世界情報通信サミット2000
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ネット会議
セッション2 -「デジタル・デバイド時代のエレクトロニック・コマース 」
日本型ECビジネスモデルの未来6
From: 加藤 良平
.Subj: 【51】ECによる付加価値
【26】水野隆一
話がちょっと横道へ行きますが、priceline.comにせよ、上記の例にせよ、結局は価格競争ですよね。
ECにより明らかに簡単になる付加価値として、情報によるフォローがあげられると思います。商品購入者に対して、その商品を楽しく、あるいは便利に使うための情報を、事後的に提供する、というものです。もちろん希望者に対してのみですが。

一般店舗だと、購入者の匿名性が高いし、そもそも郵送や電話でやるのではコストも手間も大変です。
各小売店が、フォロー情報の種類や質を競ってECするようになれば、かなり面白いシーンだと思うのですが。

From: 水野 隆一
.Subj: 【52】商品の品質比較とはちょっと違いますが
アメリカに来て、価格比較サイト系の企業にインタビューをしました。すると、私は何にも言わないのに、次のようなプレゼンをされて、びっくりするは納得するは、でした。

1.価格比較系のサイトは、第1世代と第2世代に分けられる
2.第1世代は、価格のみの比較だった。しかし、人は価格だけで購入するわけ
 ではない。われわれのサイトでは、価格比較リストの中から最も安いものを購
 入するのは、20%の人に過ぎない。
3.第1世代は、ビジネスモデル上、店からお金をもらった。そのため、表示され
 た価格は必ずしも公平なものとは言えない場合もあった。このため、消費者か
 ら価格比較サイト自身が信用されないこともあった。
4.第2世代は、価格以外の要素(取引条件、店の信頼度など)も比較要素とで
 きる。また、収入は別途広告費でもらうので、リストは公平だ。

私の言う、商品の品質比較とはちょっと違いますが、価格比較の限界について、十分に理解されており、対応策がとられつつあるということのようです。

From: 関根 千佳
.Subj: 【53】ささやかな意見ですが
せっかくの議論に水を差すようで申し訳ないのですが、どうも皆さんのご意見は、都会のハイパーな若い人の意見でしかないような気がしてなりません。かなりバラバラですが、ちょっと生活者としての意見を出させてください。

私も、都心に通って共働きをしていた頃は、書留と宅急便は鬼門でした。家に帰ってこれがポストに入っていると、すごく憂鬱になった記憶があります。いつ取りに行けるか、いつ再配達を依頼できるか、全く予定が立たない。そんな生活の中では、たしかに近所のコンビニで受取りができたら、と思っていました。

近所に、コンビニが5軒も乱立している地区であればこそ、です。

SOHO事業者になって、家にいるようになると、宅配のほうがずっと便利に感じられるようになりました。オフィスデポはよく利用しますし、お歳暮もバレンタインのプレゼントも、全部バーチャルモールです。送るついでに自分の分もちゃっかり買います。立場によって、環境によって、一つの仕組みに対する意見は変わって当然ですね。

だけど、車が家の前に停まるたびに、自分も地球温暖化に貢献しているんだ、と、とてもうしろめたい気にもなります。コンビニが在庫を切らさない制度や、宅配の増加の影に、増えつづけるトラックによる環境破壊があることに、私たちは見て見ぬふりをしています。

自分にとって便利なものは、社会にとって悪いと思っても無くせないのです。

隠岐島や函館の山奥など、高齢化率40%を越える地区への講演が増えるにつれて、地域の情報リテラシーの問題がものすごく深刻なことに気付いてきています。どんどん学校は廃校になり、村にはネットがわかる人はほとんどいない、という中で、とても3年で今の日本の多くの高齢者がネットワーカーになれるとは思えません。都会だけ、それも一部ですね。

(だからもっと使いやすいパソコンを作ろうとしているんですが。また米国のコミュニティセンターの話は羨ましい限りです)

コンビニはもちろん、個人商店さえなくなりつつある地区の方が、日本では多いのではないですか。今後は、車が運転できない年齢層も増えるのでガソリンスタンドもどうなることか。
また、東京にいるとわかりませんが、日本はこの時期、雪に閉ざされる地域が非常に多いのです。だから、宅配はありがたい。家にいる高齢者にとっては、宅配がなかったら本当に孤立する可能性があります。拠点としては病院や地区センターなどの情報センター化も有望です。

