で置いてありますが、キーボードをはずし、クリックだけしかできないようにしてあります。そして、鎌倉市のウェブページを開いてあります。
ブラウザー画面が画面全体を占領するようにしてあるので、結局、鎌倉市のウェブページ以外に行くことができません。
これから先は推測ですが、パソコンやインターネットに詳しい担当者がいないので、どうしたらいいかわからない事態になることがないように、決まったウェブページしか表示できないようにしたのでしょう。縮小均衡発想の組織にとっては、合理的な決断なのでしょう。
鎌倉ですから、パソコンに詳しくて、ボランティア精神に富んだシニアの人たちがたくさんいそうです。結局、市町村当局が、決断を下せるか否かです。【1】広瀬正 (2)米国のNetDayのような国民運動は起こせないか。 長野県 飯田地区、兵庫県 播磨地区で、NetDayの運動が盛り上がっています。
盛り上がっている人たち自身は、それ以外の地区へのアピールに、けっこう気を配っています。この動きに続くか否かは、各地のオピニオンリーダーたちと、地元の先進企業の決断一つだと思います。
米国のNetDayでは、地元の教育レベルが上がることが結局、そこに立地する企業の人材活力を向上させることになるから、企業が積極的に協力したと聞いています。【1】広瀬正 (3)消費税、印紙税などでのEC優遇措置は取れないのか。 民間企業の活動に関する税金においては、無理でしょう。ECを利用できる人の平均収入は、できない人より高いですから、税金の優遇措置をとる合理性が説明できないでしょう。
公共サービスのサービス料については、あり得ると思います。公共サービスは、広くあまねく提供すべきユニバーサルサービスですが、一方、普通郵便より速達が高いように、コストと無縁ではありません。
サービス遂行費用が安くできるような、ネットワーク上の動作の多いサービスについては、物理的手順の多いサービスより、サービス料金を安くするというのは、合理性があると思います。
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From: 岸上 順一
.Subj: 【3】デジタルデバイド問題 |
【2】中野潔 ただ、結局は、図書館を運営する市町村の決断の神奈川県鎌倉市の中央公民館に、パソコンが(多分)インターネットにつながった状態で置いてありますが、キーボードをはずし、クリックだけしかできないようにしてあります。そして、鎌倉市のウェブページを開いてあります。 そうなんですよ。Kiosk端末を置くというのは結局このような単なる場所ふさぎになる可能性が高いのですよね。
【2】中野潔 長野県 飯田地区、兵庫県 播磨地区で、NetDayの運動が盛り上がっています。米国のNetDayでは、地元の教育レベルが上がることが結局、そこに立地する企業の人材活力を向上させることになるから、企業が積極的に協力したと聞いています。 シリコンバレーのNetdayが大成功したのはやはり地元の企業がヒトモノカネで多いに協力したからだと思います。【2】中野潔 民間企業の活動に関する税金においては、無理でしょう。ECを利用できる人の平均収入は、できない人より高いですから、税金の優遇措置をとる合理性が説明できないでしょう。
寧ろECでの関税や税金は無料になる方向にありますね。ただデバイドで問題なのは情報に対するアクセス手段を知っている人とそうでない人の差でしょう。それ以外は当面日本ではそれほど大きな問題にならないのではと比較的楽観しているのですが、甘いでしょうか?
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From: 前川 徹
.Subj: 【4】コーディネーター 〜 デジタルデバイド問題 |
デジタルデバイドに関する議論を始めたいと思います。最初に提起させていただいたテーマの
5. デジタルデバイド問題
(日本で情報格差問題は大きな問題になるのか、世界ではどうか)
6. ECの発展とデジタルデバイド問題の関係
(例えば、ECの発展によってインターネット利用コストが下がりデジタルデバイド 問題にプラスに働くのかどうか)
について、是非、ご意見をください。
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From: 前川 徹
.Subj: 【5】コーディネーター 〜 デジタルデバイド問題 |
| デジタルデバイドの問題の本質はどこにあるのでしょう?
80年代には「インフォーメーション・リッチとインフォーメーション・プア」という問題が提起されました。90年代初めには「ユニバーサル・アクセス」についての議論(ちょうど電話のユニバーサル・サービスと同じような話です)もありました。あの頃の議論の内容をご存じの方はいらっしゃいませんか?
