世界情報通信サミット2000
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ネット会議
セッション1 -「モバイルとデジタル家電が拓く新ビジネス 」
モバイルコミュニケーション2
From: 松瀬 哲朗
.Subj: 【11】携帯電話/情報家電について
これまでの皆さんの発言に関連して、携帯電話/情報家電に関する私見を列挙させていただきます。

●ポケベル、ポケットボードが 携帯メールにつながった
ポケベルが若者のコミュニケーションニーズを満たし、ポケットボードがメール文化を立ち上げた。そして今 携帯メールの伸び。ポケットボードがはやりだした頃、ゲーム機パッドを両手で持つのと同様の構えで、両親指だけでポケットボードで高速文字入力しているOLを電車で見た時はそのあまりのみごとさにあっけにとられてしまいました。今の人は親指が鍛えられています。

●iモードはインターネットコンテンツの常識をくつがえした
従来の「インターネットのコンテンツは無料であり、お金はとれない」の定説を見事に覆し、iモード契約者の半数が有料コンテンツ契約をしている。最近は携帯で話すのでは、小さなディスプレイをじっと眺めたり、せわしく親指を動かしている人が増えてきました。

※面倒くさがりやの私自身は外出中/帰宅途中でのニュースチェック程度にしかiモードを活用していません。iモードメールも朝会社に向かう途中「出社が遅れます」程度のみ。

●iモードの大成功は世界をあわてさせている
1年間で300万突破という驚異的な状況に、当初のんびりWAPでいこうかと構えていた海外ベンダーは目の色を変えた。第3世代の先行も含め日本携帯市場はまさに注目の的。

●買い替え需要が市場を活性化
日本は携帯電話実需の70〜80%が買い換え。海外は概ね30%程度で日本のみ突出。日本は裕福なのかスピードが速すぎるのか。

●ビジネスモデルは End-to-Endへ
おかげさまで携帯電話では大きな利益を上げさせていただきましたが、グローバル・シームレス競争の今後は端末のみでは負け

組になるのは明らか。弊社も遅ればせながら、局/サーバ、サービスまでを視野に入れたEnd-to-Endソリューションに大きくシフトし始めていますが、ビジネスモデル特許ブーム(アメリカの策略か?)で暗雲も。

●家庭内ネットのユーザニーズはどこに
1394, HAVi, エコーネット, UPnP, Javaなど各種各層の技術が入り乱れた観がありますが、家庭内ネットのユーザニーズ・キラーアプリはまだ捉えられていないように思います。

●ホームゲートウェイ
各種のアクセスネットワーク網と家庭内ネットワークの接点となるホームゲートウェイが今後あらゆる面で議論の対象となってくるように思います。へたなものが世に出ると大混乱をまねく可能性がありますし。

From: 杉井 鏡生
.Subj: 【12】ケイタイ人気の仮説
【8】坪田知己
日本人は「寂しがりや」なんでしょう。コミュニケーションが欲しいのでしょう。
という点、日本人が特別にそうなのかどうかは分かりませんが、「コミュニケーション」を求めているというのは、まさにそうだと思います。
私の感覚でいくと、「コミュニケーション」というより「コネクション」というか、身体の延長的な感覚で”つながっている感覚”を若者たちは求めていたのではないかと思っています。
その意味で、「コネクション感覚」がキラーコンテンツとなったのではないかという仮説を持っていますが、どうでしょう。

私は歳のせいか、若者たちのケイタイ・コミュニケーションは、コンテンツと呼ぶには貧弱な内容に思えますが(ごめんなさい)、しかし、コンテンツとはそこで交わされている情報内容であると思う私の感覚こそが貧弱なのでしょう。
情報内容と関係なく生み出される”つながっている感覚”は、どのように優れたクリエイターでも外からは供給できない、利用者自身だけが生み出せる至高のコンテンツだったのではないでしょうか。

携帯電話の場合、当初、事業者はコンテンツやアプリケーションといえるもので利用を延ばしたというよりは、利用者自身が”つながっている感覚”というコンテンツを生み出す環境を提供したことが利用の伸びにつながったのだと思います。
そして、いまアプリケーションの形で”つながっている感覚”の環境が提供されようとしているのがiモードなどのデータ通信系のコミュニケーション・ネットワーク・サービスなのだろうと思っています。

ただし、私は小型情報端末が好きで、これまでは、いろいろな携帯機器を買ってきたのですが、なぜか携帯電話は持っておりません。私の場合、どこにいても”つながれてしまう感覚”が苦手なのです。まさにレガシーです。

From: 櫻井 豊
.Subj: 【13】日本の進むべき方向?
【8】坪田知己
ECの方でも、三石さんが「米国はビジネスモデルでガンガン攻める。日本は『崖っぷち』の個人商店が思い入れで勝負する」と言われています。CMだって価格を連呼する米国に対してウエットだったり、独特の「お笑い」だったりで。この国は独自のコミュニケーション文化があるのでそれに乗っかっているような気がします。モバイルは。