ハイパーな人間のためだけでなく、もう少し「パーソナルな」会話とともに成立する、例えばWeb Based Collaborationのようなアプリの開発を期待したいと思います。「ネットの向こうには人がいる」という安心感がないと、ECは、いつまでたっても、都会の若者中心の文化から抜けられないかもしれません。結局は、まもなく日本の成人人口の50%を占める50代以上、最も可処分所得が高く、貯蓄率も高い層から、ものを買わせることには成功しないかもしれませんね。

From: 小林 一
.Subj: 【54】「しなやかで面白いEC」はやっぱり生活・文化から
藤原さんのご意見のなかの「堅くて真面目な(日本の)EC」ということに触発されて、引き続き発言させていただきます。
長くなるので前回はご紹介しませんでしたが、アパレル関係で文化服装学院でコンピュータデザインを教えておられた河本先生がやっているNEXTILE社のデジタル織物も面白いですよ。インターラクティヴなデザイン情報のやりとりとコンピュータジャガードで好みの織物をつくりあげるプロセスが楽しそうです。関口さんの顔写真とモバイルを織り込んで「GISスカーフ」なんていうのができるわけです。デジタル織物のアート系では山形県の米沢織りの織元がやっている写真織りというのが日経

地域情報にも紹介されユニークです。
興味深いのは坂口さんも河本さん同様、文化服装学院関係者ということです。前回、前々回に引き続き生活とか文化といくことに注目したいと思います。バブルの豊かさと、はじけた後の懐の寂しさの両方を知った日本の生活者は、今世界で一番「バリューコンシャス」な人達ではないでしょうか。アパレルに限らず、そういう日本の生活者の商品のバリューすなわち質とそれに対応した合理的な価格に対するニーズにきめ細かくインターアクティヴに応えられるECシステムができれば、日本発で結構いい線いくのではないかと思いますがいかがでしょう。ターゲットはヨーロッパなど成熟国、リタイアしたアッパーミドル中心ということになりますか。
「ベンチャービジネス経営のプロやWall Street People」でなくても、日本の生活・文化ビジネスからの「しなやかで面白いEC」が案外買いではないですか。渋谷がビットバレーになったのかということも、渋谷系といわれる若者文化(そしてケイタイ文化)のメッカだからということでしょうか。そうだとすると結構面白いですね。

From: 前川 徹
.Subj: 【55】コーディネーター 〜 電子小売店
【47】水野隆一
最近の米国でのECサイトを作るときに、価格比較のサイトからアクセスできないように作るという話を聞いたことがあります。これなんかは、安売り競争になることを恐れているためですね。採算度外視の安売りサイトと比較されては、最初から自サイトに来てもらえませんからね。
ECサイトがすべからく安売り競争の手段だとは思いませんが、そのような風潮があることは確かだと思います。
いえいえ、私はテーマを提案しているだけなので、皆さんが重要だと思うことを話題にしていただいて結構です。あまりにも話題が飛んでしまうと問題ですが、、、

それで、水野さんと小池さんが話題にされている点ですが、確かにネット上の物販は「安くて当たり前」になっています。しかし「安いだけでは限界がある」のも事実だと思います。例えば、粗利がゼロに近い(99年1-9月期は粗利がマイナス)のBuy.com は、商品の価格がAmazon.com より安いけれど、登録ユーザ数はAmazonより一桁小さいのです。
また、(たしか)ネット証券で手数料が一番安いのはAmeritradeだと思いますが、シェアはeschwab の方が大きいはずです。(最近のデータを見ていないので、ちょっと不安ですが)

でも安いことは、消費者にとってよいことではないでしょうか。予算の都合で、毎月10冊しか買えない本が15冊買えるなら、それはとても幸せなことですし、10冊しか欲しい本がなくても、残ったお金で他のものが買えるでしょう。
私はネットが「安売り競争の道具」であってもよいと思っています。もちろんネットはそれだけの存在ではありませんが、、、

Dell Computerはダイレクトモデルによって、顧客のニーズにあったパソコンを低価格で供給していますが、ユーザ・サービスでもとても定評のある企業です。他の大手のパソコンメーカよりサービスも上かもしれません。
AmazonがBuy.comより多くのユーザを引きつけているのもサービスの差ではないでしょうか。

From: 前川 徹
.Subj: 【56】コーディネーター 〜 日本型ECビジネスモデルについて
日本型ECビジネスモデルに関する議論を少し整理しておきたいと思います。ただ、すべての意見を正確に要約するだけの能力はないので、印象に残った部分だけになるかもしれません。

まず、テーマを取り上げた背景は、日本でコンビニをECの拠点とする動きがあることです。それは何故か? コンビニの少ない地方ではどうなるのか? どのような商品がコンビニ経由になるのか? コンビニ利用型のECは定着するのか? 他に日本型のビジネスモデルと呼べそうなものはあるか? という疑問を提示しました。

