鶴田卓彦
日本経済新聞社 代表取締役社長
本日は、世界情報通信サミット2001に多数のご参加をいただき、まことにありがとうございます。
いま、世界がインターネットの普及を背景にしたIT革命という、人類の歴史の中でも200年前の産業革命に匹敵する大変革の時代に差し掛かっていることは、世界の経営者、学者、政治家の共通認識であります。
確かに、この1年、日米で「ネットバブルの崩壊」と言われるように、先端的なネット・ベンチャー企業の業績が悪化したり、ネット株が急落するということもありました。しかし、これは「期待のしすぎ」の修正だと理解しています。
日本でも、昨年はIT戦略会議で活発な議論があり、IT基本法が成立しました。この議論の過程で、5年以内にリアルタイムで映像が取りこめる超高速インターネットを1000万世帯、高速インターネットを3000万世帯に実現するという具体的な目標が挙げられました。
いまや企業が経営の効率を上げ、お客様への低コストで行き届いたサービスを届けるのにインターネットは必須の道具です。生活の場でも、様々な情報にアクセスしたり、不要品を交換したり、バーチャルなコミュニティーを作るのに活用されています。
携帯電話からインターネットに接続するサービスが、日本で2000万人にも利用されていることや、衛星デジタル放送の視聴者が急増していることを考えますと、数年前は夢物語だった、「いつでも」「どこからでも」「誰にでも」インターネットが使える時代が始まりつつあります。こういう形態を欧米では「ユビキタス」と呼んで、次世代の情報環境のキーワードになっています。
今回のサミットは、このような時代を、技術的にどう完成させ、ビジネスとしてはどう活用するのか、政府や行政はどう誘導していくのかを、三つのパネル討論で議論します。この討論には、米国だけでなく、カナダ、韓国、スウェーデン、アイルランドなどからも講師をお呼びし、各国、各企業の創意ある取り組みが、私たちに大変参考になると考えております。
基調講演は、クリントン政権下で、情報通信政策の舵取りをされていたケナード元FCC(米連邦通信委員会)委員長、日立製作所の庄山悦彦社長、世界最大のネット・オークション会社、米イーベイのメグ・ウィットマン社長のお三方にお願い致しましたところ、快く引き受けていただきました。それぞれの立場で、貴重な経験やご意見をご披露いただけることを楽しみにしております。
このサミットの名物は、本会議の前に電子メールを使って行われるネット会議です。今回は内外の専門家約160人が、2月1日から、海を越え、時差を越えて議論してきました。この討論の結果は、新聞やインターネットでご紹介しておりますが、今日と明日のパネル討論に反映することになっています。
日本経済新聞社は、本日と明日の会議の内容、ネット会議の内容を新聞紙面や、日本最大のニュースサイトである「日経ネット」のホームページ、日経CNBCのテレビ放送を通じて報道してまいります。また、日経デジタルコア設立事務局が、年間活動として、有識者の方々、協賛企業の方々と、提起された問題についてより深く研究し、議論し、インターネットで情報発信していくことにしております。
最後になりますが、本サミットにご後援をいただきましたGIIC(世界情報通信基盤委員会フォーラム)をはじめ、デジタルコアGISフォーラムに参加、ご支援いただいている企業の皆様、ご協力いただきました関係各位に改めて厚く御礼を申し上げまして、開会のご挨拶と致します。
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