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「ネットワーク経済と情報通信インフラ」・セッション1

<パネリスト>
立川 敬二
NTT移動通信網代表取締役社長
ビル・シュレーダー
米PSINet会長兼最高経営責任者
リー・ダニエルズ
タイタス・コミュニケーションズ代表取締役社長兼最高経営責任者
佐藤 英丸
AOLジャパン代表取締役社長

(司会)中村 伊知哉
MITメディアラボ客員教授

放送・通信の将来像

 中村 回線を使う立場から見ると、今後日本でどう推移していくのだろうか。

 佐藤 今、私が非常に心配しているのは、例えば5000円のジーパンを、オンラインショップで2時間かけて、4800円で見つけたとする。そうするとたしかに安く買えるが、2時間もかけて、しかも電話代、接続料などを考えたら、電車に乗って都心にまで買いに行った方が安い、ということになりかねない。

 だから今、日本人がインターネットに目覚めて、便利じゃないか、と思い始めているときに、10年先の光ファイバーとか、だれでも理解できるシステムを語ることは非常に大事だが、今、我々が身近に、だれでも理解できる電話ラインを効率よく使えるようなシステムを、業界も国も考えなければいけない。

 中村 日本では2000年から地上波のデジタル放送を始める予定だが、日本はテレビ放送の役割、機能が高い。ケーブルテレビや衛星の普及度から見ても、欧米に比べて地上波のデジタル放送が与える意味は大きい。

 佐藤 インターネットのホームページを見るとき、自分からアップロードするのとダウンロードするのとでは、データ量は断然ダウンロードの方が多い。その意味では、衛星回線で提供する方式が安価になれば普及するかもしれない。自分のパソコンに特殊なカードを入れたり、セットトップ・ボックスを接続するなど、仕組みを分かりやすくする必要もある。ただ、そういうわずらわしさがある以上、米国で5000万―6000万人が使っているような規模まで普及するには少し時間がかかると思う。

 ダニエルズ 米国では競争があったためにデジタル化せざるを得なかったし、ペイパービューで収益を伸ばせると企業が認識した。日本ではペイパービューはまだ開発途上にあり、ケーブル会社にはデジタル化する財政的なメリットがない。

 まず顧客が「価値がある」と認め、これだけ価値があれば、そのインフラにかかった設備投資分を自分たちがプレミアムとして負担してもいい、と考えなければいけない。

 シュレーダー 米国の将来は欧州、アジア・太平洋地域の将来と同じだと思う。あらゆる企業が消費者に、インターネットで積極的に展開をしているように思われたいと考えているので、こうした方向への進化がある。また、トランザクションからのディスインターミディエーション(脱仲介)が起こっているが、それに取って代わる新しい仲介機能が出てきている。

 ゲイツ氏が言ったように、アマゾン・ドット・コムはいま革新的なことをやっている。従来の書店は本の卸を撤廃することはできないと考えていたが、アマゾン・ドット・コムは消費者に大きなメリットがあると考えて、規制対象となっていない分野で革新的な事業を実現した。

 中村 日本の通信政策はここ数年、NTTの再編成、規制緩和、接続ルールの整備に力を入れて進めてきた。

 ダニエルズ 日本の電気通信市場を見て気がついたことだが、日本政府はかなり積極的、野心的に規制緩和を進め、競争を喚起したと思う。日本市場では自由化が遅れ、競争に差があるといわれるが、10年前の状況に比べれば非常に進歩してきたし、競争の導入によってかなりメリットが出てきたと思う。

 心配なのは、米国が直面している問題と同じ。最後の家庭への1マイルをNTTが独占してしまうのかという点だ。10年前、NTTをどうすべきかという議論があったが、その後も5年ごとに出てきているように思う。折衷案としてNTTの分社化の考え方が出てきたようだが、これは完全な解決策とは言えない。

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