これに対して様々な意見が出ました(以下の順序は必ずしも時間順には並んでいません。敬称は略させていただいています)


【コンビニが拠点になりつつある理由は何か?】

単純に流通コストのせい(富士ゼロックスの林浩一さん)

郵便、宅配便より発送料が安い可能性が高い。そうであれば2000円程度の商品もECで購入可能。また、任意の時間に受け取りが可能であり、消費者のCSの向上、事業者にとっての在庫の圧縮、物流コストの削減にもなる。(大和証券の南雲修さん)

手渡してくれるのが「配達人」ではなく、「売り手」であるという安心感(jTRUSTcの高木寛さん)

物流、特に商品の消費者への受渡に関しては、時間的制約がないことも大きなポイント。いつ来るかわからない宅配便よりも、毎日一度は立ち寄るコンビニで注文した商品を受取る方が、利便性が高い。(大和証券グループ本社の山本雄大さん)

個人的に自宅で宅配を受けるのはあまり好まないので、コンビニがECの拠点になることを望む。一人暮らしの人や共稼ぎの家では同じではないか。ただしコンビニが本流になって欲しいわけではない。コンビニは拠点の一つ(インフォメーション・コディネータの杉井鏡生さん)

(反論)24時間いつでも、注文OKで、来て欲しい時間が指定できる宅配サービスなら宅配でも配達待ちの拘束感はなくなる(富士ゼロックスの林浩一さん)

ウェブバンの配送指定時間は30分刻み、配達待ちの拘束感は30分程度だとほとんど感じない(ITジャーナリストの小池良次さん)

郵便局の「ゆうパック」は、留守だと「配達票」を残して持ち帰るが、配達された人は、この配達票に希望配達日を指定して再配達を受けることもできるし、直接、郵便局に行って受け取ることもできる。いずれにせよ、複数の手段があり、選べることが大切(東京大学の中山靖司さん)

「ECで発注した商品が、地元の広告チラシと一緒に届けられる」ことこそ、配送手段の選択肢を豊富に確保しておくことの カギ になりうる。(アスキーの中野潔さん)

受取人がデポまで取りに行くより、向こうから物が配達されるほうがやはり便利な場合もある(カナダ連邦政府天然資源省の飯坂譲二さん)

都心に通って共働きをしていた頃は、書留と宅配便は鬼門だったが、SOHO事業者になって家にいるようになると、宅配の方がずっと便利に感じられるようになった。ただ、車が家の前に停まるたびに、自分も地球温暖化に貢献しているんだ、と、とてもうしろめたい気にもなる。(ユーディットの関根千佳さん)


【コンビニの少ない地方では?】

地方においての拠点はガソリンスタンドが有望ではないか?(慶應義塾大学の鈴木寛さん)

米国ではガソリンスタンドがコンビニを兼ねている。日本でも同様にガソリンスタンドが拠点になる可能性は高い(中野さん)

車が運転できない年齢層も増えるのでガソリンスタンドもどうなることか。また、日本はこの時期、雪に閉ざされる地域が非常に多いので、宅配はありがたい。家にいる高齢者にとっては、宅配がなかったら本当に孤立する可能性がある。(地方の)拠点としては病院や地区センターなどの情報センター化も有望。(関根さん)

全国的には,郵便局,小学校,駅なども,拠点候補になるが、都市圏における,実感ベースでは,コンビニの活用は不可欠(NTTデータの宇治則孝さん)


【コンビニは定着するか?】

日本でも米国のように夜間にコンビニに行くのは危険になる可能性はないか(日本シスコシステムズの櫻井豊さん)

ECは事業者と消費者を包むビジネスカルチャー抜きには考えられないので日本型EC存在を信じる(野村総合研究所の村上輝康さん)

コンビニを拠点にするのは一時的なもの(飯坂さん)

過渡的な折衷策ではないか。店舗引き渡し+オンライン決裁ということだけがもたらす利便性は、店舗活性化という以外に、顧客にとってもあまり多くなく、さほど展望は無いのではないか(JCA-NETジャーナリストの福冨忠和さん)

店頭渡しならば配送コストをゼロ、宅配ならば宅配料徴収という風にサービスの多様化という観点ならばコンビニ店頭という形態が無くなるとも思えない(野村総合研究所の水野隆一さん)


【日本型ECについて】

日本独自のモデルというものがあるのかどうか疑問(飯坂さん)

