世界情報通信サミット2000
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セッション1 -「モバイルとデジタル家電が拓く新ビジネス 」
デジタル放送・デジタル家電7
From: 中村 伊知哉
.Subj: 【58】HDTV−−>CSとBSとの関連について
【56】池田信夫
いずれにせよ、現在の放送計画には根本的に無理があるので、結局は体力のない局が脱落し、アメリカのように帯域の横流しが始まるでしょう。そうなると方式が乱立して、今のデータ放送のように共倒れになることは目に見えているので、BS/CS共用のIPデータ放送システムを作るべきだ、というのがわれわれの主張です。
ここでBS/CS共用のIPデータ放送システムを作るべきというのは、今後もなお放送では(IPという)強制方式を設定し、枠をはめるのが効率的ということでしょうか。あるいは本来、そうした方式なども事業者に委ね、ビジネスとして判断させればよいが、BS/CSのような現在の仕組みでは一足飛びには困難だから、それならひとまずIPシステムにしておいた方がベターということでしょうか。
つまり問題が「規制内容」にあるのか、「規制そのもの」にあるのか、どう考えるべきかと思いまして。

私も電波行政の改革がメディア政策の最重要課題と考えているのですが、その際、帯域の横流し・方式乱立・共倒れを許容する(あるいはそれを原動力として活かす)仕組みまで行こうとするのが本筋としてあって、文化保護などの観点から事前に担保しておくべきものをギリギリみつくろっておくのが行政の仕事になると思います。

また、ここで展開されている非常に有益な議論をどこにぶつけていくのがいいか気になっております。これは私は規制の枠組み自体が問題なので政治マターだと思うのですが、もし採用すべき技術方式が問題なのであれば行政庁のマターになりますね。

From: 池田 信夫
.Subj: 【59】HDTV−−>CSとBSとの関連について
【58】中村伊知哉
私も電波行政の改革がメディア政策の最重要課題と考えているのですが、その際、帯域の横流し・方式乱立・共倒れを許容する(あるいはそれを原動力として活かす)仕組みまで行こうとするのが本筋としてあって、文化保護などの観点から事前に担保しておくべきものをギリギリみつくろっておくのが行政の仕事になると思います。
うーん、私よりもラディカルなすごい意見ですね。確かに、コンテンツ事業者に聞いてみても、BMLではだめだから独自にIP機能をつけるという話が多いので、ほっておけばde facto standardができる、という考え方もありえます。しかし、乱立→共倒れ→事実上の標準化というプロセスは、少なくとも5年はかかるでしょう。その間にテレビを買った消費者を保護するという点でも、無意味な競争は避けたほうがいいと思います。

また標準として何が適しているかも、競争にゆだねるまでもなく明らかです。伝送方式としてはIP/HTTP、圧縮方式はMPEGしかないでしょう。マークアップ言語も、SMIL2.0という次世代の標準がほぼできています。政府は余計なことをしないで、そうした国際標準を「勧告」するだけでいいのです。

From: 中村 伊知哉
.Subj: 【60】HDTV
日本の映像クリエイターの能力が世界最高水準という池田さんのご指摘に同意します。

そしてそれを支えているのは日本のオーディエンス層の厚み深みにあると思います。パリのメシがうまいのはコックがいいからというよりみんなの舌が肥えているからだと思います。日本の強みは電車でサラリーマンがマンガよんでてもヘンに思われない風土であり、幸か不幸かよその国にはノウハウ教育はできてもこれはマネできない。日本が天才クリエイターを生んでいくためには、デジタルでもこういう風土を維持していくことが大切だと思います。

で、クリエイター支援ということでは、福富さんおっしゃるように、ヨーロッパではフランスのプレゼンスは高いですね(作品の質でいうとフランス・イギリスが並んでるように思いますが)。フランスは近代に入って王室や貴族のパトロンの役割を国家が担おうと努め、映画にしろデジタルにしろ、アメリカ文明の流入に対抗するという至極わかりやすいテーゼでクリエイターを支援しています。

日本はお大尽さんがパトロンだったんですが、社長さんみんなサラリーマン化してて無駄金が世間に回らなくなりました。ベンチャーの創業者さんみんな大もうけしてタニマチになってください。

国の支援はできあがった表現領域を維持していくには有効でしょう。でもインターネットで新しい表現を開拓していくに当たり、支援がどこまで役立つのか、私にはまだどうにも確信がもてません。マンガやパンクロックの勃興期のように、格差や抑圧や閉塞の中で、餓死を覚悟しつつ表現せざるを得ない、その累々たる欲求が爆発させていく、その姿をまだ捨てきれないでおります。

大学出がもうかる仕事として就くハリウッド的な成立のさせかたと(ハリウッドも政策的に作り上げた環境だと私は思っております)、地下から火がついてくるアウトローの世界と、その両者が必要なのかもしれません。ジャブジャブに高速ネットが使える環境とか、作品が提示・流通できる環境とか、目利きを生む教育とか、国のお金はそういうところに使っていくということでしょうかね。

