加藤幹之氏
富士通ワシントン事務所長
英語会議を司会して
「大変だったが面白かった」というのが、英語のネット会議の司会役を務めた感想だ。
参加者は多岐にわたり、議論も技術的な問題から社会学的な話まで広がった。ユビキタスの概念も様々であったが、ユビキタス・ネットワークが人類の目指す道という点では合意を見た。皆が未来社会に向かって驀進(ばくしん)しているのが良く分かった。
議論に参加していて1番感じたことは、文化的、社会的違いから議論がかみ合わなくなる恐れがあることだ。日本では、例えば、政府の役割を議論する場合「やはり最後の調整は政府が」というのが多くの者の発想だ。しかし、米国では政府の介在についてずっと冷ややかであり、時には不信感がある。
IT(情報技術)の政策の問題は、欧米では総論から専門的な各論の時代に移ってきている。既に進行するIT革命から現実に発生する問題を議論しているからだ。それに比べると、日本はまだ入り口の議論が中心に見える。
お互いを知るという意味で、こうしたネット会議の意義は非常に大きい。欧米ではネット上で専門家が議論する場がいくつか見られるが、残念ながら日本人が参加するものは少ない。
今回の会議でも日本の参加者の発言が少なかったのは残念であった。我々は言葉や文化の壁を超えて、もっと情報を発信すべきだ。日本の事情を説明し、制度論を主張してこそ、日本に取ってもより受け入れやすいITの国際環境が築かれる訳だ。
このGISのネット会議が1年に1カ月の期間限定ではなく、恒久的な議論の場となること、いろいろな分科会で専門的な意見交換ができること、日本からの参加者が激増することを願ってやまない。
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