それが,日本の状況であることは理解できます。
しかしそれは,日本が進むべき方向なのでしょうか?私達もそれを望んでいるのでしょうか?もし違うのであれば,我々は何を成すべきなのでしょうか?もしそうなのであれば,私はどっかに移民します。(^_^)

【8】坪田知己
日本人は「寂しがりや」なんでしょう。コミュニケーションが欲しいのでしょう。ECの方でも、三石さんが「米国はビジネスモデルでガンガン攻める。日本は『崖っぷち』の個人商店が思い入れで勝負する」と言われています。CMだって価格を連呼する米国に対してウエットだったり、独特の「お笑い」だったりで。この国は独自のコミュニケーション文化があるのでそれに乗っかっているような気がします。モバイルは。

From: 坪田 知己
.Subj: 【14】快適な情報環境
【13】櫻井豊
しかし、それは,日本が進むべき方向なのでしょうか?私達もそれを望んでいるのでしょうか?もし違うのであれば,我々は何を成すべきなのでしょうか?
強烈なパンチをいただいたので、私の持論を申し述べます。

情報化社会とは、情報がたくさんあることでも、情報機器の売上高が多くなることでもない−−と思っています。
工業化社会は、物について大量に安く作る技術を競ってきました。
情報化社会は意思決定の質とスピードを競う社会だと思います。

となれば、携帯は常時持ち歩くのですから、ニュースを受けて部下に指示したり、行き先の街の(おいしい店とか)情報を得たりする重要な機器だと思います。
まだ、iモードの情報も発展途上です。これから「これは便利」を思われる情報がどんどん作られるでしょう。

我々コンテンツ企業としては、機器の発達、使い方の発達に合わせて、新しいコンテンツの形を作っていき、最終的に、多くのユーザーに「快適な情報環境」を提供しなければならないと思っています。

From: 池田 信夫
.Subj: 【15】帯域保証型のネットワーク
【7】飯坂譲二
Internet2があと数年実現しそうですが2.6Gbpi程度の速度になると聞いています。
バックボーンなら、日本でもKDDの「テラビット・ハイウェイ」はIP over WDMでテラビット級を実現する計画で、NGIとかインターネット2の存在意義は疑問です。経企庁長官は「情報新幹線」とやらを唱えているそうですが、今や問題はバックボーンではありません。

英語のメーリング・リストにも書いたことですが、問題は「最後の1マイル」よりもむしろインターネットそのものをどう迂回するかです。現在のようなbesteffort型のネットワークは、しょせんテキストベースのウェブの世界のもので、われわれのやっているストリーミング配信にはまったく向いていない。

ここでは、Akamaiのようなキャッシング技術や通信衛星のような帯域保証型のネットワークが重要です。「デジタル放送」に使う予定のUHF帯などもインターネットに開放すべきです。

From: 関口 和一
.Subj: 【16】コーディネーター 〜 モバイルとデジタル家電の議論のテーマ
すでに議論が始まっているようですが、話を整理する意味で、まず次のテーマから議論を進めて参りたいと思います。

昨年、この分野のコーディネーターをお願いした中村さんから的確な問題提起がありましたので、それを軸に皆さんのご意見をお願いします。
【1】中村伊知哉

1 日本でモバイルが濃く発達してきた理由は何か料金設定方法や端末製造技術よりも重要と思われる、コミュニケーション文化や子供たちの消費行動、などの要因をどう読むか。米独仏英に対する優位性(があるとすれば)は続くのか。

2 日米のインターネット構造は別の道を進むのかアメリカのPC-ケーブル型のインターネット構造に対し、日本はモバイルやテレビを軸とするインターネットの道を進むのか。5年後、日本が世界をリードする姿を展望できるだろうか。

※例えばこのような姿は成り立つでしょうか
・2メガ級は、アメリカではCATV-ADSLで実現し、日本はケータイで実現する
・100メガ級は、アメリカでは見通しが立たず、日本はFTTHとデジ タル放送で実現する
グローコムの池田さんからは、携帯では電子商取引には容量的に少ないとという指摘、大和証券の南雲さんからも、携帯は画面が小さい、セキュリティーが甘い、といったご指摘をいただきました。

私個人としては、会津さんが指摘されているように「iモード」は日本の規格で、「WAP」との連携も大切なように思います。実際、「iモード」からは海外サイトの株のクオートなどを見ることができません。

よく「米国はブロードバンド、日本は携帯でインターネットやECが拡大する」といわれていますが、果たしてそういう形になるのでしょうか。

モバイルにまつわる問題点、利便性、それから日本市場との相性など、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

From: 岸上 順一
.Subj: 【17】情報が広告モデルから使用料へ
【16】関口和一
モバイルにまつわる問題点、利便性、それから日本市場との相性など、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
i-modeは確かに日本独自ですが、そんなことはすでにあまり問題ではないと思います。セキュリティに関しても普通のインターネットでの取引よりもはるかに高いレベルにあるでしょう。一番面白そうな点は情報が広告モデルから使用料へ変わったインターネットでの唯一の例であるところだと思います。

