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「デジタルホーム時代のセキュリティーをどう守るか」をテーマに討論するパネリストら=15日、東京・有楽町 |
情報通信分野の将来像を世界のビジネスリーダーらが展望する「世界情報通信サミット2005」(主催・日本経済新聞社)は2日目となる15日午前、緊急セッションとして「デジタルホーム時代のセキュリティーをどう守るか」をテーマに討議した。
司会は富士通の加藤幹之経営執行役法務・知的財産権本部長兼安全保障輸出管理本部長。加藤氏は「ネット上で『フィッシング』を検索すると魚釣りでなく、犯罪の方がまず引っ掛かる。安全の問題は緊急性があり、十分に気をつけなくてはデジタルホームもうまく定着しない」と問題を提起した。
ビザ・インターナショナルのトーマス・マネシス新規事業部門責任者は、「オンライン決済の対象商品がコンテンツ(情報の中身)などに急速に広がってきている。安全性が簡便性とともに、ますます重要になっている」と話した。
マネシス氏は、社内外での情報管理の徹底、カード保有者に対する啓蒙(けいもう)活動、ICカードなど安全技術の導入でカード犯罪を防止するための同社の対策を紹介したうえで、「不正取引の比率は世界的に下がっている。日本でも減少している」との認識を示した。また、「不正取引より前に対策を練ることが重要」と述べた。
日本セキュリティ・マネジメント学会(JSSM)常任理事を務める内田勝也・情報セキュリティ大学院大学助教授は、「電子商取引の普及で、1000円を1万人から詐取するようなことが、犯罪者にとって可能になり、コストに見合うようになっている」と現状を指摘。一方で「現実社会と仮想空間の犯罪とを区別しすぎない方が良い。多くの犯罪は現実社会の模倣だ」とも述べた。
内田氏は「個人情報は自分で守るしかないが、限界もある。(犯罪を防ぐ)しくみが必要」と強調した。磁気ストライプの銀行キャッシュカードを例にあげ、日本における安全技術の遅れを指摘した。さらに、振り込め詐欺などカード犯罪が急速に問題視されている現状については、過去にも同様の犯罪があったことを紹介し、「国、金融庁、銀行などもっと早めに何かの対応があっても良かった」と注文を付けた。
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