共稼ぎや外食、夜遅くまで商業施設が営業してやはり帰宅が遅いと思われるアジア地域でもコンビニの密度が上がれば、同じビジネスモデルがアジア地域でも可能(山本さん)

日本型ECビジネスモデルについて振り返ってみると、日本型物流システムを議論しているのではないか。(飯坂さん)

現時点でのインフラの上のアプリケーションである物流・決済モデルを日本型と言ってしまうのには抵抗がある。(林さん)


【他に日本型ECと呼べるものはあるか】

確かにモバイルとコンビニは日本的モデルだと思うが、もう1つ、「中小電子商店」の圧倒的レベルの高さも日本的特徴だと思う。(エムアンドエム研究所の三石玲子さん)

(三石さんの意見に関連するコメント)クレジットカードの支払いサイトの問題と、伝票処理の問題を解決しないと、再び、大型店が大型店だというだけの理由で有利になる。(中野さん)


【高齢者とEC】

寝たきりの高齢者のことを考えると、たとえ大都市圏のコンビニであっても、そこまで取りに行く必要があるというのは大きな制約になる。また、高齢者の方が、概して情報リテラシーが低いので、EC時代の商品購買エージェントとして、ホームヘルパーの役割が重要になる(林さん)

高齢者の情報リテラシーが低いのは過渡的状況(水野さん)

昭和一桁の私の母親は、パソコンやインターネットの習得の方が,重い荷物をぶら下げて歩くより,はるかに容易だと言っている。(櫻井さん)

あと3年もすると世代が変わる。キーボードアレルギーの人はすぐ人口的にマイナーになる。(飯坂さん)

(カナダでは)老人のE-mailブーム。コミュニティーセンターには、老人用のコンピュータ・クラスがあり、老人ホームにもクラブがある。メールによるお喋りのみでなく、オンライン・バンキングや投資クラブといった応用にのめり込んでいるそうだ(飯坂さん)


【脇道的話題 --- 価格以外の訴求方法 ---】

ネットビジネスには価格以外には訴求方法ないのだろうか?価格ではなく、付加価値競争を検索するような逆オークションや検索システムは作れないのだろうか(水野さん)

ユーザーから見ると価格競争が一番わかりやすいし、「まず、自分の電子小売店に客を寄せること」を狙って赤字覚悟の大幅ディスカウント広告をしている面が強調されすぎているからではないか。実際、電子小売店の場合、価格だけでなく利便性とかセキュリティーとかに納得することがリターン客につながっているのではないか(小池さん)

客は必ずしも特売品だけを買うわけでもない。オフィース・デポ(Office Depot)の説明によれば、ウェブを使って購入するお客は明らかに高いコンピュータ用紙を買う傾向にあるという。またデル・コンピュータも同様にオンライン受注の方がコール・センターを使った受注より客単価が高いそうだ。(小池さん)

ECの成功要因として、利便性とかセキュリティーようなものが重要であること分かるが、それも一定の価格競争に勝ち残るという前提条件があるのではないか。値段は安くないけれども、優良品ばかり扱っているサイトと値段の安いだけのサイトを比較する方法はないか?(水野さん)

第2世代価格比較エンジンでフリクションレス・コマース社(www.frictionless.com)というものがあります。ここは価格だけでなく、性能など、いくつかの要素を比較検討する総合比較型サイトです。おっしゃる優良品も探せるサイトみたいです。(小池さん)

ECにより明らかに簡単になる付加価値として、情報によるフォローがあげられる。商品購入者に対して、その商品を楽しく、あるいは便利に使うための情報を事後的に提供する、というもの。各小売店が、フォロー情報の種類や質を競ってECするようになれば、かなり面白い。(メールマガジン・プロデューサーの加藤良平さん)

From: 村上 輝康
.Subj: 【57】日本型ECと日本発EC
まず「日本型EC」という概念は、相当日本的なローカルな概念だと思いますが、これがこのネット会議でほとんど抵抗なく受け入れられて議論が進んできたのに、強い印象を受けました。昨年の今ごろ私が「日本発のEC」とか「日本型のEC]といった言葉遣いをすると、たちどころに「ECは本質的にグローバル、ECに日本型なんてありえない、日本型も米国型もない、あるのはグローバルなインターネット型だけ」という反論がたちどころに返ってきました。形勢不利でも、良い具体的事例がなく、力強い反論もできずにいたのを覚えています。
コンビニ・インターネットとiモードという、具体的なケースが出てきて、日本のECにも自信が出てきている、ということでしょうか。

