世界情報通信サミット2000
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ネット会議
セッション1 -「モバイルとデジタル家電が拓く新ビジネス 」
モバイルコミュニケーション1
From: 中村 伊知哉
.Subj: 【1】関心事項
1.日本でモバイルが濃く発達してきた理由は何か
料金設定方法や端末製造技術よりも重要と思われる、コミュニケーション文化や子供たちの消費行動、などの要因をどう読むか。米独仏英に対する優位性(があるとすれば)は続くのか。

2.日米のインターネット構造は別の道を進むのか
アメリカのPC-ケーブル型のインターネット構造に対し、日本はモバイルやテレビを軸とするインターネットの道を進むのか。5年後、日本が世界をリードする姿を展望できるだろうか。

※例えばこのような姿は成り立つでしょうか・2メガ級は、アメリカではCATV-ADSLで実現し、日本はケータイで実現する・100メガ級は、アメリカでは見通しが立たず、日本はFTTHとデジタル放送で実現する

From: 坪田 知己
.Subj: 【2】日本のモバイルの発展
【1】中村 伊知哉
1.日本でモバイルが濃く発達してきた理由は何か
日本のモバイルの発展は「PHS」にあったと思います。PHSが出てきで、端末がただ同然で売られるとかで、携帯電話が危機感を持ち、料金の値下げ、機能や機器の軽量化の競争が盛んになったということで、あれがなければ、いまだに携帯は高根の花だったのではないでしょうか。入鹿山さんのご意見はどうでしょう。

【1】中村 伊知哉
2.日米のインターネット構造は別の道を進むのか
私はこのように考えています。コンピュータ屋さんが考えたインターネットは当初、通信屋さんからは「ベストエフォート型なんて通信じゃない」と言われていました。でも世界標準になりました。放送もデジタル放送になれば、コンピュータ屋さんに乗っ取られると思います。
問題は、個々のモバイル機器や情報家電ではなく、トータルに情報をハンドリングするアーキテクチャだと思います。その中心にはユーザーがいます。ユーザーを主人公として、どのような機能をそれぞれの機器が分担して担い、機器が横に連携して「情報環境」を作っていけるか。そのアイデアが優れていれば、日本が世界をリードすることも可能でしょう。
高密度実装のような作りこみの技術だけでは勝てないと思います。家電屋さんとコンピュータ屋さんと通信屋さん、放送屋さんが知恵を出し合って「快適環境」を考えて欲しいと思います。
通信速度の問題より、連携の考え方が先だと思います。

From: 池田 信夫
.Subj: 【3】2メガ級と100メガ級
【1】中村伊知哉
例えばこのような姿は成り立つでしょうか
・2メガ級は、アメリカではCATV-ADSLで実現し、日本はケータイで実現する
・100メガ級は、アメリカでは見通しが立たず、日本はFTTHとデジタル放送で実現する
技術的な話ですが、携帯で2Mbpsは無理です。W-CDMAの2Mbpsというのは、一つの無線局を一人で占拠した場合の理論上の帯域で、最大384kbpsということになっているデータ通信も、保証されるのは64kbpsです。

FTTHはともかく、100Mbps級のインターネットを「デジタル放送」で実現することは不可能です。なぜなら、いま予定されている「データ放送」では、IPもHTTPもサポートしていないばかりか、HTMLの表示もできないため、インターネットと相互接続できないからです:http://www.wwvi.org/maps/bml-review.html

このインターネットから孤立した方式でデジタル放送が始まると、日本は世界から取り残されるでしょう。2月2日の日経新聞朝刊にも、デジタル放送が「ネット情報と融合」するという連載記事がありますが、これは誤報です。

From: 入鹿山 剛堂
.Subj: 【4】日本のモバイル技術の発達
日本のモバイル技術の発達の背景は、【2】坪田さんのご指摘のとおり、
ひとつには、携帯電話、PHSの事業者間の競争の激化の影響があります。通信事業者が端末を販売する場合、インセンティブをつけて、タダ同然で配布して、通信トラフィックで収益を得るという構造が、それを加速させました。
もうひとつには、もともと、SONYのトランジスタラジオなど、小さい精密機器の開発が得意であるという国民性があります。小さくまとめあげることは、モバイルの携帯性には重要です。薄型ノートパソコンやPDAでも、日本の技術は群を抜いています。