確かにインターネットを使っていると便利なこともあって、大人気で入手が困難なプレステ2も、我が家はインターネットで予約を済ませることができ、行列に並ぶ必要はありません。
いずれ地方公共団体がインターネットを使ってサービスを行うようになるとインターネット利用者とそうでない人に差がつく可能性はありますが、それは行政サービス側で十分配慮する必要があるでしょう。
(ちなみに、図書館や公民館などに無料のインターネット機器を設置してもそれで救えるのは一部の人にすぎないと思っています。もちろん、無料のインターネット機器の設置に反対をしている訳ではありません)
田舎の両親はパソコンやインターネットと無縁の生活をしていますが、それについては、別に何の不自由も不満もないようです。
外資系企業に勤めている友人が「夜中に目が覚めると、電子メールをチェックして返事を書いてからでないと、眠れない」と言っているのを聞くと、デジタルデバイドのどちらにいるのが幸せなのか考えてしまいます。
また、グローバルなデジタルデバイド問題についても、インターネットをインフラにして世界連邦会議を行うという話にでもなれば、新しくて深刻な南北問題になるような気がしますが、現状では既存の南北問題の一部としか思えないのですが、、、
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From: 藤原 洋
.Subj: 【6】デジタルデバイド問題 |
では、前川先生の以下の最初の問題提起について意見をのべさせて頂きます。
5. デジタルデバイド問題 (日本で情報格差問題は大きな問題になるのか、世界ではどうか)
6. ECの発展とデジタルデバイド問題の関係 (例えば、ECの発展によってインターネット利用コストが下がりデジタルデバイド問題にプラスに働くのかどうか)」
(1)デジタルデバイド問題
情報格差問題は、経済力そのものの差になってくるものと思われます。IT技術が、今日の産業革命の原動力であることは、明白です。IT技術の理解度・応用力の差が、土地や生産設備を所有するよりも重要性が増しているのが今日だと思います。情報機器を利用できない、かつての通信工学の権威も金融理論の権威も無力化し、学術や産業界へのリーダーシップを発揮できなくなってくると思います。そして、この傾向は、国内格差と国際格差を益々進むものと思います。経済活動では、直接的に富める者と富める国を産むことになると思います。これは、冷徹な事実だと思います。
(2)ECの発展とデジタルデバイド問題の関係
ECの発展は、IT技術を制する者が有利な商取引を行い、莫大な利益を上げていくことになると思います。これは、多分デジタルデバイド問題を加速する方向に作用すると思います。
(3)諸問題の対策について
IT技術の利用度が、富の集中をもたらし、格差を産むとしたら、これは、様々な局面でのIT教育を強化するしか手がないと思います。一刻も早い抜本的な教育改革を推し進める必要があるように思います。高齢者には、無理して頂かなくとも良いと思いますが、若年層に対しては、どちらが幸せかなどと言っている余裕はないように思えます。
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From: 会津 泉
.Subj: 【7】国際会議GKII |
ソウルのAPRICOTという、アジアのインターネット・コミュニティによる年一回の会議に来ています。ほぼ一週間続きます。
前川さんの発言でしたが、電話のユニバーサル・サービスとはおおきく違った問題だと思います。電話の利用によって生み出される社会的価値と、インターネット=コンピューターのネットワークによって生まれる価値とは、質も量も、明らかにまったく違うと思います。既存の経済活動についても、新規の知的生産活動についても。これを同列に論じるのは間違いだと思います。【5】前川徹
デジタルデバイドの問題の本質はどこにあるのでしょう?80年代には「インフォーメーション・リッチとインフォーメーション・プア」という問題が提起されました。90年代初めには「ユニバーサル・アクセス」についての議論もありました。 (中略) いずれ地方公共団体がインターネットを使ってサービスを行うようになるとインターネット利用者とそうでない人に差がつく可能性はありますが、それは行政サービス側で十分配慮する必要があるでしょう。
インターネットが可能とした、自らがグローバルに、自由に、主体的に発信、コミュニケーションできるようになるということが生む社会的価値は図書館から情報を受け取る、ということとは本質的に違いと思います。【5】前川徹 田舎の両親はパソコンやインターネットと無縁の生活をしていますが、それについては、別に何の不自由も不満もないようです。外資系企業に勤めている友人が「夜中に目が覚めると、電子メールをチェックして返事を書いてからでないと、眠れない」と言っているのを聞くと、デジタルデバイドのどちらにいるのが幸せなのか考えてしまいます。 いまの、お年よりに無理やりインターネットを進めることより、10年後、20年後の高齢者について想像してみたほうが意味があるのではないでしょうか。「メールチェックして返事を書かないと眠れない」ことの不幸と、ディジタルデバイドで格差をつけられることの不幸とを同列に議論するのも、失礼ながら、意味がないと思います。【5】前川徹 また、グローバルなデジタルデバイド問題についても、インターネットをインフラにして世界連邦会議を行うという話にでもなれば、新しくて深刻な南北問題になるような気がしますが、現状では既存の南北問題の一部としか思えないのですが、、、 既存の南北問題が解決できないうえ、新しい別の南北問題が重なって発生しようとしていることに、南の側の危機感が強いと思います。
