鳴戸 道郎氏世界情報基盤委員会フォーラム アジア共同議長、富士通特命顧問
世界中でブロードバンド(高速大容量)通信の普及が加速し、日本でも利用者が急増している。携帯電話の利用者は7300万人に達し、携帯電話で画像をやり取りするサービスも急速に広まっている。
海外でもこの動きは同じだ。米国では情報技術(IT)バブルの傷跡も残るが、外出先で高速ネット接続サービスが利用できる無線LAN(構内情報通信網)が急成長している。アジアでは韓国がブロードバンド大国として有名だが、中国も携帯電話の利用者数は瞬く間に2億人を超えた。
うねりはさらに続き、今後はネットワークの最終形態ともいえる「メッシュ時代」の到来が予想される。メッシュ型とは、核となる拠点を持たずに相互につながる「非核型」のネットワークだ。これが実現すれば主に次の三つの大きな変革がもたらされる。
1つ目はパソコンや携帯情報端末(PDA)だけでなく、自動車や家電製品など様々な機器が場所を選ばずネットにつながる。2つ目は個人と個人が直接情報をやり取りする「PtoP型」の通信の進展だ。現在のように企業などのサーバーから情報を引き出すのではない。個人間での自由な情報の交換は価値と価値の交換に発展することになるだろう。
3つ目にモノとモノのコミュニケーションが生まれる。無線タグなどがその技術の中心として注目を集めている。流通革命、地球環境への貢献、安全で安心な社会の構築など、生活面で大きな変化をもたらす。
一方でセキュリティーの問題も急浮上している。今年1月に韓国を中心に発生したウイルスによるネット障害はわずか一時間で全世界に広がった。政府、企業、個人が力を合わせて、セキュリティー問題の解決に向けた取り組みを強化する必要がある。