また、地理的な影響もあります。 島国で、人口の密集している地域が限られているため、無線通信インフラ(特にデジタルの)の整備がしやすかったこともあります。
もうひとつは、均一化されている国民性、さらには、箱庭文化といったこともあるでしょう。

From: 櫻井 豊
.Subj: 【5】日本の携帯電話フィーバ
【4】入鹿山剛堂
日本のモバイル技術の発達の背景は、坪田さんのご指摘のとおり、
今,少し気になっているのが,日本の携帯電話フィーバでメーカーは「大儲け」できたんだっけ? という疑問です。
実際には美味しい思いをしたのはDoCoMoではなかったか。(メーカーも悪くはなかったと思いますけど。)

何が言いたいかというと,日本は情報家電で有利だという日本人の心の琴線をくすぐる話に飛びつく前に,実は新しい「サービス」あるいは「ビジネスモデル」を発明して提供したところが,真の勝利者なのではないか,ということです。
端末は,そうした「サービス」や「ビジネスモデル」にくっついてくるものであって,主役にはならないのでは?

結局,親の総取り?でやられちゃいそうだなぁ,と。

From: 中村 伊知哉
.Subj: 【6】日本型モバイル?
日本でのモバイルの発達に当たり、競争や技術力など提供面で優れていたことは重要だと思います。着信課金の有無など料金設定の違いも利用の深度を左右している面が大きいと思います。

でも若者層の可処分所得だとか、モノに対する見栄の度合いとか、コミュニケーション行動の特異性とか、小さいモノを持ち歩いて操作する習性だとか、右手の親指ひとつでメール打てる技芸だとか、そういう利用サイドの特性の方が要因として大きい気がします。

私が気になっているのは、技術面や提供面の問題であればそれを導入すればその国も追いつくということなのに対して、国民性みたいな面が大きいとすると他国にはちょいとマネできない日本型ということになるわけで、さてモバイルはどっちなのだろう、あるいはどの程度の複合問題なのだろうということです。これはECの方の議論も(日米で逆方向の)同じ問題だと思います。

From: 飯坂 譲二
.Subj: 【7】Internet2
【1】中村伊知哉
例えばこのような姿は成り立つでしょうか
・2メガ級は、アメリカではCATV-ADSLで実現し、日本はケータイで実現する
・100メガ級は、アメリカでは見通しが立たず、日本はFTTHとデジタル放送で実現する
Internet2があと数年実現しそうですが2.6Gbpi程度の速度になると聞いています。

この速度は単にこれまでのNetの高速化とは質の異なった応用が可能にします。アメリカ政府主導のインフォメーション・ハイウエイトは別で、科学技術の推進にかなりのインパクトがあると思います。

From: 坪田 知己
.Subj: 【8】日本型モバイル
【6】中村伊知哉
国民性みたいな面が大きいとすると他国にはちょいとマネできない日本型ということになるわけで、さてモバイルはどっちなのだろう、あるいはどの程度の複合問題なのだろうということです。
普及の前半は、入鹿山さんの書きこみの通りですが、iモードの一番人気が、バンダイの「どこでもキャラッパ」というキャラクターだったり、これからゲームも登場しそうですが、日本型の色彩が濃くなったと感じています。「ベル友」なんて海外にはなかったでしょうから。
日本人は「寂しがりや」なんでしょう。コミュニケーションが欲しいのでしょう。
ECの方でも、三石さんが「米国はビジネスモデルでガンガン攻める。日本は『崖っぷち』の個人商店が思い入れで勝負する」と言われています。CMだって価格を連呼する米国に対してウエットだったり、独特の「お笑い」だったりで。この国は独自のコミュニケーション文化があるのでそれに乗っかっているような気がします。モバイルは。