この問題をテーマにした国際会議、GKIIが、3月7-10日、マレーシアのクアラルンプールで開かれますが、先進国のなかでいちばん参加・関心が低い国が日本だと思われます。
ITのパワーがあまりにも強いがために、現状の格差がさらに圧倒的に広がるという危機感と、その反対に、その強さを逆用すれば、格差を一挙に縮められるのでは、という期待が、同居していると思います。
藤原さんが書かれたように、どちらが幸せかといった抽象的な議論よりは実務的な教育にとりくみことの方が意味があるのではないでしょうか。
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From: 櫻井 豊
.Subj: 【8】国際会議GKII
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【7】会津泉 先進国のなかでいちばん参加・関心が低い国が日本だと思われます。
日本がそういう集まりに参加して感じるのは,自分が南側にすでに居るということなのではないでしょうか。
INETなどの集まりに出た若手から,内輪の報告会という形で話を聞くと,欧米のレポートより,発展途上国の報告の方が,我々の置かれた状況に参考になるので驚愕する,と口々に言われます。
ただ,こういう話をすると必ず学校教育の問題になってしまうのですが,もちろんそれはそれで重要なことと認識しているものの,ちょっと待て,その前に家庭教育はどうなっているのか,ということにも気付かされます。
かろうじてITリテラシーに抵抗感を感じない世代の子供の世代(つまり現時点では小学校低学年以下くらいでしょうか?)から,もう一度,至急仕切り直しする必要があると感じています。
それより大きな子供達は,気の毒ですが親の世代がアップアップですから,個々の事例はべつとして,全体像としては諦めざるを得ないのではないかとすら感じています。親の理解が得られない教育を学校に求めても,きれいごとだけで機能しないでしょうから。
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From: 高木 寛
.Subj: 【9】デジタルデバイドの問題の本質はどこに |
【6】前川徹 デジタルデバイドの問題の本質はどこにあるのでしょう? 会議の最初から提示されていたテーマなのですが、どうもうまく掴みきれないままでいました。本質を尋ねられるとますます萎縮してしまいます。
ただ、南北問題、高齢者などの弱者などのほかに日本自体がそうなる可能性を秘めているような気がしています。最近特に感じるのは日本独特の意思決定の遅さが徐々に日本を時代遅れにしているのでは?ということです。先日、テレビのニュースでこれまでなら「欧米の情報先進国」と言っていたところを「欧米やアジアの情報先進国」と言っていました。正確な表現だなと感心して聞いていましたが、お隣の韓国では内容はともかく個人情報保護法も電子認証制度もとっくにできているのにわが国はこれからというところですね。
それとデジタルデバイドの関係で記憶にあるのは米国で図書館のパソコンへのフィルタリングソフト導入を違憲とした裁判です。そのときの原告の主張のひとつはフィルタリングが不適切でないサイトも落としてしまいその表現の自由を侵害するというものでした。しかし、もう一つは図書館のパソコンは自宅にパソコンを持つことができない市民が利用するものであり、お金のある人は自宅で自由に情報の受発信ができるのに対してそうでない人は制限されるのは違憲だというものでした。これを書こうと思って
いたら、さらにミシガン州でこの問題の住民投票で図書館のフィルタリングが否決されたというニュースが入ってきました。ここで米国の言論の自由の礼賛しようというのではありません。米国ではそれだけ情報格差が、社会的な弱者にとって看過できない具体的利害に関わっているのでしょう。
本質論とは離れてしまうかも知れませんが、今後、どこにどういう格差が生ずるか、そして具体的にどのような結果を生ずるかを広く考えていく必要があるのではないでしょうか。
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From: 福富 忠和
.Subj: 【10】フィルタリング |
図書館の方の問題で言えば、まだフィルタリングの話は日本ではあまりはっきり出ていませんが、確か去年「パソコンやインターネットは図書館資料とは言えないから、その提供は無償でなくてもかまわない」という審議会の答申が出て、問題になってましたね。(その後どうなったのでしょうか)。本や雑誌は公共図書館では無償で提供しなきゃいけないことになってますが、インターネットは使用料をとってもいい、という考え方ですね。こういう問題から、情報格差の問題に無頓着な日本人像が見えます。
インターネット以前に、市民の情報環境の整備を社会の財産と見る考え方が無いですね。岡部一明氏によれば、UCバークレー大の図書館(この図書館は一般市民だけでなく、旅行者など外国人にも公開している)の日本語の書籍の冊数は24万冊あって、これは日比谷図書館の8万冊より多いのですね。いままで、日本人の基本的な知識レベルが高かったから、整備の必要がなかった、ということだとは思えないのですが、どうでしょうか。
そういえば、中古パソコンを集めてスラムで学校を開いているブラジルのロドリーゴ氏はこの問題をもっと明確に「情報アパルトヘイト」という言葉であらわしてました。
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