From: 櫻井 豊
.Subj: 【61】HDTV−−>CSとBSとの関連について
横やりで大変申し訳ありませんが,やはり地上局からCS/BSまで含めた既存テレビ局 vs IP放送局の構図が健全だと思います。

インターネットは常に既存の秩序に「経済戦争」という形で挑戦してきたわけですし,そこに醍醐味もありそうに思います。
もちろん,既存勢力から抜け駆け組が出てきてこそ,その経済戦争には拍車がかかり,いよいよもって面白くなろうかと思われます。
四の五の言っている前に,やっちまったもん勝ちの時代に,ある意味で議論は空転してしまわないでしょうか。
生意気言ってすみません。

【58】中村伊知哉
ここでBS/CS共用のIPデータ放送システムを作るべきというのは、今後もなお放送では(IPという)強制方式を設定し、枠をはめるのが効率的ということでしょうか。あるいは本来、そうした方式なども事業者に委ね、ビジネスとして判断させればよいが、BS/CSのような現在の仕組みでは一足飛びには困難だから、それならひとまずIPシステムにしておいた方がベターということでしょうか。つまり問題が「規制内容」にあるのか、「規制そのもの」にあるのか、どう考えるべきかと思いまして。

From: 佐藤 英丸
.Subj: 【62】HDTV−−>CSとBSとの関連について
桜井さんのご指摘に大賛成です。要は健全な競争だと思います。ただし、自分よがりではなく、常にユーザーである一般消費者が満足するサービスの提供が最重要なテーマとなると思います。

一般ユーザにとっては、「ハイテク」や「高技術」や「最先端技術」なんてものはどうでもいいもんで、要は「簡単」「楽しい」「便利」がポイントでしょう。
前者に走ってしまうと、ごく一部の「アーリーアダプター」と言われる人たちの間で終わってしまいます。 顧客の利益を考えての最高の一手が受け入れられれば、桜井さんの言うところの「やっちまったもん」勝ちになるような気がします。

昨年のこの会議では、いろいろなテーマが語られました。 特に、インターネット普及の鍵はISPへの接続料金や、また電話料金などが高すぎる、なんとかみんなで考えましょう、というのもホットな話題でした。 その効果もあったのか?、ISPは無制限料金を出しましたし、接続手段もADSLや無線、ケーブルモデムなどいろいろと出てきました。 また、NTTさんもISDN料金を定額制にしました。 ユーザにとっては、いろいろな選択枝が増えました。
今年は、3日の会議で、種々のテーマが議論されます。 本会議も3年目です、各テーマ別の今後の期待されるディレクションや将来に向かっての提案が出れば、来年はより充実した会議になると思います。

From: 櫻井 豊
.Subj: 【63】HDTV−−>CSとBSとの関連について
【62】佐藤英丸
ただし、自分よがりではなく、常にユーザーである一般消費者が満足するサービスの提供が最重要なテーマとなると思います。
一般ユーザにとっては、「ハイテク」や「高技術」や「最先端技術」なんてものはどうでもいいもんで、要は「簡単」「楽しい」「便利」がポイントでしょう。前者に走ってしまうと、ごく一部の「アーリーアダプター」と言われる人たちの間で終わってしまいます。
顧客の利益を考えての最高の一手が受け入れられれば、桜井さんの言うところの「やっちまったもん」勝ちになるような気がします。
同感です。が,必ずしも,そうした「一般ユーザー」相手だけが,これからのビジネスモデルでもなさそうです。

一般ユーザーという「マス」を相手に薄利多売するのも重要ですし,それと同じくらい,あるいは同等以上に注目されるかもしれないのが,「マージナルリッチ」(金持ち層の底辺)に対するビジネスかもしれません。

いきなり「一般ユーザー」を相手にするより,こっちを相手にビジネスを始めるのが効率よいという考え方もあろうかと思うのです。

From: 中野 潔
.Subj: 【64】home appliance
ユビキタス、モバイル家電を論じていた方々に。
ブルー・アイズの情報は、http://www.almaden.ibm.com/cs/blueeyes/でご覧頂けます。意図は、ユビキタス、モバイル家電、モバイル個電のところで話していていたことと、かなり近いので、論者の方のイマジネーションを刺激するに違いないと思いまして。

感想:
個人的には、しつこいようですが、テレビが、感情を持った存在のように対応してくれるよりは、ペットロボットが対応してくれる方が、安心するのですが。
それとも、車やオートバイを擬人的にいとおしむ人がいるのと同じように、感情を持っていそうなテレビとの付き合いかたも、思考/感情の習慣として、社会に根づいていくのででょうか。

From: 池田 信夫
.Subj: 【65】HDTV−−>CSとBSとの関連について
28日の電技審で、BS/CS共同受信の方式が決まり、アンテナもチューナーも共用できることになりました。となると、いったい何のために「放送衛星」を上げるのでしょうか?視聴者にとっては、BSとCSの違いはチャンネルの位置だけなのに、コストは10倍以上ちがうのです。また、わざわざインターネットと接続できない仕様にするビジネス上のメリットは何もありません。接続できる仕様でそれを使わないことは容易ですが、その逆は不可能です。