From: 林 浩一
.Subj: 【18】ケイタイ人気の仮説
【12】杉井鏡生
私の感覚でいくと、「コミュニケーション」というより「コネクション」というか、身体の延長的な感覚で”つながっている感覚”を若者たちは求めていたのではないかと思っています。その意味で、「コネクション感覚」がキラーコンテンツとなったのではないかという仮説を持っていますが、どうでしょう。
私は杉井さんのおっしゃるコネクション感覚を、これからのネット社会で必要になる、人間の知覚の拡張という視点で捉えたく、そのニーズは特に、日本に限るものではないと考えます。

ここ数年の、CSCWやCHIといった、コンピュータとヒューマンコミュニケーションの関連を重視する国際会議の動向を見ていますと、研究の焦点が過去20年間の主テーマであった人間の知的能力の拡張から、知覚の拡張へと大きくシフトしているのを感じます。

コラボレーションの研究(CSCW)においてはAwarenessがここ数年の議論の焦点ですし、ヒューマンファクターの研究(CHI)においてはTangible Computingに、強い関心が集まっています。これらの研究でめざすところのひとつが、ネットで繋がった先で何が起きているのか、

相手が何をしているのか、何をしようとしているのかがわかる、といったところにあります。それも、直接的なテキストで情報を伝えるのではなくノンバーバルに、また、コンピュータの画面以外の手段を通じて間接的に伝え合えるということが非常に重要な要素になってきています。この視点で見ると、数年前流行った、ポケベルの番号での気持ちの伝達や、携帯のチャクメロなどは非常に興味深い題材です。

このようにネットの先で何が起きているかを知りたいというニーズは、日本特有のものではありません。ただ、日本では、気分や雰囲気を伝え合うということが、コミュニケーションにおいてことさら重要な意味を持っているように思います。私の偏見かもしれませんが、近年、しかも若者にその傾向はますます強くなっているとも感じます。学校生活の中で、意見を合理的、論理的に伝えるための訓練が少ない一方、周りの気分や雰囲気など情緒的なものを察知し協調することがより強く求められているせいかも知れません。

これが正しいことなのかについてはわかりませんが、モバイルからアクセスできる情報を充実して行くという方向だけでなく、繋がっている人同士での気持ちや気分の交換チャネルを増やすことも方向として見ておく価値があると考えております。

From: 藤原 洋
.Subj: 【19】日本のモバイル発達理由2つ
【1】中村伊知哉
1 日本でモバイルが濃く発達してきた理由は何か料金設定方法や端末製造技術よりも重要と思われる、コミュニケーション文化や子供たちの消費行動、などの要因をどう読むか。米独仏英に対する優位性(があるとすれば)は続くのか。
マーケットリーダーシップと技術開発力の2つがあったために日本でモバイルが濃く発達してきたと思います。

(1)マーケットリーダーシップは、非常に重要で、これは、単なる儲け主義とは違う、新しいマーケットを作るんだという歴史的使命感のようなものだと思います。日本のような平等主義の中で、個人的なインセンティブが少ない社会で、これを実現したのは、NTTから分離独立したNTTドコモ経営陣および幹部による強力なリーダーシップが、あったことで、これは、現在も継続していると思います。かつて、ビル・ゲーツが、Microsoft社を公開させるずっと前に、何度か会った時に、マイクロプロセッサで、社会を変えるんだという強いエネルギーとリーダーシップを感じましたが、モバイルでで、社会を変えるんだという強いNTTドコモ・リーダーシップに共通点があると思います。これに反応したのが、対抗勢力の存在でしょう。光通信を中心とする個人インセンティブ型のセールスパワーは、対局にある存在だと思います。当分野の市場競争も日本型で加速しているように思います。

(2)マーケットにおけるリーダーシップが、うまくいくと、技術者に夢が生まれる訳です。キャリア側では、NTTドコモの高い技術力、また日本メーカーの高い小型実装技術力が、もともと潜在していたと思います。そこへ、マーケットが、当分野のエンジニアに世界のトップを走るチャンスを与えたということではないでしょうか。私は、もともと技術者ですが、エンジニアの最高の喜びは、自分達の技術で世界のトップを走ることです。金銭的なリターンは、主要なモチベーションではないと思います。

From: 櫻井 豊
.Subj: 【20】情報化社会
携帯端末が,坪田さんのご指摘のようなポジションにあることは,私も認識しています。また,情報化社会が意思決定の質とスピードを競う社会だということも,7年前に日本メーカーから今のところに転職して以来,日々痛感しています。

でも,それを実現する強力なツールが今の携帯電話系ネットワークサービスだと言われると,ちょっと違うような気がするのです。
情報化社会の裾野を広げる手段・ツールとしては,私も「悪くない」と思っています。でも,国際競争力を持つ人材を鍛え育てるためのツールには,あまり思えません。

良い・悪いは別として,世の中が二極分化するのなら,その片方だけに注力しても仕方ないのではないか,という疑問からの問題提起です。

将来の携帯電話(の発展系)については私も想像つきませんので,ここでは議論しませんが,少なくとも現在の携帯電話系ネットワークサービスでピコピコやっても,国際社会で通用する人材は育成されないのではないかという危惧です。

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