ただ、ここへきて「日本型のEC」と「日本発のEC」は異なっており、自分達が追求しているのは、あくまで「日本発のEC」であって、「日本型のEC」ではない、という思いを強くしています。
「日本型のEC」というと、米国に起源をもつグローバルなECの突然変異亜種のECが日本から出てきた、という感じがありますが、「大容量の店舗キオスクとインターネットとコンビニカウンターの認証・決済・受渡し機能を結びつけたビジネスモデル」は、ECの標準形をコンビニ事業にあてはめた結果ではないと思います。

むしろ、地価の高い日本で行われるコンビニ事業において、いかに頭打ち気味の店舗面積あたりの収益性を高めるか、一店舗あたりの扱い商品点数の物理的限界を超えるか、という、常時追求されている経営課題に出発点があり、ECの仕組みが利用された結果が、今はやりのコンビニ・インターネットという、ECの世界では特異な事業形態な訳です。

結果的に日本型になっていますが、本質的には「日本発」なのだと思います。
ですからこのモデルは、アメリカでは普遍性を持たないかもしれませんが、ヨーロッパやアジアでは、普遍性をもって普及する可能性があるのです。日本型という日本市場にしか生息しえないモデルよりも、グローバルな普及力をもつ「日本発EC」について議論したいですね。

From: 藤元 健太郎
.Subj: 【58】仮説2つ
日本型ECビジネスモデルを考えるときに以下の仮説を考えています。みなさんいかが思いますか?

1.海外よりも多様な利用シーンに応じたモデルが少し早く登場する。
・携帯やゲーム機,カーナビなどのNonPCとコンビニなどのリアルな拠点を利用することが早期に可能なため,PCと家庭,オフィスというインフラを前提に組み立てたモデルよりも多様なモデルを産み出すことが可能になるのではないか?

Ex)あるコンビニの周囲300m以内に存在する20代の人に対して今から2時間以内有効なデジタルクーポンを携帯に対して配布するというビジネスなど
→時間軸と動的なエリア情報を活かしたビジネスは日本が早いのではないでしょうか?

2.日本が強い製造業と生活者ニーズを直結したサービスの展開が可能。
・シチズンの「マイクリエーション」(時計を自由にカスタマイズし,それをコミュニティに自慢することもできるサービス)のように生活者一人一人がカスタマイズできるような商品は広がるでしょう。
ある組み合わせでのカスタマイズと一定規模のロットがあるコミュニティ(ペットが好きな人たちが集まったマンションなど)で生産するものなどがあると思いますが,大田区の製造業のようなところも含めて高品質の製造能力を活かせば,魅力的なサービスを開発できると思います。ある規模を越えたコミュニティの商品はマスプロダクトとして市場にも流れていくことになるでしょう。
これはすでに生産された商品の販売と物流(価格や物流スピードの議論)という現在のECの中心モデルとは異なりますが,ECの次のステップは生産ラインそのものへのコミュニケーションフィードバックにあると思います。
もちろん製造業以外の金融やソフトウェアなどの知的資産に関しては米国がすでに先に進みつつあると思います。

From: 國領 二郎
.Subj: 【59】仮説2つ
【58】藤元健太郎
日本が強い製造業と生活者ニーズを直結したサービスの展開が可能。
同感です。ネット大好き消費者と圧倒的な実力を持つ製品開発ネットワーク(製品設計、試作、金型、生産ライン設計などのサイクル)を結合させてシステム化することに成功した暁には日本にかなう国はないと思います。

ただし、そのためには「大田区の製造業のようなところ」の情報化を急がないといけません。夏ころにはいまやってる実態調査をご報告できると思いますが、大きなチャンスと重大な危機が混在しているように思います。

From: 中野 潔
.Subj: 【60】仮説2つ
昨年の秋、GMのインターネット事業会社、e-GMのホーガン社長に対して、次のような質問をしました。

「コミュニティー形成型のウェブサイトで、消費者と製造者とが一緒になって、そのコミュニティーの要望に合わせた製品仕様を詰めていくことが十分考えられる。製造者としても、一定の需要が計数可能なのだから、損はしない。e-GMではそんなことを考えているのか」−−。

ホーガン氏は、にやりとして、ちょっと変化球で打ち返すような答えかたで、「障害を持つ人のコミュニティーで、その人たちの仕様にあった特装車を作るようなプロジェクトの経験がある」と述べました。

小職には、「すでに進行中の、小職の質問にかなりマッチしているプロジェクトがあるのだが、時期尚早で触れられないのでは」−−と思われました。
ここ数ヵ月のうちに、こうした動きが、いろいろと表面化するのではないかと思われます。

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