From: 南雲 修
.Subj: 【9】モバイルとデジタル家電(iモードとECについて)
モバイルについて、レポートします。

1.iモード等について

(1)当社では、1999年2月下旬より、NTTドコモのiモードによる株式情報サービス、株式売買等のサービスを実施しています。

(2)発売当初の端末の実売価格の低下(数千円)と共に、昨年の夏から、急速に利用者が増えています。

(3)モバイル端末として考えた場合、単独使用よりも、パソコンとの併用が多い状況と考えています。

夜間は自宅で、パソコンで情報量の多いWEBを閲覧、昼間はモバイル環境で軽いコンテンツの利用と考えられます。

証券会社という観点からは、パソコンで大量の情報を引き出し、モバイル時および、会社のパソコンを使わないで昼休みにiモードを使っての利用が想定されます。(最近は、社内LANではSSLを使ったコンテンツは使えないようにシステム管理者が設定する例があります。個人的には、公私の使い分けとしてはベータと考えます。)

(4)iモードのセキュリテイ
iモードは携帯電話とNTT基地局との間でデジタル暗号化して送信され、基地局からは専用線で各コンテンツ事業者との間で結ばれ安全性が保たれています。最近、iモード用のSSLの技術もできたみたいでこの辺はどう、なんでしょうか。

(5)iモードの通信速度及び表示可能WEB通信速度9600bpsは、遅いと思います。また、表示可能コンテンツがかなり制約があると思います。

(6)現状でのiモードに適したコンテンツ

     (5)の制約から、適したコンテンツ

a.ポータル機能(ビジネスとしたは、iモードでのEC事業者および、インプレッション数を狙ったマス広告が最適と考えられます。但し、採算はどのぐらいで取れるようになるのでしょうか?)

b.説明、細かい商品の確認が必要ない商品のEC

金融商品(株式の売買、銀行の送金業務)
交通機関のチケット(航空券、JR等)
映画、コンサートのチケット

c.飲食店の予約サービス

(7)将来展望通信速度、液晶画面の拡大、メモリー機能の拡大により、パソコンベースのサービスに近づく可能性があると思います。

この当たりが早期に実現すれば、パソコンを使ったインターネットよりも、携帯電話(iモード、DDI,セルラー)が情報通信革命の主役になる可能性があります。

From: 南雲 修
.Subj: 【10】モバイルとデジタル家電(モバイル端末とEC)
モバイルとデジタル家電(モバイル端末とEC)について、レポートします。

1.モバイル端末とインターネットは現在、うまくいってないと思います。

2.うまくいかない理由はコンテンツ提供者が、パソコン向け、iモード用のコンテンツを作っており、モバイル端末、デジタル家電で表示した場合は悲惨なことになります。

3.パソコン用コンテンツでは、NS、IE、MACで800×600程度の画面サイズを想定して、WEBが現状では作られています。

このため、画面サイズが小さいモバイル端末では縦横の画面スクロールで実用に耐えません。また、デジタル家電等でTVで表示した場合には画面の規格が違うため、かなり、ストレスの感じる状況になります。

4.さらに厳しいのが、SSL128ビットの通信がサポートされない端末が多い状況は、ECにとっては、致命的な状況です。
2000年1月に米国商務省がSSL128ビット暗号通信について、米国、カナダ以外にも輸出を認可したため、金融機関以外の一般ECでも、SSL128ビットが急速に進むと考えられます。
この、場合に搭載ブラウザーを簡単にバージョンアップできない端末は厳しいと考えられます。

5.プラグインソフト、JAVAのサポート
パソコン上では、上記を利用したコンテンツが増えていますが、サポートしない端末が多いため、利用者の不満が多いように感じます。

6.OS、ブラウザーの標準化が進んでいないため、コンテンツ事業者にとっては、扱いにくい端末に現状では、置かれています。

7.結局、モバイル端末では、8インチ程度搭載のWINDOWS98ベースのパソコンもしくはモバイル端末にPHSで64K通信という感じで、本来のモバイル端末は電子メール程度しか実用になりえていないと思います。

8.今後の展望
標準規格の早期実現、セキュリテイ技術の確立(現状ではSSL128ビットへの対応)、プラグインソフト、JAVAの対応が発展するための基本と思います。

上記はパソコン規格への対応をベースにしていますが、上記の要素を満たす標準規格の開発により、パソコン、iモードに続いて、第3のコンテンツ規格が開発されるかも知れません。

いづれにしても、パソコンとiモードに挟まれて、現状では、厳しい状況にあると言えます。皆さんは、いかが、お考えでしょうか?

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