このように、インフラが共通化され、効率的になればなるほど、それを特定の業界に囲い込もうとすることは、経営的にも不合理になります。最終的には、IPによってすべてのメディアが統合され、こういう「垣根」はすべて無意味になるでしょう。この流れは、ほとんど重力の法則のようなものです:

重力の法則に逆らって空を飛ぼうとした数多くの古代人が命を落とした。飛行機が成功したのは、重力や揚力の法則を理解し、それを利用したからである。技術の流れに逆らって既存の地位を守ろうとするのは、翼に羽根をつけて崖から飛び降りた古代人と同じである。  ――C・クリステンセン『イノベーションのジレンマ』
インターネットに逆らわず、放送のインフラを広帯域インターネットに利用して携帯端末やデジタル・テレビやゲーム機を結べば、日本は再び世界のトップ・ランナーに躍り出ることができるでしょう。業界や官庁の方々が、インターネット革命の意味を理解し、それを利用して次世代に飛躍されることを期待します。

From: 池田 信夫
.Subj: 【66】HDTV
【25】中村伊知哉
まずは、国民の利益を最大化する方法は何か、放送はインターネットと完全結合されるべきか、という大前提の整理を要すると思います。秩序あるサービス充実か、混乱を伴う規制緩和か。以前も申しましたが、日本にとって重要な政治問題です。
誤解があるようですが、「混乱」や「倒産」が予想されるのは、今のままデジタル化を強行した場合です。これは、この「傍観者」氏や民放連も同じ意見です。デジタル化によって広告収入は増えないのに、設備投資は1兆円以上かかるからです。実際に予想されるのは、アメリカのように

デジタル放送を始める→だれも見ない→HDTV放送が縮小される→電波が遊休化する→インターネットへの帯域の「横流し」が始まる

という展開です。現実に、アメリカではすでに約30局が帯域貸しを始めており、間もなくNAB(全米放送連盟)が公然と「実験」を始める予定です。日本でも某キー局は、HDTV放送は最小限にとどめ、余った帯域をISPに貸すシステムを某家電メーカーと開発しているそうです。このまま計画を強行すると、日本でも電波の「地下経済」化が生じることは避けられません。

現在のデジタル化計画が無理であることは、郵政省も含めてだれもが認識しているのに、既得権を守るために新規参入への「垣根」を設けて、「護送船団」方式でデジタル化が進められる・・・その結末がどんな悲惨なことになるかは、われわれは金融で十分、経験したのではありませんか?

From: 小林 偉昭
.Subj: 【67】インターネットのサービス化も要注意
エンドシステム(テレビ、携帯電話、ゲーム機等)の議論も大切ですが、インターネットそのもののサービス化(コンテンツ、アプリケーションの)をもっと重要視していくのが、合わせて大切になってきていると認識しています。最近のASP、インターネットデータセンタが、大きく世の中を変え始めるのではないかと恐れています。なぜ恐れているかと言うと、日本が今のままでネットワークのアクセススピード、価格がなかなか変わらないと、結局この新しい動きは米国が先行してしまい、日本のクリエータが米国流出となるのではないでしょうか。今でもかなり米国が先行している。

アプリケーションがサービスとして利用できるとき、このサービスを最適に利用する為のエンドシステムが現われてくるのではないかと思います。実際はエンドシステムとインターネットのネットサービスが一体となって進展するのではないかと思っています。

日本のインターネットの高速化(バックボーン、アクセス)は、光ファイバを家庭まで引っ張ろうとしている電力会社が先導する可能性、期待を持っているのではないかと思い始めています。100Mbpsが月、定額5000円くらいで常時接続利用できるようになると、その高速インターネット環境で新しいアプリケーションと利用する為のエンドシステムが創出されてくるのではないでしょうか。
(当然企業は1Gbpsでも10Gbpsでも米国並みか、米国以下で利用できるようにできると思っています。)

米国からデジタルデバイドと日本がグループ(国レベル)でならない様に、何が必要で、何をしていかなければならないか国民的コンセンサスが大切と思います。何年かやってきていますが・・・・

1)高速、定額・低額、常時接続は、光とIPで実現していきたい。ワイアレスIPはモーバイル環境としての補完の位置づけとしてシームレス性を確保したい。
2)家庭へのアクセス速度の高速化を先行させたい。低価格で。これが出来れば企業もメリット享受可能。
3)新しいアプリケーションにとって必要なインフラとして、セキュリティ、認証(PKI)を整備したい。
4)このような環境(1,2,3)の上で、インターネットのサービス化(ASPやインターネットデータセンタの活用で)も推進したい。中小企業やベンチャがASPとしてっサービス事業をスピーディに立ち上げることが出来る、利用しやすい環境整備も国レベルで推進してもいいのではないかと思う。

From: 関口 和一
.Subj: 【68】コーディネーター 〜 閉会 
オンライン会議の皆様、

一カ月間、オンライン会議にご参加いただきありがとうございました。ようやく本日、本会議を迎えることになりました。従ってオンライン会議の方もこれをもって、閉会とさせていただきます。

皆さん、本当にありがとうございました。

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